ヒムロ

ロジャー・ラビットのヒムロのレビュー・感想・評価

ロジャー・ラビット(1988年製作の映画)
4.6
トゥーンアニメが生きて動き回り人間と共存する世界。
トゥーンタウンの隣街ハリウッドで私立探偵をしているエディは厄介な事件に巻き込まれる。
アニメ会社の社長マルーンの依頼でアニメ映画スターのロジャー・ラビットの妻、ジェシカがおもちゃ会社社長のアクメと密会している所を写真に収めた次の日、アクメが何者かに殺されてしまう。
アクメ殺しの疑いをかけられたロジャーに泣きつかれたエディはかつてアニメに殺された弟と同じ殺され方をしているこの事件、アクメ殺害の真犯人を探す事にする。


ディズニーランドにあって乗ったこともあるけど古すぎて全く原作を知らない、そんな僕みたいな人が沢山いるであろう本作。
見て見たらやばいぐらい名作だった。

開始数分でアニメと人間が同時に画面に映っていてどう撮っているのが全く意味が分からない。
もっと誤魔化して撮っているものかと思っていたのだがあまりにも同じ世界に生きている感じが自然に表現されていて凄すぎる。
ある程度動きを決めて実写を撮ってその上からアニメを描いているらしいのだが、それにしたってアニメキャラが現実のものを動かしたり壊す表現が自然すぎる。
理屈は分かってもこんなに自然に表現するのは無理だろと思えるぐらいには凄い。
CGなしだからこその凄みがある。

ストーリーはディズニーらしい王道系にかなりコミカルな要素を混ぜたストーリーだが、かなり細かく伏線が張られていたりエディが段々とアニメ達に心を許す感じがいい塩梅で表現されている。
昨今の映画のようにテーマが説教臭くうるさいぐらいに強調されず、中盤ぐらいにさらっと笑いの持つパワーの話が出てくるところが粋で良い。
個人的にも作者の主張はこれぐらいさらっと中盤で入れるのが好み。

ディズニーだけでなくワーナー作品を始め様々なアニメキャラがカメオ出演している本作。
権利関係がごちゃごちゃする今では続編はかなり厳しそうだが、多様性の時代の今にこそ響く内容でもあった。
CGなしで続編がいつか作られることに期待したい。
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