お雪を演じる山本富士子が本当に健気でいじらしい。芥川比呂志が来ていることを靴で知り、嬉しそうに2階へと上がっていき、柔らかな蚊帳を広げてやるシーンはBGMも相まってお雪の喜びがよく表れていた。「もう…
>>続きを読む虚構だとわかっていながらも、自分を騙し、否、騙されていると「思い込み」映画の構成、脚本、演出に呑まれていく、そんな感覚を味わいたいと思ったことは誰しもあるだろう。それは娯楽として映画を見るのだから…
>>続きを読む隅田川を渡り、異界・玉の井に迷い込む導入部が巧み。私娼街建築の再現に力を入れている。
澱みに浮かぶうたかたのように、ありふれていて呆気ない女の物語。お富士さんの白いスネが眩しい。月給取りとその日暮ら…
財閥の小間使いだった三千代は非嫡子を妊娠。その家の書生だった比呂志は子供ごと引き取って結婚するも毎月の財閥からの仕送りに比呂志は世を拗ね三千代はお題目に入れ揚げ結婚生活は破綻していた。激しい雷雨の夜…
>>続きを読む日本文学の罪の塊のような話!
そして全てのカットが完成されており美しく無限の感動がある…
1カットでここまでできるのかという凄み
すこしカメラが寄って役者の立ち位置を移動してレイアウトが変わって芝居…
「こうしてると所帯をもったみたいね」と呟いた自分の言葉に涙がこぼれそうになって、慌てて台所にトマトを洗いにいく山本富士子。なんていじらしくて切なくて孤独なんだろう。
最後のシーン、玉ノ井の暗闇の中で…