ヒムロ

デッドプールのヒムロのレビュー・感想・評価

デッドプール(2016年製作の映画)
4.4
ウェイド・ウィルソンは悪党だった。
元特殊隊員の経歴を生かし、金で依頼を受けて悪党を裁くトラブルシューター、自称悪党。
しかしヴァネッサとの運命的な出会いによって、真人間へと戻っていき、婚約…したのも束の間、ウェイドの体にはもう助からないレベルの末期癌がある事が発覚。
そんなウェイドに謎の組織が治療の話を持ちかけてくる。
ウェポンXプログラムによってミュータント細胞が活性化したウェイドはスーパーヒーローの力を手に入れ癌を克服するも、代償として全身の皮膚がが焼け爛れたようになってしまった。
復讐のため、そして皮膚を治させてヴァネッサに再び会うため、ウェイドはスーツを見にまといデッドプールになるのだった。


既にフィルマークスを始める前に2回ぐらい見ているがMUCに合流するとのことで再視聴。
何度見ても面白い傑作。

デッドプールになった経緯を描く分、戦闘シーンは少なめ。
観客を惹きつける為に最初に戦闘シーンを持って来てから回想を間に挟むのだが、その回数が多すぎてむしろ見にくい。
見ていて退屈なシーンは多いが、そんな場面でもデップーの語りが楽しいのは他の映画にはない魅力。
第4の壁を認識する能力について全く説明がないのは謎。
きちんと説明して、もっと盛り盛りに出しても良かったんじゃないかと思う。

スーパーヒーロー物として、ウェイド自身は善人寄りではあるものの、全くもってヒーローとしては見れない人柄なのが面白い。
しかし、完全に善人のコロッサスなどと比較してみるとムカつくやつは殺すという考えはどちらかと言えば我々視聴者や一般人に近い気もする。
あんな無茶苦茶なことされても許すのがヒーローだと言うならヒーローの資格がある人間はそういないだろう。
世界を救うわけでもなく、自分と自分の周りのためだけに戦う。
実に共感できるキャラクターだ。

ストーリーは勧善懲悪から勧善を抜いたような感じ。
ただエイジャックスはかなりのゲスなのでデップーの虐殺を素直に応援して見れるのも良い。
ピンチらしいピンチがほとんどなく、デップーが負ける気がしないのは映画として良いのかは分からないが、僕は好み。
というか前半人間だった頃に散々負けてるのでラストはもっと痛快に勝ってもよかった。

エンドクレジットの後に出て来たデッドプールが「サミュエルLジャクソンが黒コートにアイパッチつけて出てきたりしない」と語るシーンは最高。
MCUの恒例ネタをイジったジョークだが、まさかデッドプール3がMCUになるとは。
ウェイドがフューリーに会うのが今から楽しみだ。

ただディズニー制作になってこのグロさや乱暴な言葉遣いが正されないことだけは本当に気をつけてほしい所。
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