ダイアン

ALONE アローンのダイアンのレビュー・感想・評価

ALONE アローン(2016年製作の映画)
1.5
中盤から終盤に向かう幻覚と過去が入り混じる演出が面白い。ぶっ飛んでんなぁーと思いつつ、むしろリアリティだ。今際の際に人が見る走馬灯のように記憶が入り乱れる。スポーツ選手でもゾーンに入るとあらゆる事象がゆっくり動くように見えるとか。極限状態に人は何を見るのか、を映像化しようとしたのでは。

「メッセージ」でも感じた、記憶と現在が錯綜するような見せ方が好きだ。過去や記憶はそれがひとつの塊として在るのではなく、フラッシュバックであり、同時性がある。僕らは今を生きているようで本当は行ったり来たりしている。そんな捉え方がむしろ素直だし、映像技術がそれを後押ししている。

脚本が都合よすぎるし、ユーモアがあるのかないのかよくわからないし、戦争で商売してるなぁと少しため息がでたり、ツッコミどころはある。
でも人はこの瞬間の選択を生きながら、同時に過去の選択を生きている。その選択を見つめることでしか、いまの選択はない。後ろに下がり続けてしまった脆く失われた時間の先にしか、前に進む一歩はない。
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