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ケイコ 目を澄ませてのダイアンのレビュー・感想・評価

ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)
3.0
オープニングになんの意味があるのかといえば、最小限の説明で最大限まで映画の世界に観客を引き込むこと。「ケイコ」の冒頭5分は素晴らしかった。リズムを奏でるようなミット打ち。淡々と、小さな世界にも見える街の隅で、名もなき難聴のボクサーが人生を紡いでいた。手触りのある、匂いのある、知らないようでなぜか知っている人。
音楽を使わず、人生を街の風景のように撮るスタイル。引いたカットが活きてるから、汗の生々しさや体の動きも活きてくる。
抑制的だったが、もう少し物語を動かしてもよかったのでは。原作を読んでないし、さまざま制約があったように想像するが、設定への興味をどう超えていけるか、少し足りなかった。ジムを閉じるまでのストロークが長く感じたのは、ドライブを入れるタイミングがもっと前に必要だったからかも。
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