ヒムロ

アミューズメント・パークのヒムロのレビュー・感想・評価

アミューズメント・パーク(1973年製作の映画)
3.5
白い部屋に白い紳士服の老人が二人。
一人は傷だらけで項垂れて、外の世界の危険を訴えている。
もう一人はその言葉を聞いても尚、外への希望を持ってドアを開け出て行く。
ドアの先は遊園地。
とても幸せそうなアミューズメントパークだった。


ゾンビで有名なロメロ監督が教会の依頼で老人虐待などをテーマに作ったものの、刺激的な内容にお蔵入りになったという一作。
確かに陰鬱としていて嫌な気持ちになった

始まった時点からオチが読めるのである意味では意外性がないのだが、その嫌な予想が案の定当たっていくという最悪の視聴体験が待っている。
予想を裏切らないことがこんなに意味を成すとは。

年齢差別や老人虐待をテーマにしているのでかなり誇張というか、刺激的な描き方ではあるのだが、どうしても日本人的な感性で言うと社会が厳しすぎるようには感じられた。

とはいえ昨今は老人ホームでの殺人や老々介護が問題になっているので他人事ではない。
「いつかあなたもこうなる。」というメッセージの攻撃力はこれを撮った時代より強くなっている気もした。
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