傘籤さんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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SHERLOCK/シャーロック 忌まわしき花嫁(2016年製作の映画)

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舞台を1985年に、つまり正典である『シャーロック・ホームズ』の時代に移したドラマ版の”エピソード10”。あくまでドラマシリーズに連なるエピソードとしているのは少々変わった構成にある。

本作は201
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

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下敷きとして『フランケンシュタイン』を参考に製作された本作は、ふんだんに性描写を盛り込んでいる。が、そこに必要以上のエロティシズムは付与されておらず、あっけらかんとした「熱烈ジャンプ」のシーンは、どこ>>続きを読む

カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

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合唱コンクールの帰りにヤクザに目を付けられ、一緒にカラオケに行くこととなった中学3年生の聡実と、組長に変な墨を入れられたくなくて必死に歌を練習する男、狂児。おかしな出会いを果たし、おかしな関係性を維持>>続きを読む

アクアマン/失われた王国(2023年製作の映画)

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タイトルから期待するとおり、海の中をめっちゃ泳ぎまわります。戦いも海の中が中心となりますし、登場するキャラクターも海にまつわるものが多い。なので美しい海の中でファンタジー要素を入れつつ豪快にドンパチす>>続きを読む

ブルービートル(2023年製作の映画)

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大学を卒業し、メキシコの実家に帰ってきたハイメくん。しかし、移民である彼らはろくな仕事に就くことが出来ず、家賃滞納で家から追い出されてしまう。路頭に迷うことになりそうな中ハイメくんは大企業の令嬢ジェニ>>続きを読む

枯れ葉(2023年製作の映画)

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フィンランドを舞台とした本作は、理不尽な理由で職を失ったアンサと、酒に溺れ転職を繰り返すホラッパの出会い、二人が愛を育んでいく過程をゆっくりと、やさしく、愛情を持って描いた作品だ。
惹かれ合い、すれ違
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マッチスティック・メン(2003年製作の映画)

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リドスコ映画史上もっとも気軽に見れる作品、その名も『マッチスティック・メン』。
詐欺師を生業とするおとーちゃん(ニコラス・ケイジ)と、その相棒フランク(サム・ロックウェル)、そして娘のアンジェラ(アリ
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(2001年製作の映画)

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駄作扱いされてますがそれほど悪くなかったです。
「穴」に閉じ込められた4人の男女による密室劇。全体的に演出がしつこいというか、かったるいというか遅延しちゃってるので登場人物たちにわずらわしさを覚える部
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あなたが寝てる間に…(1995年製作の映画)

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クリスマスにぴったりの上手くいきすぎなくらい上手くいくハッピーな恋愛映画。あんまり観ないタイプの作品だけど普通に面白かったー。
まあでも意地悪なこというとさ、これって主役のルーシー演じるサンドラ・ブロ
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エド・ウッド(1994年製作の映画)

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映画が人の心に残すものについて、楽しく、コミカルに、時に物悲しく描いた作品。
監督のティム・バートンが敬愛するエド・ウッドという男は「アメリカで最低の映画監督」と言われている人物で、本作は彼の伝記映画
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(1960年製作の映画)

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観たかった作品が観れなかったので代わりに鑑賞した『穴』という作品。1960年にフランスで作成された本作は、パリで起きた実話をもとにした脱獄映画です。
えっ、っていうか面白いじゃんこれ!BGMを使わず、
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

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おだやかな映画だ。日々繰り返す何気ない日常、古いフィルムを彷彿とするフレームの狭さ、ドラマチックなことは起こらず、それを良しとする平山の人物像。無口な平山が発する台詞は極端に少なく、それもこの映画のお>>続きを読む

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

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黒澤明が晩年に『夢』を製作したのと同様に、この作品もまた監督の心象風景や、言葉に置き換えることが出来ないイマジネーションをアニメという形に置き換えた作品なのだろう。そのためかつての作品、例えば『風の谷>>続きを読む

VORTEX ヴォルテックス(2021年製作の映画)

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この映画ではわかりやすくすべての状況を説明はしてくれない。映画は始まった時点ですでに彼らの「老い」を(ちょっと露悪的に感じるほど)執拗に捉えており、息子を入れた「会話」を通して、彼らのおかれた状況がな>>続きを読む

大誘拐 RAINBOW KIDS(1991年製作の映画)

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おばあちゃん無双な映画。岡本喜八によるサスペンス風コメディであり、北林谷栄演ずる82歳のおばあちゃんが国まで巻き込んで大暴れします。コメディなので当然っちゃ当然なんですが、全体に常にゆるい笑いの雰囲気>>続きを読む

アダムス・ファミリー2(1993年製作の映画)

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前作よりもコメディテイスト強めになり、キャラクターのはっちゃけ度も大幅にアップ。ウエンズデーはこの時点ですでに準主役級のポジションに置かれていて人気の高さが伺えます。全体的にセリフも体を張ったジョーク>>続きを読む

市子(2023年製作の映画)

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『市民ケーン』や『砂の器』と同じタイプの映画で、時系列をいじり、その時々で彼女と関わった人たちの言葉を集め、市子という人物の人生を紐解いていく。
これは、どこにも”いない”人の話であり、なぜそのように
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アダムス・ファミリー(1991年製作の映画)

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ドラマ『ウエンズデー』が面白かったので鑑賞。ホラーコメディとして作られた本作は、シックな衣装や建物のデザインが特徴で、現実とファンタジーの境目をセンス良く魅せてくれます。最近観た『ウォンカとチョコレー>>続きを読む

ウォンカとチョコレート工場のはじまり(2023年製作の映画)

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この映画は「移民」の物語として、あるいは「ベンチャー企業」のお話として見ることもできるでしょう。ウォンカが文字を読めないというのは、移民以外にも、「教育」の格差が貧富の差につながっていることを表してい>>続きを読む

チャーリーとチョコレート工場(2005年製作の映画)

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新作『ウォンカとチョコレート工場の始まり』に向けて再鑑賞。ポップでファンタジックな世界観の中、寓話的な物語が楽しい作品です。とはいえいま見ると登場人物のキャラクター性やポジションがあまりに画一的で、選>>続きを読む

「進撃の巨人」〜クロニクル〜(2020年製作の映画)

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ファイナルシーズン放映にあたって、テレビシリーズシーズン1からシーズン3までの物語を2時間ドラマとしてまとめたもの。さすがに場面によってモノローグの再録とかはしてますがダイジェストすぎて物語を味わうと>>続きを読む

劇場版 進撃の巨人 Season2 覚醒の咆哮(2018年製作の映画)

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明らかに尺が足りていないため、必要なカットや台詞が不足しています。そのため感動的な場面やカタルシスのある場面でそれを感じることができず忙しないまま話が進んでいった印象。まあテレビ版の総集編に過度な期待>>続きを読む

劇場版 進撃の巨人 後編 自由の翼(2015年製作の映画)

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シーズン1を再編集した映画の第2弾。2時間の映画とするにあたって構成が変えられてるため人間ドラマの掘り下げで言えばテレビ版の方に軍配が上がります。そういえばハンジって性別判明したんだっけ?

劇場版 進撃の巨人 前編 紅蓮の弓矢(2014年製作の映画)

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シーズン1の再編集版。なのでテレビシリーズを見ていた人は特に鑑賞の必要は無いです。逆にサクッとシーズン1の話を把握したい人にはこちらの方がテンポも良いのでおすすめ。すべて世は事も無し。

Pearl パール(2022年製作の映画)

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「何が彼女を作り上げたか」というお話。近年だと『ジョーカー』なんかと似たタイプの映画と言えるでしょう。前作から時代はさかのぼって約60年ほど前、第1次世界大戦とスペイン風が流行していた頃のこと。つまり>>続きを読む

X エックス(2022年製作の映画)

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A24初の三部作ということで今年公開された『パール』が話題になっていましたが、こちらはその第一弾。内容は古き良きスプラッタムービーを丁寧になぞっていて、ほぼ『悪魔のいけにえ』そのもの。特徴的なのは殺人>>続きを読む

MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない(2022年製作の映画)

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「ループもの」というのは日本のみならず海外でも人気のジャンルで、いまやわざわざ「SFのサブジャンルのひとつで~」なんて説明する必要がないくらい浸透している。本作においてもその構造はタイトルでだいたいす>>続きを読む

理想郷(2022年製作の映画)

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では、彼女は最後に何を思ったのだろう。

教室の中で、あるいは職場で、または家族の間で意識の違いによって生じる会話の"ズレ"に重きを置いた映画だったと思う。
都会から田舎に越してきたフランス人の夫婦に
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ザ・キラー(2023年製作の映画)

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今年は『ジョン・ウィック』をはじめ『イコライザー』や『ベイビーわるきゅーれ』など殺し屋映画をたくさん観ている気がしていて、個人的にも世間的にも流行の兆しがあるようですが、ここに来てフィンチャーもまた殺>>続きを読む

正欲(2023年製作の映画)

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なにが「普通」で、なにが「普通ではない」のか。
ダイバーシティだとか多様性だとかマイノリティへの理解だとか耳障りの良い、良すぎるがあまり思考停止ぎみに使う人の多い言葉。しかし、当然すべての人の、すべて
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宇宙探索編集部(2021年製作の映画)

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中国のSF作品と言えば『三体』が流行して以降、日本に輸入されるものも増え、その質の高さには驚かされてばかりでしたし、映像面でも『流転の地球』など潤沢な予算を注ぎ込んだ大作が登場していましたが、こういう>>続きを読む

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

こりゃあ今年観た中でワースト作品ですかね。
実写版のゴジラは映画館で観ることに決めているので期待せずに観にいきましたが、やはりというかしんどいくらい「情けない」映画でした。題材は良いんですよ、戦後間も
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カフカの「城」(1997年製作の映画)

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TSUTAYAではレンタルしてないし、サブスクでの配信もなし、プレミア価格の為DVDを買うのは躊躇する状態……だったのですが、相互さんからのアドバイスで図書館を探してみたら普通に置いてました。ラッキー>>続きを読む

SISU/シス 不死身の男(2022年製作の映画)

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なんてエクストリームな暴力。彼がツルハシを手にしたが最後すべては可能となるのです。
『トルネコの大冒険 不思議のダンジョン2』をやったことがある方ならご存じでしょう。ツルハシという武器がどれだけ便利で
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ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語(2023年製作の映画)

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ウェス・アンダーソンによる茶目っ気たっぷりの短編映画集。相変わらずの台詞量で、登場人物たちがこちらに目線を向けて大いにしゃべります。カラフルであたたかい色使いの舞台設計に、画角の中に綺麗に収まったシン>>続きを読む

バレリーナ(2023年製作の映画)

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Netflix配信作品。舞台は韓国、元ボディーガードの女性が親友の敵を討ち、売春によって搾取される少女を守るためにバイオレンスな戦いを繰り広げるアクション映画。えー、あれですね、アクションと映像が突出>>続きを読む