アニメーションの動きやイラスト自体は丁寧で好感が持てるもの。話も、クライマックスを除けば頑張って原作を追おうとはしていたと思う。
ただ、個人的にはゲソックの森などのノリとメルヘンチックなファンタジーのノリが融合した絶妙な雰囲気が好きだったのだが、昔のゲーム文化を懐かしむ方に大きく舵を切っており、十分に表現しきれていないと感じた。省略された細かなシーンに、大切なエッセンスがあったと思います。
あと、原作の古典的な性表現が誇張されすぎていたのがつまらなかった。コンセプトや放送時間は昔のゲーム文化を懐かしむ成人に向けて作られているのだけど、絵やテンポは今の保護者や子どもが見そうな雰囲気に作られていて、ちぐはぐ。ニケの生々しい性欲や、ククリの「お色気シーン」を誇張するなら、子どもが手に取りにくいように、絵はもうすこし古めかしく、原作序盤に寄せてくれたらよかったのでは。
原作はかわいいククリに代表される「女の子らしさ」の協調が、グルグル使いの属性としての「子ども」のフィールドに包まれてもうすこしマイルドだったのだけど、このアニメだとニケの生々しさ（声優さんの達者な演技・熱演もあってよりきつく感じたのかもしれない、これは声優さんの演技力を褒めてもいますが……）によってやたら強調されることになったり、アニメオリジナル部分で強調されて嫌な感じ。成人向けと子ども向けの中途半端さから生じているように思う。
エロく作りたいのなら、ハナから懐古趣味の大人向けに作ってくれていたらなあ。原作の思い出補正含めた面白さはともかく、そういった齟齬がつまらないアニメです。
