映画ケーン

ダーリン・イン・ザ・フランキスの映画ケーンのレビュー・感想・評価

3.0


劣化版『エヴァ』



『エヴァ』は「セカイ系」で感情を全部台詞で言って、人間ドラマは然程厚みが無い。でも、構図の面白さだとか、生物のキモさみたいのを描いてて、それだけで超面白い作品だった。
でも、今作は何も無いんだよね…

『あの花』でもキャラデザやってた田中将賀のキャラが無ければ観続けてなかった。それだけ周りが酷いのもあるし、それだけ田中将賀のキャラが魅力的とも言える。

ただただゼロツーが可愛い😍
角が生えてて「ダーリン」って言うって、これ『うる星やつら』なのかw

なぜ1人で操縦しとうとすると痛みが走るのかとか良く分かんない。
SF的なリアリティ、説得力が無い。メカデザインも。

個人的な欲望かもしれないけど、生きる意味を見失っていた主人公がロボットに乗って戦う事で生きる意味を見つける、って話。ゼロツーと乗ったら体が蝕まれて行くから、それで主人公がどんどん人間性を失って行く、って話が見たかった。塚本晋也の『鉄男』『野火』的な。生きる意味を見つけて行くんだけど、どんどん人間じゃなくなって行く…って話。

13話に回想があるんだけど、こういうのは後出し感あるしやめて欲しい。

上下に黒い帯を入れてアスペクト比を変える(画面を横長にする)演出良く分かんない。「こういうのそれっぽくてエモいでしょ?」って感じにしか見えないし。

まじで全部言葉にする演出やめて。台詞やらテロップが無ければ泣いただろうシーンも台無しになってる。
そして全部が全部安っぽい。終盤はそれが増えていく。「く、ここまでか…」ってセリフまで出て来るしまつ。

最終的な敵が実体を持たない思念体なのに戦い方が物理的なのがアホっぽい。
しかも思念体になる事こそ人類が次のステップへ進むって事じゃないの?って思う『2001年』はまさしくそういう話だし。
こころが「パラサイトじゃない私にはもう何も出来ない。せめてこれだけでもさせて!」って言うのとか、思念体になれば悩み消えるよ?w
まぁ、アホっぽさも可愛く見えて来るんだけどね。真・アパスはもう笑っちゃうんだけど、こんなの真面目にやってるのが可愛いw

原発批判的なのも見えなくも無いんだけど、結局宗教アニメなんだよね。
だからやっぱり、『2001年』みたいに、ニーチェ的に信仰を捨て、スターチャイルドになるべきなんだよ!w
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