よふかし

デカダンスのよふかしのネタバレレビュー・内容・結末

デカダンス(2020年製作のアニメ)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

世界観がクソ難&ネタバレ案件なので、人に勧めにくいんやけど、めっちゃ面白かったー!!!!!からっとしたハッピーエンド!良い余韻!
かなりオススメ!!感想めっちゃ長いから読まんでエエ!12話で短いからとりま見てくれたら!!アクションシーンが綺麗です

第1話は、人間の少女ナツメ目線で物語がすすむんよね。
ここではナツメのような一般人をタンカーと呼び、ガドルという敵と戦う戦闘員をギアと呼ぶ。ギアの素質は生まれ持ってのもので、ごく一部を除いてタンカーは一生をデカダンス──世界中に蔓延するガドルから身を守るための最後の要塞──の中で暮らすことになる。ナツメはそのごく一部、希少なタンカーの戦闘員になりたかったんやけど、入隊拒否され、デカダンスの掃除員の仕事に回された先でカブラギという男に出会う。
で、ここまではよくある箱庭系ファンタジーやなって感じ。私も進撃の巨人に似てるな〜って思ってて、でもそれが覆されたのが2話よ。😳⁉️

そう、2話で突然、デカダンスが娯楽施設だってことが判明したんです。〝絶滅危惧種の人間と触れ合ったり、ガドルを倒したりできる〟娯楽施設の名前が、デカダンス。ギアはそこにログインするサイボーグの名称で、タンカーは人間の総称。人間の存続が危ういのも箱庭なのも前話の印象と大差ないけど、ガドルの位置付けがもう全然違った!ギアが楽しく戦うために生み出された敵やったのね〜 ハァ〜びっくり😳😳😳
サイボーグ!?!?!!!ってなったと思うけど、私もなったから安心してほしい。笑
急に出てきたサイボーグ、元は人間やったらしいけど長い年月を経て全身機械の別物になってるらしい……難しい…………

まあとにかく、ナツメとカブラギ。少女とおじさん。人間とサイボーグ。諦めない者と諦めた者。そんな二人の関わりが主軸になります。
こういう凹凸バディものは刺さる人には刺さると思うんやけど、デカダンスはもうひと味加えてて、それが「管理される者と管理する者」ってところ。
つまり、何を隠そうカブラギはギアなので、「デカダンスの真実を知る」側の存在。でもナツメは違う。デカダンスで生まれ、自分が管理されているなんて夢にも思わない。世界の見え方が明確に違うんよね。
だから、出会ったからといって何か起こるはずもなかったのに、カブラギはナツメの特異性と真っ直ぐさに可能性を見い出した。そして、システムの決定に逆らい、全部ぶっ壊すことに決める。ナツメを守るために。エモい!
ボーイ・ミーツ・ガールならぬ、マン・ミーツ・ガール的なね!??!語呂が悪いけど笑

「あたし、決めたんです。ギリッギリの限界まで、足掻いてやるって!」
主人公ナツメは天涯孤独で、真っ直ぐで明るくて、ちょっとやそっとじゃへこたれない超光属性。それだけでもステキやったけど、戦闘員になりたい理由が「自分に自信を持ちたかった」って自覚したところが、もうね〜ッ等身大でよかった!自分じゃない誰かや世界のために立ち上がるのはヒーローのすることなので、ナツメの目的がそんな高尚なものじゃなくてホントによかった!

んで、二人の関係は唯一無二でよかったんやけど、私はミナトもすっごいすっごい好きやった。ミナトはデカダンスの司令官で爽やかエリートって感じなんやけど、そんなエリートがシステム違反してまで大切に思っているのがカブラギ。理由は語られへんかったけど、そのクソデカ感情が最高やった…………!!
でもカブラギのクソデカ感情は全部ナツメに向かってて、ミナトは全然思うようにならなくていつも悔しそうにしてた。救いたいのにカブラギは救われてくれない。そうして死地に向かう友を最後に止めようとした時、
「最後まで、一緒に戦ってくれないか」
って言われるんよ……………………ハワワ……良………………
あの瞬間、高らかに笑ったミナトを見て、この人はただ、ずっと、そう言ってほしかっただけなんやと分かって震えちゃった。良いキャラや……

ラストはこのご時世逆に珍しい超ハッピーエンドなんやけど、デカダンスっていうシステム自体は続いてて、こう、このままでええんか❓と言われるとウーン…ではある。やっぱりサイボーグと人間は対等じゃないままやし。でも一定の秩序は保たれて、人間にとってのガドルの脅威も去って、そんなに悪い形ではないんよね。

ほんで、デカダンスっていうのはフランス語で退廃的であるって意味らしい。もっと言えば、ナチスドイツが定めた芸術以外の芸術作品を道徳的・人種的でない堕落したものとした芸術観のこと。つまりデカダンスは規範に外れた芸術作品であり、言い換えれば、バグってことよね。は〜なるほど!原作者、造詣が深い!

ハァ、語っちゃった。教養が乏しいから考察とかできひんけど、デカダンスと動物園は似てる感じするし(管理者の都合で生き物の生死を決める)、人間を管理するサイボーグを俯瞰して見る視聴者、みたいな入れ子構造っぽさもあった……と思う。深読みしがいありそう。私にはやっぱりできひんけど笑

視聴後、ピッタリやなと思った言葉添えとこ。
〝何もかもなげうって、死さえもいとわないほど価値のある宝が見つかったときにこそ、人は本当の意味で生きる〟
よふかし

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