褒めたい点は多い作品だが、視聴後に思わず「これは酷い」と口にでてしまった。
作品の設定時期が20年ほど先と近くなってきた分、過去作品より武器やメカ描写に現実感が増したたため、それだけで楽しめると言えば楽しめる。反対にストーリーは辛い。終始"Nだ""Nだ"と登場人物が言って話を引っ張ろうとするが、作中で深掘りされぬまま終了するため、多くの視聴者が不満を抱えてラストを迎えるか、視聴を断念することになる。
話と画こそ大がかりだが、駅前のカフェでアムウェイ会員にネットワークビジネスだなんだと数時間空虚な勧誘に悩まされた挙げ句に、それを断るような物語だ。胡蝶の夢みたいな感じで濁してはいるが、中身はない。
今回の文学ネタが「1984」とSF適正が高い作品な分、脚本家の腕が試される物語であった。
評価は"N"にした。個人的には攻殻シリーズの中でもダントツに"N"だ。