もこもも

絶園のテンペストのもこもものレビュー・感想・評価

絶園のテンペスト(2012年製作のアニメ)
4.1
"一度は何か失った者たちが集まって何かを手に入れた話"

脚本がとにかく秀逸の隠れ名作
予想より遥かに面白かった
衝撃的な展開や引き込まれる展開の
連続で続きが気になって仕方がなかった
最初と最後では話もキャラも見方が
大きく変わる話の組み立ても素晴らしい
愛する人を失った悲しみも
それを受け止めての成長にもグッとくる
シリアスな話の中でも笑えるシーンがあって、
姫様の恋心とか吉野の彼女会議とか好き
女性キャラだけでなく男性キャラも
同じくらい好きな作品は大体好きな作品
2期OPが特に好きやけどどの曲もほんま良い

"世の中の関節は外れてしまった
あぁ、なんと呪われた因果か
それを治す為に生まれついたとは"

愛花の存在が作品にとっても
吉野と真広にとってもあまりにも大きい
どれだけ2人が愛花のことを愛しているかを
作品の中で強く、強く感じさせられた
吉野と愛花の回想、真広と愛花の回想が
作中で流れることが多かったけど、
もう愛花は亡くなっているから、
2人にとって大切な存在すぎるから、
そのどれもがとっても胸に沁みる
吉野と愛花の回想は特に切なく愛おしかった

真広がめっちゃかっこいい
最初は乱暴で自分勝手な奴やと思って
全然かっこいいって思わへんかったのに
終盤になればなるほどその強さに惹かれた
羽村が真広にシスコンって言った時の
大人たちの「一回は言ってやりたかった」の
反応はめっちゃ面白くて笑ったな
吉野との小学校の馴れ初めも好き

"言えない、言えない、さよならなんて
こんなに大好きなのに"

これだけ壮大な話やのにとどのつまりは
三角関係が全ての中心になってたもんね
中盤の富士麓の決戦からが面白すぎる
ここで一気に作品に引き付けられた
大きな衝撃、絶望があってからの
吉野の策は見事でそりゃ葉風も惚れる

恋は否定するものの吉野を
べた褒めし続けるする葉風が可愛い
その後の恋を自覚するシーンも好き
オムライス食べるシーンも可愛すぎる
世界の問題だけでなくそれぞれの恋愛や
友情などにも悩まされる左門さん好き
吉野の彼女が愛花と葉風に伝えて、
真広たちも真実に辿り着くシーンは夢中になった

「泣いたってどうにもならないじゃありませんか」

愛する人間を失ってその悲しみを
隠さないといけなかった吉野が
溜め込んできた悲しみを吐き出すシーン
ここは胸が痛くて痛くて苦しくて...
その後の吉野と真広が墓地であって話すシーンは
2人の友情とまひろの成長と強さを感じた

愛花が絶園の魔法使いという
過去最大級の衝撃的な展開
屋上の姫様の背後に現れたところから
恐ろしすぎて鳥肌が止まらんかった

真広、吉野のためなら
躊躇うことなく自殺できる
その迷うことなく決断できる強さと
真広、吉野への偉大な愛に感動した
愛花の死を防げず、見送り、
愛花の死を知った真広と吉野を見て、
打ちひしがれる姫宮に大きな悲しみを抱いた
これ以外の結末は無かったのかなって...

「だから2人ともいつまでも
 私の死に囚われないで
 愉快に日々を過ごしてください」

この言葉の通り、
前を向いて歩き出す、
真広と吉野に胸の温もりを感じる...
マリンスノー見てみたいな...

「ハムレットでもテンペストでもねぇ
 何十年先になるか分からねぇが
 俺の言葉で俺が決めた結末を描いてやる」

⚫︎1期
OP : Nothing's Carved In Stone『Spirit Inspiration』
ED : 花澤香菜『happy endings』
⚫︎2期
OP : Kylee『大好きなのに』
ED : 佐香智久『僕たちの歌』
もこもも

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