夏になると見たくなる作品
ストーリー、作画、音楽とどれをとってもハイクオリティ。
田舎町の雰囲気も素晴らしく、自分も主人公のようにこの町に行き着いた気分が味わえる。
田舎という閉鎖的な空間が、本作のセカイ系とも取れる物語の雰囲気にマッチしている。
ヒロインはKey作品らしくアクが強いので好みは分かれるが、そこがコミカルにもなっている。
どのヒロインのシナリオも町の歴史や伝説に準えているのが興味をそそられるし感動と深みを増している。
特にメインシナリオの観鈴ルートは胸が締め付けられるし、その展開があるからこそ終盤の感動が凄まじい。
「ゴール」のシーンが有名だが、個人的にはその前の浜辺で晴子に駆け寄り本当の親子となるシーンが好き。
難点を挙げるとすれば原作でも難解だったストーリーが1クールで駆け足なので、歴史や伝説の部分がアニメだけでは理解しにくいところ。
理解できずとも感動できるのだが、理解できた方がより没入できるのでここは解説等を見ながら鑑賞していただきたい。
とはいえ原作でも相当理解力や集中力がないと一発では飲み込めないところなので、そこのマイナスよりもアニメ化によるシーンの補完の恩恵の方が大きいだろう。