ベルリンの壁崩壊前後のドイツ、チェコスロヴァキアを舞台に天才脳外科医である日本人Dr.天馬が謎の殺人鬼ヨハンを追って奔走するというストーリーです。深夜帯には珍しい1シーズン74話の長編のため、視聴を躊躇い挫折覚悟で観始めましたが無事完走しました。作画面では色味やキャラデザは地味なものの、とにかく作画に粗がなくストーリーに集中することが出来ました。また、浦沢直樹の絵柄が好きなので、そこに忠実なところも良かったポイントです。ストーリー面では言語化し易い分かりやすい面白さがあると感じました。話の風呂敷を広げるのが非常に上手で、1話追うごとに謎が深まりハラハラとドキドキが絶えません。74話中、退屈な回が1話もないと言っていいほど1話1話が濃く、続きを再生する手が止まりませんでした。また、たまに挟まれる主人公Dr.天馬の人間像を形作るハートフルなエピソードもよいスパイスとなって、物語の深みを増していたと思います。視聴後の満足感は言わずもがな、今後これ以上におもしろい作品に出会えるのだろうかという喪失感すら感じざるを得ません。
