エピソード47
コンディション・グリーン

拍手:0回
あらすじ
出動するたびに評価が高まる、第1小隊の<AV-0>。<ピースメーカー>と命名されたこの機体は、まさに東京の守護神としてその存在が認められつつあった。それと相反するかのように、沈んでいく野明。
突き当たった心の壁を越えるべく、野明は苫小牧に帰郷する。<イングラム>との別れが恐いのは、遥か昔に経験した別離の悲しみを思い出したくないからだと気付いていた。
死んでしまった犬のアルフォンスが眠る丘に赴いた野明は、埋葬の時のことを思い返す。いつまでも亡骸から離れようとしなかった自分、そしてそんな自分に優しくしてくれた父。思い出を体いっぱいに抱えて丘を降りた野明は、夕日の中に遊馬の姿を見つけた。
「吹っ切れたのか」と穏やかな口調で問いかける遊馬。野明は静かにうなずいた。いつまでも悲しんでいてはいけない、未来から逃げることはもっといけない。明日を怖がっていたら何もできない。残された者が悲しむだけなんだ! 家に着くまでに、野明はいつもの元気な女の子に戻り、両親に東京へ帰ると話すのだった。
東京で二人を待ち構えていたのは、川崎コンビナートにテロリストの<クラブマン・ハイレッグ>が逃げ込んだという知らせだった。先に出動した第1小隊の援護のため、緊急出動する第2小隊。野明は<イングラム>を傷つけながらもこれを取り押さえ、一歩成長した姿を仲間たちに披露したのであった。