配信サービス | 配信状況 | 無料期間と料金 | |
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![]() | 見放題 | 初回31日間無料 2,189円(税込) | 今すぐ観る
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![]() | 見放題 | 初回14日間無料 550円(税込) | 今すぐ観る
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![]() | レンタル | なし 登録無料 | 今すぐ観る
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![]() | 見放題 | なし 580円(税込) | 今すぐ観る
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![]() | 見放題 | 初回31日間無料 550円(税込) | 今すぐ観る
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![]() | 見放題 | なし 1,026円(税込) | 今すぐ観る
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![]() | 見放題 | 初回30日間無料 437円(税込) | 今すぐ観る
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U-NEXTで、『トリコ』は見放題配信中です。
U-NEXTには初回31日間無料体験期間があります。
無料体験中は290,000作品以上の見放題作品を鑑賞でき、いつでもキャンセルできます。
配信状況 | 無料期間と料金 | |
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見放題 | 初回31日間無料 2,189円(税込) | 今すぐ観る
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月額料金 | 無料期間 | 見放題作品数 | ダウンロード | 同時再生可能端末数 | ポイント付与 |
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2,189円(税込) | 初回31日間無料 | 290,000作品以上 | 可能 | 4端末 | 600pt(無料トライアル) 付与 |
U-NEXT トップページから、「31日間 無料体験」ボタンを押します。
「今すぐはじめる」ボタンを押します。
カナ氏名、生年月日、性別、メールアドレス、パスワード、電話番号を入力し、「次へ」ボタンを押します。
入力内容を確認し、無料期間が終了した際の決済方法としてクレジットカード情報を入力し「利用開始」ボタンを押します。支払い方法として楽天ペイ、d払い、auかんたん決済、ソフトバンクまとめて支払い・ワイモバイルまとめて支払いを選択することもできます。
これでU-NEXTの登録が完了です。続いてファミリーアカウントを追加することもできます。
U-NEXT にログインしている状態で、トップページ左上のメニューボタンを押します。
メニューから「アカウント・契約」を選択します。
「契約内容の確認・解約」を選択します。
「解約手続き」を押します。
画面をスクロールして「次へ」ボタンを押します。
画面をスクロールして、「注意事項に同意する」をチェックし、「解約する」ボタンを押します。
これでU-NEXTの解約手続きが完了です。
DMM TVで、『トリコ』は見放題配信中です。
DMM TVには初回14日間無料体験期間があります。
無料体験中は15,000作品以上の見放題作品を鑑賞でき、いつでもキャンセルできます。
配信状況 | 無料期間と料金 | |
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見放題 | 初回14日間無料 550円(税込) | 今すぐ観る
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月額料金 | 無料期間 | 見放題作品数 | ダウンロード | 同時再生可能端末数 | ポイント付与 |
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550円(税込) | 初回14日間無料 | 15,000作品以上 | 可能 | 1端末 | 550pt 付与 |
DMM TV トップページから、「30日間無料トライアル!」ボタンを押します。
「まずは30日間 無料体験」ボタンを押します。
DMM.comのアカウントをお持ちの方はログイン、お持ちでない方は「新規会員登録」ボタンを押します。
メールアドレスとパスワードを入力し、「認証メールを送信する」ボタンを押します。
受信した「DMM:会員認証メール」の本文にあるURLを開きます。
ページをスクロールし、無料期間が終了した際の支払い方法としてクレジットカード情報を入力し、「次へ」ボタンを押します。支払い方法としてキャリア決済やDMMポイントを選択することもできます。
入力内容を確認し「登録する」ボタンを押します。
「はじめる」ボタンを押します。これでDMM TVの登録が完了です。
DMM TV にログインした状態で、トップページからアカウントメニューを開きます。
メニューから「会員タイプ DMMプレミアム」を選択します。
ページをスクロールし、「DMMプレミアムを解約する」を押します。
ページをスクロールし、「解約手続きへ進む」ボタンを押します。
アンケートに回答し「次へ」ボタンを押します。
続きのアンケートに回答し「次へ」ボタンを押します。
続きのアンケートに回答し「アンケートを送信して次へ」ボタンを押します。
再び画面をスクロールし、「解約手続きを完了する」ボタンを押します。
これでDMM TVの解約が完了です。
Rakuten TVで、『トリコ』はレンタル配信中です。
配信状況 | 無料期間と料金 | |
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レンタル | なし 登録無料 | 今すぐ観る
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月額料金 | 無料期間 | 見放題作品数 | ダウンロード | 同時再生可能端末数 | ポイント付与 |
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登録無料 | なし | 0 | 可能 | 1端末 | - |
Rakuten TVトップページから、右上のメニューを開きます。
メニューから「ログイン」を選択します。
すでに楽天会員の場合はログインします。会員でない場合は「楽天会員に新規登録(無料)してサービスを利用する」ボタンを押します。
必須項目としてメールアドレス、パスワード、氏名、氏名(フリガナ)を入力します。クレジットカードで支払う場合はクレジットカード情報を入力し「同意して次へ」ボタンを押します。
入力内容を確認し、「登録する」ボタンを押します。
「続けてサービスを利用する」ボタンを押します。
支払い方法を選択して「利用規約に同意してサービスを利用する」ボタンを押します。これでRakuten TVの登録が完了です。
Rakuten TVにログインした状態で右上のメニューを開きます。
メニューから「ヘルプ」を選択します。
画面をスクロールして「解約・利用停止」から「利用停止」を選択します。
「Rakuten TVの利用停止方法は?」を選択します。
「利用停止申請へ」ボタンを押します。
「次へ」ボタンを押します。
画面をスクロールして「利用停止確認へ」ボタンを押します。
画面をスクロールして「利用停止する」ボタンを押します。
これでRakuten TVの利用停止申請が完了します。利用停止処理が完了すると、登録メールアドレスに利用停止のお知らせメールが届きます。
ABEMAで、『トリコ』は見放題配信中です。
ABEMAに登録すると、30,000作品以上の見放題作品を鑑賞できます。
配信状況 | 無料期間と料金 | |
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見放題 | なし 580円(税込) | 今すぐ観る
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月額料金 | 無料期間 | 見放題作品数 | ダウンロード | 同時再生可能端末数 | ポイント付与 |
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580円(税込) | なし | 30,000作品以上 | 可能 | 1端末 | - |
ABEMA トップページの左上のアイコンからメニューを開きます。
「視聴プラン」を選択します。
「¥0トライアルを始める」ボタンを押します。
「メールアドレス」、「パスワード」を入力し、「同意して送信」ボタンを押します。
入力したメールアドレス宛に認証コードを受け取ります。
認証コードを入力して「完了する」ボタンを押します。
支払い方法として「クレジットカード」を選択します。「ドコモ払い」「auかんたん決済」「ソフトバンクまとめて支払い」を選択することもできます。
クレジットカード情報を入力し「クレジットカードで登録」ボタンを押します。これで ABEMAプレミアムの登録が完了です。
ABEMA にログインした状態で、左上のアイコンからメニューを開きます。
「視聴プラン」を選択します。
「解約に進む」ボタンを押します。
画面をスクロールして、最下部の「解約を続ける」ボタンを押します。
該当する「アンケート選択肢」を選択し、ページ下部の「解約する」ボタンを押します。
「解約する」ボタンを押します。これでABEMAプレミアムの解約が完了です。
dアニメストアで、『トリコ』は見放題配信中です。
dアニメストアには初回31日間無料体験期間があります。
無料体験中は4,800作品以上の見放題作品を鑑賞でき、いつでもキャンセルできます。
配信状況 | 無料期間と料金 | |
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見放題 | 初回31日間無料 550円(税込) | 今すぐ観る
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月額料金 | 無料期間 | 見放題作品数 | ダウンロード | 同時再生可能端末数 | ポイント付与 |
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550円(税込) | 初回31日間無料 | 4,800作品以上 | 可能 | 1端末 | - |
dアニメストア トップページの「初回初月無料トライアル」ボタンを押します。
dアカウントをお持ちでない場合は「dアカウント発行」ボタンを押します。
「ドコモのケータイ回線をお持ちのお客さま」、もしくは「ドコモのケータイ回線をお持ちでないお客さま」の該当するボタンを押します。
「メールアドレス」を入力し、「次へ」ボタンを押します。もしくは「メールアプリを起動する」から空メールを送信して登録することもできます。
入力したメールアドレス宛にメールが届きます。本文内のURLを開きます。
登録するdアカウントのIDを選択し、「パスワード」を入力して「次へ進む」ボタンを押します。
お知らせメールの受信設定をして「次へ進む」ボタンを押します。
「氏名」「氏名カナ」「性別」「生年月日」「携帯電話番号」を入力し「次へ進む」ボタンを押します。
受信したワンタイムパスワードを入力し「次へ進む」ボタンを押します。
クレジットカード情報を入力して「確認画面へ」ボタンを押します。
登録内容が正しいか確認し「規約同意画面」へボタンを押します。
「上記の利用規約/注意事項/パーソナルデータの取り扱いに同意する」にチェックを入れ「申込内容を確認する」ボタンを押します。
「申し込みを完了する」ボタンを押します。これで dアニメストアの登録が完了です。
dアニメストアにログインした状態で、ページ下部のメニューから「解約」を選択します。
画面をスクロールしてアンケートを入力し「解約する」ボタンを押します。
「dアニメストアを解約する」と「dアニメストアの注意事項に同意する」をチェックし、受付確認メールの送信先を選択した上で「次へ」ボタンを押します。
「手続きを完了する」ボタンを押します。これでdアニメストアの解約が完了です。
Huluで、『トリコ』は見放題配信中です。
Huluに登録すると、100,000作品以上の見放題作品を鑑賞できます。
配信状況 | 無料期間と料金 | |
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見放題 | なし 1,026円(税込) | 今すぐ観る
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月額料金 | 無料期間 | 見放題作品数 | ダウンロード | 同時再生可能端末数 | ポイント付与 |
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1,026円(税込) | なし | 100,000作品以上 | 可能 | 1端末 | - |
Huluトップページの「今すぐ無料でお試し」ボタンを押します。
メールアドレスを入力し「確認コードを送信する」ボタンを押します。
メール宛に送信された確認コードを入力し、「お客様情報入力へ進む」ボタンを押します。
「名前」「性別」「生年月日」「パスワード」「お支払い方法」を入力し、「利用規約、プライバシーポリシー、個人関連情報及び共同利用の取り扱い」をチェックし「2週間の無料トライアルを開始」ボタンを押します。これでHuluの登録が完了です。
Huluにログインした状態でページ右上のアカウントアイコンからメニューを開きます。
メニューから「アカウント」を選択します。
画面をスクロールし「解約する」ボタンを押します。
再び画面をスクロールし「解約ステップを進める」ボタンを押します
アンケートを入力し「解約する」ボタンを押します。これでHuluの解約が完了です。
アニメタイムズで、『トリコ』は見放題配信中です。
アニメタイムズには初回30日間無料体験期間があります。
無料体験中は1000の見放題作品を鑑賞でき、いつでもキャンセルできます。
配信状況 | 無料期間と料金 | |
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見放題 | 初回30日間無料 437円(税込) | 今すぐ観る
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月額料金 | 無料期間 | 見放題作品数 | ダウンロード | 同時再生可能端末数 | ポイント付与 |
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437円(税込) | 初回30日間無料 | 1000 | 不可能 | 3端末 | 0 付与 |
アニメタイムズ トップページから「初回30日間お試し無料」を押します。
ページ上部のアニメタイムズ バナーを押します。
ページ下部の「今すぐ無料体験」を押します。
Amazonアカウントを持っている方はログインでメールアドレス、または電話番号を入力します。
Amazonアカウントを持っていない方はアカウントを作成から「氏名」「メールアドレス、または電話番号」「パスワード」を入力します。
入力したメールアドレス、または電話番号にコードが送られてくるので入力します。
クレジットカードの情報を入力し、「カードを追加」を押します。
住所を入力し「この住所を使用」を押します。
内容を確認し問題なければ「この内容で登録」を押します。これでアニメタイムズの登録が完了です。
アニメタイムズページの左上「メニュー」を押します。
メニュー内下部の「サブスクリプション」を押します。
ページ下部アニメタイムズアイコン横の「管理」を押します。
ページ下部の「登録解除」を押します。
ページ下部の「自動更新機能を無効にして、yyyy年mm月dd日まで視聴する。」を押します。
アンケートから該当する項目を押します。これで アニメタイムズの解約が完了です。
見知らぬ海へと迷い込んでしまったサニー号。その甲板ではルフィたちが空腹で倒れこんでいた。それはサニー号に積み込んでいた食料をすべて食べてしまっていたからだ。そこで食料を確保するため、ルフィ、ナミ、サンジ、チョッパーは偶然見つけた島へと上陸する。ジャングルを抜け、島の中心部へと進んだルフィたちが見つけたのは、なんと骨付き肉のなった木だった。ほかにも綿飴のキノコや、パスタの草など、変わったものばかりで、一同はおどろきを隠せない。そんなとき、見知らぬ男がチョッパーをいきなり捕まえた。 チョッパーを捕まえたのは美食屋のトリコだった。誤解から戦いになるルフィとトリコだったが、そこへマルヤキブタが襲ってくる。その美味しそうな姿を見たルフィとトリコは戦いをやめ、協力してマルヤキブタを捕獲した。すっかり意気投合するルフィとトリコ。そして、チョッパーたちも、トリコの仲間である小松やテリークロスたちと仲良くなった。だが、勢い余ってルフィとトリコはマルヤキブタを全部たいらげてしまう。これではサニー号に持って帰る食料がないとなげくナミに、トリコはとびっきりの食材があると言った。 このハングリラ島には、伝説の食材と呼ばれるハングリラ鳥がいるという。トリコたちは、このハングリラ鳥を捕獲するためこの島にやって来たというのだ。その話を聞いたルフィは、そのハングリラ鳥を食べるためトリコと一緒に島の中央へと進むことにした。そこへ、ここを縄張りとする一角べアーが襲ってくる。さっそく倒そうとするルフィだったが、トリコは無益な殺生はしないと、この場を逃げ出した。ルフィもその考え方に同意して、一目散に逃げ出す。そして一行の前に、伝説のハングリラ鳥がついにその姿を現すのだった。 鋼鉄のような羽で全身を覆い、その羽ばたきは人間を吹き飛ばすほどの威力のハングリラ鳥。だが、ルフィとトリコにとっては脅威ではなかった。ルフィのゴムゴムの銃乱打で地上に落とされたところに、トリコのフォークとナイフがさく裂する。ふたりの協力で捕獲されたハングリラ鳥はさっそく調理された。その美味しさにすっかり上機嫌のルフィとトリコ。サニー号で空腹に苦しむ仲間のことも忘れて宴は夜まで続く。しかし、そんなルフィとトリコたちを、暗闇から狙っている者がいたことにまだ誰も気づいていなかったのである…
まだ見ぬ世界に美味しい食材たちが潜むと言われている『グルメ時代』。その食材たちを調達するプロフェッショナルたちを人々は『美食屋』と呼んだ。五つ星ホテルのコック長を務める小松は、その食材を確保するためにひとりの美食屋をたずねた。その美食屋の名前はトリコ。グルメ時代のカリスマとまで呼ばれている美食屋だ。目の前で軽々と自分より大きい獲物を捕獲するトリコを見て、小松はただおどろくばかり。一方のトリコは、最初は興味なさそうな表情だったが、捕獲対象がガララワニだと聞くと、途端に目を輝かせた。 さっそくガララワニを捕獲するため、バロン諸島へと向かうトリコと小松。しかし、一緒に来たものの、小松は次々に現れるバロンシャークやバロンヒルなど、この島の生物におどろいてばかり。そこへ今度は獰猛なバロンタイガーまで現れた。死を覚悟する小松だったが、トリコはにらむだけでバロンタイガーを撃退してしまう。呆気にとられる小松だったが、トリコはこの島の異変を感じていた。本来ならもっと奥地にいるはずのバロンタイガーがここにいたということは、より強大な獣に住みかを追われたということだからだ。 島の中心部までやって来たトリコと小松だったが、獣の数は減る一方で肝心のガララワニを発見することはできなかった。ガックリと肩を落とす小松だったが、そこへ巨大な沼蛇が現れる。だが、この沼蛇すら、より強大な捕獲者の獲物でしかなかった。ついに現れたこの島最大の捕獲者、それは300年生きてケタ外れに大きくなってしまったガララワニだ。そのあまりの大きさにおどろく小松。トリコはこの島の生態系の異変の原因がこの巨大なガララワニだということを確信すると、不敵な笑みを浮かべて大胆にも戦いを挑んだ。 強烈なガララワニの攻撃をかいくぐり、トリコはついにその力を発揮する。自分の腕をフォークとナイフに見立てたトリコの攻撃の前に、流石のガララワニも一瞬で倒されてしまう。そして、この様子を密かに監視カメラで見ていた謎の存在がいたことに、トリコたちはまったく気づいていなかった。さっそくガララワニを試食するトリコと小松は、お互いの夢を語り合う。人生のフルコースを完成させるというトリコの夢に感動した小松は、今後も食材を捜す冒険に自分を連れて行くことを約束してもらった。だが、ふたりは勢いでガララワニをすべて食べてしまうという大失敗をしてしまう。
グルメ中央卸売場にやって来た小松は、販売人と口論する女性を見かけた。その女性の名前はティナ、グルメTVのグルメキャスターだ。そこへとらえた獲物を競りに出すため、トリコがやって来た。カリスマ美食屋であるトリコに取材をしようと、ティナは勇んで声をかける。だが、それを小松と一緒に来た男に止められた。男はIGO開発局のヨハネス、トリコにある依頼するためにここへやって来たのだ。ティナを遠ざけたヨハネスは、幻の果実『虹の実』が実ったことをトリコに伝えた。それを聞きトリコの目の色が変わる。 虹の実が栽培されているIGO第8ビオトープにやって来たトリコと小松。ふたりを迎えたのは凶暴なトロルコングが威嚇するドラミングの音だった。虹の実の匂いに誘われて近づく動物たちを獲物にするため、内部ではトロルコングが縄張りを作っていたのだ。トリコはトロルコングを威嚇し返すべく、分厚い壁を釘パンチで破壊して中へと入る。だが、トロルコングはトリコの隙をつき襲ってきた。しかし、トリコはノッキングでトロルコングを眠らせ事なきを得る。凶暴なトロルコングが倒れて小松はひと安心するのだったが… トロルコングは一匹だけではなかった。群れをなすトロルコングを見て死を覚悟する小松。トリコは小松を背負い、トロルコングの群れを強硬突破しようとする。ノッキングで倒れていくトロルコングだったが、ひるまずトリコを襲う。それは入口のトロルコングに匂いをつけられたトリコを格下だと思っているからだ。そして不意の攻撃を受け、トリコはトロルコングに捕まってしまう。だが、間一髪のところで降って来た雨により、トリコについたトロルコングの匂いが消えた。すかさずトリコは威嚇でトロルコングの動きを止める。 完全に匂いを雨で流したトリコは、小松が発見したトロルコングのボスを目指して堂々と近づいた。群れはトリコの威嚇によって完全に動きを止め、ボスは敗北を認めておとなしくなる。こうしてトロルコングとの激しい戦いに静かな決着をつけたトリコは、無事に虹の実を手に入れた。数日後、小松の店で手に入れた虹の実を食べたトリコはその美味しさに衝撃を覚え、自分の人生のフルコースメニューに加えることを決める。そのころ、とある占い屋でひとりの男がぼやいていた。左目の下に3本傷のある男…それはトリコのことなのか?
列車に乗ってフグ鯨がいるという町に向かうトリコと小松。深海の珍味と呼ばれているフグ鯨だが、その体には猛毒があり、たとえ捕獲しても調理しなくてはただの毒のかたまりになってしまう。そこでトリコと小松は、フグ鯨を調理できる人のもとに向かっていたのであった。ワクワクするトリコと小松だったが、列車内でゾンゲという美食屋に因縁をつけられる。だが、トリコはゾンゲを軽くあしらい、持っていた酒を渡す。その行動を不思議がる小松に、トリコは「旅は道連れ」というと、近くにいた老人にも酒を渡すのだった。 目的地に到着したトリコと小松の前に猛獣が現れたが、目の前を静かに歩く男を恐れるように去っていく。その男の名前はココ。トリコと同じ四天王で、フグ鯨の毒を取り除くことができる数少ない人間だった。仕事の依頼をするトリコだが、ココの話によるとフグ鯨のいる場所にたどり着くには猛獣たちのいる迷宮を抜けなければならず、さらに奥には伝説の魔獣デビル大蛇が住んでいるという。だが、トリコの強引さに負け、ココは同行することを決める。喜ぶトリコだったが、占い師でもあるココは小松に死相を感じていた… 洞窟へとやって来たトリコたちだったが、そこは美食屋のほかにも捕獲したフグ鯨を横取りをしようと考える人間たちでいっぱいだった。洞窟に入ったトリコたちは、途中で猛獣に追われて引き返すゾンゲとすれ違うが、何事もなく無事に奥へと進んでいく。途中、ココの目の良さに気づいた小松に、トリコはココの目は常人には見えない赤外線や紫外線、さらに電磁波まで見ることができると教えた。その力を使ってココは占いをしているのだ。そんな話をしていると不気味な音が聞こえてくる。それはサソリゴキブリの足音だった。 人間を溶かすほどの毒を持つサソリゴキブリの群れへココが飛び込んだ。そのココの姿に、サソリゴキブリの群れはおびえて逃げていく。ココは新種の毒が体に流れる毒人間だった。美食屋は毒に対する抗体を持つが、人並み外れた資質を持ったココは短期間で多くの抗体を受け入れてしまい、その代償として新種の猛毒が体を流れる身となってしまったのだ。寂しげな表情を見せるココを気づかい、小松はあえてスキンシップを取った。その小松の優しさに癒されるココ。そこへ何かから逃げるようにアゲハコウモリの群れが現れた。そして、その奥にはデビル大蛇が待ち構えていた!
深海の珍味と呼ばれるフグ鯨を求め、生還率0.1%の洞窟に挑んだトリコたち。その前に立ちふさがったのは伝説の魔獣デビル大蛇だった。襲い来るデビル大蛇の腕をフォークで叩き斬るトリコだったが、その斬り落とされた腕は瞬時に再生してしまう。おどろくトリコに、ココはこの場を自分にまかせ、消えてしまった小松を捜すように言った。だが、トリコはココに小松のことは大丈夫だと言うと、デビル大蛇に死相は見えるか?と聞く。死相は見えないと言うココに、トリコはひとりではもて余すのだからふたりで戦おうと言った。 そのころ、小松は卑怯な美食屋に連れ去られていた。この先で待ち構えている野獣の目をそらすため、小松を囮に使おうというのだ。一方、デビル大蛇は、トリコの威嚇もココの毒にも怯まず襲ってきた。ナイフの威力を学習して身体の強度を変え、髪の毛から猛毒を撒き散らし大暴れだ。ココはささいな熱でも感知する3つのピット器官を持っているからこそ、暗闇でもデビル大蛇は的確な攻撃ができるとその強さを分析する。それを聞いたトリコは、ピット器官を封じ込めて動きさえ止まれば、自分には秘策があると不敵に笑う。 時間が必要なトリコの秘策のため、ココはデビル大蛇の動きを止めるべくひとりで戦う。毒によってデビル大蛇の3つのピット器官を封じ込めたココ。だが、デビル大蛇のピット器官を隠してあっただけでまだあったのだ。隙を突かれたココは、デビル大蛇の無数の髪の毛から毒を体内に送り込まれてしまう。心配するトリコを制し、ココは瞬時のうちにデビル大蛇の毒に対しての抗体を作って見せる。そして、今度は自分の毒をデビル大蛇に送り込んで、一気に形勢を逆転させた。ココの毒に苦しみ、ついに動きを止めるデビル大蛇。 準備を終えたトリコがついに動き出した。ココはようやくデビル大蛇に死相が見えたと安心する。そして、トリコの秘策である5連釘パンチがさく裂、流石のデビル大蛇も倒されてしまう。激しい戦いも終わり、のんびりとデビル大蛇の肉をどうやって運ぶか考えているトリコに、消えてしまった小松を一刻も早く探すべきだと訴えるココ。しかし、トリコは小松には秘密兵器を渡していると余裕の表情だ。そのころ、小松を連れ去った美食屋の前に、もう一匹のデビル大蛇が姿を現していた。はたして小松の運命は? そしてトリコの渡した秘密兵器とは?
悪い美食屋に連れ去られた小松は、洞窟の奥でデーモンデビル大蛇に出会ってしまった。すかさず小松を投げ捨てて先に進む美食屋だったが、別の猛獣たちの餌食になってしまう。ひとり残された小松は、トリコから渡された、特製の大音響を出すクラッカーの存在を思い出す。だが、小松はあわてていたため、トリコから指示された耳栓を付ける前にクラッカーを作動させてしまった。その大音響に気づき、小松のもとへ駆けつけたトリコとココ。そこには小松の無事な姿のほかに、ノッキングされたデーモンデビル大蛇の姿もあった。 ここで何があったかを小松に聞くトリコとココ。小松によると、クラッカーの大音響で心臓発作を起こして死んでしまったが、巨大なおじいさんに治療されて命を救ってもらったのだと言うのだ。さらにデーモンデビル大蛇もそのおじいさんがノッキングしたと言う。小松の話を聞いたココは、そのおじいさんこそ伝説の美食屋で『ノッキングマスター』の異名を持つ次郎ではないかと推測する。トリコは来るときの列車の中で酒をおごったことへのお礼のつもりだろうと言うと、小松に今度会ったときは恩返ししようと言うのだった。 ようやくフグ鯨の産卵場所である洞窟の砂浜へとたどり着いたトリコたち。さっそく海中に入り捕獲を始めようとするトリコだが、近くに寄ったとたんにフグ鯨はすぐに毒のかたまりへと変わってしまう。一方、ココは命の気配を消す『消命』を使ってフグ鯨の捕獲に成功する。それを見たトリコも、自分も見よう見まねで消命を使いフグ鯨を捕獲するのだった。こうしてトリコとココは10匹のフグ鯨の捕獲に成功する。だが、フグ鯨の毒袋を取り除けるココはこれまでの冒険で疲労が大きく、小松が代わりに調理することになった。 ココの指示通り、小松はフグ鯨の毒を取り除く調理を始めた。しかし、1匹ごとに毒袋の位置が違うフグ鯨の調理は困難を極め、ついに残り1匹になってしまう。みんなが緊張する中、小松は見事に最後の1匹の調理に成功する。その喜びを確かめるため、フグ鯨の刺身とひれ酒を美味しくいただくトリコたち。これまでの苦労も報われ、フグ鯨の効果で疲れも見る見るうちに回復していく。大喜びのトリコたちだったが、海底から怪しい物体が現れた。その異様な雰囲気に警戒態勢を取るトリコとココだったが、謎の物体は気にせず去って行く。はたしてその正体は?
フグ鯨を無事に捕獲して洞窟の外へと出たトリコたちは、目の前に広がる大量の負傷者におどろく。彼らは先に出た謎の怪人からフグ鯨を横取りしようとして、逆に倒された強盗や殺し屋たちだった。負傷者を救助に来たヘリを見たココは、すぐにでもトリコと再会するような言葉を残し、人目を避けるように去って行く。一方、IGOでは謎の怪人の正体を、美食會が送り込んできた新型のGTロボだと推測していた。すでに被害は各地に及び、その事の重大さからIGOはトリコたち四天王を呼んで、今後の対策を立てようとする。 IGOの依頼により、トリコは小松と一緒に第1ビオトープのあるリーガル高原に向かっていた。今回の捕獲対象はリーガルマンモス。その体内には宝石の肉、ジュエルミートと呼ばれる至高の肉を秘めているのだ。第1ビオトープへと到着したトリコと小松は、その中にあるグルメ研究所に入る。そこはグルメ研究のために作られた猛獣たちが飼育されている場所。感心する小松だったが、檻から出た猛獣に襲われる。その危機を、酒瓶を持った屈強な男が救う。その男こそ、この研究所の所長であり、IGOの№3マンサムだった。 マンサムから美食會がGTロボを使い、各地でグルメ食材を奪っていると聞いたトリコは、次の標的がリーガルマンモスだと直感する。そこへ突如、歓声が聞こえてきた。それは隣にあるグルメコロシアムにいた観客のものだ。ここは猛獣たちの捕獲レベルなどを調査するための闘技場であり、賭けで得た収益金を貧しい国に分配する目的で、猛獣たちが戦う場所だった。最初はまったく興味を示さないトリコだったが、マンサムから絶滅したはずのバトルウルフが出ると聞いておどろく。残されていた遺伝子から復活したと言うのだ。 伝説の狼バトルウルフの存在感に興奮するトリコ。しかも、そのバトルウルフと肩を並べる存在、デーモンデビル大蛇もいると言う。だが、ここでトラブルが発生した。闘技場の管理をしていた鈴のミスにより、猛獣を興奮させるバトルフレグランスが大量に流れてしまったのだ。その結果、興奮しすぎた猛獣たちが一斉にバトルウルフに襲いかかる。それを見たトリコは、バトルウルフの異常に気がつく。マンサムからバトルウルフがメスだと聞いたトリコは、観客席から飛び出して闘技場の猛獣たちに戦いを挑んだ。はたしてトリコは一体何に気づいたのか?
グルメコロシアムの闘技場に突然乱入したトリコ。それを見た観客たちはトリコのバトルが見れると、この乱入を大歓迎する。一方、トリコはバトルウルフの異変を、近くに来たことで確信していた。このバトルウルフはそのお腹に子供を宿しており、しかも出産まじかだったのだ。トリコはバトルウルフが戦えないことから、このバトルの中止をマンサムに訴える。それを聞いたマンサムは、猛獣たちを興奮させるバトルフレグランスを早く止めるようにリンに指示するが、機械の故障は深刻でさらなる量が闘技場に流れ込んでしまう。 バトルが中止できないことを知ったトリコは、戦えないバトルウルフの代わりに猛獣たちと戦うことを決める。さらに誇り高いバトルウルフの出産を観客に見られないよう、わざと闘技場を覆う特殊アクリル板を破壊してしまう。特殊アクリル板に穴があき、猛獣が襲ってくると思った観客は我先にと逃げ出し始めた。この間、バトルウルフは無事に出産を終え、新たなバトルウルフがグルメ時代に誕生する。そのころ、機械の修復をあきらめたリンは自力で猛獣を止めようとするが、興奮しすぎたデーモンデビル大蛇にてこずっていた。 バトルウルフの親子を見て満足そうに微笑むトリコだったが、そこへ興奮して暴走状態のデーモンデビル大蛇が現れた。トリコはバトルウルフ親子を守るため戦うが、その生成能力に苦戦をしいられる。一方、マンサムは逃げ遅れた観客のひとりに声をかけるが、いきなり攻撃を仕掛けられる。それは姿形ばかりか、指紋や網膜までそっくりに変装した美食會の新型GTロボだった。反撃を開始するマンサムだったが、GTロボの頑丈な装甲の前に得意のフライパンチが通用しないばかりか、強力なレーザー砲で吹っ飛ばされてしまう。 そのころ、暴走するデーモンデビル大蛇と闘うため、ついにバトルウルフが立ちあがった。その目にも止まらぬ早さと、強力な攻撃の前に圧倒され、流石のデーモンデビル大蛇もあっけなく倒される。だが、バトルウルフも出産を終えたばかりで戦ったため、完全に体力を消耗してしまう。そんな母親に甘えようと子供のバトルウルフが近づいていったその時、新型GTロボのレーザー砲が母親バトルウルフを貫いた。倒れていく母親バトルウルフを見て、せせら笑う新型GTロボ。それを見たトリコは、かつてないほどの怒りで全身を震わせていた。
闘技場に現れたGTロボにより重傷を負ったマンサムだったが、何事もなかったかのように酒を体にかけて傷を治す。だが、同じく攻撃を受けた母親バトルウルフは致命傷を負ってしまい、残りの命を子供バトルウルフへの愛情に注いでいた。さらに母ウルフに攻撃しようとするGTロボだったが、リンの発射したエンドルフィンスモークが煙幕となり、その姿を見失ってしまう。GTロボのことを知らない小松にマンサムは、本来は人間の踏み込めない危険な場所に行くことが目的だったものを、美食會が悪用していることを教えた。 GTロボに対して怒りをあらわにするトリコ。無益な殺生が誰よりも嫌いなトリコにとって、GTロボが母ウルフを手にかけたことは絶対に許せないことだったのだ。トリコは今回は捕獲ではなく駆除だと言うと、目にも止まらぬスピードでGTロボに攻撃を仕掛ける。だが、全身を頑丈な材質で覆っているGTロボにはトリコの攻撃でさえ通用しない。せせら笑うGTロボにトリコ渾身の5連釘パンチがさく裂するが、大したダメージにならなかった。逆に今日すでに5連釘パンチを3発放っているトリコの右腕は限界を迎えてしまう。 トリコはGTロボとの決着をつけるべく、わざとGTロボを挑発して必殺のレーザー砲の発射態勢を取らせる。そこへ左腕からの一点集中5連アイスピック釘パンチを放った。その威力に行動不能になるGTロボ。だが、GTロボはトリコを道連れに自爆しようとする。しかし、これに気づいたマンサムは警備システムでGTロボの動きを止めた。GTロボから脱出したコアアンテナもマンサムのパートナーであるハイアンパンサーのリッキーにより破壊される。悔しがるGTロボの操縦者ベイだったが、美食會の目的は別にあったのだ… 最期までバトルウルフの誇りを持って立ったまま死んでいく母ウルフ。子ウルフはその仇を討ってくれたトリコになつき始める。トリコは子ウルフにテリークロスと名付け、一緒に行動することにした。こうして事件も一件落着、マンサムはみんなをねぎらうため自分のフルコースでもてなす。だが、GTロボの目的がリーガルマンモス捕獲のための囮役だったことに気づきあわてる。そんなマンサムにリンは自分の兄のサニーがすでにリーガルマンモスを捕獲したことを伝えた。たったひとりでリーガルマンモスを捕獲した四天王のサニーとは一体どんな人物なのだろうか?
食宝と言われるリーガルマンモスを捕獲して四天王のサニーが戻って来るという。トリコたちはグルメ研究所の外でサニーの帰りを待つ。現れたサニーは、何と山のように巨大なリーガルマンモスを片手だけで軽々と持ち上げて帰って来た。その姿を見ておどろく小松に、トリコはサニーは片手だけで持ち上げていないことを教える。さらに触れてもいないトリコや妹リンの身体のことを正確に知っていたサニーに、小松はただ不思議がるばかり。だが、テリーだけがサニーが何をしたのかわかったらしく、ひとり離れて警戒していた。 だが、サニーが捕獲したリーガルマンモスは子供だった。この大きさでまだ子供かとおどろくみんなに、マンサムはふたたび捕獲に向かうよう指示を出す。そのころ、リーガルマンモス捕獲を狙ってGTロボを送り込んできた美食會第6支部にひとりの男がやって来た。その男の名はスタージュン、美食會副料理長のひとりだ。スタージュンはトリコの存在を聞くと、自らが捕獲のために出向くことを決める。一方、そんなことを知らないトリコたちは、黒草の草原の葉をグルメスパイザーなどで味付けして食べ、ノンビリと進んでいた。 そんなトリコたちの前にロックドラムが現れた。いきなり襲ってきたロックドラムに、トリコは得意の5連釘パンチを放つ。だが、コロシアムでの無理で右腕は疲れ切っているうえに、左腕はGTロボとの戦いに傷が癒えていない状態だった。そんなトリコを助けるテリー、それに対抗心を燃やしリンも自慢のフレグランスで戦う。しかし、誤ってロックドラムを興奮させてしまい、大ピンチを迎える。そのリンをサニーが救う。だが、サニーが戦ったのはリンを助けるためではなく、ロックドラムの甲殻に興味を持ったからだった。 ロックドラムの攻撃をそのまま跳ね返すサニー。そのさまにおどろく小松に、トリコはもっとサニーから離れるように言った。サニーの髪の先には触角があり、手足と同じような感覚があるばかりか、味の判別までできるセンサーの役割も持っているのだ。さらにその強度は抜群で、自分より巨大なものでさえ持ち上げるばかりか、相手をがんじがらめに縛ってしまうこともできるという。その通称『ダイニングキッチン』と呼ばれる範囲に入り、ロックドラムはあっけなく倒されてしまう。だがそのころ、リーガルマンモスを捕獲するため、スタージュンの操るGTロボがこの地に侵入していた。
ロックドラムを捕獲し、その甲殻を手に入れたサニーは、リーガルマンモスの捕獲をトリコにまかせて帰ると言いだす。だが、そこへもう一匹のロックドラムが襲いかかって来た。サニーがノッキングを忘れていたのだ。かくして、ロックドラムの一撃でトリコとリンは猛獣たちが群がる白い森・ホワイトフォレストに飛ばされ、サニーと小松はクリーム松茸など珍しいキノコに囲まれたマッシュルームウッドへと飛ばされてしまう。その場に残されて呆然とするティナとテリーだったが、そこへ洞窟で見たものと同じGTロボが現れた。 クリーム松茸を真剣に調理する小松の姿を見て、サニーはそれまで軽んじてきた小松の評価を改め、興味を示し始める。一方、猛獣に囲まれたトリコは、リンのバトルフレグランスの力で興奮状態になり、威嚇だけで襲いかかる猛獣たちを撃退した。だが、GTロボを主人とあがめるオブサウルスだけは、トリコの威嚇にひるまず襲いかかる。やむを得ずオブサウルスと闘うことになるトリコ。そのころ、テリーはティナを背中に乗せ、トリコのもとへと急いでいた。現れたGTロボの脅威を一刻も早くトリコに知らせようと言うのだ。 マッシュルームウッドを抜け、いにしえの沼地へと足を踏み入れた小松とサニー。ここは太古のグルメ食材が眠る『食の博物館』と呼ばれる場所だ。サニーは無数の触角を使い、小松と一緒に水面を渡って行く。その途中、サニーはグルメ細胞のことを小松に教える。グルメ細胞とは特殊なクラゲから取れる特別な細胞で、人間に移植すると死の危険性もあるが、成功すると超人へとなれる細胞だった。さらに美味しいものを食べることで細胞を活性化させ、より強くなることもできるという。トリコたちの強さの秘密に納得する小松。 しかし、美食會はそのグルメ細胞を悪用、より強くなるためにグルメ食材を根こそぎ襲っているというのだ。GTロボにより無残な姿になった猛獣たちの姿を見て、サニーは怒りに震える。そのころ、オブサウルスとの戦いでふたたびバトルフレグランスを使ったトリコは、いちじるしく体力を消耗してしまう。このままではリーガルマンモスのいるリーガル高原までたどり着けない。だが、トリコの強さに負けを認めたオブサウルスはトリコを主人と認める。こうしてオブサウルスを従えたトリコとリンは、次なる難関『デビルアスレチック』へと向かうのだった。
リーガルマンモスのいるリーガル高原に向かうため、トリコとリンは悪霊の遊び場と呼ばれるデビルアスレチックに入った。ここはいくつものコースに分かれ、それぞれのルートには難易度の異なる猛獣たちが待ち構えている。体力がいちじるしく低下しているトリコは、なるべく強敵のいないルートを選ぼうとするのだが… 一方、サニーと一緒にリーガル高原に向かっていた小松は、離れ離れになったトリコの身を心配していた。サニーの言葉で気を取り直した小松だったが、行く手に巨大なGTロボの足跡を見つけておどろく。 デビルアスレチックを進むトリコたちの前に怪鳥ルバンダが現れた。この思わぬ強敵の登場に、トリコは自分の選択したルートが間違いだったと気づく。その独特の動きと幻覚作用のある息で分身しているように見せるルバンダの前に、頼みのオブサウルスも簡単に敗れてしまう。覚悟を決めたトリコはリンのフォローでルバンダに挑むが、今の体力ではまったく歯が立たない。しかも不用意な一撃で、無用にルバンダの怒りに火をつけてしまう。このトリコ絶体絶命の危機を救ったのは、全速力でその後を追いかけてきたテリーだった。 テリーの登場で、トリコは一気に形勢を逆転させた。ルバンダも自分の本体を一瞬で見つけたテリーを警戒して動けない。さらにテリーはトリコたちを安全なルートに案内する。鋭い野性の勘を持つテリーには敵のいない場所を察知することはもちろん、最短の近道でさえお見通しだった。一気にデビルアスレチックを抜けたトリコたちは、リーガル高原の入口へとたどり着く。だが、ホッとしたトリコたちとは反対に、何かを察知したテリーが決意の遠吠えを上げた。それはテリーが脅威と感じたGTロボが近くまで来ていたからだ。 自分がGTロボをここまで案内してしまったと感じたテリーはその責任を取るため、戦いを挑むべく道を戻った。トリコはそのテリーの気持に応えるべく、先へと急ぐことにする。そのころ、リーガル高原に入るため、サニーと小松は目の前にそびえ立つ断崖絶壁のリーガルウォールを昇っていた。だが突如、上空から何か迫って来る。おもわず雲かと思ったその巨大な何かは、我が子を捜している途中、誤って足をすべらせて崖の上から落ちてきたリーガルマンモスだった。その山のようなリーガルマンモスの巨大さに、サニーでさえおどろきの叫びをあげる。
リーガル高原の入口であるリーガルウォールを登っていたサニーと小松だったが、そこへ突如、上空からリーガルマンモスが降って来た。その巨体を見て流石のサニーもおどろき、この場は後退をすることを決める。だが、さらにこの騒動をサニーたちのせいだと思ったヘビークリフたちが、巣穴から一斉に飛び出してふたりを追いかけてきた。このサニーたちの危機を見たトリコはふたりを助けるため、猛然とダッシュして地面に向かってフォークとナイフを繰り出す。そして地面をくりぬき、みんなが避難するための穴を作りだした。 トリコの作った穴にいっせいに逃げ込むみんな。そのすぐ後にリーガルマンモスが地面に激突、その大地に大きな跡を残した。穴に逃げ込んだトリコたちは、サニーの触覚で作ったネットで衝撃をやわらげ、何とかこの危機を乗り切る。ひとまずの危機を乗り超えて、お互いの無事を喜ぶトリコと小松。だが、喜びのときもつかの間、怒りのヘビークリフが集団で襲ってきた。流石のトリコとサニーもここまでの冒険で体力が落ちているため苦戦を強いられる。しかし、この危機を救うため、マンサムの依頼を受けたココが助けに来た。 頼もしい助っ人、ココの登場に喜びみんな。ひとりサニーだけが、いいところを取られたと不満顔だ。しかも、ココの毒を恐れたヘビークリフは後退し、リーガルマンモスもその毒で気を失う。これで宝石の肉・ジュエルミートは手に入ったも同然と喜ぶみんなだったが、ココはリーガルマンモスの体内に美食會がすでに潜入していることを電磁波で知る。しかも、ここで巨大GTロボまで現れてしまう。そのころ、デビルアスレチックではスタージュンGTロボを見たオブサウルスがその実力を見抜き、新たな主人として従っていた。 ここまでの冒険でトリコたちの体力が激しく消耗していると思ったココは、この場は自分にまかせて、みんなはリーガルマンモスの体内に入って宝石の肉を捕獲するよう言う。そして、ココとギドが操る巨大GTロボとの戦いが始まった。だがこの戦いのさなか、トリコたちがリーガルマンモスの体内に入る直前に、ココは誰かから死相が出ていたことを知りがく然となる。こうしてリーガルマンモスの体内に入ったトリコたちだったが、自分たちのいる場所がリーガルマンモスの歯の上だと気づきおどろく。しかも、上空からはリーガルマンモスの上の歯が迫っていたのだ!
巨大GTロボとの戦いをココにまかせ、『宝石の肉』を求めてリーガルマンモスの体内へと入ったトリコたちだったが、誤って歯の上に落ちてしまい大ピンチ。かろうじてサニーのフライ返しでピンチを脱したものの、そのままノドを通って体内の奥深くへすべっていってしまう。一方、巨大GTロボと戦うココは猛毒を固めた剣で戦うが、その頑丈なボディに通用せず、苦戦を強いられていた。そのころ、ようやくリーガルマンモスの体内のどこかで止まったトリコたちだったが、先に侵入していた美食會のGTロボと遭遇してしまう。 サニーはここは自分にまかせ、トリコたちに先へ進むよう言った。トリコはサニーの真意に気づくと、『宝石の肉』を求めて奥へと進む。ひとりで戦うより大勢で戦ったほうが有利だと笑うGTロボに、サニーは美しさがないと不敵に笑う。そして、このGTロボこそが、いにしえの沼地で猛獣たちを無残な姿にした敵だと知り、サニーの怒りは頂点に達する。髪をたなびかせて戦闘態勢に入ったサニーは、GTロボに戦いを挑んだ。そのころ、デビルアスレチックでは、スタージュンGTロボの侵攻を止めようと、テリーが奮闘していた。 実力的には及ばないものの、テリーは持ち前の野生の感と集中力を駆使してスタージュンGTロボの足止めをしていた。だが、スタージュンGTロボはこれ以上の無駄な戦闘を避けるため、テリーをオブサウルスにまかせて先へ進む。そのころ、巨大GTロボと戦っていたココだったが、一瞬の隙から不利な状況に追い込まれていた。しかし、リーガルマンモスが落下したときにできたくぼ地を利用して、毒地獄(ヘルポイズン)と呼ばれる毒の煙で巨大GTロボを包む。今、レーザーを発射すれば、ガスに反応して大爆発する仕組みだ。 頑丈な体に絶対の自信がある巨大GTロボは、ガスに構わずレーザーを発射した。そして大爆発が起きる。だが、この爆発の中、巨大GTロボはほとんど無傷だった。毒も体力も尽きてココの敗北が決定的かと思われた瞬間、巨大GTロボに異変が起こる。急に各部のコントロールが利かなくなったのだ。ココの狙いはこれだった。巨大GTロボの体内にあるコアアンテナへと毒をしみこませ、操作不能にしたうえに破壊してしまうという作戦だったのだ。このココの作戦はズバリ的中、やがて巨大GTロボは倒れさる。ようやく勝利を収めてホッとするココだったが、そこへスタージュンGTロボが姿を現した!
捕獲した子供のリーガルマンモスの体内には『宝石の肉』はなかった。マンサムは最後の希望であるトリコたちの活躍に期待を寄せる。そのころ、スタージュンGTロボがココの前に現れた。動けぬココを無視して、スタージュンGTロボはリーガルマンモスの体内へ入ってしまう。一方、トリコの体力が消耗していることを心配した小松は、リーガルマンモスの体内にある食材で料理を作ろうと考えた。だが、トリコはリーガルマンモスの体内に異変が起こったことから、『宝石の肉』を一刻を早く見つけなくてはならないと先を急ぐ。 サニーと戦っていたGTロボが突然逃げ出し始めた。それはサニーの髪から出ている触角の射程範囲を計算したうえ、その能力の消耗を狙ったGTロボの操縦者セドルの作戦である。さらにセドルは、リーガルマンモスの体内で見つけた猛獣メガオクトパスにサニーを攻撃させ、さらなる体力の消耗を狙う。この攻撃ですっかり体力を消耗させたサニーはついに触角を引っ込め、素手でGTロボに戦いを挑もうとする。これをチャンスと思ったGTロボは逃げ腰だった態度を一変させ、果敢に接近してサニーにパンチの連打を浴びせる。 トリコの体力の消耗がサニーから聞いたグルメ細胞のせいではないかと心配する小松。そんな小松に、ティナはグルメ細胞について知っていることを教える。グルメ細胞とは、伝説の美食屋アカシアが発見した細胞だった。美味しいものを食べることで能力を活性化させ、進化に匹敵するほどの力を得ることができる細胞だという。そのころ、一方的にサニーを攻撃していたGTロボの動きが止まる。わざと隙を作ってGTロボを近づけさせたサニーの反撃開始だった。サニーの必殺技、20万本髪(ヘア)パンチがGTロボにさく裂する。 この攻撃に何とか耐えるGTロボは、ふたたび距離を取ろうと逃げ出すが、この行動を読んでいたサニーにコアを破壊されてしまう。決着がついてホッとしたサニーだったが、異物を吐き出そうとするリーガルマンモスによって体内から追い出されてしまう。合流したココはトリコの手助けに行こうとサニーを誘うが、サニーはトリコの力を信じるべきだと手助けに行くことを拒否する。そのころ、ついに『宝石の肉』付近までやって来たトリコたちの前に、スタージュンGTロボが現れた。先制攻撃を仕掛けるトリコだったが、反撃で吹き飛ばされてしまう。さらにリンまでも倒され、残る小松とティナの運命はいかに!?
スタージュンGTロボの攻撃で、トリコとリンは重傷を負う。そして、意識を失ったトリコは奇妙な夢を見た。それは自分が自分を食べているイメージで、その夢から覚めてトリコは意識を取り戻すが、リンのダメージは深刻だった。だが、リンは自分よりもみんなのことを気づかい、エンドルフィンスモークを噴射させる。その好意に報いるため、ティナはクルッポーと共に救援を呼びに走った。トリコはリンの心配をしてそばに近寄るが、リンは自分の顔の古傷の思い出を語りながら、トリコに最期の望みを叶えてもらい静かに眠った。 リンの仇討ちとばかりに、トリコの猛反撃が始まった。限界を超えた6連釘パンチがさく裂、スタージュンGTロボを圧倒する。その急激な戦闘力の上昇を見たスタージュンは、トリコがオートファジーを発動させたことに気づく。だが、飢餓状態による一時的なパワーアップであるオートファジーには限界時間があった。そのことを知っているスタージュンは余裕をくずさず、やがてトリコを圧倒し始める。そして、ついにスタージュンの痛恨の一撃がさく裂、力尽きたトリコはティナのいた場所まで吹き飛ばされてしまう。 ティナは吹き飛ばされたトリコを見つけたが、必死で呼びかけても一向に目を覚まさない。そこでティナは、光り輝く肉汁をトリコに与える。すると、ボロボロだったトリコが、その味に反応して目を覚ます。ティナの与えた肉汁こそ、宝石の肉・ジュエルミートのものだった。その匂いをかいだだけでトリコの体は回復していく。そしてトリコはついに宝石の肉を口にした。そのあまりの美味しさに涙を流すトリコ。しかも、ボロボロのはずのトリコの肉体が見る見るうちに回復し、さらに以前以上の力が体にあふれてくるのだった。 トリコにとどめを刺したと確信したスタージュンは、余裕を見せながら小松に近づいた。そしてバッグからこぼれた小松の包丁を奪ってしまう。だが、包丁は料理人の小松にとって命よりも大切なものだ。小松はスタージュンの威嚇にも負けず必死に抵抗した。その小松の死をも恐れぬ覚悟を認めるスタージュン。そしてGTロボでやって来たスタージュンにはその覚悟がないと言いながら、トリコがふたたび姿をあらわす。宝石の肉によってグルメ細胞を活性化してパワーアップさせたその姿は、超トリコとも言うべきほどの力に満ち溢れていた。
宝石の肉、ジュエルミートを食べてパワーアップしたトリコが、スタージュンGTロボの前に現れた。勢いに勝るトリコはGTロボに、痛みを感じないようにする圧覚超過を解除して対等に戦うように挑発する。スタージュンは進化したトリコの実力を知るため、あえて挑発に乗って圧覚超過を解除して戦いに挑む。こうして戦いが始まったが、トリコの連発する技の数々にGTロボはただ圧倒されるばかりだった。敗北を悟ったスタージュンに、今度は生身で戦うことを約束して、トリコはとどめの10連釘パンチでGTロボを粉砕する。 GTロボを粉砕して宝石の肉を無事に捕獲したトリコは、リンもまだ生きていたことを知って、小松たちと一緒にリーガルマンモスの体の外へと脱出した。そこに待っていたココとサニーと合流したトリコたちは、おたがいの無事を喜んだ。テリーも苦戦の末、オブサウルスを手なずけて戻ってきた。子供のリーガルマンモスもキッスが連れて来て親と再会、冒険も無事に終わったかに思えたが、親リーガルマンモスの怒りは収まらない。もう戦う力が残っていないトリコたちは、必死の形相でリーガルマンモスから逃げ出すのだった。 重傷を負ったリンが目を覚ました。死線を乗り越えたグルメ細胞の活性化におどろくヨハネス。そのころ、マンサムの前にひとりの男が現れていた。男の名は茂松、IGOの副会長だ。はたしてその目的とは何か? 一方、テーブルの前で待ち構えるトリコたちの前へ、宝石の肉が運び込まれた。冒険の疲れをいやすべく、すべての食材に感謝をこめて宝石の肉を口にするみんな。その部位ごとにまったく異なる歯ごたえや味わいは、そこにいるみんなを感動させた。そのうえ宝石の肉の効果で、みんなの体はピカピカに光ってしまう。 あらためて味わった宝石の肉の美味しさに感動したトリコは、自分の人生のフルコースの肉料理に加えることを決める。だが、それにサニーが待ったをかけた。グルメ細胞の相性からか、トリコ以上に光り輝いているサニーは、宝石の肉を自分の人生のフルコースのメインディッシュに加えると言いだしたのだ。一歩も譲る気のないトリコとサニーに、小松はふたりの人生のフルコースに入れてもいいじゃないかと説得するが、かぶるのは嫌だとふたりは納得しない。かくして、トリコとサニーの言い争いが続く中、ほかのみんなは宝石の肉の美味しさを楽しむのだった。
宝石の肉を捕獲して2週間、冒険を終えたみんなはそれぞれの日常を送っていた。貴重なグルメ食材である宝石の肉をスクープしたはずのティナ。しかし、そのあまりにもまぶしく光る宝石の肉は、カメラには撮ることができず困り果てていた。レストランに戻り今回の冒険を料理に生かしていた小松だったが、その前にIGOの事務局長ウーメンが現れる。美食會に襲われたことから、IGOに対してへそを曲げてしまったロト共和国のドヘム大統領の機嫌を美味しい料理で直してほしいというのだ。その責任の重大さに緊張する小松。 そのころ、元の生活に戻っていたココだったが、その姿を路地裏から監視する怪しい男たちがいた。グルメコロシアムではトリコのことを思い出してうわの空になっているリンに、じゃんけんに勝って宝石の肉を自分の人生のフルコースに入れたサニーがしばしの別れを告げる。そして、残されたGTロボの残骸を取り戻しに来るであろう美食會を待ち構えているマンサムと茂松。一方、トリコはテリーやオブサウルスと共に自分の家に戻っていたが、2週間も何も食べないテリーを心配し、その口に合う食材を求めて大自然の中にいた。 骨まで美味しく食べられるフライアダックを捕獲したトリコだったが、テリーはまったく興味を示さない。困り果てたトリコは、十夢に相談する。十夢によるとグルメ界の生物であるバトルウルフは、グルメ界にある食材しか食べないという。テリーのために前人未到の地であるグルメ界に行くことを決意するトリコだったが、十夢は人間界にもただひとつグルメ界の食材が実っていることを教える。それはウージャングルにあるブルーブラッドコーン、通称BBコーンだ。その話を聞いたトリコは、さっそくBBコーン捕獲に旅立つ。 ドヘム大統領に食べてもらうマーメイマグロのバブリートロにかけるソースが決まらない小松は、食材を求めて市場にやって来た。そこで偶然、十夢と出会う。さらにそこへ、スクープを求めてトリコを探すティナも現れた。ふたりは十夢から、トリコがウージャングルに向かったことを聞く。その話を聞いた小松はウージャングルにあるというグルメ食材、ウールスターソースの実のことを思い出した。そこで小松とティナのふたりは、急いでトリコを追って一緒にウージャングルに向かうことを決める。そのころ、トリコとテリーは、すでにウージャングルに向かう飛行機の中にいた。
BBコーンを求めてウール大陸にあるウージャングル、別名で植物地獄ヘルプラントと呼ばれる場所へと向かうトリコとテリー。さらにトリコと一緒にウージャングルで食材を探そうと考えた小松とティナは、その後を追った。そのことをニュースで知ったココと、リンから聞いたサニーは小松の身を案じる。危険な猛獣たちを警戒したヘリはウージャングルから少し離れた場所へと着陸し、トリコとテリーは歩いて先へと進む。途中、トリコは自分に気を使いすぎるテリーの姿を見て、そのことが成長の妨げにならないか心配になる。 やがてトリコとテリーは、ウージャングルの入口に到着する。ジャングルに入る前にトリコは、何があっても自分の身の安全を優先して冒険を続けることをテリーに言い聞かせた。その姿を見つけて、あわててヘリを着陸させた小松たちだったが、トリコたちは気づかずに先へ進んでしまう。トリコを追ってジャングルに入ろうと考えた小松とティナだったが、命からがら脱出してきたゾンゲの姿を見て不安になる。そのころ、ジャングルの奥へと進むトリコたちだったが、次々に現れる食獣植物の猛威に苦戦し、テリーが囚われてしまう。 ピンチのテリーに対してトリコは助けるどころか、辛らつな言葉を浴びせる。それは自分との約束を破って、テリーがトリコを助けようとしたからだった。そこでトリコはゾンビウッドとの戦いに一切手出しをせず、テリーにすべてを任せることを宣言する。それはテリーに秘められた才能の開花を願ったトリコの苦渋の決断だった。トリコが見守る中、ゾンビウッドを相手にテリーは、その才能の片りんを見せていく。目にもとまらぬ速さで駆け回ったテリーは、その鋭い牙でゾンビウッドの触手のような幹を次々噛み砕いていった。 だが、巨大なゾンビウッドに対してテリーの攻撃は決定打にならない。逆にゾンビウッドにふたたび囚われたテリーは、その体内に飲み込まれてしまう。勝利の雄たけびを上げるゾンビウッドだったが、トリコは余裕の表情をくずさずテリーの勝利を確信する。やがて炎に包まれ始めるゾンビウッド。それは素早いスピードで木の実を切り刻んで中のアルコールを浴びせ、鋭い牙で火花を起こしたテリーの作戦が成功した瞬間だった。燃えあがるゾンビウッドから飛び出したテリーにねぎらいの言葉をかけ、トリコはその才能の片りんを見て喜ぶ。こうして強敵を倒したトリコたちは、BBコーンを求めて森の奥へと進んだ。
巨大な木々を登った先で、ついに探していたBBコーンを見つけたトリコとテリー。だが、普通のトウモロコシよりもはるかに大きいそのBBコーンでさえまだ成長途中のものだったのだ。その先に20階建てビル並みの巨大なBBコーンを見つけたトリコは、テリーと協力してその巨大な粒を手に入れるための作業に入る。釘パンチの威力で粒をはじけさせ、ついに念願のBBコーンをトリコとテリーは手に入れた。さっそく、そのBBコーンをポップコーンにして食べようと、トリコとテリーは強力な熱があるウール火山へと向かう。 だが、ウージャングルの植物はすごいスピードで成長していた。すっかり道を見失ったトリコだったが、マーキングして場所を把握していたテリーによって、迷わずに来た道を戻ることに成功する。一方、ウージャングルの成長スピードに飲み込まれ、ヘリを失ってしまった小松たちは襲いかかる猛獣に成すすべもなく逃げ回っていた。しかし、偶然にも目的のウールスターソースを見つけた小松は足を止めてしまう。料理人としての意地と覚悟を見せた小松だったが、無残にも襲ってきたアロエリマキトカゲに飲み込まれてしまった。 飲み込まれてしまった小松だったが、ココの占いを思い出し、失敗作のスパイスを使ってどうにか脱出に成功した。小松の危機を救おうとやって来たサニーだったが、機会を逃してしまい残念がる。そこへトリコたちも合流、BBコーンの試食に小松たちを誘う。しかし、小松は自分の仕事を優先し、トリコの誘いを断った。そしてサニーのヘリで、ウールスターソースを入手した小松たちは一足先に帰って行く。一行と別れたトリコとテリーもウール火山へと到着、さっそくポップコーンにしようとBBコーンの調理を開始した。 BBコーンの調理はむずかしい。ちょっと目を離すと簡単に焦げてしまうからだ。そこで一晩中、目を離さずBBコーンの調理に気を使うトリコとテリー。その苦労が報われ、ついにBBコーンは弾け、ポップコーンになった。グルメ貴族のおやつと言われたその味にテリーも大満足だ。さらにその食欲増進効果におどろいたトリコは、これこそが自分の『人生のフルコース』に相応しいことを実感、オードブルにすることを決める。火山の噴火をまるで祝福の花火のように思い喜ぶトリコたち。だが、そこへ謎の怪人が現れた。怪人は巨大ストローでポップコーンを吸い取ったばかりか、テリーまでも吸い取ろうとする!
BBコーンで作ったポップコーンを味わっていたトリコとテリーの前に謎の男が現れた。謎の男は巨大ストローでBBコーンを根こそぎ奪っただけでなく、テリーまでも吸い取ろうとする。その行動を阻止したトリコだったが、謎の男は気にも留めず飄々と自分のことを語り始めた。謎の男は美食會の一員であり、リーガル高原へGTロボの回収に向かったが、茂松とマンサムがいたことから回収をあきらめ、代わりとしてBBコーンを狙ったのだ。さらに謎の男は美食會の最終目的が、幻の食材『GOD』であることを語り始めた。 一方、ウールスターソースを入手して帰還を急ぐ小松は、自分の料理がサミットの役に立つか不安に思っていた。そんな小松に、ティナはGODの伝説を教える。今から五百年前にあった世界的大戦争、その百年もの戦いを終わらせたのが、伝説の美食屋アカシアが各国首脳陣にもたらした食材GODだったのだ。GODを食べた各国首脳は、その美味しさによって争うことの愚かさを知り、戦争を止めたという。だが、そのあまりの美味しさをめぐって、ふたたび争いが起こることを危惧したアカシアは、GODを封印するのだった。 謎の男はGODが現れると言われている数百年に一度のグルメ日食が近いことをトリコに教える。それを聞いたトリコは喜びに震えた。それは以前からGODを自分の人生のフルコースに加えようと考えていたからだ。しかし、それを聞いた謎の男はそれまでの態度を一変、自分たちの邪魔となるならここで決着をつけると言ってトリコに戦いを挑んできた。それを受けて立ったトリコはテリーを安全な場所まで下がらせると10連釘パンチを発射する。だが、攻撃はブレスバズーカと相殺、ふたりはその威力ではじき飛ばされてしまう。 距離が離れて、余裕綽々の謎の男。それはトリコの技は接近戦ばかりで、遠距離を攻撃する手段がないからだ。謎の男はここぞとばかりにトリコへ連続攻撃を仕掛ける。一方的に攻撃を受けることになったトリコだったが、何故か危機を感じてはいなかった。それは宝石の肉を食べたことで、自分がレベルアップしていたことを本能的に悟っていたからだ。試しに攻撃を繰り出したトリコ。その一撃は遠距離にもかかわらず、謎の男にヒットする。レベルアップしたトリコは、その攻撃をより遠くまで発射することができるようになったのだ。フライングフォークとフライングナイフと名付けた新技で、トリコは謎の男に挑む!
宝石の肉を食べたことで進化を遂げたトリコの技。だが、謎の男は余裕の表情をくずさなかった。それは遠距離まで攻撃可能になったトリコの技だったが、威力なら自分のほうが上だと思っていたからだ。それを証明するかのように、先ほどより攻撃力の高いブレスミサイルを謎の男が放った。その威力は周囲の風景を変えてしまうほどだ。しかし、この攻撃のすきを突いて、トリコは謎の男に接近し、ナイフで巨大ストローを叩き斬る。すべては謎の男を挑発し、周りが見えなくなるほどの攻撃をさせたトリコの作戦だったのだ。 巨大ストローを壊され、ついに本気を出すかに思えた謎の男だったが、美食會からの呼び出しに撤退を決める。しばらくするとBBコーンをまるごと一本かかえたジャックエレファントが現れ、謎の男はそれに乗って去っていく。去り際に謎の男は、自分が美食會の副料理長グリンパーチだと名乗った。グリンパーチが去っていく姿を見て戻って来たテリーと一緒に、トリコは自分たちももっと強くなろうと決意をあらたにする。去りゆくグリンパーチもまた、もっと強くなったトリコとの再戦を望んで奇怪な笑い声をあげていた。 サミットの晩さん会では、小松の到着を待ちきれないウーメンがコックに命じ、未完成のソースをバブリートロにかけて出そうとしていた。しかし、ドヘムが口に入れようとしたその瞬間、小松が晩さん会に現れる。小松はすぐに捕獲したウールスターソースの実でソースを作ってバブリートロにかけたが、タイムリミットに間に合わず料理は泡となって消えてしまう。このままではサミットは失敗だと苦悩する小松だったが、ココが代わりのバブリートロを持ってやって来た。さらにトリコも現れ、小松は気を取り直して料理に挑む。 トリコの持ってきたウール火山の塩を加えて、バブリートロにかけるソースは完成した。さっそく味わったドヘムは、その美味しさに満足する。成長の早いウールジャングルのもととなっているウール火山の塩分が、バブリートロの熟成を促進させ、ちょうどいい美味しさで料理を完成させたのだ。満足したドヘムはIGOを信用、その法案の可決に賛成する。トリコの持ってきたBBコーンのポップコーンを食べながら喜びを分かち合う一同。そのころ、美食會では料理長のクロマドが、なかなか集まらないメンバーにいら立っていた。クロマドが美食會のメンバーを集めたその目的とは何か?
満腹都市グルメタウンにやって来たトリコと小松。一方、美食會ではクロマドの招集を、宝石の肉捕獲失敗だと考えたスタージュンが責任はすべて自分にあると認めていた。すべてはトリコの力を試したことだと分析するスタージュンに、遅れて現れたグリンパーチもトリコの可能性を見たくなる気持ちがわかると同意する。クロマドは集まったメンバーたちに、自分たちのグルメ細胞をトリコのように進化させるため、新たなグルメ食材を手に入れるよう命令した。それを聞いた第2支部長のユーは、気になるスープの存在を伝える。 世界中の食べ物が集まっているというグルメタウンの料理の数々を、トリコと小松は端から楽しんでいく。だが、トリコは入ったときに感じた謎の威圧感や、やたら美食屋が目につくことを気にしていた。トリコの目的はここである人と出会うことだったが、時間にまだ余裕があることから小松の願いでグルメデパートへと向かった。所狭しと並べられている最高級の調理用具に目を輝かせる小松。しかし、そこへ突如、警備員に追われていたグルメ強盗団が現れた。グルメ強盗団に捕まった小松は、逃げるための人質になってしまう。 グルメ強盗団に捕まった小松を助けようとその後を追ったトリコだったが、人ごみにまぎれてしまい強盗のひとりを見失ってしまう。しかし、ひとりの老婆が偶然にも強盗を倒し、小松を助けた。その老婆こそトリコが待ち合わせしていた人物、世界に4人しかいない美食人間国宝の節乃だったのだ。料理人として数々の偉業を成し遂げた節乃の料理を食べることが、トリコがグルメタウンにやって来た目的だった。気分次第で店を開けるという節乃の料理を食べるため、トリコでさえ4年も待ったという話に小松はただおどろくばかり。 節乃の店に向かう途中、ひょんなことから節乃が昔組んでいた美食屋がノッキングマスター次郎だったと聞き、トリコと小松はおどろく。節乃もまた、次郎が小松を救ったという話を興味深く聞くのだった。ようやく到着した節乃の店が、中心から離れた何の変哲もない食堂でおどろく小松。中に入ってみても、店の雰囲気や調理器具も普通で呆気にとられる。だが、トリコからどこにでもある普通の道具で美味しい料理を出すのが節乃流だと教えられ、小松は納得する。そして、いよいよ料理の準備に取り掛かる節乃。はたして伝説のスープ、センチュリースープとは一体どんな料理なのか?
伝説の料理人である節乃の作ったセンチュリースープを食べさせてもらうことになったトリコと小松。しかし、できるまでにもう少し時間がかかるということで、先ににんにく鳥の親子丼を作ってもらうことになった。節乃のあざやかな調理の腕に目を見張る小松。そして出来上がった親子丼の味に、トリコと小松は感動を覚えた。一方の節乃もまた、親子丼の味の秘密を見抜き、瞬時に独自の発想を思いついた小松に興味を持ち始める。そのころ、節乃食堂の外では開店していることを知った人間が、いつの間にか押し寄せていた。 ついにセンチュリースープが完成する。あまりにも透明度の高いスープは、そこにあるかどうかさえわからないほど透き通っていた。そして、センチュリースープを味わうトリコと小松。トリコはその美味しさに体を震わせ、小松は意識が飛ぶほどの衝撃を受ける。すぐさま、センチュリースープの具材を言い当てた小松だったが、同時に「何かが足りない…」ともらした。その言葉を聞いた節乃は意を決したかのような表情を見せ、トリコと小松に節乃食堂の厨房を見せると言いだす。節乃食堂の厨房、それは店の地下深くにあった。 厨房へと足を踏み入れたトリコと小松。そこは数々の食材が並ぶ巨大な調理場だった。アスレチックのような場所を通り、トリコたちはセンチュリースープの仕込み場へと向かう。その仕込みの複雑さを見た小松は、節乃食堂が不定期にしか開けない理由がここにあると思ったが、節乃に否定される。節乃曰く、客や調理人が食材を選ぶのではなく、食材が客や調理人を選ぶのだという。つまり店を開けるのは食材の気分だというのだ。その言葉の意味が理解できない小松に、節乃はやがてそれが理解できる日が来るとやさしく微笑む。 センチュリースープの仕込み場に到着したトリコと小松は、その巨大な鍋に圧倒される。長い階段を上ってスープの具材として煮込まれているグルメ食材の数々を見たトリコと小松はおどろくが、これでまだ未完成という節乃の言葉に、さらにおどろかされる。実はセンチュリースープは自然界に存在するもので、その美味しさに感動した節乃が再現したものが、トリコと小松が味わったスープだというのだ。節乃はトリコと小松の鋭敏な味覚に期待をよせ、自然界にあるセンチュリースープを味わい、足りない何かを見つけてほしいと依頼する。しかもセンチュリースープが姿を現す百年に一度のときはもうすぐだという。
百年に一度しか現れないという伝説のスープ、センチュリースープに挑むことになったトリコと小松。ふたりはスープの情報を求めて、酒場ヘビーロッジに向かう。そのヘビーロッジでは、同じようにスープの情報を求めて多くの美食屋たちが集まっていた。自分以外はすべてスープを狙うライバルとあって、酒場は緊張感にあふれ、今まさに刀を手にした男マッチと、ターバンをまいた少年滝丸がにらみあう。そこへトリコと小松が現れた。ふたりは新たなライバルの登場に争うことをやめ、酒場はもとのにぎやかな雰囲気に戻る。 トリコの到着直後、センチュリースープの情報を持つ男、大富豪のカーネル・モッコイが現れた。モッコイはスープに百億の懸賞金をかけ、これに挑む者は全員ついてこいと不敵な笑みを残し去って行く。この冒険が厳しいものになることを予想した酒場のマスター、モリ爺は酒場の隠し部屋にあるアイテム売り場にトリコと小松を招き入れる。ふたりはそこで新たなアイテム、グルメスティックを手に入れた。翌日の朝、スープのある場所に向かう船へと集まる美食屋たち。その中にはスクープを狙ってティナも紛れ込んでいた。 美食屋たちが乗り込んだ船の中で、ついにモッコイによってセンチュリースープの秘密が語られた。スープがあるのは氷の大陸『アイスヘル』。かつて冷凍保存の技術がまだなかったころの美食屋たちが、己の捕獲したグルメ食材を保存していた場所、別名グルメショーウインドーにあるという。この場所に保存されていたグルメ食材が百年に一度、溶け出してひとつになったものがセンチュリースープだと言うのだ。この極寒の地に耐えられるように支給されたライタースーツを着ながら、トリコはモッコイの情報収集力に感心する。 トリコと小松に挨拶をする滝丸。彼はトリコと知り合いの愛丸をリーダーとするグルメ騎士(ナイト)の一員だった。懐かしさに思わず笑顔になるトリコだったが、そこへ船を狙って猛獣たちが襲いかかって来る。だが、集められた美食屋たちも腕自慢が多く、ひるまずにすぐ反撃に転じた。自慢の居合術で猛獣を三枚に下ろすマッチ、猛獣の骨をずらす『栓抜きショット』で戦う滝丸、美食屋たちの反撃で猛獣たちはアッという間に撃退されてしまう。だが、ホッとする間もなく、横の岸壁から船よりも巨大な氷の塊が降ってきた。次から次へと襲ってくるトラブルを、トリコたち美食屋はどうやってくぐり抜けるのか?!
センチュリースープを求めてトリコと小松は大富豪カーネルの用意した砕氷船でアイスヘルへと向かう。その途中、猛獣たちを何とか撃退した美食屋達の前に、新たな危機が迫って来た。船よりも巨大な氷が突如、落下してきたのだ。だが、トリコはこの危機をものともせず、5連釘パンチで氷を木端微塵に砕いてしまう。トリコの超人的能力に歓喜の声を上げる一同。そして船は目的地に到着、現地まではヘリで2回に分けて運ぶことになった。トリコはもちろん第一陣を希望、小松、マッチ、滝丸、ゾンゲ、ティナも一緒に出発する。 ヘリの中では、危険な場所にまで同行するカーネルを感心する小松に、トリコは「来ていない」と意味深な言葉を残していた。やがてヘリはアイスヘルの手前で着陸、この先は行けないと第一陣のメンバーを下ろす。トリコたちは氷壁を登り、アイスヘルへと向かう。一方、船の中ではカーネル護衛のSPたちが全滅していた。そこへ現れた覆面をした謎の人物に、カーネルは誰でもいいからスープを手に入れれば金は払うと言い放つ。そのころ、崖を上ってアイスヘルに到着したトリコたちの前に、思いがけないものが待ち受けていた。 トリコたちの前にいたのは、氷の世界の番人ツンドラドラゴンだ。だが、ドラゴンは凍りつき、すでに息絶えていた。番人のドラゴンが凍るという異常な状況に、美食屋たちはこれからの冒険が厳しいものになることを痛感する。トリコは第一陣の美食屋たちを集め、なるべく固まって行動することにした。しかし、自分の考えに絶対の自信を持つゾンゲは別な方法で進むことを決め、トリコを見失ってしまったティナも一緒に行動することになる。そのころ、不気味な笑いを浮かべるカーネルに見送られ、第二陣が船から出発した。 台風のように吹きすさぶブリザード、氷でできた刃サスツルギと、美食屋たちに過酷な試練が続く。みんなの疲労が心配になったトリコは氷を削って穴倉を作り、そこで休憩を取ることにした。小松たちを休ませている間、トリコはひとり見張りに立って、次の脅威に警戒する。そのころ、第二陣を乗せたヘリが到着、そこには何故かカーネルのSPが乗り込んでいた。SPは凍りついていたバリーガモンを起こす。起き上がったバリーガモンは、SPをボギーウッズと呼んだ。そして凍りついていたドラゴンの中から、美食會の副料理長であるトミーロッドが現れた。ついに美食會がスープ奪取に動き出したのだ!
センチュリースープのある氷山を求めて、アイスヘルを冒険するトリコをはじめとする美食屋たち。休憩中、ひとりで周囲の警戒を続けるトリコを気づかい、マッチが見張りを替わる。厳しい冒険の中、美食屋たちの間にチームワークが生まれていた。一方。我が道をゆくゾンゲ一行と、それについて行くことになってしまったティナとクルッポー。強風を避けることはできたものの、いきなり猛獣ガウチの群れと出会って逃げ出していた。そして美食會副料理長トミーロッドは、自分たち以外は全滅させようと不敵な笑みを浮かべる。 ふたたび動きだしたトリコたちだったが、小松、滝丸、マッチとその部下以外の美食屋たちは、すでにリタイアしていた。さらにそこへ猛獣フリーザバイソンの群れが襲ってくる。だが、トリコはこのピンチを、暖かい毛皮と美味しい肉を手に入れるチャンスととらえた。その考えに賛同した滝丸とマッチはバイソンをそれぞれの得意技で撃破、さらにトリコも撃破して3匹を捕獲する。なおも襲ってこようとしたバイソンだったが、トリコの威嚇で逃げ出した。それを見たマッチは、むやみに命を奪わないトリコの優しさに笑みをこぼす。 バイソンの美味しい肉と暖かい毛皮を手に入れたトリコたちは体力を回復させ、スープのある氷山まであと一歩と迫っていた。そのころ遅れて出発していた第2陣はほぼ全滅、生き残った者もトミーロッドによって倒されていく。しかし、ただひとりだけ先に進んでいた者がいた。気になったトミーロッドは、先に進む者を襲わせるため、自分の体内にいる寄生昆虫たちを吐き出す。そのあまりの凶暴さに、一緒にいたバリーガモン、ボギーウッズは隠れてしまうほどだ。一方、トリコたちはついにスープのある氷山へとたどり着いた。 ガウチの群れから逃げ出せたのも束の間、今度はアイスジャガーに襲われるゾンゲたち。だが、偶然から氷山へと続く洞窟を発見する。そのゾンゲの運の良さに流石のティナも呆れてしまう。一方、氷山にたどり着き、寒さもやわらいだトリコたちは一路、スープのある場所へと向かった。そしてトミーロッドたちは寄生昆虫がノッキングされていることにおどろく。それは戦闘力もさることながら、貴重な寄生昆虫のノッキング方法を知る者がいたからだ。その寄生昆虫をノッキングした謎の覆面男は氷山にたどり着くと、ついにかぶっていた覆面を脱ぎ捨てた。覆面男の正体、はたして彼は何者なのか?
センチュリースープを求めて氷山の奥深くへと進んでいくトリコたち。その途中、白銀グリズリーに襲われたが、トリコは余裕でこれを捕獲、小松に調理されてみんなで食事休憩を取ることにした。そこへ親からはぐれたウォールペンギンの子供が現れ、小松になついてしまう。リラックスした空気の中、マッチはテントに入って先に休む。ふと、マッチが何故スープを欲しがるのか気になった小松は、マッチの部下たちに思い切って聞いてみる。部下は自分たちが住んでいるネルグの現状と、マッチとの出会いについて語り始めた… ネルグは一部の人間がグルメ食材を握って、満足に食べることもできない子供たちが大勢いた。マッチはそんな子供たちのために食材を分け与えていたのだ。部下たちは、その子供だったという。その話を聞き、滝丸も自分の目的について話し始めた。滝丸の目的とは今回の報酬で高額の薬を買い、ある人に与えたいというのだ。お互いの目的を知り、トリコたちの結束はより強いものになっていく。だが、突然後ろの方から爆発が起こった。それは氷山を爆破して、一気に進んでしまおうと考えたトミーロッドの仕業だったのである。 そのころIGOではマンサムが四天王のココを呼び寄せていた。美食會がスープ捕獲に動いているとの情報を聞いたマンサムは、トリコの手助けをするようココに依頼する。一方、ゾンゲたちはついに隠し洞窟を抜け、氷山の中へと足を踏み入れていた。だが、そこで氷漬けになっていた、眠れる支配者の異名を持つ怪物ヘルボロスを見ておどろく。そして、そこに謎の青年が現れた。彼こそは覆面で顔を隠していた第二陣、唯一の生き残りだ。謎の青年はヘルボロスを見て何かに気づくと、スープを求めて足早に奥へと進んでいった。 近づいてくる爆発を気にしながら、トリコたちはスープのある方角へ走っていた。そして、ついにトリコの鼻がスープの香りを感じるほど近づく。だが、突然、後ろの方から何かが襲ってきた。それはトミーロッドの放った寄生昆虫ジョンガルクワガタだ。その素早い動きに翻弄され、数の多さに苦戦するトリコたち。寄生昆虫がトリコたちと戦闘を始めたことに気づいたトミーロッドは、不敵な笑みを浮かべてバリーガモンとボギーウッズと共に邪魔者を抹殺するべく動き始める。はたしてスープを捕獲するのは、トリコたち美食屋か? それともトミーロッド率いる美食會か?
襲ってくる寄生昆虫ジョンガルクワガタの群れにトリコたちは苦戦していた。トリコたちの攻撃をかわす素早い動きに加え、普通の攻撃ではびくともしない強固な身体、さらに真っ二つになっても再生する生命力を持っていたからだ。どうにかトリコたちは昆虫を撃退したが、続いてトミーロッドたちがやって来た。そのころ、ティナとゾンゲたちは、センチュリースープの手がかりを持っているであろう謎の青年の後を追う。その謎の青年は、目的地らしいところにたどり着いていた。だが、何かを見つけて、おどろきの声をあげる。 ついにトミーロッド率いる美食會のメンバーと対峙するトリコたち。トミーロッドはいきなりあいさつ代わりの一撃をトリコに決める。だが、トリコはその攻撃にひるまず、反撃を加えようとした。しかし、トミーロッドの体内に潜む何かに気づき、その拳を止める。そこへ小松になついていたウォールペンギンの親が現れた。そのウォールペンギンの怒りの一撃が大地を割り、そこにいた全員が地下にある空洞まで落ちてしまう。なんとか無事にすんだ小松は、そこでスープの手がかりとなるグルメショーウインドーを見つけた。 マンサムの依頼でトリコの救援に向かうココ。だが、占いでスープに不吉な結果が出ていたことが気になっていた。自分の占いが外れていることを祈りつつ、ココはアイスヘルへ急ぐ。そのころ、グルメショーウインドーを見つけたトリコは、その材料が枯れていることに気づく。これではスープはほとんど残っていないかもしれない。そう思ったトリコは、この場は自分に任せ、小松を先にスープのある場所へ向かわせようとした。だが、それに気づいたトミーロッドは、バリーガモンとボギーウッズに命令、その行く手を塞ごうとする。 だが、気持ちをひとつにしていた滝丸とマッチが、バリーとボギーの行く手をさえぎった。ふたりの気持ちに応えるためにも、小松はみんなでスープを分けることを約束して先を急ぐ。こうして始まることになったトリコたちと美食會の全面対決。トリコはかつて戦った副料理長たちのことを思い出していた。GTロボで実力が発揮できなかったスタージュン、本気で戦わなかったグリンパーチと違い、トミーロッドとは初めて全力で戦うことになる。しかも、先程の小競り合いでトリコの右腕はすでに凍りついたようになっていた。命がけの死闘になることを予感したトリコは、滝丸とマッチにエールを送りつつ、自分自身にも気合を入れる。
センチュリースープ捕獲のため、トリコたちに戦いを任せて小松はひとり先を急ぐ。初めてトリコから真剣に頼まれたこともあって、小松も決意を新たにスープのある場所へ向かっていた。。だが、そこには覆面をした謎の青年が先に到着していたのである。おどろく小松だったが、青年は背後に迫ってきた寄生昆虫たちを倒してくれた。さらに、この大陸から無事に帰りたければ、何もしゃべらないほうがいいと忠告する。そんなふたりを監視するように近づく小さな寄生昆虫。その背中にはミクロサイズのGTロボが乗っていた。 突然、トミーロッドがウォールペンギンを寄生昆虫で攻撃した。親を一瞬で倒して子供にまで襲いかかる寄生昆虫だったが、トリコたちの攻撃で未然にふさがれる。あまりに残虐なそのやり方に怒り心頭のマッチのマシンガンを合図変わりに、ついにトリコたちと美食會の戦いが始まった。滝丸の先制攻撃を浴びながら、ボギーウッズは体代わりに使っていたグルメSPから抜け出し、ついにその真の姿を現す。ボギーは人の体に潜り込んで、その肉体を自由に操る能力を持っていたのだ。次は滝丸の肉体をもらうと不敵に笑うボギー。 そのころ、マンサムの指令でアイスヘルに向かっていたココは、何故かその途中で節乃のもとへやって来ていた。節乃に何かをたずねるココ。一方、激しい戦いの中で隠していた左目をあらわにする滝丸。ボギーはその左目を見て呪われているというと、目的を変更して滝丸に容赦ない攻撃を仕掛ける。その攻撃の前に一度は倒れた滝丸だったが、不屈の闘志で立ち上がると、自分の左目に対しての誇りをボギーにぶつけた。渾身の栓抜きショットで背骨を外されるボギー。だが、何故かボギーにはダメージがなく、滝丸は呆然とする。 ボギーの体の骨は常人とは異なるばかりか、関節も普通より多い特異体質だったのだ。関節を外されても大してダメージにならないボギーは、滝丸にとってもっとも相性の悪い相手だった。自分の手をカマと分銅に変えたボギーは、鎖鎌のような攻撃で滝丸に痛恨の一撃を浴びせる。その攻撃で倒れた滝丸は、薄れゆく意識の中で大切な人のことを思い出していた。自分のことを大事にしてくれた大切な存在、グルメ騎士のリーダー愛丸。その優しい笑顔を思い出した滝丸は、倒されてもふたたび立ち上がった。その恩義に報いるためにも、滝丸は最後の力を振り絞ってボギーに挑む!
美食會とトリコたちの戦いは、まだ続いていた。トミーロッドの繰り出す寄生昆虫たちに防戦一方のトリコ、マッチもバリーガモンのスピードとパワーに苦戦する。そして、滝丸はボギーウッズの攻撃に何度も倒れたが、そのたびに立ち上がり、最後の勝負に出るためにとっておきのプリショットルーティーンの体勢に入った。そこへ無情にもボギーの一撃が決まる。だが、滝丸の動きは間に合っていた。それはどんな痛みにも耐えることができるものだ。さらに滝丸は、攻略不可能と思われたボギーの骨に弱点があることに気づく。 ボギーの弱点、それは唯一動かせない骨『仙骨』の存在だった。滝丸は栓抜きショット奥義コルクスクリューを放ち、ボギーの仙骨を体の外へ弾き飛ばす。たちまち動けなくなるボギー。しかし、滝丸も力尽き倒れてしまう。何とか仙骨を取り戻そうとするボギーだったが、マッチとバリーの戦いに巻き込まれ、仙骨は真っ二つにされてしまった。ボギーは絶望して力尽きる。そのころ小松は謎の青年に行く手を塞がれていたが隙をついて先へ進んでいた。その様子を静かに見つめる小型GTロボ。それは美食會第2支部長ユーだった。 マッチとその部下たちの前に立ちふさがるバリー。その強固な鎧は自然界でも指折りの強度を誇るクラッシュタートルの甲羅で作られており、体から流れる不凍液のおかげで極寒の場所でも戦闘力を最大に維持できるという。逆にこの寒さでマッチたちは動きがにぶり、圧倒的に不利な状況になっていた。そこでマッチは何とかバリーを倒そうと、3分間の脱力に入る。だが、それを見逃すバリーではない。マッチに向けて突進するバリー。それを阻止して3分の時間を稼ごうと、ラム、シン、ルイは決死の覚悟でバリーに戦いを挑んだ。 マッチと故郷の子供たちのため、バリーに挑んだラム、シン、ルイだったが、力尽き次々と倒れていく。しかし、ついに3分が経過した。脱力から一気に怒りを爆発させたマッチは、目にも止まらぬ速さでバリーに居合一刀両断を炸裂させる。その威力の前にバリー自慢の鎧も真っ二つだ。マッチの愛刀『竜王』こそ、クラッシュタートルの甲羅さえ噛み砕くという、レオドラゴンの牙から作られたものだった。何とかバリーを倒して部下の仇を取ったマッチは、ボロボロになりながらトリコを援護しようと近寄ろうとする。だが、トリコとトミーの戦いは、マッチほどの実力者でも近寄れぬほど激しい戦いになっていた!
苦戦の末、バリーガモンを倒したマッチは、トミーロッドと戦うトリコを援護しようと傷だらけの体を奮い起こす。だが、ふたりの戦いはマッチでさえ加わることができないほど、次元が違う激しいものだった。一進一退の攻防が続く中、トリコに取り付いた寄生昆虫を爆発させるトミー。そのころ、小松はついにセンチュリースープのある場所にたどり着く。しかし、スープのあるべきグルメショーウインドーの下は空っぽだった。スープがなくなったことを知って思わず叫ぼうとする小松だったが、その口を謎の青年が即座にふさぐ。 口をふさがれてもがく小松に青年はメモを見せる。そのメモには、自分たちの着ているライタースーツには盗聴器が仕掛けられており、もしスープがないことがカーネルに知られれば船は即座に帰ってしまい、自分たちはアイスヘルに置き去りにされてしまうというのだ。納得する小松はおとなしくなるが、そこへ間が悪いことにゾンゲたちが現れて大騒ぎを始める。即座にゾンゲをノッキングする青年だったが、うっかりスープがないことを自分でしゃべってしまう。それを聞いたカーネルは、美食屋たちを見捨てて船を出航させた。 着ていたスーツを脱いで爆発から逃れたトリコ。マッチは自分のスーツを脱いで渡そうとするが、トリコは申し出を断り感謝の言葉をかける。対照的にバリーとボギーが敗れたことに怒ったトミーは、仲間ごと始末しようと大量に虫を生み出した。そのトミーの行動に怒ったトリコは、大気が震えるほどの衝撃波を発生させる。そのころ、節乃のもとを訪ねたココは、スープがないことを薄々気づきながら、どうしてトリコにスープ捕獲を依頼したかを聞いていた。その質問に節乃は、鍵を握るのは小松だと意味深な言葉を返す。 ティナたちに事情を説明する小松。置き去りにされたことを知ってがく然とするみんなに青年は謝って、自分の名前は鉄平といい、食の再生屋であることを明かした。その言葉にみんなは一斉におどろく。はたして食の再生屋とは何者なのか? 一方、トリコは大気が震えるほどのシバリングによって体を温め、その凍っていた右腕を元通りにしていた。マッチにスーツを返すと、トリコは一直線にトミーに挑んだ。だが、トミーの体内にはまだ切り札となる寄生昆虫が眠っていた。はたしてトリコはトミーと、その寄生昆虫軍団に勝つことができるのか?!
トリコとトミーロッドの激しい戦いは、いつ果てることなく続いていた。シバリングで体温を維持していたトリコだが、その限界時間は2時間もない。対するトミーも寄生昆虫を生み出すエネルギーに限度があったが、まだ千匹も残されていると余裕の表情だ。そのころ、節乃のもとに訪れていたココは、一刻も早くトリコのもとへ向かうよう説得を続けていた。だが、節乃はトリコと小松に期待していると言って動こうとはしない。そこでココが自分だけでもトリコたちのもとへ向かおうとするが、節乃は何故か引き止めるのだった。 自分が再生屋、グルメリバイバーであることを小松たちに明かした鉄平。絶滅寸前の食材の保護を目的とした再生屋は、食材の捕獲を目的とする美食屋とは反対の存在。それゆえ、今回は覆面をかぶって正体を隠していたのだという。そこへ親を失ったウォールペンギンの子供が小松を頼ってやって来た。悲しみの子ペンギンを思わず抱きしめる小松。すると突然、オーロラが現れた。まだセンチュリースープは残っている。そう感じた小松たちの心にふたたび希望がわく。そのころ、トリコとトミーの戦いが終わることなく続いていた。 千匹もの寄生昆虫の群れを一気に生み出したトミー。その一斉攻撃の前になすすべもなく、トリコは全身を虫に覆われて膝をついてしまう。それを見たトミーは勝利を確信する。すぐさまトリコの仇を討とうとしたマッチだったが、トミーとの実力差は歴然、忍び寄る寄生昆虫の前に倒れてしまう。大量のエネルギーを使ってしまったトミーだったが、スープ捕獲の障害をゼロにするため、動けぬトリコにトドメを刺そうと近づいた。絶体絶命だと思われたその瞬間、トリコは虫たちをはらって復活、トミーに渾身の10連釘パンチを放つ! ついにトリコの一撃がトミーをとらえた。その一撃に耐えながら、トミーはトリコが精油、エッセンシャルオイルの匂いを発していることに気づく。それは虫から身を守るため、木々が発生する成分だった。トリコのグルメ細胞が寄生昆虫から身を守るため、生成して分泌したのだ。しかもこの成分は伝染するため、マッチにも影響をおよぼし、その身を救っていた。ついに寄生昆虫たちの動きも止まり、ようやくトミーと一騎打ちできることになったトリコの闘志はさらに燃え上がる。対するトミーもついにその牙をむき、より恐ろしい形相でトリコをにらみつけた。
寄生昆虫を生み出せなくなったトミーロッドが、ついに自分自身で戦うべく戦闘態勢に入った。昆虫を生み出すさいに邪魔で隠していた牙をむき出しにしてトリコに襲いかかるトミー。その鋭い牙の威力と、羽根を使った素早い動きに流石のトリコも防戦一方だ。しかもトミーはその素早さを生かし、自分の体を分身させてトリコを襲った。その攻撃の前に左指を失ってしまうトリコだったが、その代わりにトミーの片方の羽根を奪うことに成功する。この戦いは無傷では終われない。そう考えたトリコの捨て身の一撃が炸裂したのだ。 素早い動きを封じられたトミーだったが、今度は口から昆虫の卵を高速で次々に吐き出してトリコを攻撃する。シバリングによって高温高熱化した卵がトリコに触れた瞬間、水蒸気爆発を起こす。しかし、その攻撃を無視して接近したトリコは、12連釘パンチをトミーに炸裂させた。吹き飛ぶトミーだったが、そのダメージは決定的なものではない。トミーの逆襲により左腕を失うトリコ。だが、トリコは自分のダメージを気にもせず、渾身の13連釘パンチをトミーめがけて放つ。その一撃を食らい、流石のトミーも吹き飛ばされた。 トリコとトミーの激しい戦いは、下にいた小松たちにも影響していた。このままではグルメショーウインドーが崩壊すると思った鉄平は、持っていた種を投げる。種はあっという間に成長し、プロテクトツリーになって天井を支えた。鉄平はこの事態を収拾するべく、上で戦うトリコとトミーのもとへ向かう。その戦いも最終局面を迎えていた。13連釘パンチの影響で動かなくなってしまうトリコの右腕。攻撃する手段を失ったトリコに対して、トミーはウエイトを取り外して、本来の姿へと変わっていた。絶体絶命におちいるトリコ。 そのころ、小松は落石によりティナと分断されるが、センチュリースープのある場所を見つけた。だが、美食會の小型GTロボにも発見され、スープを奪われてしまう。一方、真の力を発揮したトミーの前に、反撃もできないトリコ。薄れゆく意識の中、トリコはトミーの体の傷に気づく。傷をつけた一撃を思い出したトリコは、もう一度その攻撃をトミーに放った。その一撃はトミーの右腕を吹き飛ばす。それはトリコが足から放った攻撃、レッグナイフだった。続けてレッグフォークを放ったトリコだったが、そこで力尽き倒れてしまう。怒りの反撃に出ようとしたトミーだったが、そこへ鉄平が現れて戦いを止めた!
新たな必殺技を生み出してトミーロッドを追い詰めたトリコだったが、そこで力尽き倒れてしまう。この危機に、今まで素性を隠していた再生屋、鉄平が現れた。意識を取り戻したボギーウッズとバリーガモンが止めるのも聞かず、トミーは鉄平に戦いを挑む。鉄平はノッキングマスターと呼ばれた次郎の血を引くだけあってその腕は超一流。手負いのトミーが敵うわけもなく、鉄平にいとも簡単にノッキングされてしまう。だが、戦いはここで終りではなかった。意識を失う直前、トミーは切り札である寄生昆虫を生み出してしまう。 トミーの残した切り札とは、混合獣類パラサイトエンペラーだった。氷点下の息、高温のガス、クモの糸、サソリの毒まで持つパラサイトエンペラーにおどろく鉄平。その戦いに巻き込まれたくないと思ったボギーとバリーは、ユーからセンチュリースープ確保の報せを聞き、この場から一目散に逃げ出す。そんなふたりに危ないからと、鉄平はこの場から離れないよう忠告する。その言葉を信用せず、ボギーとバリーは逃げ出すが、そこへヘルボロスが現れた。今まで活動を停止していたが、鉄平が再生してふたたび動き出したのだ。 逃げまどうボギーとバリーを飲み込みながら、ヘルボロスが鉄平とマッチの前に現れた。ちょうど脱皮を終えたパラサイトエンペラーは、現れたヘルボロスを敵としてみなす。こうして戦いを始めた2体の壮絶なバトルは終わることなく続き、いつしか氷山の外へと戦場を移していった。激しい戦いもこうして幕を閉じ、マッチはスープ確保まで自分を見逃して欲しいと鉄平に頼んだ。今まで違法なことをしてきた自分が逮捕されると思ったからだったが、鉄平はそのことを気にも止めない。むしろ、そのマッチの潔さを褒め称えた。 鉄平はまずトリコの意識を回復させると、続いて薬を与えて治療を始めた。さらに力尽き倒れていた滝丸、ラム、シン、ルイに治療を施し、消えかけていた命の火をふたたび灯す。そのころ、ティナの必死の呼び掛けで目を覚ます小松。そしてスープを美食會に奪われたことを思い出し、守りきれなかった自分の情けなさに涙を流す。そこへ治療を終えて動けるようになったトリコたちがやって来た。小松はトリコにスープを守れなかったことを伝えると、ふたたび泣き始める。そんな小松の姿を見たトリコは、ただやさしく微笑むのだった。
激しい戦いもようやく終わり、トリコたちは小松たちの待っているグルメショーウインドーへとやって来た。その傷だらけの姿を見た小松は、センチュリースープを美食會から守れなかったことに責任を感じて涙する。しかし、トリコは小松の苦労をねぎらい、よくあることだと笑ってなぐさめた。その姿を見た鉄平は、師匠に言われたことを思い出す。節乃からの依頼を師匠に任された鉄平。だが、師匠はスープがもうないかもしれないことを予見していた。そこで鉄平に、最後の一滴はスープのおもむくままにと伝えていたのだ。 いまだ激しく続くパラサイトエンペラーとヘルボロスの戦い。しかし、そこへひとりの男が現れ、二大魔獣をあっさりと片付けた。男の名はアルファロ、美食會のギャルソンであり、ボスの側近という実力者だ。アルファロによってはからずも救出されたボギーウッズとバリーガモンは、トミーロッドが倒れている場所まで案内した。そのころ鉄平は、グルメショーウインドーをしぼりあげれば、最後の一滴が出るかもしれないことをみんなに告げる。そして、鉄平が力を込めたそのとき、ふたたび前兆であるオーロラが見えてきた。 スープがふたたび現れたことを喜ぶみんなに、その場から動かないよう指示する鉄平。それは師匠に言われたように、最後の一滴はスープが決めた者の手に渡るようにするためだ。そしてスープは小松を選ぶ。みんなもスープを飲む権利を放棄、小松が最後の一滴を飲むことになった。しかし小松は、自分で終わりにするわけでなく、絶対にスープをふたたび作ってみせると強い決心を見せる。その決意を祝福するように輝き始めるスープ。それを見たみんなは、これがスープの終わりではなく、新たなスープの誕生であることを感じる。 みんなが注目するなか、スープを飲む小松。すると。そのあまりの美味しさに思わず顔が緩んでしまう。それを見て味を覚えているか心配するトリコだったが、小松はこの味を忘れるわけがないと、さらに顔を緩める。そんなとき、氷山の上に恐るべき実力者が近づいたことに気づくトリコたち。その気配はアルファロのものだった。アルファロはボロボロになったトミーの姿を見て、トリコの秘めた実力を危険視する。そして、この場でトリコたち全員を倒すことを決意、そのあとを追おうとした。トリコたちにふたたび危機迫るかと思われたとき、突如現れた節乃がアルファロを止める!
トリコたちを一網打尽にしようと接近する美食會のギャルソン・アルファロ。その気配に気づいたトリコたちはゾンゲが見つけた隠し通路を通って、氷山からの脱出をこころみる。そのころ氷山の上では、トリコたちを追おうとするアルファロの前に節乃が現れた。節乃はアルファロに戦いをやめるように言うと、背中を向けてトリコたちのもとへ向かおうとする。その隙をついて攻撃を仕掛けようとするアルファロだったが、いまだ衰えていない節乃の力を感じ、捕獲したセンチュリースープとトミーロッドを連れて氷山を後にした。 隠し通路を通り海岸線が見える場所へと出たトリコたちだったが、スープがないことを知ったモッコイが船を出航させていたことを知ってがく然とする。このままではこのアイスヘルから帰ることができない。そう思ったとき、ココがキッスに乗って現れた。さらに節乃が乗ったリムジンクラゲもみんなを迎えに現れ、トリコたちは安堵の声をもらす。こうしてリムジンクラゲに乗ったトリコたちは無事にアイスヘルを脱出、百年に一度しか現れないというセンチュリースープを捕獲する冒険の旅も、ようやく終わりを告げるのだった。 リムジンクラゲの中で、節乃が用意した料理を夢中で食べるトリコたち。スープ発見のスクープを撮り忘れていたティナは、ここぞとばかりに美食人間国宝である節乃の料理を撮影した。節乃は与作に依頼したグルメショーウインドーの調査を、どうして弟子の鉄平がやっていたのかをたずねる。鉄平は、与作が美食神アカシアに関する料理の再生で手が離せなかったことを語った。美味しい食事で冒険の疲れも癒えたトリコたちだったが、その身体に負った傷はひどい。そこで節乃は怪我人の治療をするため、ライフへと向かう。 癒しの国と呼ばれているライフには、優秀な再生屋が多い。鉄平の師匠である与作もライフに住んでいるのだ。ライフに着いたリムジンクラゲをバタフライセラピーの群れが迎える。小松は一刻も早くスープを作るため、ライフには寄らずに節乃のリムジンクラゲでホテルへと戻った。その制作過程をレポートするべく、ティナは取材を小松に申し入れて同行することを決める。さらにIGOへ報告のため戻るというココと別れ、トリコたちは鉄平の師匠である再生屋、与作のもとへと向かう。はたしてトリコの左腕が完治するのが先か?それとも小松のスープ完成が先か?
傷を治療するため、癒しの国ライフへとやって来たトリコたち。そこには様々な医療用の設備があり、トリコは珍しさから子供のようにはしゃぎ回る。その途中、トリコは美容目的で温泉にいたサニーと偶然出会う。だが、サニーの目的はそれだけでなく、自分のフルコースに加えたい食材、美食神アカシアのデザート『アース』の手がかリを知る男を探しに来ていたのだ。その男こそ、鉄平の師匠である与作だった。そんな話をしていると、大声でしゃべる豪快な男が現れる。彼こそは『血まみれ』の異名を持つ再生屋・与作だった。 IGOへと戻ったココは、アイスヘルでの出来事をマンサムと茂松に方向する。センチュリースープを美食會に奪われたこと危惧する一同。その話を盗み聞きしたリンは、トリコのケガが心配になりライフへと向かう。一方、ホテルへと戻った小松はすぐさまスープの再現に挑戦、ティナもその取材を開始する。そのころ、与作に連れられてマザーウッドの中にある再生所までついてきたトリコたち。ここには多くの再生屋が集まっており、与作の再生所もそのひとつだった。与作の再生所に入ったトリコは、その部屋を見ておどろく。 部屋は荒々しく散らかっているばかりか、珍しい食材の数々が当たり前のように置かれていた。それらはすべて与作が再生した食材だという。まずはマッチの3人の部下から治療を始める与作。その荒々しい治療におどろくみんなだったが、その腕は確かなもので、3人は長い眠りからようやく意識を回復させた。さらにマッチのケガまで瞬時に治療した与作は、滝丸の欲しがっていた癒しの薬が今、手元にあることを教える。しかし、その値段は百億で、その薬を持ってしても呪いと言われるグルメ界の病気は完治しないというのだ。 その話を聞いた滝丸は、薬が必要な者は自分ではなく、グルメ騎士のリーダーである愛丸であることを明かした。愛丸は病に苦しむ人の病気を食べる病食主義者だったが、そのせいで自分自身が『呪い』にかかってしまったというのだ。自分の恩人である愛丸を助けたい一心の滝丸は与作に薬をゆずってもらうよう懇願、愛丸なら定説をやぶって治るはずだと訴えた。その心意気に動かされた与作は薬をタダで渡す。そこへリンも現れ、トリコの治療がいよいよ始まることになった。だが、元通りになるのに20年もかかるという。それは節乃が見立てた、小松がスープを完成させるまでにかかる時間と一緒だった。
無事に治療の終わった滝丸やマッチたちはそれぞれの居場所に帰っていった。残ったトリコは左腕の再生手術を始める。その前に与作は、サニーとリンに大量の食物を用意させた。まず与作は、トリコの髪の毛を切り、そのDNAから一輪の花を咲かせる。この花の種にはトリコのDNAが記憶されているのだ。与作はその種を慎重にトリコの左腕の傷口に埋めた。一方、小松もセンチュリースープの再現にとりかかる。寂しがるウォールペンギンを厨房の外に出して、真剣に材料を吟味する小松。ティナは、その様子を独占取材する。 治療を始めたトリコの身体に異変が起こった。それは左腕を再生しようとする種が、トリコのエネルギーを吸収したからだ。エネルギーを補給するため、トリコは手当たりしだいに食物を食べ始める。そんなトリコのため、サニーとリンはふたたび食物の調達に向かう。トリコの治療と小松のスープ作りは、3ヶ月のときが経とうとしていた。小松はあらためて太古の食物を現在の食材で再現することのむずかしさに気づき、スープを完成直前まで仕上げた節乃の腕前を知る。そして、スープ作りに行き詰まった小松は、節乃を訪ねた… 治療の最中、鉄平に再生屋になった理由を聞くトリコ。鉄平はかつて次郎と共に思い出の場所に行ったとき、食材が枯渇した悲惨な光景を目の当たりにしたという。そのとき、鉄平は食材を狩るのではなく、守るため再生屋になることを決意したのだ。一方、小松のスープを味わった節乃はおどろいていた。それは自分が10年かけた所まで、小松が到達していたからだ。別れ際、小松に食材の声を聞くようアドバイスをする節乃。すでにスープ完成のための食材は近寄っていると言われ、小松は気持ちを引き締めスープ作りを再開する。 治療を続けていたトリコに異変が起こった。それは種の力がもたらす副作用だ。与作はクスリバチを使ってトリコの副作用を抑える。だが、トリコのグルメ細胞が強すぎて数が足りない。今度はクスリバチを手に入れるため、サニーとリンは捕獲に向かう。一方、小松は節乃のアドバイス通り、食材たちの声を聞くことに成功していた。そして、ついに透明なスープを完成させる。しかし、最後のひとつの食材がわからない。そこへウォールペンギンが現れた。思わず未完成のスープをあげる小松。その美味しそうなスープにヨダレをたらすウォールペンギン。そのヨダレがスープに落ちたとき、オーロラが浮かび上がった!
小松の探していたセンチュリースープ最後の食材とは、ウォールペンギンの唾液だった。オーロラが立ち上り、スープはついに完成する。小松は、節乃の「食材に選ばれる」という言葉をかみしめながら、ウォールペンギンを感謝しながら抱きしめた。そのころ、治療が難航していたトリコに異変が起こる。今まで苦しんでいたことが嘘だったように回復、左腕も元通りに再生したのだ。そのさまを見て、与作も定説を打ち破ったトリコの回復力におどろく。そして、トリコは完成したスープを食べるため、小松のもとへ向かった。 ホテルグルメに押し寄せる報道陣。それは幻と言われたスープが完成したという情報を聞きつけたからだ。さらに味覚マスターと呼ばれるG7のパッチまで現れ、スープの実食を申し出た。もしもパッチに認められれば、六ツ星になれるかもしれない。しかし、小松は最初に食べさせたい人たちがいると、その申し出を断る。やがて現れるトリコを初めとする、アイスヘルで苦労を共にした仲間たち。小松はスープ完成を助けてくれたみんなに感謝の言葉をかける。そして、みんなはテーブルを囲み、ついにスープの実食を開始した。 まずは目や耳や鼻でスープを楽しむみんな。そして、最後に口へ入れ、その味を楽しむ。その味わいにみんなは思わず笑顔が止められず、みだらな顔になってしまう。そのあまりの美味しさに、トリコは自分の『人生のフルコース』に入れさせてくれと小松に頼む。もちろん小松に異存はなく、トリコのフルコースメニューのスープはこうして決定した。小松にスープの特許を取らないか?とたずねる鉄平。だが、小松は絶滅危惧種であるウォールペンギンが乱獲されないようにするためにも、特許申請はしないと決めていたのだった。 スープの実食も終わり、みんなはそれぞれの場所に帰っていった。マッチたちはスープを子供たちに食べさせるためにスラム街に戻る。滝丸は愛丸に薬を飲んでもらうため、トリコからの伝言を伝えた。それは幻の食材GODが現れるというもので、それを聞いた愛丸は薬を飲むことを決める。一方、美食會ではボスがスープを飲んだが満足せず、部下に与えて組織の強化を図っていた。すべてはグルメ界にある食材を奪うためである。そしてトリコと小松はサニーにスープを渡すため、与作のもとに戻ってきた。しかし、サニーはみだらな顔になりたくないと、スープを飲むことを断ってしまう。
極寒の地アイスヘルでのセンチュリースープ争奪戦、そこで負った傷を治すために行なったライフでの治療の日々と、長い間の冒険で家を留守にしていたトリコだったが、ようやく自分の家に戻ってきた。しかし、自慢のお菓子の家は動物や虫たちに食べられてしまったらしく、跡形もなく消えてしまっていたのだ。落ち込むトリコだったが、久々の再会をはたしたテリーとオブサウルスが温かく迎えてくれる。2匹が腹ペコの自分のために狩ってきた獲物を食べながら、トリコは新しい家を建てるべく建築家のところへ電話をかけた。 トリコから電話をもらったのはグルメ建築家のスマイルだった。だが、スマイルは美食王決定戦の設営で頭がいっぱいでそれどころではない。しかし、トリコから笑顔になるスープを食べさせるとの約束を聞き、スマイルは忙しさのあまり失った笑顔を取り戻すため、新しいお菓子の家を建てることを決める。その材料となるお菓子を手に入れるため、トリコはテリーとオブサウルスを連れて野山を駆け回る。その結果、材料となるお菓子はビルを建てられるほどの量となった。スマイルはおどろきながらも、お菓子の家作りを始める。 トリコの期待に応え、スマイルが建てたのは見るからに豪華なお菓子の城だった。その出来栄えに当然トリコも大満足だ。新築祝いに小松やココたちもやって来て、みんなもスマイルの腕前をほめ称える。そして玄関から中に入るトリコたち。内装も外に勝るとも劣らない出来栄えで、みんなはその美しさと味わいを楽しみ始める。スマイルも念願のセンチュリースープを飲んで、ようやく本当の笑顔を取り戻す。…かに思えたその時、出来たばかりのお菓子の城の壁を破壊して食べ始めているトリコたちの姿にあ然となってしまう。 あまりの美味しさに食べることが止められず、お菓子の城は跡形もなく食べられてしまう。怒りが収まらないスマイルだったが、トリコたちの感謝の声に、忘れていた本当の笑顔を取り戻す。しかし、またお菓子の城を作ってくれと言われて、頭をかかえてしまう。そこへティナが取材をしようとやって来た。またしても取材が失敗して落ち込むティナだったが、スマイルを見つけると、美食王決定戦のステージ作りを急ぐように頼む。その話を聞いたトリコは美食王決定戦に興味を示し、一緒に行ってみることにする。そのころ会場では、ひとりの少年が並々ならぬ決意で美食王決定戦の成功を望んでいた。
スマイルの頑張りで会場設置はどうにか間に合い、美食王決定戦は無事に開催された。トリコたちはそのまま会場に残って、イベントを楽しむことにする。まず、司会のティナに紹介されて壇上に現れたのは、若くしてグルメ長者番付のベスト10に名を連ねるこのイベントの主催者フォン・ド・ボーノだった。ボーノは最近食欲不振である自分の家族クリスが食べた食材を持ってきたものを美食王にすると発表、賞金の10億円を公開する。そして、ティナの紹介でクリスが呼ばれたが、現れたのは貴重な猛獣である七色ネッシーだった。 こうして始まった美食王決定戦だったが、どんな珍しい食材が現れてもクリスは見向きもしない。それを見ていたトリコたち四天王は、糖分が足りないクリスが欲しがっているものは甘いものだと見抜く。しかし、その甘い食材の選択で意見が分かれてしまう。さらにココから七色ネッシーが伝説の果実に導いてくれるという話を聞き、トリコとサニーはどちらが先にクリスに甘いものを持ってくるかの勝負をすることになる。この勝負にクリスを心配するココも加わり、四天王3人はそれぞれの求める食材を探しに各地に向かった。 トリコと小松とテリーは、究極のフルーツと言われるグランドベリーを求めてメガモリ島へとやって来た。ドラゴンの大好物であるグランドベリーなら絶対にクリスを満足させるとトリコは自信満々だ。一方、自慢の高速ヘリに乗ったサニーは、リンを連れて海へと向かっていた。ドラゴンでさえ満腹にさせるというミルクジラのミルクを手に入れるためだ。だが、ミルクジラは何かに警戒してミルクを出す気配がない。すると、そこへバクンウニとエビフライが現れて戦いを始める。この2匹の戦いがミルクジラを警戒させていたのだ。 ココはキッスに乗って、空高くにあるハニードラゴンの巣へとやって来ていた。クリスを元気にするには、ドラゴンでさえ虫歯にさせたという究極のハチミツ、ハニードラゴンのハチミツが一番だと考えたからだ。しかし、猛毒の針を持つハニードラゴンに阻まれ、巣に近づくことさえ困難な状況におちいる。そのころ、美食王決定戦では一向にクリスが求める食材は現れず、ゾンゲが食われかけるというトラブル以外、特に変わったことはなかった。そのころ、島の奥へと進んだトリコたちはクリマジロに追いかけられながらも、ついにグランドベリーを発見する。だが、そこへまたしても行く手を阻むものが現れた!
大富豪フォン・ド・ボーノが主催する美食王決定戦。その目的は、急に食事をとらなくなったボーノのパートナー・七色ネッシーのクリスを助けること。クリスが食べられる物を求めて、トリコら四天王はそれぞれ食材探しへと向かっていた。トリコと小松は、島で究極のフルーツ・グランドベリーを。サニーとリンは、海でミルクジラのミルクを。ココは、空でハニードラゴンのハチミツを狙う。そして、立ちふさがる困難を知恵と機転で切り抜けて、トリコらはようやく各々が求める食材を手に入れるのだった。 一方、会場では様々な美食屋たちがクリスに食事をとらせようと挑戦していたが、誰一人として成功する者は現れなかった。ボーノとクリスは子供の頃に出会ってから、ずっと家族として同じ物を食べてきたらしい。それがいったいどうして…? 肩を落とすボーノの元へ、遂にトリコらが帰ってきた。極上の食材に会場の期待も高まるばかり。しかしクリスは興味を示しはするものの、やはり口をつけることはなかった。最後の望みを絶たれ、悲痛な叫びをあげるボーノ。と、その時、突然クリスがリンへと襲いかかった。 とっさにリンをかばうトリコ。しかしクリスは危害を加えるのではなく、何かを訴えたかったようだ。それに気付いた小松は、トリコらが集めた食材を使ってパフェを完成させる。食材集めに出発する前、リンの食べていたパフェをクリスが気にしていたことを憶えていたのだ。ボーノがパフェを差し出すと、クリスはゆっくり口を開けた。そして一口、また一口と、遂に食事をとり始めるのだった。ボーノは感激に目をうるませながら、思い出していた。クリスとボーノ、二人が初めて一緒に食べた物がパフェだったことを…。 栄養満点のパフェを食べ、クリスはみるみる元気を回復。更に、翼を持つ大人の姿へと成長した。七色ネッシーは大人になると巣立ちをせねばならない。別れの前に思い出の品が食べたくて、クリスは他の食事をとらなかったのだ。真実を知り、別れを拒むボーノ。しかしトリコの説得を受けて覚悟を決める。クリスは成長の証である伝説の果実・グロウアップルを残し、空へと羽ばたいた。どんなに離れていても家族であることに変わりはない。ボーノはグロウアップルを皆に振る舞いながら、クリスの旅立ちを祝福するのであった。
センチュリースープを巡る冒険もようやく一段落。トリコは、小松に用意してもらった虹の実ワインを手土産に、とある南国リゾート地の小さな島へと向かう。IGOのトップにしてトリコら四天王の師匠、そして親代わりでもある一龍会長から呼び出しを受けたためだ。バカンスに興じる一龍と、久しぶりの再会を果たすトリコ。そこでトリコは、一龍が"GOD"を求めていることを知るのだった。その事実にトリコは驚きを隠せなかった。一龍が言うからには、数年内に"GOD"が現れるという情報は真実に間違いないのだから…! "GOD"。美食神アカシアが何百年も前に見つけたという伝説の食材である。それまで長く続いていた戦争を終わらせ、現在のグルメ時代の始まりとなるほどの力を持っていたという。アカシアは"GOD"に関する一切を秘密にしていたため、今となってはその味を知る者は居ない。しかし、人々の記憶からその伝説が消えることはなかった。それどころか"GOD"を巡って新たな戦争が起こる可能性さえあるのだ。それだけは何としても避けねばならない。"GOD"を見つけ世界の平和を守ることは、アカシアの弟子である一龍にとって、最大最後の使命なのだ。 一龍がトリコを呼んだのは、その最後の大仕事の前に顔を見ておきたかったからであった。しかしトリコは、そんな弱気を感じさせる一龍にハッパをかける。更に、"GOD"はオレが見つける、とまで。面食らった一龍は、その大口を笑い飛ばしながらも、トリコの実力を試す手合わせを提案するのであった。もちろん受けて立つトリコであったが、一龍は海の上さえ自在に走る実力者。老いたとは言え、グルメ時代かつてのトップを相手に、トリコの攻撃はまるで通用しない。全力で放つ必殺技の数々も、軽々と受け止められてしまうのだった。 グルメ界にあるという"GOD"を探すには、まだ力不足。それが一龍の、トリコへ対する評価であった。グルメ界で生き残るには、強さはもちろん、様々な環境へ瞬時に適応できる体が必要なのだ。しかし、どうすればそんな能力が身につくのか…。困惑するトリコへ、一龍から仕事の依頼が告げられた。それは、天空に咲く草・オゾン草をとってくること。その美味もさることながら、今のトリコの修行に打ってつけだという。そういうことであれば断る理由はない。トリコは一龍の依頼を快諾し、オゾン草を次なる目標と定めるのだった。
グルメ界にあると言われる伝説の食材"GOD"争奪戦を制し、トリコら四天王が次のグルメ時代を背負う為には、力や技だけでは難しい…。更なる高みを目指すべく、トリコはIGO会長・一龍から修行を兼ねた依頼を受ける。今回のターゲットは、野菜の王様・オゾン草。標高数万メートルの雲の上にある天空の野菜畑・ベジタブルスカイに生息しているらしい。ベジタブルスカイへは、雲の上から垂れる巨大な蔓・スカイプラントから入ることができる。IGOが用意してくれた捕獲専用のジェット機で、トリコは小松と共に飛び立つのだった。 今回、トリコが小松を連れて行くことには理由があった。一龍から、料理人とコンビを組むことを薦められたからだ。美食屋にとって、調達した高いレベルの食材に見合った調理してくれる料理人はとても重要だ。いくら凄い食材を調達することができても、それを料理できる人間が居なければ何の価値もなくなってしまうのだから。料理人とコンビを組み、一緒に旅をしていくことは、美食屋にはとても大切なことなのだ。しかし、自分にとって、果たして小松が本当にその相手なのか…。トリコにはまだ判断を下すことはできなかった。 トリコらを乗せたジェット機は、ややあってスカイプラントへと到着した。その末葉一枚でさえ、大人が横になれるほどの大きな蔓だ。飛行機で来られるのは最下部まで。上空は怪鳥の住処となっている為、自力で這い上っていくしかない。さっそくベジタブルスカイを目指して進むトリコと小松であったが、その道のりは険しいものだった。不安定な足場と天候、襲い来る猛獣。加えて高山病などの心配もある。なるほど、確かに修行にはピッタリの場所のようだ。トリコらはキャンプを設けながら進み、何日もかけて少しずつスカイプラントを攻略していくのだった。 そうして標高三千メートルまでやって来た二人。しかし、あろうことか、そこで現れた植物獣によって足を払われ、空中に投げ出されてしまった。すかさず展開したムササビスーツで滑空して戻ろうとするものの、今度は空を縄張りにするドリルバードが二人を襲う。何とかこれを撃退し、ようやく蔓まで帰り着いたトリコらは、落ちた分を取り戻そうと意気込む。が、その時、突如として強い上昇気流が吹き荒れた。それと共に太陽が覆い隠され、辺りが暗くなっていく。思わず見上げた先には、空の立入禁止区域、稲妻轟く巨大な積乱雲が渦巻いていた!
IGO会長・一龍から、野菜の王様・オゾン草を捕獲するという依頼を受けたトリコ。トリコは小松と共に、雲の上にあるという野菜畑・ベジタブルスカイを目指し、巨大な蔓・スカイプラントを登っていく。そして今、二人の眼前には、稲妻とどろく巨大な積乱雲が立ち塞がっていた。雲の近くは乱気流の嵐となっており、一瞬でも気を緩めれば飛ばされてしまう。また、吹きつける風はマイナス50度のダウンバースト。加えて巨大な雹や雷まで降ってくる始末…。トリコは小松を背負い、大自然の猛攻をかいくぐって、一気に積乱雲の中へと突入するのだった。 積乱雲の中は太陽が遮られ、ほとんど何も見えない状態であった。荒れ狂う暴風と雷雨に翻弄されるトリコと小松。しかも酸素濃度が低い所で激しい動きをしたせいで、トリコの体力の消耗はひどいものになっていた。環境に反発するのではなく、順応しなければ生き残れない。しかし、どうやって…? もうろうとする意識の中、トリコを信じて命を預ける小松の存在が、トリコに力を与えた。二酸化炭素だけを吐き出す特殊な呼吸法を体得したトリコは、途中でライトニングフェニックスから分けて貰った羽根を盾として、再び前へと進んでいく。そして遂に、積乱雲を抜けることに成功するのだった。 雲の上には、先ほどまでの雷雨が嘘のような快晴のもと、緑の大地が広がっていた。多量のミネラルを含んだ灰が雲を成し草を育み、その草が大地を形成しているのだ。まさに楽園と呼ぶに相応しい光景を前にして、小松はトリコに礼を述べた。あれだけ恐ろしい道のりの中でも、トリコの声があったから安心することができた、と。しかし、それはトリコも同じであった。新しい呼吸法を見出せたのは、小松がトリコを信じてくれたから。互いの絆を確認し、笑顔で周囲の探索を始める二人。そしてやがて、見渡す限り続く野菜の絨毯を発見する。とうとう天空の野菜畑・ベジタブルスカイへと到着したのだ。 トリコと小松は、さっそくベジタブルスカイの野菜を堪能することに。大根、キュウリ、トマト、そのほかマシュマロカボチャ、ブロッコツリー、フライドポテトの泉、巨大ネギ、etc…。いずれも地上の物とは比べものにならぬ芳醇美味であった。野菜天国を存分に満喫し、至福の満腹感に酔いしれる二人。と、その時、不意に小松が振り返る。何かに呼ばれたような気がしたのだ。声にひかれるまま進んでいくと、そこにはなんとオゾン草が。急いでトリコを呼びに戻る小松であったが、トリコは何やら険しい表情をしていた。それもそのはず、トリコの視線の先には、見覚えのある危険な足跡が残っていたのだから…!
IGO会長・一龍から野菜の王様・オゾン草の捕獲依頼を受けたトリコは、小松と共に数々の困難を乗り越え、ようやく野菜天国・ベジタブルスカイへと到達した。様々な美味しい野菜を堪能するなか、遂に小松がオゾン草を発見。大急ぎでトリコの元へ戻り、二人で再び発見場所へと向かう。しかし、先ほどまで開いていたオゾン草は葉をピッタリ閉じ、つぼみのように固くなってしまっていた。不思議に思いながらもトリコが外葉を剥がしてみると、オゾン草はあっという間にシワシワに。オゾン草は、普通の方法では食べることが出来ない特殊調理食材だったのだ。 どうやらオゾン草には外葉を剥く順序があり、間違えると種に戻ってしまうようだった。その後オゾン草の群生地を見つけたトリコらは、外葉の正しい剥き順を試行錯誤していく…が、コレが全くうまくいかない。頭を抱えるトリコであったが、その時、不意に小松が気がついた。二人で別々の葉を握っていると、オゾン草の警戒心が緩くなった気がしたのだ。試しに同時に葉を剥いてみると、これがなんと大正解。オゾン草は、二枚の葉を全く同時に開く必要があったのだ。そのタイミングは難しく一筋縄ではいかなかったが、幾たびの失敗の末、ようやくトリコらはオゾン草の中心部へと辿り着くことに成功するのだった。 二人で最後の葉に手をかけ剥いてみると、中から遂に念願のオゾン草が現れた。飛沫が弾けるほど瑞々しい肉厚な若葉を前に、まずは味見を一口。しかしトリコがかじった途端、先ほどまでの新鮮さはどこへやら、オゾン草は黒ずみ、食べられない状態になってしまった。オゾン草は、食べる時でさえ二カ所同時でなければならなかったのだ。もう一度オゾン草を剥いて、今度は小松と一緒に食べるトリコ。瞬間、二人の顔が満面の笑みに輝いた。その味たるや、まさに野菜の王様。野菜の域を超えた野菜であった。と同時に、トリコの体に力が漲っていく。オゾン草は、トリコの細胞レベルをあげる食材でもあったのだ。 オゾン草を食べ終えて、トリコは小松に、自分とコンビを組まないかと尋ねた。二人で最高のフルコースを作ろう、と。それはこの旅に出た時から考えていたことだった。小松には料理への強い情熱と、食材に好かれる才能がある。最初オゾン草の葉が開いていたのも、食材の声が聞こえたのも、全ては小松だったから。そんなトリコの告白に、小松は涙をこぼす。小松もまた、トリコと組みたいと思っていたのだから。そして今、二人は互いに手を取り合った。遂に最強のコンビが結成されたのだ! 喜び合う二人であったが、その時突然、そこへ何者かが現れた。それは、美食會が使うGTロボに瓜二つの、しかし生きた猛獣であった…!
小松と共に数々の困難を乗り越え、野菜天国・ベジタブルスカイへと到達したトリコは、遂にIGO会長・一龍から依頼された食材・オゾン草を発見。試行錯誤の末、その捕獲に成功した二人は、正式にコンビを結成するのだった。そんな二人の前に、美食會が使うGTロボに瓜二つの、謎の生命体が姿を現した。警戒するトリコらへ生物はゆっくりと近づいていき…、そのまま二人を無視して通り過ぎた。生命体はオゾン草の前に立つと、目にも止まらぬ動きで食いつき、しかし飲み込むことなく吐き出した。そして身を屈めると大きく跳躍、雲の中へと消えていくのだった。 残されたオゾン草を見て、トリコは驚愕した。特殊調理食材であるオゾン草は、普通の方法では食べることは出来ない。外葉は二枚同時に剥いていかなければならないし、食べる時も二カ所同時でなければならないのだ。でなければ一瞬にして食べられない状態になってしまう。しかし残されたオゾン草は未だ瑞々しいままで、かつ二カ所の噛み跡が残っていた。あの謎の生命体はトリコらを観察して食べ方を覚え、オゾン草さえ気づかないスピードで、ほぼ同時に二回かじったのだ。有り得ない瞬発力だった。加えて高い知能も有しているようだ。人間界の生物ではないようだが…オゾン草さえ口に合わない様子のアレは、一体何者だったのか。 兎にも角にもトリコと小松は、捕獲したオゾン草を依頼主である一龍の元へと無事に届けるのだった。依頼の真の意図であった「過酷な環境への適応」もクリアできた。これでグルメ界へ乗り込める! そう意気込むトリコを、一龍は一喝する。まだまだトリコは力不足。適応すべき環境は山ほど残っている、と一龍はトリコへ一枚のメモを差し出した。それは様々な食材のリストだった。そこに書かれている全ての食材を手に入れられるまで、修行は続くのだ。聞けば、サニーやココも環境適応の修行に向かっているらしい。皆、グルメ界を目指し切磋琢磨しているのだった。 これから一龍は一足先にグルメ界へ入るのだという。もしその気があるのなら、実力をつけて追いかけてこい! トリコと小松、新たに誕生した若いコンビに一龍は激励をかける。決意を新たにしたトリコは、そういえば、とベジタブルスカイで遭遇した謎の生命体の存在をもらした。それを聞いて驚愕する一龍。問いかけるトリコだったが、一龍は修行に励めよと言うばかりであった。しかし内心、一龍は危機感を覚えていた。まさか人間界にまで来ていたとは…と。そして一龍のみならず、美食人間国宝・節乃、ノッキングマスター・次郎、名だたる者たちが世界の異変に気付き始めていた…。
遂にコンビを結成したトリコと小松。しかもトリコは、オゾン草を食べたことによりパワーアップ。釘パンチを15連まで打てるほどに成長していた。だが一龍いわく、まだまだ未熟。トリコはグルメ界へ行くことを禁じられていた。しかし、それでもトリコの好奇心は止まらない。今の自分はどれだけ通用するのか…? トリコはグルメ界の情報を求めて、レインタウンにいるサニーのもとへと向かう。サニーは、美食神アカシアのデザート"アース"を求めて、既に一度グルメ界へ入った経験があるのだ。そうしてサニーから話を聞き出したトリコは、単身、グルメ界へと腕試しに向かうのだった。 地球全体の約七割を占めるグルメ界。だが、その実態を知る者は少ない。異常気象と特殊な磁場の影響で、入ってみるまで中がどうなっているのか、誰にもわからないためだ。そこはかつて、豊富な食材に溢れた楽園だと言われていた。しかし、その真実の姿は違っていた。確かにグルメ界には見たこともない美味なる食材が溢れていた。だが同時に、天変地異にも似た天候が支配し、凶悪な猛獣が住まう地獄でもあったのだ。現在では既にグルメ界はIGOによってその周囲を壁で囲われ、隔離されている。防衛局管轄の関所が設けられ、その全域が危険区域として指定されているのだ。 潮流・気流の関係で、人間界からグルメ界へ入るには陸路しかない。三つあるルートの中からトリコが選んだのは、ザーベル島・IGO防衛局管理第18関所の先にある断崖絶壁…、通称・命の滝壺だった。サニーから、このルートが最も邪魔が少なく入界しやすいと教えて貰ったのだ。とは言え、それでも危険なことに変わりはない。毎年ここから数百人がグルメ界へと挑んでいるが、帰還者はほぼ皆無だという。しかし、そんなことはトリコも承知の上。挑戦者の多さは、命を賭けてでも手に入れたい食材が沢山あるという証明でもある。トリコは意気揚々、断崖絶壁からグルメ界へと飛び込んでいくのであった。 実力を試してやると意気込むトリコへ、グルメ界の洗礼は思いのほか早く襲いかかった。着地するよりも先に、大砲のような巨大な空気の衝撃波がトリコを打ちつけたのだ。ブレスドラゴンによる超遠距離からの攻撃である。トリコはフライングフォークで応戦するが、オゾン草で成長したパワーをもってしてもまるで届かない。為す術なく打ち落とされ、トリコは森の中へと墜落してしまうのだった。幸いにも怪我一つなく着陸できたトリコだったが、森には不思議な力が働いているのか、体が重く、起き上がることさえままならない。そして、身動きできないトリコのもとへ、新たな猛獣が現れた…!
15連釘パンチを打てるまでにパワーアップしたトリコ。その胸中には、グルメ界へ挑戦したいという思いが膨らんでいた。そして遂にトリコは、一龍に禁じられているにも関わらず、サニーから情報を聞き出し単身グルメ界へと挑む。しかし、そこで待ち受けていたのはグルメ界の手荒い洗礼だった。森に入るや否や、体が重くなり動きの鈍くなったトリコへ、阿修羅タイガーが襲いかかる。渾身の力を振り絞って攻撃をかわすトリコ。何とか反撃に転じようとするが、必殺のレッグナイフもまるで効果がない。そしてタイガーの攻撃を受けて吹き飛ばされたトリコの前へ、新たな猛獣キングレントラーが姿を現した。 体の重さに加え、今度は目眩と手足の痺れがトリコを襲う。身動きできないトリコを巡り、戦い始めるタイガーとレントラー。トリコは二匹の戦いに弾き飛ばされ、森の外、乾いた荒野へ放り出されてしまう。荒野では体の変調も治まったが、その気候は灼熱地獄。更にサボテンから攻撃を受け、再び森の中へと戻されてしまうのだった。続いてトリコを攻め立てたのは、文字通り、滝の様な豪雨だった。押し潰されそうになりながらも這って逃げ出すトリコ。だが、その先には猛獣マミューの群れが待ち受けていた。めまぐるしく変わる環境と猛獣の攻撃にトリコはもはや満身創痍。そんな絶体絶命のピンチへ、伝説の美食屋・ノッキングマスター次郎が駆け付けた! マミューの大群を、次郎は二丁のノッキングライフル・ハードタイプを構えて迎え撃つ。襲い来るマミューを次々に撃ち倒していく次郎。針を飛ばすタイプのノッキングライフル、中でも扱いが難しいハードタイプを自在に操るとは…。その実力にトリコは呆然とするばかり。程なくしてマミューを仕留め終わると、続けて先ほどトリコを襲ったタイガーとレントラーが現れた。未だ戦いを繰り広げている二匹へ、次郎は悠然と近づいていく。そして今度は自らにノッキング。すると次の瞬間、次郎の体が爆発的に強化された。その圧倒的な力に、二匹は怯え、森の奥へと逃げ去っていくのだった。 戦いが終わって礼を述べるトリコに、次郎は告げる。今のトリコではグルメ界は攻略できない、と。グルメ界では集中力を限界まで高め、常に周りを観察し、警戒し続けなければならない。まだまだトリコは心身ともに未熟であった。しかし、それ以上に足りないのは、仲間を、パートナーを、小松を信じ頼る素直な心…。トリコが一人で勝手にグルメ界へ挑んでいる間、サニーから事情を聞いた小松はずっと心配をしていたのだ。次郎は、小松から依頼を受けてトリコを助けに来たのだった。小松の思いに涙をこぼすトリコ。グルメ界へはいつか、小松と二人で挑戦するがいい。次郎に諭され、トリコは小松が待つホテルグルメへと急ぎ帰るのだった。
極上のスープになる食材・ハルサメを捕獲しに海へやって来たトリコと小松。大物を釣り上げ喜んでいると、ハルサメの中から麦わら海賊団の船長・ルフィが現れた。久しぶりの再会を祝いあう三人。しかしルフィはすぐ神妙な顔つきに。なんと海賊団の船医・チョッパーが、深海熱という病気にかかってしまったというのだ。深海熱は体がどんどん青くなり、深海の様に冷たくなっていく病気だ。そして全身が真っ青に染まったとき、死んでしまう…。これを治すため、ルフィは『海鮮の実』を探しているのだという。トリコには、そのありかに覚えがあった。確か、体に良い食材が溢れる島・トウ中華島にあると言われていたはず…! 海鮮の実を求め、トウ中華島へ上陸するトリコらと海賊団のルフィ、ゾロ、ナミ、チョッパー、ロビン。そこへ猛獣・キューカンフーチョウの群れが襲いかかってきた。しかし麦わら一味の戦闘力はピカイチ! あっという間にやっつけ、逆に手懐けてしまうのだった。手下となったキューカンフーチョウに案内され巣へと行ってみると、そこは古い人工の建造物だった。他にもトウ中華島には様々な古い遺跡が残っている様子…。実は、薬にもなる島の食べ物を求めて、かつて大勢の人間が島へとやってきていたのだ。だが結局、人間こそが最も有害だと見なされ、島の猛獣たちに排除されてしまった。建造物はその名残であった。 チョッパーの病状は刻一刻と悪化していく。残された時間はわずかしかない。そこへ、遺跡から手がかりを得たロビンがやって来た。『島に溢れる海に果実は実る』。石碑に刻まれていた言葉だ。いったい何のことなのか、一同が首をひねる中、小松が川で採ってきたイソヌンチャクを見てトリコが気付く。イソヌンチャクは海で育つ植物なのに川で採れた…。つまり、島の川には海水が流れているのだ。『溢れる海』とは、川の水源を指しているに違いない。急ぎ山頂へと赴き、水門を発見する一行。現れた猛獣・エキスパンダをゾロに任せて、トリコとルフィらは先へと進む。そして、そこで遂に海鮮の実をつけた木を発見するのだった。 海鮮の実を採ろうとするトリコら。すると突然、木が襲いかかってきた。海に住む植物獣・饅具龍舞(マングロンブ)である。海鮮の実は、この猛獣がつける実だったのだ。応戦するトリコらだったが、ダメージを与えても饅具龍舞はすぐに再生してしまう。この施設は栄養豊富な海水を汲み上げて凝縮し、饅具龍舞へ与えているのだ。再生の時間を与えず一気に倒すべく、トリコとルフィは必殺の協力技を繰り出す。その名も、ゴムゴムのレッグナイフ! 炸裂した超必殺技は饅具龍舞を見事に撃破。一行は無事に海鮮の実を、チョッパーに食べさせることが出来た。しかし、海鮮の実で治ったかに思えたチョッパーは、今度は全身が真っ赤になり、再び倒れてしまった。
自らの実力を試すため、単身グルメ界へ挑んだトリコ。しかしその余りに過酷な環境にピンチへ陥ってしまう。その危機を助けたのは、小松から依頼を受けたノッキングマスター・次郎だった。パートナーの大切さを教えられ、人間界へと戻るトリコ。帰還したトリコの無事を祝って、小松は沢山の料理を振る舞い、グルメ界の食材はどのような味だったかを尋ねる。だがトリコは何も食べていなかった。パートナーである小松を置いて、抜けがけするわけにはいかないと思ったのだ。ましてやトリコ一人では何もできなかったのだから。グルメ界のメシは、二人で力を合わせて一緒に食べよう。そう言ってトリコは笑うのだった。 トリコの想いを聞いて、更に料理へ熱が入る小松。だが次の瞬間、小松の包丁が折れてしまった。それは小松が修業時代から使ってきた愛用の包丁だった。嘆く小松を見て、トリコはふと思い出す。師である一龍から渡された食材リストの中にあった"メルクの星屑"という名前を。これはトリコも知らない食材だったが、メルクという名前には覚えがあった。メルクは、料理人の憧れであるメルク包丁の研ぎ師として有名なのだ。彼ならメルクの星屑についての情報を知っているかもしれない。星屑を探しがてら、メルクに新しい包丁を作ってもらおう。トリコの提案に、一も二もなく賛成する小松であった。 標高四千メートルの殺風景な岩山・メルクマウンテンへとやって来たトリコと小松。そこには、一段一段が大人の背丈ほどもある巨大な階段が切り出されていた。メルクの工房はこの二万段の先にあるのだ。実は、メルクが手がけた包丁は有名だが、メルク本人の姿は世に全く知られていなかった。メルクは人前に全く現れず、依頼を受けるのも手紙でのみ。噂では、研いだ包丁の切れ味を試すために大型猛獣を倒してしまうような豪快な大男だという。人嫌いとも言われているが、小松の包丁のことも、メルクの星屑のことも、とにかく話を聞いてみなければ始まらない。メルクに会うため、トリコらは大階段をひたすら上っていくのだった。 丸一日かけて階段を上り、山に生息する猛獣たちの攻撃をかわしつつ、ようやく二人は山頂までやって来た。そして工場(こうば)に辿り着いた瞬間、トリコは鋭い切れ味の闘気を感じ取る。メルクが仕事中なのか? しかし、それがもしトリコらへ向けられたものだとしたら。トリコは不用意に近づこうとする小松を止める。そこへ猛獣・スケイルコングが現れた。迎え撃つべく身構えるトリコ。だがその時、突然の斬撃が猛獣を追い返した。そして一人の美しい青年が姿を見せる。先ほどの闘気は、彼がスケイルコングへ向けたものだったのだ。メルクの弟子かと問うトリコに、青年は答える。オレが研ぎ師メルクだと…!
ひょんな事から小松が愛用していた包丁が折れてしまった! 新しい包丁を作るため、そして謎の食材・メルクの星屑の情報を求めて、トリコと小松は世界最高の研ぎ師・メルクの元へ向かうことに。猛獣たちの襲撃をくぐり抜け、メルクマウンテンの頂上にあるメルクの工房へようやく辿り着いた二人の前に現れたのは、メルクを名乗るまだ年若い美男子であった。噂では豪快な大男と言われていただけに驚くトリコと小松。仕事場へと案内されて、小松は大興奮の様子だ。ものによっては使用に免許が必要なほどのメルク包丁、その切れ味たるや、はずみで棚から落としてしまっただけで、石畳の床に根本まで突き刺さってしまうほどだった。 メルクの包丁の素材になっているのは、いずれも捕獲難易度が高いものばかり。どうやら原料の調達は外注かと判断するトリコだったが、その言葉をメルクは強く否定する。トリコに発言を撤回する気はなく、ならば確かめてみろと包丁を取り出すメルク。そして始まるトリコのナイフ対メルクの包丁! しかし二人の対決は、結果を言えばトリコの圧勝であった。メルクの動きも悪くはないが、やはり四天王の一人が相手とあっては分が悪すぎた。トリコの名を聞いて、その強さに納得するメルク。そしてトリコも問う。お前は一体何者だ? 本物のメルクはドコにいる…と。なんとこの美男子はメルクではなかったのだ。 青年がメルクでないことにトリコは早い段階から気付いていた。メルク工房の入り口、階段など、すべては偽メルクが使うには大きすぎる。そもそもメルクはIGO会長・一龍の古い友人だ。彼のように若いハズがない。トリコの推理に青年は遂に正体を明かす。実は、彼こそはメルクの技の後継者・二代目メルクなのだった。初代メルクは今、砥石の原料になる石を採りに行ってるのだという。様々に合点がいって、トリコらは改めて二代目メルクに来訪の目的を話し始める。まず包丁の発注をお願いすると、二代目は快く引き受けてくれた。とはいえ、予約が詰まっているので完成は約三年後。仕方ない事だが、やはり肩を落としてしまう小松であった。 続いてメルクの星屑について尋ねてみると、なんとそれは、あらゆる物質を研ぐことができる幻の砥石であった。メルクの星屑で研いだときに出る粉末が、どうやら調味料として使えるらしい。らしい、というのは星屑を見つけたのは先代で、二代目はまだ見たことがないためだった。もし星屑があれば最高の包丁を作れるのに。呟く二代目にトリコが提案する。星屑を見つけてきたら真っ先に小松の包丁を作ってくれないか、と。危険すぎると止める二代目。実は先代は、星屑を採りに行ったまま帰って来なくなってしまったのだ。だが危険は百も承知。修行のため、小松のため、トリコはメルクの星屑を求めて採掘場・ヘビーホールへと向かうのだった。
謎の食材"メルクの星屑"の正体は、なんと幻の砥石の粉末だった!メルクの星屑を手に入れるため、そして新しい小松の包丁を二代目の研ぎ師・メルクに作ってもらうため、トリコは単身、先代メルクが消息を絶った星屑の採掘場・ヘビーホールへと向かった。ヘビーホールは人間界で最も地下深く、屈指の危険度を誇ると言われている洞窟だ。また、特殊な磁場と気圧の関係から地球の引力の影響を強く受け、奥へ行けば行くほど重力が強くなっていくという。小松から預かった包丁を胸に、トリコは注意深く洞窟を降りていくのだった。 そのころ小松は、二代目メルクの工房に残って仕事を見せてもらっていた。メルクの工房には、名だたる料理人から依頼された包丁が一日に100本ほども届く。それほどメルクの腕前は素晴らしいのだ。包丁を手に取り、砥石にあてがう二代目。そして、ただ一研ぎ。それだけで二代目の全身からは滝のような汗が吹き出していた。高レベルの食材、中でも特殊調理食材は、千分の一ミリ単位の傷でも調理に大きく影響する。研ぎ師の仕事は、大変な集中力と技術を必要とされるものなのだ。二代目の研ぎを見て感動することしきりの小松。さすが世界一の研ぎ師と賞賛するが、「先代から続いている客だから」と二代目は謙遜するばかりであった。 先代は材料も道具も全て自分で調達していたのに、オレにはそれが出来ない。まだまだ未熟だと、二代目は己を卑下する。これだけの技術があって、なぜ…?ことあるごとに先代と比較し自らを貶める二代目に、小松は首を傾げる。一方、洞窟を進んでいくトリコ。グルメ界ほどではないにしろ、体がどんどん重くなっていく。そこへ猛獣・バルバモスの群れが襲いかかってきた。猛獣の攻撃を、トリコはかわしたつもりが喰らってしまう。体が重い分、普段よりも動作が鈍っているのだ。この重力下では、敵の攻撃を見てから避けたのでは遅い。相手の筋肉や関節の動き、形、呼吸、あらゆる情報から次の動きを予測して先に動く。そんな戦い方が必要だった。 やがて徐々に超重力下での戦い方に順応していくトリコ。そんなトリコに、猛獣たちは数を頼りに襲いかかった。さばききれないと判断したトリコは、今まで攻撃に使っていた必殺技・フォークを防御へと転用する。グルメ界でコテンパンにやられるまでは意識していなかった、守るということ。その重要性について、ずっと考えていたのだ。そうして編み出された新たな必殺技・フォークシールドは、難なく猛獣の攻撃を防いでみせた。まだまだエネルギーの消費も多く乱発は出来ないが、その手応えは充分。意気揚々、トリコはメルクの星屑を目指して奥へと進んで行くのだった。しかし、ヘビーホールの最下層、そこには新たなる猛獣の影がうごめいていた…!
食材でもある幻の砥石・メルクの星屑を手に入れるため、そして新しい小松の包丁を作ってもらうため、トリコは単身、超重力の洞窟・ヘビーホールを進んでいた。しかし、どんどん強くなっていく重力に、トリコの体力は奪われていくばかり。胸ポケットに入れた小松の包丁を心の支えに進むトリコであったが、この超重力に適応する動きを身に付けなければ、いずれは力尽きてしまうだろう。そこでトリコは、地面に転がる石を見て打開策を思いつく。それは重力に逆らわないこと。倒れるに身を任せ、球体が転がるように移動するのだ。そうすれば体力の消耗も少なく、肉体への負荷も分散される…! 新しい移動法に手応えを感じながらも、残りの体力に不安を覚えるトリコ。と、その時、小松の包丁を落としてしまう。転がり落ちていく包丁を追いかけ進んでいくと、そこには高級珍味・ルビークラブの生息地が広がっていた。これを食べれば失った体力が回復できる。まさに小松の包丁の導きに違いない。トリコは感謝してルビークラブを口にするのだった。一方、小松はメルクの工房で、二代目の仕事を見守っていた。そんな中、自分にも何か出来ることはないかと、温泉で休んでいる二代目の元へ夜食を作って持って行く。しかし湯船で鉢合わせた二代目の体を見て、小松はビックリ仰天。二代目メルクは、なんと女性だったのだ。 正体を知られたこともあって、二代目メルクは自らの生い立ちを小松に語る。彼女は、初代メルクに拾われた赤子であった。初代に育てられる中で、研ぎ師の仕事に興味を持ち始めたのだという。無口な初代は何一つ教えてくれず、しかしそれでも彼女は目で見て技術を覚えていった。だが、猛獣を退治して材料を調達する初代の強さ。それだけは、どうあがいても手に入れられなかった。二代目は自嘲する。オレはまだ一度も師匠から認めてもらっていない、と。初代がヘビーホールに向かったまま行方不明になってしまったので、勝手に二代目を名乗っているだけ。本当は弟子でさえないのかもしれないのに…。 さてその頃、トリコはルビークラブをたらふく食べて体力全快。と、そこへ、高レベルの猛獣・蠍魔牛があらわれた。この超重力の下で、どこまでやりあえるか。気合いを高めていくトリコ。すると、途端に蠍魔牛が怯え始めた。と言ってもトリコに恐れをなしたのではない。トリコの背後からやって来た一人の大男に震えているのだ。もしやこの巨漢が初代メルクなのか? 問いかけるトリコだったが、男の声は小さすぎて、何を言っているのか全くわからなかった。しかも本人は伝わったつもりのようで、トリコに背を向けて去ってしまう。慌ててトリコが追いかけてみると、やがて辿り着いた先には輝くばかりの刀剣類、メルクの作品がずらりと並んでいた…!
食材でもある幻の砥石・メルクの星屑を手に入れるため、そして新しい小松の包丁を作ってもらうため、単身、超重力の洞窟・ヘビーホールを行くトリコ。過酷な環境を乗り越え、遂に辿り着いた最下層で、六年前から行方不明になっていた研ぎ師・初代メルクを発見する。初代メルクは、その厳めしい巨体に似合わず、非常に声の小さな男であった。声を何倍にも増幅する石・拡音石を使って、ようやく人並みの音量になるレベルである。しかも、この拡音石、つい最近見つけたばかりなのだという。寡黙な人物と噂されていた初代だが、その真相は、誰も声を聞き取れなかっただけであった。 初代が行方不明とされるほどヘビーホールにこもっていたのは、IGO会長にして旧友の一龍から受けた依頼を完成させるためだった。その依頼とは、美食神アカシアのフルコースメニューのサラダ、"エア"を捌く包丁を作ること。依頼を受けた時点で初代は引退を決意、娘に事情を話し、二代目の名を託していた。…その決意は、声の小ささから全く伝わっていなかったのだが。彼女の二代目としての自信のなさは、きちんと襲名がされていないせいだったのだ。一方、小松はメルクの工房で、己を卑下する二代目を励ましていた。しかし、どうしても彼女の不安を拭いきれない。そこで小松は二代目から包丁と食材を借り、厨房で料理をし始めるのだった。 小松が作った料理はどれも絶品であった。絶賛し、舌鼓をうつ二代目に小松は告げる。今日の料理は、どれも二代目がオリジナルで作った包丁でなければ調理することが出来ないものばかり。二代目はちゃんとメルク包丁の名を守っているのだと。彼女の腕前は、世界中の料理人が認めているのだ。実を伴った小松の言葉に、二代目は涙をこぼす。そしてやがて、無事に初代からメルクの星屑を譲り受けて、トリコが工房へと帰ってきた。小松のお陰で、二代目の顔からはすっかり迷いが消えていた。初代の生存も確認できて、約束通り、二代目は小松の包丁作りへ取り掛かるのだった。 包丁の材料として彼女が取り出したのは、竜王デロウスの牙だった。価格にすれば数十億は下らない、レア中のレア素材である。二代目としての勇気と自信をくれた小松への、彼女からの最高の礼であった。喜びながらも、包丁の完成までどれくらい時間がかかるか尋ねるトリコ。初代からのアドバイスで次に求める食材が決まったのだが、それは美味しい時期が決まっているため、少し急がなければならないのだ。その食材の名は、メロウコーラ。広大な砂漠に紛れる巨大な迷宮グルメピラミッド、別名・美食屋の墓場にあるのだという。グルメピラミッドと聞いて、トリコは呟く。「ゼブラの力が必要だな…」と。
超重力の洞窟・ヘビーホールで初代メルクに会ったトリコは、食材にして幻の砥石・メルクの星屑の捕獲に無事成功した。一方、メルクの工房でトリコを待つ小松は、二代目メルクが作った包丁で料理をし、自信を持てないでいた彼女の不安を氷解させたのだった。そして遂に、トリコが持ち帰ったメルクの星屑を砥石とし、二代目による小松の包丁作りが始まった。今回、包丁の素材としたデロウスの牙は硬く、数千度で熱しても変形しないため、ハンマーで叩いて鍛造することもできない。二代目は丹念に、少しずつ牙をメルクの星屑で削っていくのだった。そうして、折れてしまった小松の以前の包丁とも接合し、新しい包丁は徐々に完成へと近づいていく。 メルクの星屑で刃を研いだ際に出る粉、これが極上の調味料となるのだが、デロウスの牙はまさに打って付けだった。山と出る粉末を前に、垂涎して待つトリコ。包丁が出来上がったら皆で一緒に食べる約束なのだ。そして完成までもう一息となって、トリコと小松が温泉でくつろいでいると、突如、衝撃波が走り湯船が真っ二つに割れた。その原因は完成した小松の包丁だった。二代目が試しにと軽く振っただけで、そうなってしまったのだ。何とも凄まじい切れ味であった。ともあれトリコらは、包丁の完成を喜びあう。その刀身には、小松と二代目、二人の名前が刻まれていた。それは、小松に対する感謝と敬意の印として、二代目が初めて彫った刻印であった。 メルクから厨房を借り、さっそく小松は完成した新しい包丁で料理に取りかかった。その時、棚の中に食材・首領(ドン)ドングリを発見する。これを切ろうとして、以前の小松の包丁は折れてしまったのだ。新しい包丁で改めて首領ドングリに挑む小松。するとドングリは、そっと刃を入れるだけで真っ二つになってしまった。やはり、とんでもない切れ味。また、新しい包丁はそれだけでなく繊細な作業も可能になっていて、より難しい調理にも対応できるようになっていた。そして完成した料理は、"羽衣豚の生ハムピザ・メルクスペシャル"。その出来映えはまさしく逸品。そこへ今回のメイン・メルクの星屑を振りかけて、皆で一斉に、いただきます! 一方その頃、IGO法務局管理グルメ刑務所・ハニープリズンでは、看守長プリコムが監視する中、背に檻を持つ護送獣・コンボイサウルスによってグルメ犯罪者が運ばれていた。と、そこへ二人のビッグネーム、IGO会長の一龍と、再生屋・血まみれの与作が現れた。彼らは、ここに収容されている囚人・ゼブラについて話をするためにやって来たのだという。そんな二人に、プリコムは、ラブ所長が耳を貸すかどうか…と渋る。この件に関しては、法務局のグラス局長でも無理だったのだ。しかし、だからこそ一龍らは直々に訪ねてきたのである。そして牢の中では、早くも一龍たちに気付いたゼブラが、鎖に繋がれたまま薄く笑っていた…。
IGO会長の一龍が出した次なる課題・メロウコーラを手に入れるため、グルメピラミッドを目指す事となったトリコと小松。二人は高級ラウンジで、四天王のサニー、ココとテーブルを囲んでいた。その中で、小松は何やら興奮気味。それもそのはず、小松たちは今、グルメ馬車に乗っているのだから。グルメ馬車…。それは、巨大線路・ワールドコネクトを走る巨大な馬・ギガホースが引く山のような馬車である。この豪華客馬で、およそ二年の歳月をかけて、世界中のグルメ都市を回るのだ。予約五年待ちとも言われる、超セレブの世界一周グルメの旅であった。 と言っても、皆が皆、その全行程を乗るわけではない。サニーは来月、ワック大陸・三途の道へと続く森で下りる。そこへ、ある人に会いにいくらしい。ココは二ヶ月後、グルメ犯罪が横行する治外法権地域・ジダル王国の近くで下りる予定だった。そしてトリコたちは、もちろんグルメピラミッド…と思いきや、グルメ馬車はそこには停車しないとのこと。トリコの目的地はピラミッドではなかったのだ。なんでも、その前に寄らなくてはならない場所があるのだという。一体どこに? 尋ねる小松であったが、トリコは、明日になればわかると笑うだけで、教えてはくれなかった。 船内で様々な豪華料理に舌鼓を打つトリコたち。夜にはダンスホールで優雅な一時を過ごす。そして戻った客室で、ココがトリコに問いかけた。トリコが寄る場所をココとサニーは知っている。しかし、それでも腑に落ちない。そこへ行くには、グルメ馬車では遠回りになってしまうからだ。なのに、どうして馬車に乗ったのか…? やがて夜明けと共に、トリコの目的地へと馬車が停まる。そこは世界最大のグルメ刑務所・ハニープリズンへと続く道…、通称・黄泉の門と呼ばれる場所であった。トリコは、この刑務所に居る四天王最後の一人を迎えに来たのだ。 その名はゼブラ。グルメピラミッドの攻略には、彼の力が必要不可欠なのだ。だが、ゼブラは超がつく程の問題児でもあるのだという。トリコがグルメ馬車へ乗ったのは、サニーとココに、ゼブラを迎えるにあたって協力をお願いするためであった。しかし二人は、声を合わせて即座にお断り。肩を落とし、トリコは小松と共に馬車を降りるのだった。そうして黄泉の門へと辿り着き、すると突然、トリコの耳にゼブラの囁く声が聞こえてきた。刑務所まで、まだ数十キロもあるのに! 驚くトリコ。と言っても、その能力にではない。トリコは、ゼブラの力が更に強くなっていた事に驚いたのだ…!
IGO会長の一龍が出した次なる修行食材・メロウコーラを手に入れるため、グルメピラミッドを目指す事となったトリコと小松。まず二人がやって来たのは、黄泉の門と呼ばれる不気味な場所だった。門をくぐり、殺伐とした険しい道を進んでいく。この先にあるのは、グルメ刑務所・ハニープリズン。二人は、そこに収監されている囚人に会いに来たのだ。その人物の名は、ゼブラ。四天王最後の一人であり、グルメピラミッドの攻略に必要不可欠な力を持った男だ。進む道すがら、トリコはずっと独り言を喋っていた。どうやら誰かと喋っているようだが、人影はどこにもない。その様子を見て、幽霊でも居るのかと、すっかり怯えてしまう小松であった。 やがてハニープリズンへと辿り着いた二人を出迎えたのは、副所長のオーバンだった。ゼブラの出所に反対する所長・ラブは今、機嫌が悪いらしい。所長室へ向かいながら、オーバンに所内を案内してもらうトリコたち。長いエレベーターを降りた先にある受付では、ラブが手懐けたという沢山の凶悪な処刑獣がうごめいていた。また所内では、過酷な刑罰…通称、刑のフルコースに処される囚人たちの姿があった。食事の楽しみを奪われ、やがて処刑されていく受刑者の様を見て、小松は戦慄する。料理人の小松が食事を与える者だとすれば、ここは奪う場所。ハニープリズンは、輝くグルメ時代における闇の部分なのだ…。 そうして二人は所長室へ到着。現れた所長・ラブは子供のような女性だった。そんなラブにトリコは目がハート。戸惑っていた小松も、だんだんラブがスタイル抜群の美女に見えてきた。実はラブは、数百種のフェロモンを自在に操り、他の動物の行動に影響を与える力を持っているのだ。その力で、彼女は自分を美人に見せたというわけだ。だが、それもゼブラにだけは効かないらしい。その上、ラブはゼブラにぞっこん。彼を出所させたくないのは、愛しい人をずっとそばに置きたいからだった。とは言え、ゼブラ出所はIGOの指示でもある。しかたなくラブは、トリコらをゼブラが収監されているエリアへと案内するのだった。 現在ゼブラが居るのは死刑囚のフロアだった。彼の罪は、ご飯を食べ過ぎただけ、らしい。それで一体どうして死刑に…? 不思議がる小松。牢獄のゼブラは、今まさに死刑の真っ最中であった。と言うより、ここに来てからずっと処刑され続けているらしい。ゼブラはそれくらいで丁度良いのだという。ゼブラは手足を四本の巨大な鎖で繋がれいた。それぞれの鎖の先には巨大な処刑獣が繋がれており、ゼブラをバラバラにしようと引っ張っているのだ。しかし、ゼブラはびくともせずに、必殺技・サウンドバズーカを放つ。超大音量の声による衝撃波は鎖をも砕き、処刑獣を一網打尽。拘束から放たれ、ゼブラはトリコに不敵な笑みを向けるのだった…!
IGO会長・一龍から言い渡された次なる修行食材、メロウコーラを手に入れるため、トリコと小松は美食屋の墓場とも呼ばれるグルメピラミッドを目指す事となった。二人がまずやって来たのは、凶悪な犯罪者が収監されている刑務所・ハニープリズン。そこでトリコは、囚人として牢に繋がれていた四天王最後の一人・ゼブラとの再会を果たす。ゼブラは、ピラミッド攻略に必要不可欠な力を持っているのだ。ゼブラ出所の情報は、瞬く間に世界を駆け巡った。その影響は大きく、株はストップ安、食材は10倍以上の値段に高騰…。各市場は大混乱に陥り、25ヶ国に非常事態宣言が発令される程であった。ゼブラが刑務所から出るということは、未曾有の大災害に等しいのだ。 そんな外の騒ぎはさておいて、刑務所ではトリコと小松によるゼブラの出所祝いが行われていた。小松が作った料理を、トリコと共に平らげるゼブラ。食事を終えて、ゼブラは「チョーシにのるなよ」と小松を恫喝する。ゼブラはチョーシにのってる奴が大嫌いらしい。つい先ほども、ゼブラの悪口をこそこそ陰で言っていた囚人達を血祭りに上げてきた所であった。ゼブラは地獄耳で、そのうえ四天王いち短気で喧嘩っ早いのだ。と、そこへ、刑務所の副所長であるオーバンが駆け込んできた。刑務所の外に"森の魔物"が現れたと言うのだ。「ソイツ…、チョーシにのってるな…」不敵に笑うゼブラであった。 死季の森とも呼ばれるこの地方は特殊な気候で、"四季"ならぬ四つの"死季"があるのだという。溶岩が吹き出すマグマの季節、溶季。毒ガスの霧が立ちこめる霧季。ブリザードが全てを凍らせる凍季。そして今の季節は獣季。凶暴な猛獣が目覚めるモンスターシーズンである。森の魔物とは、その中でも最も凶悪な猛獣、溶岩大亀・マグマトータス。ゼブラは、マグマトータスを始めとした猛獣の大群に単身挑んでいく。心配する小松であったが、トリコは平然としたものだった。ゼブラは数十キロ先に落ちたコインの音も聞き分ける超聴覚の持ち主で、声を自在に操り、その震動で全てを破壊する力を持つ。パワー、破壊力ともに四天王随一なのだ。 しかし、問題は食欲と性格。ゼブラは気に入った獲物やムカつく奴がいると、その種が絶滅するまで食い尽くしてしまうのだ。それこそがゼブラの犯した罪であった。今まで彼が絶滅させた生物は26種。その為ゼブラは第一級危険生物として指定されていた。今、森に居る生物の中で一番危険な存在はゼブラだろう。そして事実、ゼブラは猛獣たちを必殺技・サンダーノイズであっという間に倒してしまう。生き残ったマグマトータスも、続く必殺技・ボイスミサイルで一撃だった。戦い終えて声を使い切ったゼブラは、喉を潤したいと漏らす。ならばコーラを飲みに行こうと、トリコと小松、そしてゼブラの三人は、いざ、グルメピラミッドがあるという大砂漠・サンドガーデンへと向かうのであった。
IGO会長・一龍から言い渡された次なる修行食材、メロウコーラを手に入れるため、グルメピラミッドを目指す事となったトリコと小松。二人は途中、刑務所で囚人として牢に繋がれていた四天王最後の一人・ゼブラを仲間に引き入れ、一路、ピラミッドがあるサンドガーデンへと向かっていた。サンドガーデンまでは、ロープウェイのような移動式住居・リフトハウスに乗って約一ヶ月の道のりだ。家賃が高いペンションタイプのリフトを借りたトリコたちは、快適な旅路を行く…かと思いきや、その中でゼブラは、暇だからという理由でトリコにケンカをふっかけてばかり。お陰で、せっかくの高級リフトはどんどんボロボロになってしまうのだった。 気性が荒く、26種類もの生物を絶滅させたゼブラは、第一級の危険人物として世界中の国々から恐れられていた。テレビではゼブラ予報なるまで流される始末だ。ゼブラは自身を環境だと語る。言うなれば、気候や災害と同じだと。適応できなければ、その生物が絶滅する…。ゼブラは、トリコや他の美食四天王とは明らかに違う、アブナイ雰囲気を持っていた。そんなゼブラが旅に同行することに、小松は反対だった。確かにグルメピラミッドの攻略には、声を操るゼブラの力が必要不可欠なのかもしれない。しかし、どうしても、反省の色が全く見えないゼブラの出所が正しい事だとは思えなかったのだ。 ようやく砂の楽園・サンドガーデンへと辿り着いたトリコら一行。さっそく町人を脅しているゼブラを見て、小松は遂にトリコへ自分の不安を伝える。ゼブラは地獄耳の持ち主だ。小松の言葉は当然ゼブラにも聞こえているだろう。それでも小松は言わずにはいられなかった。だがトリコは、ゼブラの存在は悪影響を及ぼすだけじゃないと笑うばかりであった。さて、一行は砂漠を行く為の装備を調達に出たが、大通りを歩いても殆どの店が閉まっていた。聞けば、観光客がめっきり減って、皆、店を畳んでしまったというのだ。辛うじて見つけた露店で最低限の身支度を整えたトリコらは、次はラクダを借りるために北の町へと向かうのであった。 訪れてみた北の町は、つい先日まで続いていた戦争で荒廃していた。先でも言われた観光客の減少は、紛争が原因だったのだ。町人らは暗い面持ちであったが、ゼブラを見るなり歓喜の声が上がった。なんと戦争は、ゼブラを恐れて終わったのだという。戦火にさらされていたこの町にとって、ゼブラはまさしく救世主であった。と、そこへ戦争が残した生物兵器・ヤマタノサソリが現れた。この凶悪な猛獣を一撃で葬り去るゼブラ。町はゼブラへの感謝で沸き返った。実は、ゼブラが絶滅させた26種は危険生物ばかりなのだった。もちろん、だからといって絶滅させていいものでもないのだが。それでも、ゼブラがただの無法者ではない事を知って、小松は表情を明るくするのであった。
次なる修行食材、メロウコーラを手に入れる為、大砂漠・サンドガーデンへとやってきたトリコと小松、そしてゼブラ。当初、小松は死刑囚であるゼブラの同行に反対していたが、やがて彼が単なる犯罪者ではない事を知り、その考えを改めるのだった。ゼブラに謝る小松。ゼブラは呼吸・脈拍等から、その謝罪が本心からだと見抜く。ゼブラは「チョーシにのっている」奴が大嫌いだ。そして最も「チョーシにのっている」行為は、嘘をつく事だと考えていた。表で仲良くしつつ、陰では悪口…そんな態度が最高にムカつくのだ。本心から「チョーシにのってました」と謝る小松をゼブラは笑い飛ばし、条件付きで許してやると凄むのであった。 町でラクダを借りて、トリコたちは砂漠を進んでいく。やがて、迫り来る猛獣の気配を察するゼブラ。砂を泳ぐサメ・砂漠鮫(デザートシャーク)だ。襲いかかってきた砂漠鮫の群れを、ゼブラは人には聞こえない周波数の声、超音波で追い払うのだった。そうして旅を続け、やがて一行は真っ赤な砂漠・デザートラビリンスへと到着した。いよいよここからが本番だ。日中の気温が60度を超えるサンドガーデンの中でもココは別格、一歩足を踏み入れただけで、今までとは桁違いの暑さがトリコたちを襲う。グルメ界でも味わった灼熱地獄に近い熱気にトリコは戦慄し、水分を補給するよう小松へ忠告する。だが振り返った時、既に小松の姿はなくなっていた…! うろたえるトリコらの周りに、直後、蜃気楼と巨大な流砂が発生した。どうやら小松はこれらに連れ去られてしまったようだ。トリコは小松を捜すようゼブラに頼む。だが、そこへ様々な猛獣の大群が襲いかかってきた。猛獣の相手をトリコに任せ、声を張り上げるゼブラ。必殺技・エコーロケーションである。超音波の反響で、まるでレーダーさながらに、視覚に惑わされない正確な地形を把握する技だ。そうしてゼブラは無事に小松を発見。どうやら流砂によって何処かへ流されてしまっているようだった。今の所はまだ無事なようだが、急がなければ。猛獣たちを一蹴して、トリコたちは小松を追いかけるのであった。 ゼブラが展開するレーダーマップを頼りに、トリコらは慎重に、しかし急いで先を行く。その中で、徐々にデザートラビリンスの熱気に適応していくトリコ。ゼブラもまた、刑務所のマグマシーズンで暑さに耐性を得ていた。猛暑の中を急ぎながらトリコは、小松がはぐれたのは運が良かったのかも知れないと考えていた。小松では、この灼熱地獄に耐えるのは難しかっただろうからだ。トリコの呟きにゼブラも頷く。小松の運は本物かもしれない、と。というのも、小松を追いかけて辿り着いた先は、なんとトリコたちの目的地…、世界グルメ七不思議のひとつ・グルメピラミッドだったのだ!
メロウコーラを手に入れるため、大砂漠・サンドガーデンにやって来たトリコと小松、そしてゼブラ。グルメピラミッドを目指して進む一行だったが、その途中で小松が流砂に流されてしまった。トリコらはゼブラの技・エコーロケーションで小松を追いかける。そうして辿り着いた先は、何とトリコの目的地、グルメピラミッドであった。高さ500メートルはあろうかというその巨大さに驚くトリコ。しかしゼブラが言うには、これでも氷山の一角に過ぎないらしい。反響マップで調べたところ、この遺跡の本体はむしろ地下にあった。砂中深くに城のような建造物が眠っており、ピラミッドのように見えるコレは、塔の先端が地上へ突き出たものに過ぎないのだ。 一方その頃、流砂によってピラミッドの地下深くへ流され、気を失っていた小松が目を覚ました。その眼前に、猛獣が迫る。恐怖にすくむ小松であったが、そこへゼブラの飛ばした吠え弾が届いた。猛獣は怯え、一目散に逃げ去ってしまうのだった。小松は遠く離れたゼブラに感謝する。今の件だけでなく、流砂に流されている間も、ゼブラはずっと小松に声を飛ばして励ましてくれていたのだ。さて、とりあえず小松の無事を確認したトリコとゼブラは、ピラミッドの中へと入っていく。そうしながらも、いつになく協力的なゼブラにトリコは首を傾げる。その問いにゼブラは、報酬に死なれては困ると答えるだけであった。 次々と襲いかかってくる猛獣らを倒しながら、迷宮のようなピラミッドを、ゼブラの超音波反響マップを頼りに急いで進んでいくトリコら。だが、やがてゼブラの声も切れかかって、マップの維持が困難になってきた。ゼブラは強靱な喉と、四天王の中でも圧倒的な体力を誇る男だ。加えて、道中ではなるべく声を抑え、倒した猛獣を食べて回復しつつやってきた。しかし、それでもさすがに限界が近づきつつあるのだ。小松が流砂に消えてから、ずっとマップを広げていたのだから無理もない。そして遂に、ゼブラは残りの声を全て小松へと預け、マップを閉じてしまうのだった。トリコらは小松を見失ってしまったのだ。 小松はメロウコーラの手がかりを求めて、一人、ピラミッドを慎重に進んでいた。ふと見れば、壁には何やらバーコードのような模様が。そこへ、出発前に砂漠の町で貰った御守りをかざしてみると、光が正しい順路を教えてくれた。歩きながら、小松はピラミッドの広さに驚くばかりであった。グルメピラミッドが作られたのは何千年も昔と言われている。だが、これは当時の技術では不可能な建造物だ。実際、その建築についての真相は未だ解明されていない。言い伝えでは、ここには古代の王が眠っているとか、伝説の食材が隠されているとか…。と、その時、小松は床に残された一つの足跡を発見する。見覚えのあるその不吉な足跡に、戦慄する小松であった…!
メロウコーラを手に入れるため、そしてはぐれてしまった小松を救出するため、グルメピラミッドへとやって来たトリコとゼブラ。ゼブラの超音波による反響マップを頼りに、二人は猛獣と戦いながらピラミッドを地下へと進んでいく。しかし、疲労のためゼブラの声が枯れてしまい、マップは消失。小松を見失ってしまうのだった。もはやトリコらの体力は限界寸前。おまけにゼブラの喉は、一度枯れると声を出せるようになるまで時間がかかる。二人は先を急ぎながらも、襲い来る猛獣たちを倒しては食べていく。あまり美味しくない上に栄養価も低いが、今は一刻も早く体力の回復に努めなければならないのだから…。 一方、流砂に運ばれピラミッドの地下深くへ辿り着いていた小松は、メロウコーラの手がかりを求めて迷宮を探索していた。そこへ凶暴な猛獣が現れるも、攻撃は小松へ届く前に空中で弾かれた。声が枯れる直前、最後の力を振り絞って、ゼブラが音の鎧"サウンドアーマー"を小松にまとわせてくれていたのだ。と同時に小松の耳へ、全ての相手を食材だと思え、というゼブラからの伝言が。声に従ってメルク包丁を取り出し、食材をさばく心構えで猛獣の前に立つ小松。その気迫は、猛獣さえ震え上がらせるほどであった。そして小松は思い切りメルク包丁を振り下ろし…、その絶大な切れ味が生み出した衝撃波でフロアを崩壊させてしまうのだった。 更に下の階層へと落ちてしまった小松。幸いにして怪我はなく、探索を続行する。そうして辿り着いた先は、幾つもの棺が安置された、まるで霊廟(れいびょう)のような部屋だった。何やら恐ろしくなって、小松はそそくさと霊廟を後にする。続いて小松が見つけたのは、ずらりと古代の壁画が並んだ通路だった。その奥の祭壇には一冊の古文書が残されていた。だが、小松が手にとってみようとした次の瞬間、一匹のミイラが襲いかかってきた! 先ほどの霊廟から甦ったのだ。その姿は、かつてベジタブルスカイで見た謎の生命体に瓜二つ…。ミイラの猛攻に小松は身を縮めるしかなく、やがて音の鎧も剥がれ始めた。加えて、そこに新たな猛獣が現れた! しかし幸いにもミイラのターゲットは猛獣に移ったようで、小松は二匹が争っている間に、祭壇にあった古文書を手にとって逃げ出すのだった。さてその頃、トリコらは猛獣を食べて、徐々に体力を回復しつつあった。基本的に不味いものばかりだったが、ごく稀に美味い部位や個体を見つけることができた。だが、いったいどうして? 首を傾げるトリコ。そしてやがて、体力もほとんど満タン、ゼブラの喉にも声が戻ってきた。さっそく反響マップを再び広げて、小松の居場所を探る。そして見つけた小松は、ミイラから逃げるつもりが、別の猛獣へと一直線に走っていた。ゼブラは止まれと声を飛ばすが一歩遅く、小松は巨大猛獣の前へと踊り出てしまった…!
メロウコーラを手に入れるため、そして流砂によってはぐれてしまった小松を助け出すため、グルメピラミッドへとやって来たトリコとゼブラ。消耗した体力も、ピラミッド内の食材を食べてすっかり回復、ゼブラの喉にも遂に声が戻って来た。さっそく超音波による反響マップを広げてみると、小松は凶悪な猛獣・サラマンダースフィンクスに今にも襲われそうになっていた。ゼブラが吠え弾を飛ばして威嚇するも、スフィンクスはたやすくかき消してしまう。どうやら今までの猛獣とはワケが違うようだ。このままでは小松が危ない!ゼブラは必殺技・サウンドバズーカでピラミッドの床をぶち抜いて、トリコと共に一気に小松の元へと駆けつけるのであった。 トリコとゼブラを目の前にしても、サラマンダースフィンクスの心臓の鼓動、呼吸音には一切の乱れが見られなかった。それだけ強い猛獣と言うことだ。トリコらは小松を物陰へ待避させて、スフィンクスを迎え撃つ。特にゼブラは最初から全開モードで、ボイスミサイル、ボイスカッター、サンダーノイズと、必殺技を立て続けに放っていく。だが、サラマンダースフィンクスに大したダメージはない様子。ウィークポイントボイスでも弱点が見つからない…。と、今度は相手からの反撃が!ゼブラのピンチを間一髪、助け出したトリコは鼻をひくつかせた。サラマンダースフィンクスから、コーラの匂いがするというのだ。 メロウコーラは、サラマンダースフィンクスの体内で熟成されているようだ。つまりコーラを手に入れる為にはコイツを倒すしかないらしい。しかしサラマンダースフィンクスは、前足の軽い一振りで床を切り裂くほどの猛獣だ。その捕獲レベルはなんと92。簡単に倒せる相手ではない。かつてない強敵を前に気合いを高めるトリコたち。一方、小松は戦闘から身を隠しながら、迷宮で拾った本にサラマンダースフィンクスが描かれている事に気が付いた。どうやらコレはレシピ本だったようだ。大昔の本なので読めない字ばかりだが、絵と文の長さで、内容に大体の予想をつけることができた。年間、何百冊もレシピ本を読んできた小松だからこその解読であった。 本に記されていた内容は、見たことのない食材と全く新しい仕込みの方法ばかり。まさに古代人が残した食の遺産であった。本によれば、ピラミッドの中の猛獣はその殆どが特殊調理食材で、それぞれに美味しく食べるための方法があるらしい。そしてそこには、メロウコーラの取り出し方についても書かれていた。コーラはサラマンダースフィンクスの涙で、取り出すには決められた手順が必要なようだ。その事をトリコらに伝える小松。トリコとゼブラの残り体力は七割ほど…。もはや無駄な攻撃をしている余裕はない。二人は、レシピを読める小松の指示に従って戦うことを決めるのだった。小松シェフによるサラマンダースフィンクスの調理が、今、始まる!
IGO会長である一龍から言い渡された修行食材・メロウコーラを手に入れるため、グルメピラミッドへとやって来たトリコと小松、そしてゼブラ。旅の途中で小松が流砂に飲まれはぐれてしまったが、ようやく無事に再会を果たす。そんな三人の前に立ち塞がったのはグルメピラミッドの主、捕獲レベル99の凶悪な猛獣・サラマンダースフィンクスだった。戦いの最中、小松はピラミッド内部で手に入れた本がレシピであることに気が付いた。レシピによれば、スフィンクスの涙こそがメロウコーラであるらしい。そして、スフィンクスの泣かせ方には一定の手順が必要なようだ。トリコたちはレシピを読める小松の指揮の下、戦う事を決意するのだった。 まず下拵えとして『サラマンダースフィンクスの全身を強めに程よく、均一に叩く』。凶獣の猛攻をかいくぐって、ゼブラによるサウンドバズーカが炸裂した。続いて、『少し強めに、みぞおちを叩く』。こちらはトリコが懐へ入って10連釘パンチ。もちろん、サラマンダースフィンクスも只ではやられていない。反撃を受けて吹き飛ぶトリコたち。そのダメージにうろたえる小松。だが、トリコはそんな小松を叱咤する。食材が暴れたくらいで料理人がオタオタするな。俺たちを調理道具と思え、と。その言葉に頷き、小松は調理を再開する。とは言え、トリコらの体力はもう半分もない。残りの手順を考えながら、使う技を慎重に選択していかねばならないのだ。 一進一退の攻防の末、サラマンダースフィンクスの瞳が潤み、涙腺も肥大してきた。この猛獣は、余った栄養をブドウ糖として涙腺に溜め込んでいるのだ。それが排出される前に一定の手順で刺激を与えると、体内の二酸化炭素が涙に溶け込んでコーラになるという寸法だ。徐々にぐったりとしてきたサラマンダースフィンクス。トリコたちの体力もギリギリだが、残す工程はあと一手のみ。その最後の一撃、トリコの15連釘パンチと、ゼブラのボイスミサイルがスフィンクスの尻尾へと撃ち込まれる。そして遂に猛獣は涙ぐみ、メロウコーラが排出された!喜ぶトリコら。だが次の瞬間、小松の背後に、美食會が操るGTロボそっくりの謎の生物が現れた…! 謎の生命体から強烈な攻撃を受けて崩れ落ちる小松。エネルギーの残ってないトリコとゼブラも一蹴され、せっかくのコーラは謎の生物に飲み干されてしまった。倒れ伏したゼブラは、旅の始めに交わした小松との会話を思い出していた。ゼブラは、今回の仕事の報酬を小松の料理と決めていたのだ。つまり小松自身が報酬そのもの。その報酬をこんな目にあわせやがって…!失われた体力を爆発させた怒りで補って、ゼブラが立ち上がった。そしてトリコもまた、自食作用・オートファジーを発動させて復活。二人はメロウコーラの、そして小松の仇を討つべく、渾身の必殺技を繰り出すのだった。
トリコと小松、そしてゼブラが求める修行食材・メロウコーラの正体は、グルメピラミッドの主・サラマンダースフィンクスの涙であった。古文書を読み解いた小松の指揮のもと、スフィンクスと戦うトリコとゼブラ。そして三人はついにスフィンクスを泣かせることに成功し、メロウコーラを手に入れるのだった。だが次の瞬間、突如として現れた謎の生命体の攻撃が小松の胸を貫き、コーラを奪い飲み干してしまった。先の戦闘で疲弊していたトリコらも倒され、一行は絶体絶命のピンチに!しかし、ゼブラは怒りの力で体力を全回復。トリコもまた、自食作用・オートファジーを発動させて立ち上がった。小松の仇を討つため、二人は謎の生命体に戦いを挑む。 謎の生命体は凄まじい強さであった。その拳はトリコの17連釘パンチと同程度の破壊力を持ち、口からはゼブラのサウンドバズーカのような衝撃波を吐く。音速による攻撃さえかわし、例え命中しても、とんでもなく硬い。更にはトリコの釘パンチを見ただけで憶え始めるほど、高い知能をも備えていた。その強さに苦戦するトリコとゼブラ。トリコのオートファジーもゼブラの怒りによる回復も、そう長くは保たない。もう、一気にケリをつけるしかない!トリコとゼブラは互いの必殺技を連携させた猛ラッシュで敵を追い込み、合体必殺技・17連音速釘パンチを叩き込むのだった。 四天王二人による合体攻撃を受けて吹き飛ぶ謎の生命体。しかしそれでも尚、倒すには至らなかった。とはいえ、その傷は深い。もって数日というところだろう。楽しいバトルを繰り広げた礼代わりにと、ゼブラは必殺技・死音で謎の生命体にとどめを刺すのだった。と、その時、ゼブラの耳に微かな心音が届いた。それは、死んだかと思われていた小松の胸の鼓動だった。ひどいダメージを負いながらも、小松は辛うじて生きていたのだ。サラマンダースフィンクスと戦う直前、念のためにと、ゼブラが小松に纏わせていた新しいサウンドアーマーが功を奏したのである。 死闘を終えて、体力の限界を迎えるトリコら。コーラを奪われてしまったことも疲労に拍車をかけていた。しかし意識を取り戻した小松の言葉が二人に元気を与えた。謎の生命体が飲み干したのは灰汁のようなもので、本物の涙…メロウコーラが出始めるのはこれからだという。そしてその通り、次の瞬間、スフィンクスの目から大量のメロウコーラが吹き出した!コーラを口に含み、その極上の味わいに驚くトリコたち。疲労した体にもみるみる染み渡り、体力全快。ゼブラはメロウコーラを自身のフルコースに入れることを決めて、小松に告げる。これならオレとコンビになるよな、と。戦いは終わったはずなのに、不穏な空気が再び漂い始めていた。
IGO会長である一龍から言い渡された修行食材・メロウコーラを手に入れるため、グルメピラミッドへとやって来たトリコと小松、そしてゼブラ。紆余曲折の末、三人はピラミッドの最奥で、遂にメロウコーラを手に入れるのだった。しかしその時、突如として現れた謎の生命体がコーラを奪い、トリコらに襲いかかった。その圧倒的な強さに、ゼブラは怒りのエネルギーで、トリコは自食作用・オートファジーで応戦する。激闘の末、トリコとゼブラは合体技を炸裂させ、謎の生物を撃破。無事、本当のメロウコーラを手に入れたのだった。その美味さに、コーラをフルコースに入れる事を決めるゼブラ。そして小松に、パートナーになれと迫るのだった。 実はメロウコーラ捕獲に協力する条件として、ゼブラは小松に、自分のパートナーとなることを求めていたのだ。そして小松はゼブラが出した条件に対して、フルコースを見てから決めると答えていた。そんなやり取りがあった事など知らなかったトリコは戸惑うばかり。そこへ小松が告げる。小松がゼブラの出した条件を迷いなく受けられたのは、トリコを信じているから。トリコのフルコースは誰にも負けないものになる、と。その信頼に、今回は引き下がるゼブラ。だが、すぐにフルコースを揃えてみせると意気込む。そして一行は天然ゴムのリュックでコーラを回収し、グルメピラミッド、そしてグルメ砂漠の広がるサンドガーデンを後にするのだった。 そして一月後。町へと帰ってきた小松は、メロウコーラを手に入れたお祝いとして、トリコらに料理を振る舞う。山盛りの料理をたいらげ、満足げなトリコ。しかしゼブラは不満があるようだ。あの謎の生物が調理されていないためだった。小松は、とてもじゃないが食べられそうにないので出さなかったと苦笑を返す。するとそこへ、三人の男たちが訪ねてきた。現れたのは、IGO開発局長にしてグルメ研究所の所長・マンサム。そしてIGO防衛局局長・レイ、第0ビオトープの職員・ラップであった。彼らは、トリコらが倒した謎の生物を引き取りにやってきたのだ。 謎の生物の名は、ニトロ。美食神アカシアが発見し名付けた生命体だった。とはいえ、その実態はほとんど何も解明されていない。わかっているのは、幻の食材"GOD"の入手方法に関係があるということ…。また、ニトロが活発になるということはグルメ日食が起こる兆しでもあるらしい。それは、グルメ戦争が再び勃発する可能性をはらんでいた。更に、美食會がニトロを利用して何らかの計画を練っている節もある。不穏な話に息を飲む小松。だが、トリコは言う。"GOD"が手に入るなら、皆で分け合えばいい。そうすれば戦争は起こらない、と。そしてトリコは、俺がそうしてみせると、力強く宣言するのであった。
無事に修行食材・メロウコーラを手に入れ、グルメピラミッドでの冒険を終えたトリコ一行。しかし、ホテルグルメのシェフとして日常の中へと戻った小松は悩んでいた。明後日に迫ったサミットの打ち上げメニューが決まっていないのだ。そこへトリコが、海へ行かないかと誘いにやって来た。なんでも、この時期にしか食べられない美味しい物があるらしい。小松は、何かメニューのヒントがあるかもしれないと、トリコと共に海へと赴くのであった。そうして二人が向かった先は、その名もグルメビーチ! 夏の二週間、海岸線に沿って100キロにわたり沢山の屋台や海の家が並ぶ、波乗りならぬ食乗りが楽しめる浜辺だ。 グルメビーチでリンと合流したトリコと小松は、様々な屋台を食べ歩きながら目的地…海の家・ガツカツカレーへと向かう。ここのカレーは絶品で、トリコは毎年食べに来ているほど。しかし到着してみれば、店はなんと休業状態。嘆くトリコであったが、その声を聞いて店の扉が開いた。顔を出したのは店主の息子・クミン。彼はトリコの顔を見るなり、助けて下さいと泣き出してしまう。実はつい先月、店主であるクミンの父親が亡くなってしまったのだ。その後クミンが料理人、妹のサフラが美食屋として店を継いだのだが、まだ半人前のクミンに先代はカレーのレシピを全く教えていなかった。このままでは名物のカレーが作れなくなってしまう! 問題はカレーの具材にあった。ガツカツカレーのルーは特殊調理食材を使用しており、並の具材では味が負けてしまうのだ。レシピを残してくれなかった父へ、クミンは恨み言を漏らす。そんなクミンを慰める小松。先代がレシピを教えなかったのには何か理由があったはずだ、と。だが、クミンは納得しない。そして、今はそれよりも重大な事があった。彼の妹・サフラが、食材を求めて海に出て、もう二日も帰ってきていないのだ。サフラは父のカレーを復活させようと躍起になっていた。無茶をしていなければいいのだが…。サフラを探して欲しいというクミンの願いをトリコは快諾、居合わせた十夢(トム)の船に乗って、いざ大海原へと繰り出すのであった。 海を行くトリコ達の前に、猛獣に追われる少女が現れた。猛獣を一蹴して少女を助けてみると、果たして彼女こそがサフラであった。心配するトリコに、まだ帰れないと告げるサフラ。先代カレーの具材の中で、唯一判明している食材・ウォータイガーを捕獲できていないからだ。年に一度、海流に乗ってグルメビーチにやって来る、島のような馬・島うま…。ウォータイガーはそこに生息しているのだ。そういうことなら仕方ない。サフラと共に島うまへ上陸するトリコたち。そこには、カレー食材となる猛獣たちが盛り沢山。そして何故か島にいた美食屋・ゾンゲ。と、その時、凄まじい足音と共に、恐ろしい猛獣がトリコらの前に現れた!
無事にメロウコーラを巡る冒険を終えたトリコ一行。日常へと戻った小松は、パーティーで出す新メニューのヒントを求めて、トリコと共にグルメビーチへと向かった。二人は浜で一番のカレー屋・ガツカツカレーへと赴くが、なんと店は閉店状態。店主が突然亡くなったため、カレーが作れなくなってしまったのだ。先代の息子・クミンはレシピを教えて貰っておらず、その上、クミンの妹・サフラは食材調達に出たまま戻ってこないという。クミンはトリコにサフラの捜索を依頼。快諾したトリコらは海へと繰り出し、サフラとの合流に成功した。そしてカレーの食材を求めて島へと上陸したトリコらは、そこで水の猛獣・ウォータイガーと遭遇するのだった。 ウォータイガーはカレーの目玉食材!捕獲するべく迎え撃つトリコであったが、敵の攻撃は鋭く、軽々と岩を切り裂くほど。更にウォータイガーは、どんな必殺技も無効化する水の体を持っているのだ。苦戦は必至!しかし、そこは流石のトリコ。機転を利かせてフライングナイフで足場を切り崩し、ウォータイガーを太陽の照りつける岩場へと引きずり込む。その途端、猛獣の勢いが弱まった。炎天下で熱されたこの場所は、ウォータイガーの体の水を蒸発させるには充分な灼熱地獄だったのだ。形成は一気に逆転、トリコは弱ったウォータイガーに15連釘パンチをお見舞いし、見事捕獲に成功するのだった。 無事にグルメビーチへと帰ってきたトリコたち。クミンはサフラの無事を泣いて喜ぶ。だが、本当の勝負はここからだ。美味しいカレーが作れるかどうかは、クミンの腕にかかっているのだから。手伝いを申し出た小松と共に、クミンは調理を進めていく。しかし、どうしても上手くいかない。ガツカツカレーのルーには特殊調理食材を使用しており、全ての味が調和しない限り、具材が負けてしまうのだ。そしてとうとうカレーの再現を諦めてしまうクミン。と、その時、小松が厨房の中にある奇妙な調理器具・高枝切り包丁に気が付く。すると突然、それを持ってサフラが外へと駆けだした。 サフラが向かったのは、小高い丘の上に生えたボンボンウッドの木の下だった。クミンとサフラは子供の頃、父にこの木の実をよく食べさせて貰っていたのだ。そしてこのボンボンウッドの実こそが、ガツカツカレーに欠けていた最後の具材であった。かくして、父との思い出、そして兄妹が力を合わせて作り上げたカレーは、先代のものを超える極上の逸品として完成した。家族の絆によって生まれ変わった新生ガツカツカレーに、グルメビーチの人々も大満足。海からは花火のように弾ける花火スケットが、まるで祝福するかのように夜空を彩っていく。そんな大団円の中、新メニューのことを完全に忘れていた小松だけが、焦りの悲鳴を上げるのであった。
IGO会長・一龍が示した修行食材を3つまでクリアしたトリコ。それらを食したことによりグルメ細胞が進化し、トリコは着実に更なる力を身に付けつつあった。そして、強くなったのはトリコだけではない。サニーとココはグルメ界へ挑むための修行に励み、ゼブラもまた、グルメ刑務所の出所条件だった500人の指名手配犯の確保と100種類の新食材の発見に勤しんでいた。近いうちに出現すると言われている神の食材"GOD"。それを巡るグルメ戦争の勃発を防ぐためにも、トリコたちはより強くならなければならないのだ。しかし、"GOD"を狙う美食會も新型の戦闘用GTロボの量産に取りかかっており、戦争への準備を着々と進めていた…。 さて今回、トリコと小松はIGOによって立入禁止区域に指定されている森へとやって来ていた。この森の奥に、普通では滅多に食べられない食事を提供する店があるというのだ。何時間も歩き続け、途中現れた猛獣を一蹴し、やがて二人が辿り着いたのは黒い湖の上に建つ店、「Bar Meria(バー・メリア)」であった。美味しい食事に舌鼓を打ちながら、トリコと小松は今後のことについて語り合う。トリコが一龍から言い渡された修行食材はあと4つ。それをトリコは、急がば回れ、しばらくはゆっくりと探し出そうと考えていた。修行以外にも欲しい食材はあるし、何より小松のことが気がかりだからであった。 というのも近年、名のあるコックがさらわれる事件が増加してるらしいのだ。特にメロウコーラを巡る一件で、トリコは自身の力不足を痛感した。グルメ戦争は心配だし、修行してグルメ界へ行くことも大事だが、まずは目の前にいる一人の人間を守らなければ。そんなトリコの言葉に感動した小松は、これからも一緒に旅をすることを誓うのだった。決意を新たにした二人は意気揚々、しかし、その空気は一瞬で凍りついた。その原因は、たった一人、店内にいた客からもれた溜め息であった。それを耳にした瞬間、トリコと小松は身を強張らせた。その客の声は、トリコらに恐怖の記憶を呼び起こさせるには充分だったのだ。 そこには、かつてジュエルミート争奪戦でトリコらを死の寸前まで追い詰めた存在…、美食會の副料理長・スタージュンの姿があった。以前より随分と成長したトリコらであるが、それでもスタージュンには及ばない。ただ、幸いなことに今日のスタージュンは食事に来ただけであった。戦う気はないとトリコに告げるスタージュン。例え、いつかは戦う運命だったとしても。そうしてスタージュンは去り、運良く生き長らえたトリコと小松は安堵に胸を撫で下ろす。そう、運である。今まで運をあまり信じていなかったトリコであったが、今度ばかりはグルメ神社にお参りでもしてみようかという気分になっていたのだった。
どこまでも続く、ながーい階段を上っていくトリコと小松。やがて辿り着いたのは、大きな大きな大鳥居。二人は今、美食神アカシアを祭っているグルメ神社へとやって来ているのだ。グルメ神社とは、グルメ祈願や食厄払いに、全世界から年間90億もの人々が参拝に訪れる巨大神社である。このグルメ時代において、食運を上げることは成功の秘訣。食に関わる者はもちろん、政財界の重鎮もこぞって参拝に訪れるという。その境内の敷地は広大で、歩いて回る場合には数ヶ月もかかってしまうほど。大勢の人々で賑わうさまは、お祭りさながらであった。 そしてお祭り騒ぎと言えば屋台は付き物。参道には沢山の屋台が軒を連ねており、その味とラインナップにはトリコと小松も大満足であった。それもそのはず、グルメ神社には、毎月抽選で選ばれる777店しか屋台が出せないのだ。味はもちろん、強い食運がなければ出店することさえ出来ないというわけだ。さて、食べ歩きにも一段落ついて、トリコらのお参りもいよいよ本番へ。タクシーのような羊・タクシープを使って、アカシアのフルコースを祭ってある七つの社…、食殿を一つずつお参りしていく。そしていよいよ、二人はアカシアの像があるというグルメ神社の本殿へと辿り着いたのだった。 本殿に着くなり、その大きさ・存在感に圧倒されるトリコと小松。何より、アカシアの像から発せられる強い食運は、あまり神や運というものを気にしていないトリコでさえ自然と手を合わせてしまう程であった。そうしてお参りを終えると、外では年に一度の大イベント、食男選びが開催されていた。巨大なまな板に刺さった包丁を抜くだけの簡単な催しだが、実はこの包丁、力任せでは決して抜けることがない。木目や気温などの影響もあって、食運が優れていなければ動かすことさえできないのだ。トリコに促されて、小松も包丁抜きにいざ挑戦! すると包丁は難なく抜け、小松は見事、食男として認定されるのだった。 そして、祭はこれだけでは終わらない。食男選びの行事はもう一つ、金色のグル樹の種探しが残っている! …のだが、その種は既にトリコの手の中にあった。先ほど屋台で食べた物のうちにグル樹の実があったのだが、その中に金色の種が入っていたのだ。二人の食男の誕生に場内喝采、トリコと小松は手に入れた賞品を人々にお裾分けするのだった。このグルメ時代において食運は何より大切なものだ。だから人々は自分のために、必死で御利益にあやかろうとする。しかしトリコたちは、その食運を惜しみなく周囲に分け与えた。二人の素晴らしい振る舞いに、アカシアの像はいつになく嬉しそうに微笑んで見えたのだった。
いつものようにトリコの家へ遊びにやって来た小松。玄関が開くや否や、出迎えたトリコの恐ろしい形相にビックリ仰天!聞けばトリコは、ある食材をビックリさせる練習をしていたらしい。その食材とは、ビックリアップル。ビックリさせるほど味が美味しく変化する珍しいリンゴである。そしてビックリアップルが実をつけるのは、年に一度、この時期だけ…。美味しいリンゴを手に入れるため、トリコと小松はビックリアップルが栽培されている島・ビックリ島へと向かうのであった。島には、ビックリアップルを驚かせようと、バズーカや手榴弾を乱射して回る人々が大勢集まっていた。大きく驚いたビックリアップルは高値で取引されるので、皆必死なのだ。 集まった人々の中には、リンや再生屋の鉄平、美食屋ゾンゲなど、馴染みの顔もあった。さて、ビックリアップルの驚き具合・味のチェックをするのはG7・味覚マスターのアポロン氏。さっそくトリコは初代メルクから分けて貰った拡音石を使って、大声でビックリアップルを驚かせる。島を揺るがすほどの大音量で、リンゴのビックリレベルはなんと27!今日の最高レベルだ。このレベルはビックリアップルの驚き具合を示す数値で、最高値は100。高いほど美味しく、そして高値で取引されるようになるという。だが100を出した者は未だおらず、レベル90代が三人だけ…。それを聞いてトリコは、最高レベルを出してやろうと意気込むのであった。 レベル27を出したトリコに触発され、会場はますますヒートアップ!皆、次々とビックリアップルの捕獲に挑戦していく。と、そこへ一人の和服美女が現れた。彼女はスナックつららの大ママ、つららママ。美食屋としても料理人としても有名な美女だ。その物腰は穏やかだが…彼女は恐ろしい冷笑と脅し文句でビックリアップルを震え上がらせ、見事レベル20を叩きだした。レベルを上げる方法は音や衝撃だけではないのだ。トリコの仲間たちも、色んな方法で高レベルのリンゴを続々と収穫していく。ただ、小松と美食屋ゾンゲだけは、ビックリアップルにも鼻で笑われる始末であったが。 続いてトリコは、今度は力で驚かせてみることに挑戦する。繰り出されるは渾身の17連・寸止め釘パンチ!その迫力は凄まじく、レベル50を軽く超えそうに見えたが…、途中でビックリアップルが失神。無効となってしまった。高レベルの収穫は、やはり一筋縄ではいかないようだ。そんな中、アポロンは地面に転がっていたレベル80超えのビックリアップルを発見する。いったい誰が…?見渡した先には、笑われた腹いせに、リンゴへオナラを放つ美食屋ゾンゲの姿があった。なんと80超えのビックリアップルを作ったのは、ゾンゲのオナラの臭さだったのだ。呆れるしかない会場に、ゾンゲの高笑いだけが大きく響くのであった…。
普段から温厚な小松であるが、何やら今日はいつにも増してのニコニコ顔。トリコが理由を尋ねてみれば、なんとグルメジャンボ宝くじに当選したらしい。この宝くじは一等の金額が100億円という超大型宝くじ! …小松が当選したのは八等の100万円だったが。しかし、それでも大金には違いない。小松は日頃のお礼に、トリコに何かプレゼントをしたいと申し出る。そして折良く、今トリコには欲しい物があった。それは土地、それもたったの一坪が欲しいのだという。その土地は通称・巨万の一坪と呼ばれていた。猛獣ニワトラが、高級食材として高値で取引されている卵を産み落とす場所なのだ。まさに巨万の富が生み出される一坪であった。 土地の所有者は、"よっち"という名のガンコ爺さん。これまで数多くの大富豪が何度も買収を試みたが、全く聞く耳を持たなかったらしい。ところが今、その巨万の一坪が競売にかけられているのだという。これは卵を食べる絶好のチャンス! トリコと小松は早速よっちの家を訪ねてみることに。よっち爺さんの住まいは、みすぼらしい小さなあばら屋であった。中へ入ってみると、そこにはほんのりとニワトラの卵の匂い。その美味しそうな香りにトリコは、土地の買い取り交渉はどこへやら、卵を食べたいと言い出す始末であった。しかし、そんな突然のお願いにも関わらず、よっち爺さんは気分を害するどころか快諾してくれるのだった。 ニワトラの卵料理を食べながら、話に花を咲かせるトリコらとよっち爺さん。なんでも、若い頃のよっちは美食屋をしており、病気がちな妻を元気づけるべく必死で仕事に没頭していたらしい。しかし、そのせいで夫婦で過ごす時間は減り、よっちが久々に家へ帰った頃には妻はもう手遅れとなっていた…。妻を亡くし、よっちは後悔の日々を送っていた。そんな時、今では巨万の一坪と呼ばれる場所で、よっちは孵ったばかりのニワトラの雛を見つけた。そこは、かつてよっちが妻と初めて食事をした場所。そしてニワトラの卵は、妻の好きだった食材なのだ。まるで妻が生まれ変わったように感じたよっちは、以来、付きっ切りでニワトラを育ててきたのだという。 だが、そんな思い出の土地をなぜ手放そうとするのか。それは、よっち爺さんの余命が残り僅かだから。それで巨万の一坪を誰かに譲ろうとしたらしい。土地を買う為にトリコが用意した金は、小松がクジで当てた100万だけ。今まで交渉に訪れた富豪たちに比べれば、あまりに少額だ。しかし、よっちはトリコに土地を売ってくれるという。お金など、もう何の価値もないのだから。そして月日は流れ、よっちが天に召される時が来た。トリコらが弔いに巨万の一坪を訪れると、そこにはよっちが育てたニワトラと、まだ卵からかえったばかりの雛の姿があった。きっとよっちの生まれ変わりに違いない。そう、これでまた、夫婦二人は一緒になれたのだ…。
美しい湖畔にそびえる一本の巨大な木、その上に建てられたロッジ風のレストラン。そこで小松は、四天王の一人であるサニーと共に、音楽を聴きながら食事をしていた。実は二人とも、トリコに呼び出されたのだ。といっても、肝心のトリコはまだ来ていないのだが…。トリコを待っている間、料理に舌鼓を打ちながら、小松はこれまでトリコとコンビを組んで巡った冒険をサニーに語って聞かせた。ベジタブルスカイのオゾン草、ヘビーホールのメルクの星屑、グルメピラミッドのメロウコーラ…。どれもこれも、死の危険と隣り合わせの大変な旅であった。サニーが小松の苦労をねぎらっていると、そこへようやくトリコがやって来たのだった。 トリコがサニーを呼んだのは、彼に仕事を依頼するためだった。IGO会長から言い渡された七つの修行食材のうち、トリコは三つまでの捕獲を終えている。そして今回、次なる修行食材を手に入れるにあたって、サニーの助力が必要だと判断したのだ。トリコの依頼を面倒くさいと嫌がるサニー。しかし食材の名前を聞いて、目の色が変わった。その名はサンサングラミー。クリスタルフィッシュの異名を持ち、水晶のように美しく透き通って光り輝く魚だ。美しさを尊ぶサニーにとって、何としても手に入れたい食材である。いったい何故トリコにだけそんな美しい獲物が…。文句を垂れながらも、サニーは同行を承諾するのだった。 と、その時。レストランの外に、突如として巨大な蛇が現れた。しかし敵ではない。この大蛇こそ、サニーの新しいパートナー・マザースネークのクイン! マザースネークはグルメ界でも希少種とされる蛇で、最大級のものにもなると、その体長は地球を一周するほどだという。クインはまだまだ子供で小さいらしいが、それでも山をも跨ぐほどの長さを誇っていた。サニーに続いて、クインの頭に乗るトリコと小松。そしてサニーの合図と共に、クインはまるで弾丸列車のようなスピードで進み始めた。目指すはサンサングラミーの生息場所、世界三大瀑布の一つ、デスフォール! デスフォールは別名・処刑の滝と呼ばれ、毎秒一兆リットルもの水が落ちてくる巨大滝だ。滝の厚みは1キロにも及び、その水圧は全てを弾き、飲み込み、砕く。近づく者全てを水のギロチンで処刑し、何者の侵入も許さない。デスフォールはまさに死の滝と呼ぶに相応しい、グルメ界にも引けを取らない過酷な環境なのだ。そしてサンサングラミーは、その巨大な滝の裏にある洞窟の中に生息しているのだという。トリコたちは、凄まじいスピードで疾走するクインのお陰で、あっという間に目的の連峰へと到着した。モルス山脈…、標高一万五千メートルを超えるこの山の麓に、デスフォールはあるのだ!
トリコが求める次なる修行食材は、美しく光り輝く水晶が如き魚・サンサングラミー!トリコと小松はその生息地である巨大滝・デスフォールへ、修行を終えたサニーと共に向かう。サニーの新たなパートナー・クインに乗って、デスフォールがあるモルス山脈へとやって来たトリコら一行。そこには透き通るような河湖が広がっていた。モルス山脈はろ過機能に特化した土地で、流れ込んでくる水に含まれるバクテリアやプランクトンなどの栄養を全て吸い取ってしまうらしい。だからモルス山脈の水はこんなにも透明なのだ。そして吸い取られた養分の溜まり場こそがサンサングラミーが棲まう場所、デスフォールの中にある洞窟なのだった。 河川を進む一行の耳に、やがて、爆撃のような轟音が届き始めた。遠く視線の先に現れたのは、巨大な雲のような何か…。それはデスフォールから立ちのぼる大量の水煙だった。近づいて見たデスフォールは、まさに水のギロチンと呼ぶに相応しい大瀑布であった。一行の前に現れたリーガルマンモス級の巨体を誇る猛獣でさえも、滝壺から落ちてきた岩石に打ち落とされ、水流に飲み込まれてしまうほど。処刑の滝と呼ばれるのもうなずける恐ろしい環境であった。しかし、その光景を前にしても尚、サニーの顔には不敵な笑みが浮かんでいた。俺のスーパーフライ返しを試すにはもってこいだ、と…。 いったいどうやってデスフォールを攻略するか、思案するトリコたち。水中は対流によって生まれた渦が全てを粉砕してしまう。かといって上方は、激流が四方を取り囲んでいるため、側面の岩を掘って進むこともできない。やはり正面突破しかないのだ。サニーが触覚で作ったいかだ・ヘアラフトに乗って、トリコらはデスフォールへと近づいていく。と、その時、水中から猛獣・カバザメが現れた。しかしサニーは、たった二本の触覚でカバザメを抑え込むと、新必殺技・スーパーフライ返しで一蹴!クインに留守番を任せて、いよいよデスフォールの前へと進んで行くのだった。 デスフォールへ近づくにつれ、スコールのような水しぶきが一行を襲った。それもただの飛沫ではない。トリコの強靱な肉体さえ切り裂く、刃物が如き水しぶきだ。フォークシールドでダメージを防ごうとするトリコだったが、それをサニーが制した。水しぶき程度なら、かわすまでもない。サニーは必殺技・ヘアリードで水の流れを変えて、一行を飛沫から完全に守ってみせるのだった。しかもサニーの様子は余裕のリラックス状態。どうやら修行を経て、サニーはより一層頼もしくなったようだ。トリコも負けてはいられない。両の拳に力を込めて、さぁ、デスフォールの本格攻略開始!
IGO会長の一龍から依頼された修行食材は残り四つ!その内の一つ、美しく光り輝く魚・サンサングラミーを手に入れるため、トリコと小松は四天王・サニーの助力を得て"処刑の滝"とも呼ばれる大瀑布・デスフォールへとやって来ていた。サンサングラミーは、この巨大滝の奥にある洞窟に生息しているのだ。襲い来る水飛沫のカッターをかいくぐり、一行は何とか滝の前まで到達。いよいよデスフォールの本格攻略を開始する。修行の成果を見せるべく、トリコはレッグナイフで滝を切り裂き、道を作り出す。今のうちにと滝の奥へ進む一行であったが、デスフォールの圧倒的な水流は、すぐにレッグナイフを押し戻し始めた! ならば、とトリコは17連より更に上、18連釘パンチで滝を穿つ。だがデスフォールはそれさえも押し返してくるのだった。このままでは怒濤の水流に飲み込まれてしまう。絶体絶命のピンチに、しかしサニーの顔に焦りの表情は浮かんでいなかった。むしろ修行の成果を試すのが楽しみだ、とまで呟く。今までのサニーの必殺技・フライ返しは、相手の攻撃を同じ力で返す技だ。だが、修行で習得した新必殺技・スーパーフライ返しは、相手の力を何倍にもして跳ね返すという。そして今、数億トンを超える圧倒的な水の爆弾へ向けて、サニーの"5倍"スーパーフライ返しが炸裂!その威力は凄まじく、デスフォールの奔流を大きく押しのけるのだった。 これまでよりも更に大きく力を伸ばしたサニー。彼が修行をしたのは、"三途の道"と呼ばれるグルメ界と人間界をつなぐ一本道だった。そこで、グルメ界から迷ってやって来る猛獣を一人で食い止めている男、グルメ番長・愚衛門に鍛えて貰ったのだ。愚衛門はガサツで脳天気、ボーッとしてばかりの男で、とても実力者には見えない。しかしその実、ひと度グルメ界から猛獣が現れれば、目にも止まらぬ速さで敵を真っ二つに切り裂く程の猛者だ。その愚衛門から、サニーは触覚を扱う集中力の高さを認められた。だが、同時にその集中力が問題だとも。もっと直観に従い、感じるまま戦いに臨む必要があると言うのだ。 プロは考えない。膨大な訓練と経験から自然と最善の手を感じ取り、選択することができる。そして直観は天性のものではない。まずは誰もが持っている小さな直観を信じること。そして直観は正しいとする積み重ねが、無駄な力みや思考をそぎ落とし、より高いパフォーマンスを生む肉体と精神を作り上げる…。そうした愚衛門による直観の修行の果て、今やサニーは触覚を何のストレスも感じずに動かせるようになっていた。このサニーの話を聞いてトリコは納得、そして自分もまた、己の直観を信じようと決める。トリコは感じるまま両の拳に力を込めて、18+18、右手と左手を合わせて合計36連ツイン釘パンチをデスフォールに向けて放つのだった。
IGO会長の一龍から依頼された七つの修行食材の一つ、美しく光り輝く魚・サンサングラミーを手に入れるため、トリコと小松、そしてサニーは巨大滝・デスフォールの中にある洞窟を目指していた。デスフォール攻略を開始した三人に襲いかかるは大激流。それを一行は、修行を経て直観を身に付けたサニーのスーパーフライ返しによってコレを突破するのだった。そしてトリコもまた、サニーの言葉を信じ、直観に従って新必殺技・36連ツイン釘パンチを編み出す。その威力たるや、デスフォールの水を貫くほど。そうして切り開いた道を進むトリコらであったが、その時、パートナーのクインが警報を発していることにサニーが気が付いた! 途端、トリコらの頭上から無数の岩が降り注いだ。ハッと見上げると、そこには大岩…どころではない、高さ5000メートルはありそうな巨大な山があった。デスフォールの激流は山さえも押し流してきたのだ。落下してくる山を今から回避することは不可能。トリコはレッグナイフで破壊を試みるが、さすがに相手がデカすぎる。サニーのスーパーフライ返しも山の重さに耐えられない。そんな絶体絶命のピンチにトリコが閃いた。サニーのフライ返しでトリコのパンチを山に向かって跳ね返すのだ。成功するかはわからないが、やるしかない。放つはお互いの最強技! 30倍スーパーフライ返しで増幅された渾身の36連ツイン釘パンチが、今、炸裂する! 覚悟を決めて放たれた合体技は内部から大山を粉々に打ち砕いた。しかし喜んでいる暇はない。切り開いた滝の水も戻り始めている。急がなければ! そうして何とか洞窟へと駆け込んだ一行だったが、トリコもサニーもヘトヘトで、もう一歩も動けない状態になってしまった。疲れ切った二人を見て、意を決する小松。ここからは自分が、と一人で洞窟の奥へと進んでいく。小松の身を案じるサニーであったが、トリコは小松の食運を信じ全てを託す。小松は食材に好かれる天才なのだから…。そして事実、導かれるようにして小松は、サンサングラミーの住み処・黄金に光り輝く池へと辿り着いたのだった。 鞄から網を取り出し、サンサングラミーの捕獲を試みる小松。しかし当然、一筋縄でいくはずもない。一般にサンサングラミーの捕獲レベルは80以上とされているが、その難易度はデスフォールによるもので、それ自体は1以下でしかない。だがサンサングラミーは強い生物を前にするとショック死してしまうのだ。つまりデスフォール攻略とサンサングラミー捕獲は矛盾する。そういった意味で、小松一人で捕獲に臨んだことは幸運であった。しかし、厄介な点は他にもある。サンサングラミーは特殊調理食材なのだ。小松がグラミーを捕獲し池から引き上げてみても、手で触れただけで黒ずんで食べられなくなってしまった。いったいどうすれば…。
IGO会長・一龍から示された七つの修行食材の一つ、黄金に輝く魚・サンサングラミーを手に入れるため、モルス山脈の巨大滝・デスフォールへとやって来たトリコと小松、そしてサニー。山をも押し流す激流を、一行はトリコとサニー、二人の合体技で突破! 遂にサンサングラミーの生息地である滝裏の洞窟へと辿り着いた。だがトリコもサニーも力を使い果たし、もう一歩も動けない。二人の為に単身、洞窟を進み探っていく小松。そして、ようやくサンサングラミーが住む黄金の池を探し当てるのだった。しかし捕獲を試みるも、少し触れただけでサンサングラミーは輝きを失い、食べられなくなってしまった。サンサングラミーは特殊調理食材だったのだ! どれだけ慎重に取り扱ってもサンサングラミーが捕獲できず、頭を抱える小松。トリコたちが待っているのに、いったいどうすれば…。と、その時、洞窟の天井から池へとしたたっている黄金の雫に気が付いた。それはしっとりと滑らかで、まるで上質なオリーブオイルのよう。そのまま、導かれるように小松は池の中へと足を踏み入れていく。するとどうだろう。今まですぐに輝きを失っていたサンサングラミーに触れられるようになっていた。どうやらこの池の水にはサンサングラミーのストレスを軽減する働きがあるようだ。ようやく見えた希望に、小松は表情を明るくするのだった。 じっと待つトリコらの元へ、とうとう小松が帰ってきた。グルメケース一杯のサンサングラミーを両脇に抱えて。小松は試行錯誤の末、池の中でならサンサングラミーをノッキングできる事に気付いたのだ。捕獲成功を喜び合う一同。そのまま、迎えに来たサニーのパートナー・クインの助けを得て洞窟から脱出し、さっそく調理へ取りかかる。相談の結果、今回の食べ方は天ぷらに決定! 800メートルの高さを誇るクインの背中に食卓を広げて、モルス山脈の絶景を一望しながら、いただきます! その味わいはやはり格別で、繊細でありながら濃厚な旨味は、一口ごとにトリコらの失われた体力をどんどん回復させていくのだった。 そして、これほどの美味ならば釣り合うかもしれない。そう小松の脳裏によぎったのは、以前手に入れた調味料・メルクの星屑の存在だった。並の食材では星屑の圧倒的な旨味に支配されてしまう。だがサンサングラミーならば。試す価値アリと、きらめく身に星屑を振り掛けてかぶりつくトリコら。瞬間、サニーの髪が光り輝き、全身に新しい力がみなぎった。サンサングラミーとメルクの星屑の組み合わせがサニーのグルメ細胞に適合し、成長を促したのだ。最高の食材、最高の調味料、最高のシチュエーションによる食のマリアージュ。それは、疲れ切った三人の身も心も存分に満たす極上の味わいであった。
サンサングラミーの捕獲を終えて、自宅でのんびり、小松と共に食事を楽しんでいるトリコ。するとそこへ、包丁研ぎ師のメルクから一通の手紙が。手紙によると今、メルクは包丁を完成させる為に必要な食材・ダイヤモンドイチジクリスタルを探しているらしい。水晶のように輝くイチジク、イチジクリスタル。ダイヤモンドイチジクリスタルは、その中でもとびきり大きく美しく、十年に一度しか実らない希少な果実だ。見つけるのは相当難しそうだが…、なんと偶然にもトリコらは、近日開催されるグルメサービス大会の優勝賞品がダイヤモンドイチジクリスタルだという情報を耳にするのだった。 グルメサービス大会。それは、いかに喜んで貰えるおもてなしを出来るかを競うコンテストだ。ルールは簡単、イチジクリスタルを用いて、華麗な演出で食事を彩れば良い。ダイヤモンドイチジクリスタルを手に入れる為、大会に参加するトリコと小松、メルク。いよいよ大会が始まり、個性豊かな出場者のパフォーマンスが続いていく。その中で小松は195点、メルクは285点で出番を終える。現在の暫定一位は、大会史上最高記録・295点を叩きだしたノッキングマスター次郎。そして遂に最後の一人、トリコの出番がやってきた!果たして、トリコは一位を取ることが出来るのか…!? トリコはステージに立つと、大理石の塊を釘パンチで打ち上げて花火のように爆発させた。その美しさに会場は大喝采、高得点は間違いなし!…と思いきや、なんとイチジクリスタルを使い忘れて、まさかの失格。優勝はノッキングマスター次郎に決定か…?ところがその時、メルクのペット・ポチコがダイヤモンドイチジクリスタルを欲しがって興奮し始めた。イチジクリスタルの頂上でドラミングし、体から凄まじい熱を発するポチコ。すると、どうしたことか。ダイヤモンドイチジクリスタルがそれに反応して輝きだしたのだ。ルミネセンスと呼ばれる発光現象である。その美しい光に、ざわめいていた会場も思わず息を呑むのであった。 その輝きは食材…、ダイヤモンドイチジクリスタルがポチコを選んだ証明でもあった。飛び入り、しかもペットとは言え、これには審査員も納得せざるを得ない。ポチコは何と満点である300点を叩き出し、堂々たる優勝を果たしたのであった。だがポチコは、手に入れたダイヤモンドイチジクリスタルをそっとメルクに差し出した。ポチコがイチジクを欲しがったのはメルクの為だったのだ。その事に気付き、目頭を熱くするメルク。メルクは今まで、ずっとポチコに認められていないと思い込んでいた。だがポチコは、ずっとメルクを見守っていたのだ。こうしてメルクらは、包丁を完成させる為、工房へと帰っていった。ほんの少しだけ、互いの距離を縮めて…。
今日はめでたい七五三!そのお祝いの日に、トリコと小松、そして小松に懐いているウォールペンギンの子供・ユンがやって来たのはグルメ神社。以前、トリコらが食男(しょくおとこ)として選ばれた神社だ。なんでも、グルメ神社で七五三のお祝いである千歳飴を配るのは、食男の役割らしい。既に大賑わいとなっている境内の中、七五三詣でに来た親子連れを見て、ユンは両親のことを思い出す。ユンは、かつてアイスヘルでのセンチュリースープを巡る戦いで、両親を亡くしているのだ。そんなユンの心情を察して、甲斐甲斐しく世話を焼いてやる小松。と、そこへグルメ神社の使いが随分と慌てた様子でやって来た。 本殿で話を聞いてみると、なんと今日配るはずの千歳飴が用意できていないのだという。グルメ神社特製の千歳飴を作るために必要な食材が、まだ一つ手に入っていないらしいのだ。その食材とは、コトブキビ。サトウキビの一千万倍の甘さを誇る、捕獲レベルの高い食材だ。そういう事情なら美食屋の出番!トリコはコトブキビの捕獲を請け負う。小松もまた、千歳飴の下ごしらえの手伝いを申し出るのだった。先ほどまでのお祭り気分から一転、慌ただしく働き始めた小松を、物陰からじっと見つめるユン。その瞳には決意の光が浮かんでいた。そうしてユンはこっそり神社を抜け出すと、コトブキビがある森の中へと足を踏み入れるのであった。 どんどんと暗くなっていく森に怯えながらも、ユンは必死に進んでいく。疲れ、転び、ボロボロになりながらも、足を止めないユン。そして遂に、ユンはコトブキビを発見するのだった。しかし、そこへ猛獣・テングワシが現れた。この猛獣もまた、甘く栄養価の高いコトブキビを狙っていたのだ。コトブキビを守るため、自分よりも何十倍も大きいテングワシに立ちはだかるユン。猛獣のかぎ爪がユンを引き裂こうとしたその時、間一髪、小松がユンを助け出した。下ごしらえを終えてユンがいないことに気付き、目撃情報を頼りに追いかけてきたのだ。だが、やはり小松だけでは猛獣を相手にはできない。テングワシの凶爪が再びユンと小松に襲いかかる! そこへ駆けつけたのはトリコであった。トリコの威嚇でアッという間に逃げ去っていくテングワシ。危機が去って、小松らはコトブキビに気が付いた。そして、ユンが自分たちのためにコトブキビを探してくれた事を理解するのだった。涙を流しながら礼を言い、抱き合う小松とユン。こうして無事に千歳飴は完成!しかもその味は、先日グルメサービス大会で手に入れたイチジクリスタルを使って、更に美味しくなっていた。食男として、子供たちに千歳飴を配るトリコたち。最後に小松はユンにも飴を差し出した。特別に作った、ユンの顔のイラストが入ったものだ。仲良く並んで食べる小松とユン。二人の顔には、愛情に満ちあふれた温かな笑みが浮かんでいた。
食欲の秋…。美味しく実った食べ物を求めて、今回トリコと小松がやって来たのはオータムマウンテン!様々な秋の食材に溢れる巨大な山である。なんでも、この山に伝説の梨・スプナッシュが実っているらしいのだ。だが一口に「山」といっても、オータムマウンテンはモルス山脈以上の大山。そこからスプナッシュを探し出すのは容易ではない。そこで頼りになるのはトリコのパートナー、並外れた嗅覚を誇るバトルウルフのテリーだ。テリーならば、きっとスプナッシュの甘い香りを嗅ぎ取るに違いない。トリコらはテリーの鼻を頼りに、紅葉に染まるオータムマウンテンへと進んでいくのだった。 山に入って、さっそく味覚狩りを楽しむトリコたち。しかし、よく見てみるとそこら中にレベルの高い猛獣がウヨウヨと!どうやら、なかなかスリリングな味覚狩りになりそうだ。そんな中、トリコらの前に四天王のココとサニーが、それぞれのパートナーを連れて現れた。二人もトリコ同様、スプナッシュを取りに来たのだ。トリコは手分けしてスプナッシュを探そうと二人に呼びかける。だがサニーの提案により、トリコとテリー、ココとキッス、サニーとクイン、そして小松とユン…。どのパーティが最初にスプナッシュを手に入れられるか勝負することになってしまった! …と言っても、弱い一般人である小松はトリコと一緒に行動することに。すると突然、テリーが吠え出した。羊のような猛獣・マトンボタンが現れたのだ。立ち向かうトリコ。しかし戦いのさなか、なんと小松がマトンボタンにさらわれてしまった。猛獣が向かった先は、オータムマウンテンでも一際高い、雲まで伸びた山の上。恐らく、そこに巣があるのだろう。だが、山頂付近は季節風が打ち下ろす危険な場所だ。それでも小松を助けなければ!トリコとテリーは山を駆け上っていく。駆けつけたココとサニーの助けを借りて、トリコらは遂に猛獣の巣へと到着。マトンボタンを追い詰める。しかし、そこに何故か小松が立ちふさがった! 実は、マトンボタンは小松が持っていた食べ物を狙っていたのだ。羊毛で覆われているのでわかりづらいが、その体はひどく痩せ細っていた。強い猛獣が山の恵みを求めて増えたため、食料を確保できなくなったらしい。と、その時、テリーが鼻をひくつかせた。山頂から甘い香りが漂ってきたのだ。登ってみると、そこには沢山の実をつけたスプナッシュの木が!さっそく分け合って食べるトリコたち。その弾ける果汁に皆も大満足。量も充分にあり、これならマトンボタンも飢えを凌げるだろう。お腹もふくれ、家族と幸せそうに寄り添うマトンボタン。その姿を見て、トリコはかつて一龍と過ごした幼かった頃の日々を思い出すのだった…。
近くグルメ界に現れるという、世界を支配する力をも秘めた伝説の食材"GOD"…。それを手に入れ皆で食べるため、トリコはグルメ界でも通用する力を身に付けようと修行食材の捕獲に励んでいた。だが、"GOD"を求めているのはトリコだけではない。世界中の食材を牛耳ろうと目論む美食會もまた"GOD"を狙っているのだ。その為に美食會は最新型GTロボを、超大型を含めて量産。更に、以前トリコが戦ったトミーロッドら幹部もグルメ細胞を進化させてパワーアップするなど、グルメ界へ進出する準備を着々と進めていた。また同時に、世界各地から七つ星以上の有名な腕利き料理人を拉致し、グルメ界で奴隷として働かせる計画も進行しつつあった…。 暗躍する美食會。しかし、そんなことを知る由もない小松は、いつものようにホテルグルメのシェフとして美味しい料理でお客さんを笑顔にしていた。そんな小松の毎月のお楽しみは「世界料理人ランキング」を見ること。いつかこのランキングで100位内に入るのが小松の夢なのだ。そこでふと、小松はランキング99位に知った名前があることに気が付いた。もしやと思い会いに行ってみれば、やはりランクインしていたのは小松の旧友・竹ちゃんこと大竹であった。大竹は小松の修業時代の仲間であり、今では七つ星レストラン「オトギの城」のオーナーシェフでもあるのだ。 だが久しぶりに再会した大竹は、昔とは別人のようになっていた。皆が喜ぶ料理を作るよりも、金、金、金。お金を稼げる料理を作らなければ意味がないと断言する大竹に、小松は困惑するばかりであった。さて、一方その頃トリコは、IGOの管理施設のひとつ・第八ビオトープにやって来ていた。かつて虹の実を取りに来た場所である。途中で四天王・ココと合流し、とある洞窟の奥へと進んでいくトリコ。実はビオトープには、IGO会長・一龍のフルコースのメニューがそれぞれ一つずつ隠されているのだ。第八ビオトープには前菜が秘められているらしい。そして、やがて二人の前に巨大な宝箱が見えてきた! この宝箱はトリコらが修業時代に見つけたものだ。恐らく、この中に一龍の前菜が眠っているはず。だが当時は開けることが出来なかった。宝箱には鍵穴がないため壊して開けるしかないのだが、この箱はどんな衝撃にもビクともしない特殊な素材で作られているのだ。当時は全く歯が立たなかったが、グルメ細胞が進化した今ならば箱を破壊できるかもしれない…! 意気込むトリコとココ。そんな二人の前に、洞窟の暗がりから双頭のニワトリが現れた。まるで自分が生んだ卵のように宝箱を頑なに守る、第八ビオトープでは考えられない強さの猛獣…、その名も鳥獣類・バジュルコッコ!
IGOのビオトープにそれぞれ一品ずつ隠されているという一龍のフルコース。その前菜を手に入れるため、トリコは四天王の一人・ココと共に、第八ビオトープの洞窟を進んでいく。するとやがて二人の前に巨大な宝箱と、それを守る巨大な鳥獣・バジュルコッコが姿を現した。宝箱と猛獣、どちらも子供の頃には全く歯が立たなかった相手だ。だが、今ならば。ココはポイズンアーマーに身を包み、毒の刃でバジュルコッコを一閃。あっという間に猛獣を睡眠毒で眠らせてしまった。そしてトリコは修行で身に付けた最強の必殺技・36連ツイン釘パンチを宝箱へと打ち込む! 山さえ砕く威力の36連ツイン釘パンチだが、しかしそれでもグルメ界の素材で出来た特殊な宝箱を破壊することは出来なかった。だがココの見立てでは、あと一歩で開きそうだという。ツイン釘パンチの反動でトリコの体は疲れきってしまっていたが、そういうことであればやるしかない。かつて、一龍のフルコースを扱える者は一人としていなかった。だが今は世界中にスゴ腕の料理人がいる。調理できる者を必ず見つけ出してみせる。だから! 思いを込めて、トリコは幾度も36連ツイン釘パンチを放つのだった。一方そのころ小松は、世界料理人ランキングの100位内に入った友人・大竹と再会を果たしていた。 大竹は、小松の修業時代の仲間でもある。しかし久しぶりに会った大竹は、かつてとは違い、野心的な人物に変わってしまっていた。雑誌のレポーターにワイロを渡して提灯記事を書かせ、客を味のわからないバカと笑うその姿に、温厚な小松もさすがに声を荒げる。小松は今まで、沢山の人々に料理の腕を振るってきた。ホテルのお客はもちろん、トリコや四天王、そしてその仲間たち。冒険で出会った人々…。その人たちの笑顔をバカにすることだけは許せない。しかし、小松の思いは大竹には届かなかった。皆が喜ぶ美味しい料理を作ろうと誓い合った友は、もう居なくなってしまったのだ…。 と、その時、小松の耳に不思議な声が聞こえた。今までにも何度か感じたことのある、食材の声だ。そう、トリコが遂に宝箱を開けたのである。ところが、宝箱にはさぞや美味しそうな食材が入っているのかと思いきや、中にあったのは小さな種のようなものが一粒だけ…。いったいコレが何なのか、トリコとココにはまるでわからなかった。だが一龍の前菜というからには何かしらの秘密があるのだろう。二人はその奇妙な種を詳しく調べてみることに決めるのだった。そして小松は、結局わかり合えぬまま大竹の元を辞した。トリコと二人で、小松なりの上を目指すことを決意して…。
地図を片手に小松が向かう先は一件の美容室…、その名もバーバーグルメ! 店の中では既にトリコが鏡の前に座っていた。そこでフルコースの前菜を食べつつ、洗髪をしてもらうトリコ。そう、ここは単なる美容室ではなく、"食べる"と"理髪"を同時に行うグルメ美容室なのだ。そしてバーバーグルメはその筋でも超一流。店長・ペンはトリコの髪に触れただけで、その過酷な冒険の一端を推し量るほどのカリスマ美容師なのである。もちろん料理の方もカリスマ級で、その技術には小松も舌を巻く程であった。しかし、髪型を選ぶセンスはイマイチなようで、気が付けばトリコの頭はとんでもない髪型になってしまっていた! 何とか髪を元に戻してもらい、気を取り直した所へ一人の客がやって来た。その客とは四天王のココ! 実は彼の長く伸びた髪を切らせようと、トリコが呼び出したのだ。そうしてフルコースを食べ終わる頃には皆のカットも無事に完成。サッパリした所で小松は、トリコが先日までかかりきりになっていた食材捕獲について尋ねるのだった。聞けばトリコは、IGO会長・一龍のフルコース食材を探していたらしい。そして既に、その前菜からメインディッシュまでを無事に捕獲したという。残るは第1ビオトープに隠されたデザートだけ。だが、これだけはどうしても見つけられなかった。 しかし七つまで集めても、一龍のフルコースが一体どんなものなのか、その全容はまったく見えてこなかった。それでころか食材かどうかさえ怪しいものばかりで、わけがわからない。本人に尋ねてみようとするも、一龍は不在…。仕方なく、ひとまず前菜だというモノを美食人間国宝・節乃に見て貰ったところ、グルメ界では特に珍しくもない、ミリオンという木の種らしいが…。いったい何故こんなものをフルコースに? 頭をかかえるトリコ。だが節乃が言うには、この種は誰かを呼んでいるらしい。誰を呼んでいるのかはわからないが、食材の声に似た声が聞こえるのだという。その言葉を聞いて驚く小松。実は小松は、その声を聞いていたのだ。 他に誰か、声を聞いた人は居るのか尋ねるトリコ。その時、小松の脳裏によぎったのは、修業時代の友人・大竹の姿だった。小松が初めて一龍の食材の声を聞いたとき、近くには大竹がおり、彼もまた声が聞こえていた様子だったのだ。しかし、小松と大竹は先日、志の違いから袂を分かったばかり。小松はトリコの問いに口ごもることしかできなかった。と、そこへIGO専属の猛獣使い・リンが血相を変えて駆け込んできた。何でも、トリコとココにIGOのマンサム所長から大至急の依頼があるという。ヘリに乗せられて向かった先は、かつて四天王・ゼブラが収監されていたグルメ刑務所、ハニープリズン! はたして、一体何が起きたというのか…!?
一龍のフルコース捕獲の旅を終え、次の食材へと向かおうとしたトリコと小松、そして四天王のココ。だが、その前に突然リンが現れた。何でも、マンサム所長から大至急の依頼があるらしい。訳もわからぬまま、ヘリで連れて行かれた先はグルメ刑務所・ハニープリズン!刑務所の所長・ラブから事情を聞いてみると、なんとG7の一人・パッチ氏が、難所・死季の森で行方不明になってしまったというのだ。今、森はブリザードが吹き荒れる季節・凍季。とても常人が入れる場所ではない。だが数年に一度、数日だけ吹雪が止む休寒日があり、パッチはそれを利用して森へ入ったのだという。ブリザードが再開する前に助け出さなければ、パッチの命が危ない! パッチ救出のため、死季の森へとやってきたトリコら。ラブ所長によると、パッチの目的は"甘露(あまつゆ)の木"らしい。幹や葉も甘く食べられる伝説の木である。だが、店や料理人の格付けが仕事なのに、なぜパッチは直々に向かったのか…?首を傾げていると、一行の前に猛獣・バイソンガエルの群れが現れた。身構えるトリコら。そこへ四天王・サニーが駆けつけた。どんどん数を増していくバイソンガエルを相手に激闘必至、と思いきや、急に猛獣はきびすを返し逃げ去ってしまうのだった。不思議に思っていると、どこからか甘い匂いが漂ってきた。トリコらが匂いの元へ向かってみると、そこにはなんと甘露の木が! 木の近くにはパッチの姿もあった。怪我などもなく、あとは帰るだけ…なのだが、パッチは動こうとしない。曰く、甘露の木はもっと美味しくなる余地がある。特に、同じ死季の森という環境で育った食材ならば必ず適合するはずだ、と。それを見つけるまで帰るわけにはいかないらしい。そこで小松が閃いた。森の食材を使ってオーナメントを作り、甘露の木をクリスマスツリーに見立てて飾り付けをしていこうというのだ。小松の案に従い、皆で食材を集めて甘露の木をトッピングしていく。だがそこへ、甘露の木を狙って、森の魔獣・ソードホーンの大群が現れた。先ほどのバイソンガエルたちは、こいつを恐れて逃げていったのだ。 ソードホーンを追い払おうと戦うトリコらだったが、次から次へと現れる魔獣に大苦戦。このままではブリザードが再開してしまう。と、その時、遂に小松のツリーが完成した。適合した食材が発する輝きに照らされ、魔獣も大人しくなっていく。この様子なら争う必要もない。皆で分け合って食べようと提案するトリコ。しかしパッチは、全部食べてはいけないと言う。この木は、ある人に食べて貰うために必要だというのだ。パッチはそのテイスティングの為にわざわざやって来たらしい。そこまでするとは一体どれ程の大人物なのか。尋ねるトリコであったが、パッチは口を閉ざしてしまう。ただ、直接マンサム所長に聞くといい、と言うばかりであった…。
行方不明になったG7の一人・パッチ捜索の依頼を受けたトリコたちは、ブリザードが吹き荒れる死季の森で無事に氏の保護に成功!パッチが探していた甘露の木も発見し、それをクリスマスツリーに見立てた料理も見事に完成させるのだった。しかし何故パッチほどの人物が直々に甘露の木を探していたのか。その理由を求めてトリコたちがマンサム所長の元を訪ねてみると、返ってきたのは新たな仕事の依頼だった。その超極秘ミッションとは、サンタに扮してIGO非加盟の貧困国の子供たちへ食のプレゼントを届けに行くこと。パッチの甘露の木は、デザートとして子供たちに配るためのものだったのだ。 本来であればこのグルメサンタは会長である一龍の役目なのだが、一龍不在の今、トリコたちにお鉢が回ってきたというわけだ。そういう事情であれば断る理由はない。トリコらはそれぞれのパートナーにプレゼントをのせて、世界各地の子供たちの元へと飛び立っていくのであった。また、パートナーを持たない小松は、今回はマンサム所長と行動を共にする事となった。所長のパートナー・リッキーの背の上で小松は、センチュリースープの完成やモルス油発見の功績を認められて、自身が(繰り上げではあるものの)世界料理人ランキング100位にランクインしそうであることを知らされるのだった。 これは料理の祭典・クッキングフェスの出場権を得る事と同義でもある。マンサムの知らせは、小松にとって何よりのクリスマスプレゼントとなったのだった。一方でトリコは、子供たちが待つ貧しく荒れ果てた町へとやって来ていた。最近まで紛争が続いていたこの町に人の気配はない。と、その時、夜の廃墟に悲鳴が駆け抜けた。トリコが声の元へ急いでみると、そこでは幼い少年が生物兵器に襲われていた。もちろんトリコは少年をすぐに救出!聞けば、人々は町の奥でひっそりと暮らしているらしい。しかし食料がなく、この少年は弟たちの食べ物を探す為にここまで出てきたのだという。 トリコは少年の健気な頑張りを褒め、笑顔を返す。グルメサンタが来たからには、もうこんな危険な真似をする必要はないのだ。少年の案内で人々の元へと向かい、プレゼントを渡していくトリコ。絶望に染まっていた顔は、温かく美味しい食事を得て、みるみる笑みを取り戻していった。もちろん、ココやサニー、小松らが向かった町でも同様であった。やがて、人々が涙を流し喜び合う中、夜空から雪が降り始めた。それもただの雪ではない。数十年に一度しか降らないと言われる食べられる雪・味雪だ。全ての人と平等に分かち合う食の恵み…。出来ればずっと、このままずっと、降り積もれ。心からそう願うトリコであった。
珍しく正装をしているトリコと小松、そしてココ。三人が次に目指す地はIGO非加盟の歓楽地・ジダル王国!そこにある世界最大の賭博場・グルメカジノに、IGO会長・一龍から依頼された残り三つの修行食材のひとつ、メテオガーリックが景品として出品されているらしいのだ。メテオガーリックは隕石が落ちた土地だけに生えるという不思議なニンニクで、その生育環境の希少さから発見が非常に困難なことで知られている。ギャンブルが修行になるかはわからないが、この機会をみすみす逃す手はないだろう。トリコらは地下500メートルを走る列車・アングラトレインに乗って、ジダルへと向かうのであった。 そうして到着したジダル王国は、お世辞にも綺麗とは言えない町並みであった。ガラの悪い者も多く、商店には違法な麻薬食材や毒食材が臆面もなくズラリと並んでいる始末…。それもそのはず、IGOに加盟していないジダルはグルメ犯罪が横行する国際監視対象国として知られており、正規のルートでは手に入らない食材がてんこ盛りに流通しているのだ。しかし、グルメ八法に縛られていないが故に、メテオガーリックのような希少な食材が闇ルートを通じて出回る場合もある…。善も悪も、全ての食材が入り乱れる食のるつぼ。無秩序で不条理な、人の業が横行闊歩する町。それがジダル王国なのだ! やがて町の中心・グルメカジノまで辿り着いてみると、駅前のスラム然とした様子から一転、絢爛豪華な建物ときらびやかなネオンがトリコらを出迎えた。人々の身なりも上品で、先程までと同じ町だとはとても思えない光景であった。しかし、やはりそれは見た目だけ。基本的に無法地帯であることに変わりはなく、トリコらの目の前でも今まさに強盗が行われようとしていた。難なく犯人を取り押さえたトリコであったが、そこに生まれた周囲の混乱に乗じて、一人の泥棒が小松の財布を盗み取ろうと忍び寄る。そのスリを制止したのは、かつて、センチュリースープを巡るアイスヘルでの冒険で行動を共にした男・マッチであった。 久しぶりの再会を喜ぶトリコと小松。だがマッチは何やら深刻な面持ちだ。聞けば、マッチの故郷に麻薬食材が出回っているらしいのだ。その出所が他でもない、このグルメカジノなのだという。マッチはカジノに乗り込んで、故郷を荒らす麻薬食材を取り上げるつもりなのだ。しかし、そんなマッチの決意をココは一蹴する。カジノを取り仕切っているのは、闇の裏組織・地下料理界。力尽くでは勝機はない。マッチに勝てる可能性があるとすれば、ただひとつ、ギャンブルだけ…っ! そういうことなら、とマッチを誘うトリコ。目指すは大勝!メテオガーリックも麻薬食材も、まとめて全部、もらって帰るしかない!
IGO会長・一龍から依頼された残り三つの修行食材のひとつ、メテオガーリックを手に入れるため、違法食材が溢れる犯罪国家・ジダル王国へとやってきたトリコと小松、そしてココ。この国に設けられた世界最大の賭博場・グルメカジノに、目的のメテオガーリックが景品として出品されているらしいのだ。グルメカジノへ向かう道中、偶然にもトリコらは、かつて冒険を共にしたグルメマフィアのマッチと再会する。マッチは麻薬食材を撲滅するべく、このカジノにやって来たのだ。トリコらはマッチを仲間に加え、闇の組織・地下料理界が取り仕切るグルメカジノへと乗り込むのだった。 きらびやかなグルメカジノの中は、ゲームを楽しむ大勢の人々で賑わっていた。様々な食材が景品となっており、高価で美味しそうなものがズラリ!だが、そこには違法食材はもちろん、トリコの目的であるメテオガーリックも並んでいなかった。それもそのはずで、ここはまだ誰でも楽しめる健全的な一般スペース、いわば表向きの姿でしかないのだ。トリコらの目的の品はこの更に奥、VIPエリアにあるらしい。だが、そこには限られた者しか入れないという。一体どうすれば…。悩むマッチをよそに、悠々とゲームで遊び始めるトリコとココ。二人は大勝を収めてホクホク顔だ。 すると一行の前に、カジノのスタッフが現れた。曰く、VIPエリアへと案内してくれるのだという。そう、まるでただ遊んでいるだけのように見えていたが、実は全てココの作戦だったのだ。ゲームで勝つことによって、監視カメラで客の動向をチェックしていた地下料理界に、自分たちの存在をアピールしていたのである。そしてその思惑はバッチリとハマり、相手の方から接触を求めてきたという訳だ。さて、そうして何とかVIPエリアに潜り込むことに成功したトリコらであったが、目の前に広がった光景はひどく血なまぐさいものであった。なんとVIPエリアでは人の生死をギャンブルにしていたのだ! カジノで多額の借金を踏み倒した者が残酷なゲームに挑み、それを大金持ちが笑って賭けの対象にする。それがVIPエリアの正体だった。得られる景品も違法食材ばかり…。ひとつ残らず巻き上げてやると意気込むマッチ。どれも過酷なギャンブルだが、トリコらはそれ以上に危険な冒険をくぐり抜けて来たのだ。この程度のゲームは問題にもならない。と、そこへ一人の大男が現れた。この男こそが地下料理界のボス、闇の料理人・ライブベアラー!トリコらの実力を知って、自ら姿を現したのである。そしてライブベアラーは、もっと美味しいモノを賭けよう、と薄ら笑いを浮かべて提案してくるのだった。
修行食材のひとつ、メテオガーリックを手に入れるため、違法食材が溢れる犯罪国家・ジダル王国にやってきたトリコと小松、そしてココ。この国に設けられた世界最大の賭博場・グルメカジノの特別エリアに、メテオガーリックが景品として出品されているらしいのだ。トリコらは、偶然にも再会したグルメマフィアのマッチを仲間に加え、カジノへと乗り込んでいく。そして一般エリアでゲームを勝ち進め、遂にVIPエリアへと到達!…しかし、メテオガーリックは見当たらなかった。とその時、一行の前に、カジノを取り仕切る地下料理界のボス・ライブベアラーが現れたのだった。 もっと美味しいモノを賭けよう。そう言うライブベアラーにトリコらが案内された先は、VIP客の中でも更に特別な人間しか入れない裏VIPエリア…、頭に機械をつないだ客がひしめく不気味な部屋であった。彼らはなんと食歴、つまり過去の食事の記憶を賭けているのだ。勝てば美味しい味の記憶を得るが、敗者はそれにまつわる思い出さえも失ってしまう非情のギャンブル。ライブベアラーは、トリコと互いの食歴を賭けて勝負しようというのだ。そしてトリコが求めるメテオガーリックは、ライブベアラーの記憶としての存在であった…!そういう事情であれば仕方ない。トリコはライブベアラーとのゲームを承諾するのだった。 ライブベアラーが提示した勝負の方法は、その名もグルメテイスティング!伏せられた28種56枚のカードから二枚をめくり、同じ絵柄を当てていくという神経衰弱に似たカードゲームだ。カードには食材とポイントが描かれており、当てた食材を完食できればポイント取得。最終的に取得したポイントの多い方が勝ちとなる。ただし、描かれた食材を食べきれなかった場合は逆に相手のポイントとなってしまい、食べ残し(パス)二回で自動的に負けとなってしまう…。要するに、いかにポイントが高く、食べやすいカードを取っていくかが勝利の鍵となるわけだ。 このグルメテイスティングにおいて、ライブベアラーはなんと214勝0敗。強敵を前に、トリコらは役割を分担してゲームに挑むことに。ココがカードを当て、小松が食材を調理し、トリコが完食を担当するといった具合だ。マッチは地下料理界のイカサマを防ぐため、ディーラーを任されることとなった。そして、互いの食歴を賭けた闇のカードゲームがいよいよ開幕!先手のトリコチームはあっさりとアタリのカードを引き当て、ポイント先取に成功する。しかし、喜ぶトリコらを見つめるライブベアラーの表情に焦りはなく、むしろそこには、楽しげでさえある邪悪な笑みが浮かんでいた…!
修行食材・メテオガーリックを手に入れるため、地下料理界が支配するグルメカジノへとやってきたトリコと小松、ココ。一行は一般エリアを勝ち進み、違法食材が取引される裏VIPエリアに辿り着くも、そこで行われていたゲームは、互いの食の記憶を賭けた凄絶なものだった。そしてトリコらも食歴を賭けて、地下料理界のボス・ライブベアラーと勝負することに!その方法は、神経衰弱に似たカードゲーム・グルメテイスティング。伏せられたカードをめくって揃え、描かれた食材を完食、最終的にポイントの高い方が勝ちというルールだ。一行はゲーム担当にココ、調理に小松、そして完食にトリコと役割を分担し、ライブベアラーに挑むのだった。 ゲームはトリコチームの先手でスタート。ココは28種56枚の中から立て続けに三品をヒットさせ、早くも40ポイントを得る。しかし、その様子を見つめるライブベアラーの顔に焦りはなく、手番が移るやアッサリと50ポイントの腸詰めワームを引き当ててくるのだった。自身で調理・完食も難なくこなし、悠然とポイントゲット。アッという間に形勢逆転、それどころかライブベアラーはその後も連続で高得点カードをヒットさせ合計220点を獲得するなど、トリコチームは大きく差をつけられてしまうのだった。恐らく、何らかの方法でイカサマをしているのだろう。だが、それを見つける術もないまま、手番は再びトリコチームへと戻る! テーブルに伏せられたカードを見つめながら思案するココ。カードを当てるだけなら、それはココにとって容易い仕事だ。実はココはその超視力によって、カードから沸き立つ微量な電磁波をとらえ、同じ図柄のモノを見抜いているのだ。とは言え、この方法ではヒットさせることはできても、ポイントや食材の種類まではわからない。そのためにライブベアラーに大きくリードを許してしまった。だが、ここまでで選ばれたカードは6種12枚。それらを分析することによって、どれがポイントの高いカードなのか、おおよその見当は付き始めていた。巻き返しを狙うココが選んだカードは150ポイント、めくった図柄は食材・プリン山! プリン山とは、その名の通り、山のように巨大なプリンである。常人では食べきれない難度の高い食材だが、さすがはトリコ、30分でペロリと完食してしまうのだった。その後も高得点だが難しい食材を次々とクリアし、トリコチームは計310ポイントまで大躍進。ライブベアラーはその健闘を褒め称える。しかし、彼の内心の興味は小松へと強く向けられていた。プリン山を始めとした品々をトリコが難なく完食できたのは、小松の調理によるアシストが大きいことに気付いたのだ。小松の記憶をすすりたい…。ライブベアラーは垂涎を隠そうともせず、邪悪な笑みを小松へ向けるのだった。そしてゲームは食材を19種残し、ライブベアラーへと手番を移す…!
修行食材・メテオガーリックを手に入れるため、トリコと小松、ココは、地下料理界のボス・ライブベアラーとギャンブルで戦うことになった。賭けるモノは過去の食事の記憶。そして勝負の方法は、神経衰弱に似たカードゲーム・グルメテイスティング!伏せられたカードをめくって揃え、描かれた食材を完食、最終的にポイントの高い方が勝ちというルールだ。一行はゲーム担当にココ、調理に小松、そして完食にトリコと役割を分担し、ライブベアラーに挑む。先攻を取ったトリコチームは、2ターン目を終えて310ポイントを取得。手番は現在220ポイントを獲得しているライブベアラーへと移る…! 1ターン目同様、ライブベアラーは迷うことなくカードを引き当て、次々とポイントを重ねていく。その様は不自然なほどだが、それもそのはず、実はライブベアラーの目には特殊なコンタクトレンズがつけられており、伏せられているカードの食材とポイントが見えるようになっているのだ。カードを当てるも外すも自由自在…。もちろんライブベアラーは効率よくヒットさせ、どんどん得点を伸ばしていく。対し、ココは連続で外してしまい、5ターン目を終えた頃には340対1190点という大差をつけられてしまうのだった。不安げにココを見つめるトリコと小松。だが、眼差しを受け止めるココの表情に焦りはなかった。 このグルメテイスティングは、一見するとポイントを競うゲームに見える。しかしココは、勝機は違う所にあると気付いたのだ。ゲームで使用されるカードは大まかに分けて4パターン…、つまり通常カード、食べやすく得点の高いアタリカード、完食が不可能に近いハズレカード、そしてジョーカーである。グルメテイスティングは、うち、ハズレカードをいかに避け、リタイアしないかが重要なのだ。これまでココがカードを外していたのも、全てはハズレカードがどんな食材なのかを把握するためであった。そして、ライブベアラーが取得を避けている最悪のハズレカードを見つけ出さねばならない。勝利の鍵は必ずそこにあるのだから…! やがて迎えた7ターン目。ライブベアラーがワザとカードを外し始めたため、得点は変わらずの850点差であった。残るカードは9種18枚。遂に全てのカードを把握したココが勝負に打って出る。ハズレカードは、食べると体内で爆発するモノや猛毒を持ったモノなど、どれも恐ろしい食材ばかり…。その中でココが選んだカードは、250ポイントの般若パンダ!完食できれば大きく点差を詰める事ができるが、勿論それは簡単な話ではない。般若パンダはレベル80を誇る超強力な猛獣であり、それをまずは食材として捕獲しなければならないのだ。とはいえ、やるしかない。逆転の口火を切るべく、強敵にトリコが立ち向かう!
修行食材・メテオガーリックを手に入れるため、神経衰弱に似たカードゲーム・グルメテイスティングで、地下料理界のボス・ライブベアラーと戦うことになったトリコと小松、ココ。一行はゲーム担当にココ、調理に小松、そして完食にトリコと役割を分担し、ライブベアラーに挑む。だが敵はゲームを熟知している事に加え、実はイカサマまで使ってきており、得点は開く一方…。6ターン目を終えて、その点差はなんと850ポイントまで離されてしまった。しかし、遂にトリコチームも全てのカードを把握し、いよいよ反撃を開始する。その第一手として、7ターン目、ココがヒットさせたカードは250ポイントの猛獣・般若パンダであった。 グルメテイスティングは食材を完食しない限りポイントが手に入らない。つまりトリコらは、般若パンダを倒して捕獲しなければならないのだ。だが般若パンダはレベル80を誇る猛獣だ。捕獲すべくトリコが戦いを挑むも、必殺の18連釘パンチでさえ倒すには至らない。久しい強敵を前に、トリコはこれまでの修行で培った直観力を解放する。そして死闘の末、36連ツイン釘パンチで何とか捕獲に成功するのだった。その後は調理・完食も無事に終わり、トリコらは大きくポイントを挽回。しかも般若パンダはジョーカーカードなので、更に点差を詰めるチャンス!なんとジョーカーには一回だけ、両者の手持ちカードを自由に交換する効果があるのだ。 当然トリコらはライブベアラーが持つ最高点カードをもらい、200ポイントを追加獲得する。そしてこちらが出すのは10点のハズレ…と思いきや、ココが選んだのは高得点の太陽酒・サマーウィスキーだった。いったい何故?首を傾げるギャラリーであったが、実はこれはココの作戦なのだ。このまま残りカードを全て取れるなら逆転勝利も可能だが、手番が交互に移る以上それは現実的ではない。つまり残された道は、敵をリタイアさせるしかないのだ。だが、酒豪でも必ず酔い潰れる太陽酒を、ライブベアラーは悠々と完食してしまう。しかも、アルコール分解作用を持つチーズ白菜をツマミにするという小松の案まで真似されてしまう始末…。 このターン、トリコらはあと2回までカードを取得する事ができる。しかしココは、先の戦いで疲労したトリコを休ませる為に、残りを放棄してライブベアラーへとターンを移すのだった。だが、それをあざ笑うかのように、わざとアウトを取ってココに順番を戻してくるライブベアラー。瞬間、ここからが正念場と、ココの目に気迫がみなぎった。立て続けにカードをヒットさせ、ダイナマイトンボ30点、トロルチーズ10点を共に取得。そしてこのターン、最後にココが選んだのは10ポイントのジョーカー、超特殊調理食材・ニトロチェリーであった。調理に失敗すれば体内で爆発する、超がつくほど危険な食材だ。だがコレを食べなければ勝ち目はない…!
修行食材・メテオガーリックを手に入れるため、神経衰弱に似たカードゲーム・グルメテイスティングで、地下料理界のボス・ライブベアラーと戦うことになったトリコと小松、ココ。一行はチームを組んでライブベアラーに挑むも、イカサマによって序盤から大きくポイントを離されてしまう。だが、なんとかジョーカー食材の般若パンダを倒すことに成功し、410点差まで追い上げるのだった。続けて更に、トリコチームはジョーカー食材のニトロチェリーをヒット。これを完食できれば逆転の可能性は一気に高まるが、なんとニトロチェリーは、少しの刺激で爆発する超特殊調理食材であった。 専用の器具を使って調理に挑む小松であったが、設けられた短い制限時間内に仕事を終わらせることはできなかった。だがタイムリミットを迎える直前、まだ調理の終わっていないチェリーをトリコが飲み込んだ! とたん、体内で爆発が起き、深いダメージを負ってしまうトリコ。しかし、そのお陰でチームは般若パンダに続き、ジョーカーの効果であるカード交換権を得るのだった。トリコらが貰うのはライブベアラーの200点のカード、そして差し出したのは般若パンダ250点であった。一見、無意味どころか損な交換に思えるが、このゲームでは食材を完食できなかった場合、相手側に得点が入る。そう、ココは般若パンダの再取得を狙っているのだ。 そしてココの思惑通り、ライブベアラーは般若パンダを「捕獲が面倒くさい」という理由でギブアップ。得点はトリコチームに入りポイント1290対1240と、遂に逆転を果たすのだった。だが手番が移るや否や、ライブベアラーは恐ろしい麻薬食材を悠々と完食。トリコらは再び点を上回られてしまう。更に、この時点で残るカードは四種類・合計80点。対し、点差は130…。つまり、どんなに頑張ってもトリコらの逆転は不可能となってしまった。しかしココの表情に諦めの色はなく、戻って来た手番で三種のカードを完食し、ライブベアラーへとターンを回すのだった。残る食材はただひとつ、猛毒を含んだ食材・ポイズンポテトのみ…! ポイズンポテトは、ココでさえ無毒化できない程の超特殊調理食材だ。食べれば死、食べずにライブベアラーがギブアップを続ければ、いくら点差があろうとトリコチームの勝利となる。これこそがココの作戦の終着点。今までの仕掛けは全て、この必勝の状況へ仕向ける為にあったのだ。しかし、なんとライブベアラーはそれさえも見抜いていた! 実はこのゲームには、ライブベアラーが食べられない物は入っていないと言うのだ。もちろん、ポイズンポテトでさえ例外ではない。勝ち誇るライブベアラー。だが、ココは冷静に告げる。「早く食べればいい。最後の食材を。ただし、人生最後のな…」
修行食材・メテオガーリックを手に入れるため、神経衰弱に似たカードゲーム・グルメテイスティングで、地下料理界のボス・ライブベアラーと戦うことになったトリコと小松、ココ。敵のイカサマによって敗北寸前まで追い詰められたトリコらであったが、最終局面、ココの秘策により遂にライブベアラーを追い詰めることに成功する。盤上、最後に残ったカードは超猛毒の食材・ポイズンポテト。もしライブベアラーがこれを完食できなければ、トリコらの勝利となるのだ。そして今、ライブベアラーにはポイズンポテトを食べられない事情があった。その事情とは、ずばり、食べ合わせ…! 食べれば即死のポイズンポテトも、難しくはあるが、調理で毒を弱めれば一応は食べられるようになる。だがその毒性は、一緒に食べるモノによっては甦ってしまうのだ。そしてライブベアラーはココの作戦によって、その最悪の食べ合わせとなる食材を既に口にしていたのである。食べられなければゲーム敗北、食べれば死…。もはやトリコらの勝利は揺るぎないように思われた。しかし、ライブベアラーが返してきたのは高笑いであった。なんとライブベアラーは改造した自分の肉体のスイッチをこっそりと入れて、毒が吸収されないよう消化器官の内壁を生分解性プラスチックでコーティングし、着々とポテトを食べる準備を進めていたのだ! 自信満々で勝利を宣言するライブベアラー。だがココは「言ったはずだ。食べ合わせが悪いとな」と冷静に告げる。実は、ココの策によってライブベアラーが完食した食材の中には、防護膜を分解する作用のあるモノも含まれていたのだ。もはや毒を防ぐ手段はない。先ほどまでの余裕から一転、ライブベアラーの表情が強張る。さぁ、ポイズンポテトを食うや食わざるや。決断を迫るココに対し、ライブベアラーが返した答えは激昂であった。自身の敗北を認めず、トリコらへ襲いかかってきたのだ。しかし、そこはさすがの美食四天王、戦いで後れを取るはずもない。トリコらはアッという間にライブベアラーとその手下たちを倒してしまうのであった。 戦いが終わって、トリコの前に小松が一皿の料理を持ってやってきた。ライブベアラーが食べられなかった食材・ポイズンポテトである。誰もがハズレと呼ぶこの猛毒の食材をも、トリコは最初から食べるつもりだったのだ。皆が見守る中、ポイズンポテトを口にするトリコ。途端、トリコの肉体が活性化し、グルメ細胞のレベルが上がった。そう、ポイズンポテトはトリコに適合した食材だったのである。美食屋として、更に力を得たトリコ。だがこれはトリコ一人の成果ではない。小松とココ、皆で力を合わせてつかんだ勝利であった。かくして、食のカードゲーム・グルメテイスティング、ここに完全決着!
修行食材・メテオガーリックを求めて、トリコと小松、ココは、地下料理界のボス・ライブベアラーとカードゲームで勝負することに。慣れないゲームでの戦いに加え、ライブベアラーのイカサマもあって苦戦を強いられるトリコら。しかしココの作戦によって起死回生、トリコチームは見事に逆転勝利を収め、グルメカジノに保管されていたメテオガーリックを手に入れるのだった。さっそく調理すべく、ノッキングされて身動きが取れないライブベアラーと共に厨房へ向かう小松。だが、いざ取りかかってみると、皮一枚を剥くにも苦労する有様…。それもそのはず、メテオガーリックもまた特殊調理食材であり、一筋縄では食べる事ができないのだ。 いったいどうやって調理すれば…。そう悩む小松をライブベアラーがあざ笑う。しかし、それでも小松は試行錯誤を繰り返しながら、一歩ずつメテオガーリックの調理手順を見出していくのだった。と、その時、調理に夢中になっていた小松の腕をライブベアラーが掴み取った。いつの間にかノッキングが解けてしまっていたのだ。青ざめる小松。だがライブベアラーは襲い来るどころか、小松に次の調理手順を手解きし始めるのだった。悪に染まっていたライブベアラーだったが、熱心に料理へ取り組む小松を見て、かつての純真な自分を思い出したのだ。かくして小松とライブベアラー、二人で力を合わせて、メテオガーリックの鉄板焼きが遂に完成! グルメカジノの展望レストランで、メテオガーリックを囲むトリコら。やがて鉄板に熱せられたメテオガーリックが、夜空に打ち上がって弾け飛ぶ。その様はまるで流星(メテオ)のよう。そして程なくしてトリコらの前に小さな果肉が落ちてきた。この小粒こそがメテオガーリックの可食部分なのだ。アツアツほくほくの実を前に、皆で手を合わせていただきます! と一口食べるや否や、メテオガーリックの強力な滋養強壮効果で、一同の体がムキムキの筋肉にビルドアップ。中でも取り分け、凄まじいパワーアップを果たしたのはココだった。なんとメテオガーリックはココに適合する食材だったのだ。 ともかく、こうしてトリコは無事に目的を果たすことが出来た。残すはココの目的…、美食神アカシアのドリンク・アトムの手がかりだ。するとライブベアラーが、それを知る人物に心当たりがあるという。その者の名はジダル王国・国王専属料理人ジョア。全てが謎に包まれた闇の料理人らしい。ジョアに会うため、トリコらはさっそく王宮へと乗り込んでいく。だが、なんと宮殿はもぬけのカラ。理由はわからないが、ジョアとジダル王はとっくに国を捨てて何処かへ去ってしまっていたのだ。なるほど、確かにジョアは謎の人物のようだ。…さて一方、時を少し遡ってグルメ界では、IGO会長・一龍が美食會のアジトに単身乗り込んでいた…!
グルメカジノでのカードゲームに勝利し、遂に五つ目の修行食材・メテオガーリックを手に入れたトリコ。さて、そうして人間界でトリコら四天王が着々と修行を進めている一方で、グルメ界ではIGOと美食會が大きな動きを見せていた。四天王の育ての親でありIGO会長でもある一龍が、なんと単身で美食會の本拠地へと赴いたのだ。一龍はただ話をしに来ただけだと言うが、もちろんすんなり通るはずもない。ずらり立ちふさがるは美食會の幹部たち。いずれもトリコらと同等か、それ以上の猛者ぞろいだ。しかも連中はグルメ界の食材を食べて、更にパワーアップしたという。ワザのキレに鋭さを増した美食會幹部が一龍に襲いかかる! だがしかし、一龍は赤子の手をひねるが如く、美食會の手荒い歓迎を涼しい顔でいなしていく。その驚くべき強さには、血気盛んな荒くれ者たちもたじたじ。とはいえ、ここは美食會の総本部。これ以上自由に動かれてはメンツに関わると、実力者たちが全力で一龍へ向かっていく。ところが一龍はそれさえも封じ込め、幹部らを容易く翻弄するのであった。老いてなお陰りを見せない圧倒的な一龍の力に、驚くことしかできない美食會の面々。と、その時、一龍に支配されていた周囲の空気が一変した。一龍に拮抗する力の持ち主が現れたためである。そう、この男こそ美食會のボス・三虎(みどら)…! その途端、一龍は満面の笑みを浮かべ、三虎を"弟"と呼んだ。なんと一龍と三虎は、かつて共に美食神アカシアの下で修行した者同士なのだ。むかし一緒に修行した食没の岬で食事をしないかと、三虎を誘う一龍。そして出来れば、近く世界に現れるという神の食材・"GOD"も共に分け合いたい…と。だが三虎は一龍の申し出を即座に斬って捨てた。三虎は"GOD"は独占するつもりなのだ。そんな事をすれば、もちろん戦争になる。しかし三虎に考えを改める気はなさそうだった。交渉決裂、説得を諦め美食會を後にする一龍。その背中に、先ほどまでとは比べものにならない圧力と、悲しみを秘めて…。 IGO本部へ帰った一龍は、猛烈な勢いで食事を取り始めた。いずれ訪れる避けられない戦争の時に備えて、限界まで食材を体にチャージしているのだ。IGOと美食會、一龍と三虎。もう両者は同じ食卓には着けないだろう。表情を厳しくする一龍。だが希望がないわけではない。その光明とは、トリコら四天王。未来を託せるのは、トリコらのように、いつだってひとつの食卓を囲む者たちなのだから…。一方トリコは、一龍のそんな思いを露知らず、早くも次なる修行食材を探すための冒険へと旅立っていた。食材のヒントを求めて深い森へと入っていくトリコ。だがその背中に、怪しい人影が迫る…!
世界中の食材を独占、支配しようとする美食會。IGO会長・一龍はその本拠地へと赴き、美食會のボス・三虎に、近く現れる伝説の食材・"GOD"を分け合おうと提案する。しかし三虎は独占を譲ろうとはしなかった。結局、交渉は決裂。一龍はIGOへ戻り、やがて訪れる戦いの時へ向けて、準備を開始するのであった。一方、メテオガーリックを手に入れ、遂に五つ目までの修行食材を捕獲し終えたトリコ。次なる目的地は、第六の修行食材があるというロストフォレスト! …なのだが、事はそう簡単ではなかった。というのもロストフォレストは余りに広大で、食材を手に入れようにも、その具体的な位置がわからなければ探しようがないのだ。 さすがにココの占いも、食材の場所を特定するまでには至らない。そこでまずトリコは修行食材の正確な場所を知るべく、食材専門の占い師を求めて、職人が集う匠の森・スキルガーデンを目指すのだった。と、その行く手に、森を荒らす猛獣・デビルプラントホースが立ちふさがった。猛獣の素早い身のこなしに翻弄されるトリコであったが、機転を利かせ、見事これの撃退に成功! するとそこへ、一人の覆面プロレスラー風の男が現れた。彼こそがトリコの探していた人物、寿司職人にして食の占い師・モンチーであった。さっそくトリコは修行食材の場所を占って貰おうとするが…。 さて数日後。トリコと小松は、大海原のド真ん中に浮かぶ第二ビオトープへとやってきていた。ここは魚介系食材専門の研究所で、一部エリアは水族館として楽しむこともできるIGO施設なのだ。しかし笑顔の小松に対し、トリコは浮かない顔…。その悩みの種は、なんと恵方巻きの具についてだった。実はモンチーの占いは少し変わっていて、恵方巻きを向ける方角で食材を占うのだ。その精度は百発百中。ただし、占う内容によって恵方巻きの具材の種類と量が変化するので、まずはそれを仕入れて来なければならないらしい。そこでトリコは何か良い具材がないかと、第二ビオトープへ探しに来たというワケだ。 しかし、こうして魚たちを眺めていても、どれもいまいちピンとこない。ロストフォレストほどの対象を占うとなると、もっとインパクトのある目新しい具材が必要なのだ。そんな悩めるトリコの前に、IGOの職員が現れた。なんと、グルメ世界遺産候補にもあがる程の名所・鍋池が凍ってしまったらしい。その報告に仰天するトリコ。アツアツに沸騰する極上のダシ汁で満たされた鍋池が凍るなんて、滅多にあることではない。そして続くIGO職員の言葉は更に驚くべきものだった。この機会に、鍋池の主・マダムフィッシュを四天王全員で捕獲するよう、一龍から緊急指令が下されたのだ…!
とある海の、とある島…。今、ここに世界中から美食屋、海賊の猛者たちが大勢集まっていた。それもそのはず、今日はなんとIGOが主催するレース「天下一食おう会」が開催されるのだ。優勝賞品はなんと、伝説とも言われるカラットジューウシのお肉!カラットジューウシは高級で高価な物しか食べない牛で、その肉は絶品。止めどなく溢れ出る肉汁は肉のジュースと評されるほどだ。また、高価なら宝石さえ食べてしまうカラットジューウシの骨は数千カラットのダイヤで出来ているとも言われており、皆が目の色を変えて優勝を狙うのも納得できる話であった。 このレースはルートも自由、空を飛ぶ以外はどんな手段を使ってもオーケー。とにかく島の中央にある競技場へゴールした人が勝ちという問答無用のサバイバルレースだ。スタートラインに並ぶそうそうたる顔ぶれの中には、もちろん我らがトリコ、そして小松の姿もあった。そして、合図と共にいよいよレースがスタート。と、その瞬間、地中から猛獣が出現! 選手の殆どが一気に脱落してしまった。そんな大混乱をいち早く抜け出したのは、やっぱりトリコたちとルフィら麦わらの一味。両者は走りながらも互いに再会を喜び合う。しかし、そんなトリコらよりも更に先を走る強者がいた。彼こそ伝説の武闘家・孫悟空! そうこうするうちにレースも中盤、コースは分岐点へと差し掛かかった。トリコ・ルフィ・悟空が選んだルートは、一番の近道である反面、一番険しいコースでもある断崖絶壁。その他のメンバーも、みんな思い思いのルートを選んでいく。小松やサンジ、悟飯らは東の森へ。リン、ナミ、18号らは西の砂漠へ。サニー、チョッパー、トランクスたちは荒野を進み、それぞれ難関を攻略していくのだった。そして遂に最終局面、トリコらは切り立った岩肌を登りきって、ゴールはもう目前! 激しいデッドヒートを繰り広げるトリコ・ルフィ・悟空、その結果はなんと、まさかの三人同時ゴール!? 優勝者を決めるため、レースは急きょ、バトルで決着をつける事に! 「天下一武闘会」同様、参ったと言うか、舞台から落ちたら負けだ。決勝戦は、トリコもルフィも悟空も、みんな一歩も譲らない激しい戦いであった。やがて三人は互いの実力を認め合い、本気の必殺技で打って出る。激突する18連釘パンチvsゴムゴムの象銃乱打vsかめはめ波! その衝撃に舞台は消し飛び、なんと全員が場外で失格となってしまった。そんな中、特別枠で決勝戦に参加していたミスターサタンだけが、わずかに残っていた舞台に引っかかっていた。偶然で優勝したサタンはカラットジューウシを分け合うことにし、トリコらも大満足。皆で揃って、伝説のお肉、いただきます!
次なる修行食材がロストフォレストのドコにあるのか、そのヒントを求めて、食の占い師・モンチーの元を訪れたトリコ。しかし、寿司職人でもあるモンチーは恵方巻きを作ることによって占いを行うのだが、その為には占う内容に見合った恵方巻きの具材が必要なのだという。人間界最大の樹海・ロストフォレストを占うとなると、並大抵の具材ではとても適わない。いったい、どんな食材を具にすれば……? トリコが悩んでいると、そこへ、鍋池が凍ったという知らせが舞い込んだ。加えて一龍から、この機会に鍋池の主・マダムフィッシュを四天王全員で捕獲するよう、緊急指令が下された! 華麗な見た目とリッチな味わいで、淡水魚界の貴婦人と絶賛されるマダムフィッシュ。普段は神経質で捕獲することも難しいが、池が凍って油断している今ならばチャンスはある。恵方巻きの具材としてのインパクトも申し分なく、一龍の指令は正に渡りに船であった。さっそく小松を連れて鍋池へと向かうトリコ。次いで、ココ、サニー、ゼブラも続々と鍋池へ集合! 四天王が勢揃いするのは久しぶりのことだ。さぞ昔話に花が咲くかと思いきや、始まったのは軽口の叩き合いであった。そしてとうとう、誰がマダムフィッシュを捕らえるか、全員で釣り勝負をすることになってしまった!? 広大な鍋池からマダムフィッシュの巣がありそうなポイントを、トリコは嗅覚、ココは電磁波、サニーは触覚、ゼブラは音を頼りに探していく。そうして各々の必殺技を駆使し、次々と魚を釣り上げるも、肝心のマダムフィッシュだけは一向にヒットしなかった。より可能性の高いポイントを求めて、どんどんと移動していく四天王の面々…。そして遂にトリコが、ココが、サニーが、ゼブラが辿り着いた先は…! なんと小松が気楽に釣り糸を垂らしているポイントであった。小松が何となく選んだこの場所こそが、マダムフィッシュの巣穴の真上だったのだ。小松の凄まじい食運に、一同はただただ呆れるばかり。 するとその時、釣り竿の浮きに反応があった。マダムフィッシュがヒットしたのだ。大物相手に苦戦しながらも、見事に釣り上げる小松。だがそこへ、上空から猛獣・ジャッカルトンビが現れた。自分では狩りをせず、他人の獲物を奪うズルイ奴だ。このままではマダムフィッシュが奪われてしまう…! しかし、この時ばかりは相手が悪かった。四天王全員の総攻撃を受けて、猛獣は一目散に逃走。トリコらは、無事にマダムフィッシュの捕獲に成功するのだった。普段はギャーギャー文句を言い合いつつも、いざとなると力を合わせて立ち向かっていく。一つの食卓を一緒に囲めるトリコらに、乗り越えられない苦難はないのだ。
次なる修行食材の在りかを占って貰うため、恵方巻きの材料を集めることになったトリコ。今回の目的地は、あらゆる種類の酒や発酵食品が獲れる、まさに酒の楽園と呼ぶに相応しい島々・酒豪諸島。ここでは、絶品の超高級酢・王酢(おうず)が手に入るのだという。トリコはこの王酢を、恵方巻きの酢飯の材料にしようとしているのだ。小松と共に島へ上陸し、さっそく探索を始めるトリコ。見渡せばそこかしこに広がるブランデーの泉、ビールの滝、シャンパンの雨…。お酒が大好きなトリコは早くも口をつけ、ほろ酔い上機嫌だ。と、そんなトリコの前の前に、強力な猛獣・エメラルドドラゴンが立ち塞がった! 強敵の出現に焦るトリコらであったが、何故かドラゴンは一向に襲ってこなかった。それどころか、猛獣は動きを封じられているようだ。不思議に思っていると、ドラゴンの背からノッキングマスター次郎が顔を覗かせた。なんと次郎はこの恐ろしい猛獣をノッキングし、背に湧き出るワインを風呂にして一杯ひっかけていたらしい。トリコと小松は次郎に勧められるままワイン風呂へ入り、酒を酌み交わす。そうして酒の美味さを語り合ううち、完全に当初の目的を忘れてしまうのであった。結局、二人は二日間も飲み続けてしまい、王酢を手に入れられたのは更にずっと後のことであった…。 さて、何とか王酢を手に入れたトリコと小松であったが、具材集めはまだまだ終わらない。次に二人が求めるは、世界一クサい食材・ドドリアンボム! 臭いの爆弾とも呼ばれ、熟れて地面に落ちれば辺り一帯に悪臭をまき散らすという。そのクサさは兵器として使用された記録もあるほど。しかし、その味は絶品で、恵方巻きの具材として申し分ない。さっそく捕獲に向かうトリコらであったが…、現地につくなり凄まじい臭気が二人に襲いかかってきた。一歩進むたび強烈さを増していくクサさに、トリコらの顔もどんどん歪んでいく。クサければクサいほど旨味を増すドドリアンボム。これほどのクサさであればさぞや美味かろう。でもでも、やっぱりクサーい! とんでもないクサさに耐えて進むトリコたち。そうして遂に二人はドドリアンボムの前へと到着するのだった。…が、喜んだのも束の間、次の瞬間、熟れたドドリアンボムが地面に落着してしまった! その悪臭の爆発は、世界中の人々が顔をしかめるほど。もちろん、爆心地のトリコと小松が無事で済むはずもなく…。二人は悪臭に気絶しては目を覚まし、目を覚ましては気絶することを繰り返す羽目に陥ってしまうのだった。そんな二人が何とか悪臭を克服しドドリアンボムを手に入れたのは、実に一ヶ月も経ってからであった。だがその代償として、体に臭いが染みついてしまい、トリコらは行く先々でクサい人として扱われることになってしまうのだった…。
次なる修行食材の在りかを占って貰うため、恵方巻きの材料を集めることになったトリコ。寿司占い職人・モンチーによれば、次は海苔を取ってくる必要があるらしい。美味しい海苔といえば、トリコもひとつ心当たりがあった。粗食の丘の近くにエコランドという村があり、そこで獲れる"エコのり"が絶品なのだ。さっそく小松と共に粗食の丘へ向かうトリコ。だが二人を迎えたのは、グルメ騎士(ナイト)たちの襲撃だった。グルメ騎士とは、粗食や施しの精神を教えとするグルメ教の精鋭だ。密猟者でもないトリコたちを攻撃する理由はないはずだが…。怯える小松とは裏腹に、トリコは妙に嬉しそうだ。そして二人の前に、グルメ騎士のリーダーが姿を現した! グルメ騎士リーダー・愛丸。その顔を見るや、憎まれ口を叩きながらも喜ぶトリコ。なんとトリコと愛丸は古い友人同士で、先ほどの襲撃も軽い挨拶代わりだったのだ。グルメ騎士たちの中には、かつてアイスヘルでセンチュリースープを巡る冒険を共にした滝丸の姿もあり、一同は互いに再会を喜び合うのだった。そして滝丸に案内され、トリコらはいよいよエコランドへ! エコランドは電気やガスなどを一切使わない、大自然の恵みだけで暮らす村である。と言っても、村の人々がひどく不自由な暮らしをしているわけではない。エコランドでは様々な動植物の習性を利用して、自然に優しいまま、文明的な生活が営まれているのだ。 そんなエコランドを代表するエコ動物の一種に、ソーラータートルという、甲羅に天然のソーラーパネルを備えた亀がいる。この亀が太陽光を浴びて溜め込んだエネルギーを、村人たちは電力として利用しているのである。そしてその充電が切れたとき甲羅の表皮が薄く剥がれ落ちるのだが、これが極上の海苔・エコのりとなるのだ。トリコは早々に海苔を貰おうとするが、対し、村長は交換条件を持ちかけてきた。実は最近、天気が悪く甲羅の蓄電が足りておらず、トリコにそれを補って欲しいというのだ。ソーラータートルは太陽光の他に、尻尾を回すことで手動でも充電できるのである。 食材のためには仕方ない。村中のソーラータートルの尻尾をひたすら回して充電し、トリコはようやく沢山のエコのりを手に入れるのだった。かくして、これで全ての食材が揃え終わった。トリコらはさっそくモンチーの元へ向かい、恵方巻きを作ってもらう事に。モンチーの調理は、まな板のリングで食材とプロレスをしながら作っていくという、一風変わったモノだった。その異様な光景にはトリコらも戸惑うばかり。だが、食材は確かに旨味を増しているようだ。そして丸二日にも渡るモンチーと食材の激しい激闘の末、遂に恵方巻きが完成! ロストフォレストへの挑戦を目前にして、気合いを入れるトリコであった。
人間界最大の樹海・ロストフォレストにあるという第六の修行食材。その正確な在りかを知るため、トリコは恵方巻きで占ってもらうことに! そうして占い寿司職人・モンチーの手によって完成した恵方巻きは、果てしなく続く長大なものであった。モンチー曰く、これを食べ進んでいけば修行食材へと行き当たるらしい。トリコと小松は礼を述べ、さっそく手を合わせて、いただきます! 恵方巻きを食べながら町を越え、草原を越え、砂漠を越え…、そして遂にロストフォレストへと辿り着くのだった。一度迷い込んだら二度と出られないこの森も、恵方巻きがある限り恐れる必要はない。目指す修行食材は、シャボン玉のような果実・シャボンフルーツ! …と思いきや、なんと恵方巻きは森の途中で途切れてしまっていた。辺り一帯の樹海もろとも、まるでえぐり取られたかのように無くなってしまっていたのだ。と、その時、わずかに残った恵方巻きを持ち去ろうとしている不審者を発見。慌てて追いかけるトリコら。すると、その目の前に突如として一件の料理屋が現れた。その名も、雲隠れ割烹。三つ星ならぬ十星を誇る伝説の料亭だ。これを素通りするワケにはいかない。盗人を追うのは後回しにして、トリコは立ち寄ることに決めるのだった。だが扉を開けた瞬間、店はこつぜんと消えしまった! 呆然とする二人であったが、その耳にどこからともなく声が聞こえてきた。「合掌、そして一礼」と…。 再び現れた雲隠れ割烹を前に、戸惑いながらも声に従ってみると、今度はきちんと店に入ることが出来た。そして従業員を見て、トリコらは驚く。なんと先ほどの盗人ではないか。従業員の弁解によると、恵方巻きは既にバラバラになっていて、それを少し分けて貰っただけだという。どうやら樹海をくりぬいたのは別人のようだ。ともかく、修行食材・シャボンフルーツへの道しるべは失われてしまった…。だが、それについては料理長の千流(ちる)が知っていた。シャボンフルーツは、かつてはこの雲隠れ割烹でも扱っていた、最も繊細だと言われる食材の一つ。そして、樹海の奥にある"食林寺"、その寺宝なのだ。 新たな手がかりを得て、トリコらは一安心。これで心置きなく食事を楽しむことができるというもの。だが、繊細で知られる雲隠れ割烹の料理は、食べること自体が非常に困難であった。少しでも揺らすと旨味が逃げてしまったり、まばたきするだけで味が劣化してしまったり…。いわゆる特殊"賞味"食材なのだ。結局、トリコらがきちんと口にできた皿はごく僅かであった。落胆するトリコらだったが、その隣で、粗暴な食べ方ながらも全ての料理を完食する一人の老人の姿があった。その声は、店の入り口でトリコらにヒントをくれたものと同じ…。この老人こそ、食林寺の師範にして美食人間国宝のひとり。珍鎮々(ちん・ちんちん)その人であった!
IGO会長・一龍から言い渡された修行食材・シャボンフルーツを手に入れるため、ロストフォレストへとやってきたトリコと小松。恵方巻きの導きに従って進む中、やがて二人は伝説の料亭・雲隠れ割烹へと辿り着き、不思議な老人に出会う。この老人こそ美食人間国宝の一人、食林寺の師範・珍鎮々(ちん・ちんちん)であった。トリコの求めるシャボンフルーツは、食林寺の寺宝なのだ。どうやら珍師範は、一龍からトリコの修行について聞いているらしい。そういう事なら今回の修行食材の捕獲はスムーズにいきそうだ。さっそく珍師範に連れられて食林寺へと向かうトリコらであったが…、その道すがら、急に二人の足下の地面が消え失せてしまった! 珍師範によると、この森は感謝と敬意を持った者にしか見ることができないらしい。そういう事ならばと、取り敢えず合掌・一礼…。顔を上げてみると、そこには今まで影もなかった食林寺が姿を現していた。驚きながらも、さっそく食林寺への階段を上ろうとするトリコ。だが、その途端、沢山の巨岩や石槍がトリコらに降り注いだ! 襲撃者の正体は、なんと食林寺そのもの。実は食林寺は見えなくなるだけでなく、無礼者に攻撃を仕掛ける場合もあるのだ。と、その時、急に食林寺に火の手が上がった。逃げ出した修行者の礼儀知らずな振る舞いに怒って、燃え上がってしまったのである。このままではシャボンフルーツも燃えてしまう…! 火の勢いは凄まじく、トリコの釘パンチさえ物ともしない。そんな業火を沈めたのは、珍師範の不思議な技・"食義"であった。そしてシャボンフルーツを捕獲するには、この食義を会得する必要があるらしい。なるほど、やはりコレも修行食材、一筋縄ではいかないという事だ。やがてボヤ騒ぎも収まって、食林寺の中へと入るトリコら。だが、寺からの攻撃は一向に止む気配がなかった。珍師範曰く、トリコたちの振る舞いに、全く心がこもっていない為らしい。万物への感謝と敬意を常に抱いていなければ、真の礼儀作法とは言えないのだ。そしてそれこそが食義の基本でもある。助言通りトリコらが感謝を強く念じてみると、攻撃はぴたりと止まるのだった。 ようやく一息つけたトリコらの前に、食林寺の師範代・シュウが現れた。彼がトリコらに食義の修行をつけてくれるという。だが、トリコは不満げであった。どうせなら珍師範直々に教わりたいと思ったのだ。そんなトリコにシュウは事情を説明する。珍師範の指導はスパルタすぎるというのだ。実はトリコらは以前にも、師範の修行の洗礼を受けているらしい。かつてしたサンサングラミーを巡るデスフォールでの冒険…、そこでトリコたちに流れてきた巨大な山は、なんと珍師範の仕業だったのだ。死んだらそれまでとアッサリ言い切る珍師範の恐ろしさに青ざめたトリコらは、態度を改めてシュウに修行をお願いするのであった。
IGO会長・一龍から言い渡された第六の修行食材・シャボンフルーツを手に入れるため、ロストフォレストへとやってきたトリコと小松。そこで二人は伝説の料亭・雲隠れ割烹へと辿り着き、食林寺の師範・珍鎮々(ちん・ちんちん)と出会う。食林寺とは、食の礼儀と感謝の作法・"食義"を学ぶ場であり、シャボンフルーツはその寺宝なのだ。それを聞いて、さっそく珍師範と共に食林寺へと向かうトリコら。だが、なんとシャボンフルーツを手に入れるには、食義を極める必要があるという。そのためにトリコと小松は食林寺で、師範代であるシュウから食義の修行を受けることになるのだった。 修行に先駆けて、トリコとバトルでの手合わせを申し出てくるシュウ師範代。確かに食義は礼儀作法のみならず、戦闘にも通じるモノがあるようだが…。いくら何でもプロの美食屋、それも四天王であるトリコに戦いを挑むのは無謀ではなかろうか。戸惑うトリコと小松であったが、それに対してシュウは余裕の表情だ。それどころか、大怪我はさせませんよと自信満々の様子。バトルのルールは「参った」と言った方が負けという至ってシンプルなもの。そしていよいよ試合開始! まずは小手調べとばかりに、鋭い踏み込みから連続攻撃を繰り出すトリコ。だが、シュウは風に舞う葉のように、トリコの攻撃をひらりと軽やかに避けてみせるのだった。 本気でかかってきて構わないと豪語するシュウ。リクエストに応えて、本気モードで戦うことにするトリコ。フォーク、ナイフ、連射形フライングフォーク、レッグナイフ、立て続けに繰り出される必殺技! …だが、どれもシュウには当たらない。それどころか次の瞬間には、いつの間に反撃されたのか、トリコのシャツがバラバラに切り裂かれていた。それも、トリコの肌には1ミリの傷もつけずに! その正確さ、繊細さに驚くトリコ。戦闘における総合的な力は明らかにトリコが上である。だがトリコはシュウに、強さだけでは決して手が届かない未知の領域を感じ取っていた。これが食義の力なのだ…! その後もトリコは全力で挑み続けたが、結局、シュウにキズ一つ付けることは出来なかった。トリコは既に疲労困ぱい、対し、息一つ乱れていないシュウ…。歴然と現れたこの差もまた、食義によるものだった。そして遂にトリコは現状を受け入れ、シュウに降参を告げるのであった。続いて、小松とシュウによるキャベツの千切りスピード勝負が始まった。トリコのカタキを取ろうと張り切る小松。だが、シュウは食義による包丁さばきで、小松より遙かに短い時間で千切りを終えてしまうのだった。すさまじいまでの食義の効果。これを身に付けるため、そしてシャボンフルーツを手に入れるため、トリコと小松の本格的な修行がいよいよ始まる…!
第六の修行食材・シャボンフルーツを捕獲するべく、食林寺で"食義"を学ぶことになったトリコと小松。修行に先駆けて、二人はまず師範代・シュウと手合わせをすることに。そこでなんと、トリコはバトルで、小松は料理で、シュウが修めた食義の妙技に完敗を喫してしまう。食義とは基本的に、食への礼儀と感謝を深め、メンタルの充足をはかる作法である。だがその深奥には、精神面だけでなく技術面を飛躍的に向上させる効能が秘められていたのだ。改めて食義の威力を思い知ったトリコら。シャボンフルーツを手に入れるため、更なる高みを目指すため、二人の修行が今、始まる! …と言っても、食義の修行は恐ろしく地味なものであった。早朝は座禅ならぬ食禅で感謝を念じ、昼からは正しい合掌一礼の所作を学び、食事は感謝の気持ちで実を結ぶ食材を用いる…。とにかく感謝、感謝、ひたすら感謝をし続けるといった内容なのだ。もちろん、修行だけあってコレらはどれも容易なことではない。食禅は少しでも雑念が混じると失敗になってしまうし、合掌一礼はフォームを誤ると大怪我をしてしまう。食事に至っては、感謝の念が足りなければ、いつまで経っても食べることが出来ないのだ。しかしながら、それでもやはり地味は地味。今まで生死を賭した荒行を乗り越えてきたトリコにとっては、甲斐無く感じられてしまうのであった。 こんな修行で本当に食義を極めることができるのか? 強くなれるのか…? 心中に珍しく迷いが生じたトリコは、夜中、思わず小松に不安をこぼしてしまう。だがそれに対し小松は、修行が楽しいと答えた。普段であれば、弱い小松はトリコと共に戦うことができない。だが食義の修行なら二人一緒に歩むことが出来る。それが嬉しい、と。そして必ず食義を極め、今度こそシュウに勝とう。そんな小松の思いに励まされるトリコであった。そして修行三日目…。地味な修行を続けていく中で、トリコらに転機が訪れた。食材にたかる虫を追い払うべく、苛立ち紛れに軽く振るったトリコの必殺技・ナイフが、驚くほどの威力を発揮したのだ。 これこそが食義の成果。食への感謝によって向上した集中力が、動作の素早さと正確さを生み、力と技を向上させたのだ。そしてそれはトリコだけでなく、小松も同様であった。シュウに言われ試してみると、以前はほとんど失敗していたフグ鯨への包丁入れが、難なく一瞬で行えるようになっていたのである。地味ながらも、修行は確実にトリコたちを成長させていたのだ。そしてコレはまだ食義の入り口に過ぎないという。もし極められたなら、どれほどの効果となろうか。今までの不安はどこへやら、俄然やる気になって修行に励むトリコであった。…しかしその一方で、不吉な暗雲が食林寺へ向けて刻一刻と迫りつつあった…!
第六の修行食材・シャボンフルーツを捕獲するべく、食林寺で"食義"を学ぶことになったトリコと小松。食義の修行は、食材にひたすら感謝し続けるという地味なモノ。だが、その効果は絶大であった。トリコは必殺技のキレが、小松は包丁の冴えが、どちらも飛躍的に鋭さを増していたのだ。成果を実感したトリコらは更に励み、やがて修行メニューを楽々とこなせる程の腕前にまでなるのだった。早く食義を身に付けたいと語るトリコたち。だがシュウ師範代は、その必要はないと言う。実は、今までトリコたちが受けていた修行は上級コースだったのだ。それを簡単にクリアできるようになったという事は、つまり、既に食義を習得しているという事なのだ。 と、そこへ珍師範がやってきた。トリコらに、庭池に浮かぶシャボンフルーツを取ってみるよう指示する珍師範。この食林寺に来た当初、トリコらはシャボンフルーツに近づくことさえできなかった。それが今や、どうだろう。悠々と触れるようになっているではないか。食義を習得した証である。だが、手にとって初めてトリコは気が付いた。このシャボンフルーツが偽物であることに…。実はコレは、練習用の偽シャボンフルーツだったのだ。食林寺の裏山に伸びる、泡で出来た道・"バブルウェイ"。本物のシャボンフルーツはソコにあるという。バブルウェイを進み、本物のシャボンフルーツを手に入れる…。それこそが、食義最後の修行なのだ! 珍師範とバブルウェイを歩けるのは一人だけ。行くのはもちろん、我らがトリコ! バブルウェイではどんな困難が待ち受けているのか。最強の猛獣? 劣悪な気候? 何が出てきてもいいように気を引き締め、珍師範と共に出発するトリコ。だが、意気込みとは裏腹に、バブルウェイでは何も出てこなかった。それどころか、何もなかった。動物も、植物も、食料も、水もない。本当に何もない、ただ泡の道が延々と続くだけ…。そうして、ひたすら歩き続け、いったい何日が経っただろうか。たくましかったトリコの体は飲まず食わずで、見るも無惨にやせ細ってしまっていた。だが、未だバブルウェイのゴールは見えてこない…! やせ衰えたトリコとは対照的に、珍師範の体型に変化は全く見られなかった。これこそが食義の奥義・食没(しょくぼつ)! 珍師範は食没によって、数ヶ月分のエネルギーを体内に蓄えているという。奥義・食没を身に付けなければ、シャボンフルーツを手に入れることはできない。そして食没の習得に近道はなく、食へのあくなき感謝を限界まで深めるしかないのだ。できなければ、このままやがて訪れる死を待つのみ…! 一方その頃、食林寺の上空に巨大な怪鳥が現れていた。その背から降り立つ幾つかの人影。うち、先頭の人物を見て、食林寺の師範代たちは表情を強張らせるのであった。「千代さん」と…!
食林寺での修行を経て、遂に"食義"を習得したトリコと小松。さっそく第六の修行食材・シャボンフルーツを捕獲するべく、トリコは小松を食林寺に残し、珍師範と共に泡の道・バブルウェイを行くことに。しかし、行けども行けどもシャボンフルーツは影も形も見えてこなかった。しかもバブルウェイは名前通り、泡しか存在しない道であった。つまり、水も食料も何もないのだ。その長きに渡る道行きで、どんどん痩せ細っていくトリコ…。やがて体力は低下し、遂には歩くことさえ出来なくなってしまうのだった。だが、トリコは自らの細胞をエネルギーに変える非常手段・オートファジーを発動させ、再び進み始める! とはいえ、オートファジーはそう長くは保たない。そしてバブルウェイに果てはなかった。程なくして体力も策も尽き、道半ばにて倒れ伏すトリコ。薄れゆく意識の中で死を覚悟し、トリコは今まで一緒に冒険をしてきた仲間に、ずっと無理をさせてきた体に感謝を述べる。そして、血や肉になってくれた全ての食材にも、万謝の念を送るのだった。今にも消え往かんとするトリコの命…。だが次の瞬間、突如としてバブルウェイが輝き始めた。そして、そこかしこからシャボンフルーツが湧き出で始めたではないか! そう、シャボンフルーツは最初からすぐ傍にあったのだ。ただ、トリコの食への感謝が極限まで深まるのをじっと待っていたのである。 目の前に現れたシャボンフルーツを口にするトリコ。その食、その味、その命に、ありがとう。体の一部になってくれて、ありがとう…! いつの間にか、トリコは大粒の涙をこぼしていた。そして同時に、全身に力が戻りつつあった。これぞ、食義の奥義・食没! 食没とは、食前や最中だけでなく、体内に入った食材の動向をも敬い、血肉になった後も感謝し続けることによって成される。そして食没によって摂取された食材は、食べた者にありったけの栄養をそそいでくれるのだ。トリコは遂に、食義の全てを体得したのである。その皆伝を見届け、一足先に食林寺へと戻る珍師範。食林寺が、前代未聞の危機にあることを察知したのだ! 師範の危惧通り、食林寺は今、地獄絵図と化していた。天才料理人にして元・食林寺師範代の千代が、美食會の刺客として暴虐の限りを尽くしているのだ…! 彼女が引き連れるは巨大な怪鳥、そして、様々な猛獣を混合させた人工生物・灰汁獣(あくじゅう)の一種、ゴーレム。その凶悪な力の前には、食林寺の猛者たちも為す術がなかった。そんな未曾有の大惨事の中、小松は千代婆の隣に知った顔を発見する。それは、行方不明になっていた小松の修業時代の仲間、大竹であった。友人の生存に涙する小松。だが、駆け寄った小松に大竹が返したものは笑顔ではなかった。大竹が差し出したモノは包丁…、そしてその凶刃は、深々と小松の腹へと突き刺さる…!
食林寺での修行を経て、"食義"を身に付けたトリコと小松。最終修行のため珍師範と共に泡の道・バブルウェイへと入ったトリコは、そこで死に瀕しながらも食への感謝を極限まで深め、ついに食義の奥義・食没を会得! 同時に第六の修行食材・シャボンフルーツの捕獲にも成功するのだった。だがその一方で、食林寺は絶体絶命の危機に直面していた。食義を脅威と見た美食會の襲撃を受けたのだ。襲撃者はなんと食林寺の元師範代・千代婆。加えて、小松の友人・大竹…。その圧倒的な暴力の前に、次々と倒れていく食林寺師範代たち。そしてトリコの帰りを待つ小松もまた、大竹の包丁に腹を貫かれるのであった。 しかし奇妙なことに、刺されたはずの小松の腹にはキズ一つ付いていなかった。実は大竹が振るった刃は"蘇生包丁"といい、切れば切るほど甦る、人間界では禁止された闇の技だったのだ。この程度もまだ出来ないのか。大竹は小松を、そして食義をあざ笑う。と、そこへバブルウェイから珍師範が駆けつけた。かつて浅からぬ縁であった千代婆の堕ち果てた姿を見て激怒し、一騎打ちを申し出る珍師範。だが、卑劣にも不意をついてきた千代婆によって、その胸を貫かれてしまう…! 崩壊していく食林寺、傷ついた人々、戦い倒れ伏す師範代たち…。もう何もかも終わりなのか。どうしようもないのか。小松の悲鳴が虚しく響く中…、遂にトリコが到着した! 現れたトリコは、先刻まで生死の境をさまよっていたとは思えないほど、全身に力が満ちていた。奥義・食没を用いてシャボンフルーツを食べたお陰だ。そしてこの惨劇の場を目の前にして、トリコの表情は驚くほど穏やかであった。今までであれば、間違いなくキレていたはずなのに…。これもまた、食義を極めた故である。とは言え、全く怒っていないわけではない。ただ、食義において怒りや動揺は体に無駄な力みを生み、動きを悪くする要因となる。だから、その怒りにも感謝するのだ。泰然自若として見えるのは、その為である。と、そんなトリコに、千代婆が引き連れていた怪物・灰汁獣(あくじゅう)ゴーレムが襲いかかった! この灰汁獣は凶暴粗野に見えて動きに全く無駄がない、恐ろしく強力な相手だ。実際、食林寺の師範代たちもまるで歯が立たなかった。その灰汁獣に対しトリコが放ったのはたった一発、軽い釘パンチだけであった。だが、その無造作な攻撃には、今までの全力の釘パンチを遙かに凌ぐパワーが秘められていた。その衝撃たるや、幾十連! 灰汁獣の巨体をロストフォレストの彼方まで吹き飛ばし、木っ端微塵に爆散させるほどの超威力! 圧倒的と言うより他にない、新生トリコの頼もしいパワーであった。とはいえ、灰汁獣はしょせん前座。次なる相手はいよいよ本命、珍師範に重傷を負わせた千代婆との対決だ…!
食林寺の元師範代・千代婆、そして小松の友人・大竹が、美食會からの刺客として現れた。その圧倒的な暴力の前に崩壊する食林寺、倒れ往く人々…。しかし、そんな絶体絶命のピンチの中、遂にトリコがバブルウェイでの修行から帰ってきた! 食義の奥義・食没を会得したトリコは、千代婆たちが引き連れていた灰汁獣・ゴーレムを一瞬で撃破し、人々を救う。だが、まだまだ一安心には程遠い。次なる相手はいよいよ本命、美食人間国宝の一人である珍師範をも圧倒した千代婆なのだから…! にらみ合い、静かに対峙するトリコと千代婆。そして次の瞬間…、一陣の風を合図に、食義を極めし者同士の戦いが始まった! 千代婆の実力は、節乃にも並ぶ“国宝級”。一振り一億円とまで謳われた、凄まじいまでの包丁の腕前の持ち主だ。だが、パワーアップしたトリコだって負けてはいない。そんな二人の勝負は、パワー・スピード・駆け引き、どれをとっても桁違いのスーパーバトル! 次々と繰り出される新必殺技! そして激闘の果て、遂にトリコのツイン釘パンチが千代婆の包丁を打ち砕いた! …だが、実はなんと、千代婆が今まで使っていた包丁は仮初めの物であった…! 本命の愛包丁を取り出し、形相を更に禍々しくさせる千代婆。ところが、大竹がそれを制止した。タイムオーバーである。美食會から帰還の迎えが来たのだ。 現れたのは恐ろしく巨大な、グルメ界に生息する飛行型の猛獣・ビッグバンシャークだった。そして、その巨獣を難なく操るのは、一体の最新型GTロボ…。その威圧感、その声には、トリコらにも憶えがあった。ロボのオペレーターは、美食會の副料理長・スタージュン…! 大竹はなんとスタージュンとコンビを組んでいたのだ。神の食材“GOD”を調理するのはオレだと、小松に宣戦布告する大竹。グルメ界で再会するその時まで、せいぜい腕を磨いておけ…と。そしてスタージュンはトリコに、「祭で会おう」と言い残し、千代婆を連れて去って行くのだった。 戦いは終わった。小松は、ただ呆然とする事しか出来なかった。大竹は、友だった。仲間だった。なのに…! いつしか小松は大粒の涙をこぼしていた。そんな小松に、トリコが声をかける。友達だから、仲間だからこそ、倒そう。間違いに気付かせてやろう、と。トリコの言葉を受けて、大竹と戦う決意を固める小松。しかし、いったい何故、大竹と千代婆は美食會に? その理由…、少なくとも千代婆については、珍師範が知っていた。だが珍師範は重傷で、語ることもままならない。体温も急激に下がっている。一刻も早く手当をしなくてはならない。と、そこへ一つの人影が新たに現れた。包丁を手にしたその人物は、敵か、味方か…!?
遂に食義の奥義・食没を会得したトリコは、食林寺を襲撃していた美食會の刺客・千代婆と大竹を見事に撃退! しかし、千代婆にやられた珍師範は瀕死の重体…。一刻も早く手当をしなければ命が危ない。と、そこに雲隠れ割烹の料理長・千流が駆けつけた。千流は、斬った食材を復元させる禁じられた暗技・蘇生包丁を使い、珍を治療。お陰で師範は何とか一命を取り留めるのだった。だが、それでもやはり、食林寺が失ったものはあまりに大きかった。それは大勢の門下生、師範代の命…。蘇生包丁を以てしても、死者を生き返らせる事はできないのだから…。 そして、元食林寺の師範代である千代婆が美食會へ寝返った理由も、死者の蘇生であった。実はかつて千代婆は、息子を失っているのだ。千代婆はその命を甦らせる為に、禁じられた幻の蘇生食材を求めて、美食會へと与したのである。そして、その蘇生食材は美食神アカシアのフルコースに秘められていた。通常、美食屋のフルコースは八品が用意される。だが現在、公にされているアカシアのフルコースは七品だけ…。前菜が欠けているのだ。その隠された前菜…、第八の食材こそが、死者を生き返らせる力を持つ蘇生食材なのである。その名も、“C(センター)”…! さて、その頃グルメ界では、IGO会長・一龍の元に、第0ビオトープの職員が続々と結集していた。第0ビオトープとはグルメ界に設けられた研究所で、グルメ界の食材や超生物ニトロの調査を行うIGOの極秘施設である。その職員の顔ぶれたるや、研ぎ師・初代メルク、再生屋・与作、グルメ刑務所所長・ラブ、グルメ番長・愚衛門などなど…、各分野の超一流ばかり。そして、これだけのメンツが集められた理由はただ一つ。グルメ日食が迫る今、遂に一龍は彼らと共に“GOD”をメインとしたアカシアのフルコース、その収集に入ることを決めたのだ。 だが、職員の中からは懸念の声も上がっていた。これだけの猛者が一斉にグルメ界へ向かう以上、人間界の警備が手薄になってしまう事は避けられないからだ。一ヶ月後には料理の世界祭典・クッキングフェスも開催される。腕利きの料理人を捕らえようとしている美食會は、間違いなく会場へ攻め入ってくるだろう。また、伝説の猛獣・四獣が目覚めたという報告もある。しかし、一龍は心配していなかった。人間界には一龍が信頼する愛弟子…、トリコを始めとする四天王や、大勢の若い猛者たちが育っているのだから。だが、一龍らが“GOD”捕獲に備える一方、美食會もまた、着々と侵攻の準備を進めつつあった…!
食義を極め、第六の修行食材・シャボンフルーツの捕獲に成功したトリコと小松。襲撃に現れた美食會の刺客も見事に撃退! 二人は食林寺を後にし、再び日常の中へと戻っていくのだった。と、そんなトリコらの元へ、美食人間国宝の節乃が訪ねてきた。用件は、節乃の料理のお手伝い! 節乃特製の麺・全麺を作るのに使う食材を、手に入れて来て欲しいというのだ。全麺とは、ラーメン・うどん・パスタなど、全ての麺の美味さを併せ持ち、老若男女を問わず全ての人が惹かれるというスゴイ麺だ。そんな美味い料理の為とあらば断る理由はない。快諾した二人は、さっそく新たな食材捕獲の冒険へと向かうのであった。 全麺に必要な食材…、それは黄金色に光り輝く小麦・金色小麦(こんじきこむぎ)。詳細は不明だが、あの節乃が依頼してきたのだから、相当に厄介な食材なのだろう。実際、超特殊調理食材という話もある。さしずめ、節乃からの修行食材といった所か。食義の力を試すには丁度良い。だが、意気揚々としたトリコとは裏腹に、小松は何やら浮かない顔であった。小松は、自分の食義が不安なのだ。本物のシャボンフルーツを捕獲したのはトリコだけだったし、食林寺でそれを調理する機会もなかった。未だ食義習得の実感が得られず、それで不安になっているのである。そんな小松を励ますトリコ。この依頼をクリアすれば何か見えてくるに違いない、と。 そうして、トムの船に乗って、金色小麦があるという島へとやって来たトリコと小松。そこには過酷な環境もなく、危険な猛獣もおらず、二人はアッサリと金色小麦の捕獲を完了するのだった。あとはコレを持ち帰るだけ…、と思いきや、一行の前に美食會の新型GTロボが現れた! 問答無用で金色小麦の畑を焼き払おうとするGTロボ。トリコらは知る由もないが、実はここに、アカシアのスペシャルメニューに誘うという伝説の蜂“インフィニ・ビー”がやって来ているのだ。美食會はインフィニ・ビーをあぶり出し、捕獲する為だけに、この美しい金色小麦を消し去ろうとしているのである! 小麦畑を守るため、GTロボと戦うトリコ。だが新型は、パワー・スピード・防御力、どれを取っても旧型の比ではなかった。加えて、カメレオンのように姿を消す擬態能力まで持ち合わせている始末。そして更に、そのオペレーターは、美食會第2支部の支部長・ユー。美食會の中でも抜群の操縦技術を持つ実力者だ。ユーの駆る新型GTロボは、正に強力無比の一言であった。だが、食義を極めたトリコも負けてはいない。両者、一進一退の激しいバトル! トリコの実力を認めたユーは、遂にGTロボをフルパワーに。そして始動する新機能、“テレイグジスタンス・モード”…! 果たして、その能力とは…!?
節乃から依頼を受け、幻の麺“全麺”の材料である金色小麦の捕獲へと向かったトリコと小松。無事に小麦を手に入れ、帰ろうとした矢先、二人の前に美食會第2支部長・ユーの操る新型GTロボが現れた。食義を極めたトリコと、大幅なパワーアップを果たした新型。両者の闘いはすさまじく、まさに一進一退。そんな中、遂にGTロボは新機能“テレイグジスタンス・モード”を発動させる。このモード中は、なんとGTロボのパワーとスピードが3倍に増幅されるのだ。恐ろしいまでの攻撃力をもって、トリコに襲いかかるGTロボ。だが驚くべきことに、トリコはその強撃を易々と受け止めてみせるのだった! なんとトリコは、小松が遠くに逃げるまで巻き込まないよう、力を抑えて戦っていたのだ。そして今もまだ本気ではない。全力を出してしまっては、周囲の小麦畑に被害を出してしまうから…。トリコの余裕に苛立ち、更なる攻撃を続けようとするGTロボ。と、その途端、ロボの全身に火花が走った。実はこの新型はまだ試作機で、万全とは言い難い状態だったのだ。敗色濃厚とみるや、GTロボは右腕を犠牲にしてトリコの前から離脱。一匹の蜂だけを捕らえ、逃げていくのだった。トリコたちは知る由もないが、今回の美食會の目的はこの蜂…、美食神アカシアのスペシャルメニューに導くという伝説の蜂“インフィニ・ビー”の捕獲だったのである。 こうして美食會を見事に退けたトリコらは、無事に節乃の元へ金色小麦を持ち帰るのだった。だが、節乃の依頼はまだ終わりではなかった。次は、この小麦を使って全麺を作って欲しいという。となれば、今度は小松の出番! …当の小松本人は、自身の食義に不安を抱いてはいたが…。それでも、節乃のアドバイスを受けて調理を開始する小松。本人の憂いとは裏腹に、その包丁の冴えは抜群。食材の声に従った、ポイントを的確に押さえたその作業には、節乃も感心することしきりであった。そして麺を打つこと三日…、ついに完成する幻の麺“全麺”。節乃が用意した移動式店舗で、いよいよ販売開始! 全麺は、生地の切り方・ゆで方で、どんな麺としても味わう事ができる。うどん、ラーメン、焼きそば、スパゲティー、そうめん、etc…、客の好みに応じてどんどん調理していく小松。その素晴らしい味は次々と人を呼び、屋台は瞬く間に大賑わい! 小松は節乃に、勉強になったと礼を述べる。だが節乃は、全麺が出来たのは小松の力だと返した。実は、金色小麦で全麺を作る技術は、シャボンフルーツの調理に匹敵するほど難しいのだ。これは、小松の食義が紛れもない本物である事の証明に他ならない。節乃の言葉に小松は驚くと共に、食義を極めたという実感をようやく得て、喜びの笑顔をこぼすのであった。
世界中の美味しい食べ物が集まる町、満腹都市・グルメタウン。普段であれば美食を求める人々で賑わうこの町も、今は人っ子一人の姿も見えなかった。IGOから発令された非常事態宣言によって、全人類300億人が普段の生活から離れ、人間界の中央地帯へ待避しているためである。だが、それも無理はない。グルメ界に棲む伝説の怪物“四獣(しじゅう)”が、まさに今、人間界の目の前まで迫ってきているのだから。四獣の好物は、恐るべきことに、なんと人間だという。四獣は人口が増えた頃合いを見計らって、数百年に一度目覚め、人間界へと『食事』にやってくるのだ…! グルメタウンの象徴として有名なナイフビル。その一角に店を構える十星レストラン『膳王』の展望フロアでは、今、トリコ・ココ・サニー・ゼブラら四天王が全員集合して食事を取っていた。もちろん、ただの食事ではない。四獣と戦うためのエネルギーを貯えているのだ。前回の四獣の侵攻は、若かりし頃のIGO会長・一龍が食い止めたという。だが現在、一龍は美食會との戦争に備えてグルメ界へ出てしまっている…。そこで、代わりとして四天王が戦うことになったというワケだ。そして同時に四獣こそが、一龍からトリコらに課せられた七つの修行食材、その最後のひとつであった。 食義の奥義・食没によって、トリコら四天王が限界以上に食材をチャージしていると、そこへ小松とリンがやって来た。料理人の小松なりにトリコを助けようと、食林寺の寺宝・シャボンフルーツを調理して持ってきたのだ。小松に感謝し、さっそくシャボンフルーツを食べるトリコら。と、その途端、一同の全身が輝き、グルメ細胞が活性化し始めた。調理されたシャボンフルーツは、四天王全員の適合食材だったのだ! そして、リンが持ってきた物は一龍からのビデオメッセージであった。一龍によると、四獣はその名の通り、四体で東西南北の四方から同時に襲ってくるという…。 つまり四天王は別動し、これを撃破しなければならないということだ。誰か一人でも負けて討ち漏らしが出れば、防衛ラインは決壊し、数十億という人々が犠牲になる。だが、トリコら四天王の顔に気負いや憂いはなかった。一龍の助言を最後まで聞くことなく、それぞれがパートナーと共に戦いへと出発する。そして、ついに各方面から人間界へ足を踏み入れてくる四獣…! まるで動く火山のような四獣“マウントタートル”! 毒をまき散らす四獣“インバイトデス”! 多数の触手を持つ軟体の四獣“キングオクトパスコング”! 巨大な獣の姿をした四獣“牙王”! 人類の存亡を賭けた戦いが、いよいよ始まる…!
グルメ界に眠る猛獣“四獣”。この怪物が数百年ぶりに目を覚まし、食事のために人間界へと移動を開始した。四獣の好物は、なんと人間なのだ…! 侵攻してくる四獣に対し、IGOは非常事態宣言を発令。全人類を人間界の中央地帯へと避難させ、絶対防衛ラインを引くのだった。そして人類防衛の任に着くのは、トリコら美食屋四天王! 実は四獣は、一龍からトリコらに課せられた修行食材、その最後のひとつでもあったのだ。世界の四方からそれぞれ迫り来る四体の四獣…。一体でも討ちもらせば、人類は滅亡の危機に瀕する。トリコらは四獣を迎え撃つべく東西南北に別れ、防衛ラインへと急ぐのだった。 四獣はどれも山のような巨体を持つ。その進撃は、苛烈の一言に尽きていた。かつてトリコと小松が食材を求めて大冒険をしたアイスヘルも、デスフォールも、グルメピラミッドも、ただの移動によって全て破壊されてしまうほど…。IGOの各ビオトープも、そこに生息していた動物たちも、もはや見る影もない。そんな中、四天王ばかりに戦いを任せるわけにはいかないと、国際連合軍が出動した。我が物顔で進む四獣を、科学の叡智を結集させた近代兵器で迎え撃つ。巨大戦車・戦闘機・そして軍事衛星からの、大砲・ミサイル・レーザービームの一斉射撃! 凄まじい爆発が四獣を炎に包み込む! …しかし! 恐るべきことに、人類の最大火力を以てしても、四獣は全くの無傷であった…! 更に、四獣の反撃により連合軍は一瞬で壊滅状態に…。もう、どうする事もできないのか。圧倒的な戦力差に絶望する人類。だがその時、不意に四獣の足が止まった。トリコら四天王が、それぞれのコンビと共に、ついに防衛ラインへ到着したのだ。対峙する四天王と四獣。ゼブラの相手は、甲殻の四獣“マウントタートル”! ココの相手は、毒の四獣“インバイトデス”! サニーの相手は、触手の四獣“キングオクトパスコング”! そしてトリコの相手は、獣の四獣“牙王”! 人類の存亡を賭けた戦いが、いよいよ始まる!! 牙王は、その獅子のような姿の通り、凄まじい攻撃力とパワーを持つ四獣であった。鋭い踏み込みからの牙と爪による斬撃は、巨山や大地をも簡単に切り裂いてしまうほど! 加えて、耐久力もピカイチで、食義を極めたトリコの30連釘パンチさえ物ともしない。リンから託された捕獲レベル計測器・メジャートングで、その捕獲レベルを調べてみると、なんと127! これまで戦ってきた強敵を遥かに凌ぐレベルであった。その他の四獣も同様に、レベル150に迫る勢いだ。だが、トリコらの顔に悲壮の表情はなく。それどころか逆に、本気でいかないとな、と不敵の笑みが浮かんでいた…!
グルメ界に眠る四匹の怪物“四獣”が、数百年ぶりに目を覚まし、人間界へと侵攻を開始した。これに対し、IGOは非常事態宣言を発令。加えて、国際連合軍が迎撃に出動する。しかし近代兵器では、四獣に傷ひとつ付けることさえ出来なかった。圧倒的な戦力差に絶望する人類。だがその時、四獣の前にトリコら美食屋四天王が立ち塞がった。対峙する四天王と四獣。ゼブラvs四獣“マウントタートル”! ココvs四獣“インバイトデス”! サニーvs四獣“キングオクトパスコング”! そしてトリコvs四獣“牙王”! 人類の存亡を賭けた戦いが、いよいよ始まった!! 食義を極め、シャボンフルーツでグルメ細胞のレベルアップを遂げて、以前よりも大幅に強くなったトリコたち。だが、そんな四天王であっても、四獣は一筋縄ではいかぬ相手であった。何しろ四獣の捕獲レベルは、いずれも100を優に超えるのだ。トリコの必殺技・36連ツイン釘パンチも、ココのポイズンアーマー&ポイズンソードも、サニーの30万本ヘアパンチも、ゼブラのボイスミサイルも、四獣にはほとんどダメージを与えることが出来なかった。それどころか、今まで本気を出していなかったのか、四獣はますますパワーアップ…! すさまじい反撃がトリコらに襲いかかる! 四獣の激しい攻撃によって、立ちのぼる噴煙…。美食屋四天王でさえも、四獣を止めることは出来ないのか。戦いをテレビ中継で見ていた人々から、悲痛な声が上がる。だが、しかし! 土煙の向こうから現れたトリコらの姿は、全くの無傷であった…! 四天王は四獣の反撃を見事に防いでいたのだ! 今まで本気を出していなかったのは、四獣だけでなく、トリコらも同様だったのである。戦いはこれからだと、ココは、食義によって進化した新たなポイズンアーマーを身にまとう。サニーは髪の毛を100万本にまで増やし、ゼブラは新必殺技・ボイス流星群を放つ! そしてトリコもまた、食義と直観により生まれた新たな必殺技を構えるのだった! 一方その頃。巻き込まれないよう遠方で戦いを見守っていた小松とリンは、パソコンを開いていた。少しでも四天王の助けになれるよう、途中で止めてしまった一龍の伝言の続きを見ようというのだ。もしかしたら四獣打倒のヒントがあるかもしれない。だが、そこで語られた言葉は驚くべき内容であった。なんと四獣は四匹ではなく、一匹の猛獣だという。今戦っている四獣は単なる手足にすぎず、別に本体が存在するというのだ。加えて、その四獣本体を裏で操っている人物がいるらしい。その黒幕こそが真の敵…! そして、そんな一龍の言葉を裏付けるように、人々が避難している人間界中央地帯、その地下深くでは不吉な影がうごめいていた…!
グルメ界に眠る四体の怪物“四獣”が、数百年ぶりに目を覚まし、人間界へと侵攻を開始した。捕獲レベル100を優に超える四獣には、国際連合軍の近代兵器もまるで歯が立たない。圧倒的な戦力差に絶望する人類…。だがその時、それぞれの四獣の前にトリコら美食屋四天王が立ち塞がった。繰り広げられるトリコたちvs四獣、一対一同士の激しいバトル! すさまじい強さを誇る四獣だが、食義と直観を身に付けた四天王だって負けてはいない。一進一退の攻防を経て、戦いはますますヒートアップ! そしてトリコらの新必殺技が、今、炸裂する!! 四獣“牙王”へ、渾身のレッグナイフを放つトリコ。素早い牙王には避けられてしまうが、これを迎え撃つは、新必殺技・キャノンフォーク! 威力に難のあったフライングフォークを幾重にも集約させ、パワーアップさせた進化技だ。そして更に、牙王の後方には避けたはずのナイフが舞い戻って来ていた。先のレッグナイフも、これまでとは別物だったのだ。食義と直観により繊細なコントロールが可能となった追尾型のナイフ…、その名もレッグブーメラン! 新必殺技による前後の同時攻撃で、トリコは見事に牙王を撃破するのだった。そして同様に、他の四天王の戦いも決着がつきつつあった! ココは、形を変化させて無効化できなくさせる新毒・ポイズンウイルスを、四獣“インバイトデス”に撃ち込んでいた。そして光速の毒槍・モウルドスピアで、その巨体を貫いてフィニッシュ! サニーは、四獣“キングオクトパスコング”の動きを完全に封じ込めていた。触覚を敵の体内に侵入させて自由を奪う新技・ヘアマリオネットの効果である。そしてスーパーフライ返しによって威力を増幅させた、スーパーヘアショットで決着! ゼブラは、パンチの威力に音の振動を乗せ、敵を内部から破壊する恐ろしい技・ビートパンチを、四獣“マウントタートル”に食らわせるのだった! 新必殺技で完全勝利を果たした四天王。だが、四獣の様子が何やらおかしい…。と、その時、トリコらの元へ小松から連絡が入った。IGO会長・一龍のメッセージビデオによると、なんと四獣は四匹ではなく、一匹の猛獣なのだという。今戦っている四獣は単なる手足にすぎず、本体が別に存在するというのだ…! 真相を知って驚くトリコたち。そして次の瞬間、そのスキをついて、倒れていた四獣が次々と地中に潜って逃げ出した。奴らの向かう先は人間界の中央地帯…、人々が避難しているフードパーク! トリコらは大急ぎで逃げた四獣を追いかけるのだった。だがその頃、フードパークでは地下から四獣の本体がその恐ろしい姿を現していた…!
数百年ぶりに目を覚ましたグルメ界の怪物・四匹の“四獣”が、人間界へと侵攻を開始した。その四獣へ立ち向かうは、トリコら美食屋四天王!捕獲レベル100を超える四獣を相手に、四天王は見事、新必殺技で完全勝利を収めるのだった。だがその時、驚くべき真実が発覚する。なんと今戦った四獣は端末にすぎず、本体が別に存在するというのだ。そして次の瞬間、倒れていた四獣が地中に潜って逃げ出した。奴らの向かう先は人間界の中央地帯…、人々が避難しているフードパーク!トリコらは大急ぎで逃げた四獣を追いかけるのだった。しかし、そのころ既にフードパークでは、地下から四獣の本体がその恐ろしい姿を現していた! 四獣本体は、高層ビルよりも遥かに大きな巨体で町を破壊し、人々を襲い始めた。再生屋・鉄平がプロテクトツリーで町を守ろうとするも、やはり一人では手が回らない。そこへ、逃げた四獣の端末を追っていた四天王が駆け付けた。だが同時に、四獣本体は端末の四匹を吸収してパワーアップ…!更に、口から緑色の雲を吐き出し、雨を降らせ始めた。その様子にココの表情が強張る。この雨は“グリーンレイン”。濡れれば一時間ともたずに命を落とすという猛毒の雨なのだ。このままでは例え四獣本体を倒せたとしても、トリコらも、逃げ惑う人々も、みんな死んでしまう…! 四獣本体は、高層ビルよりも遥かに大きな巨体で町を破壊し、人々を襲い始めた。再生屋・鉄平がプロテクトツリーで町を守ろうとするも、やはり一人では手が回らない。そこへ、逃げた四獣の端末を追っていた四天王が駆け付けた。だが同時に、四獣本体は端末の四匹を吸収してパワーアップ…!更に、口から緑色の雲を吐き出し、雨を降らせ始めた。その様子にココの表情が強張る。この雨は“グリーンレイン”。濡れれば一時間ともたずに命を落とすという猛毒の雨なのだ。このままでは例え四獣本体を倒せたとしても、トリコらも、逃げ惑う人々も、みんな死んでしまう…! パワー、スピード、戦略…、どれを取っても四獣本体はケタ違い。その捕獲レベルも、これまでの相手を大きく上回る300超! 攻撃を封じられ、反撃を受けたトリコら四天王は、手痛い深手を負ってしまうのだった…。一方、小松は無事にユダの元へと辿り着いていた。しかし、ユダは間に合わないと首を振る。確かに解毒料理を作ることができる。だが、グリーンレインに濡れた者は数億人にものぼるのだ。それだけの人々を助ける量を時間内に用意することは、いくら小松の手伝いがあっても不可能であった。残酷な現実に、悲痛な表情を浮かべる小松。だが、そこに一筋の光明が差し込んだ。美食人間国宝・節乃が、調理の助けに現れたのだ!
IGO会長・一龍からの最後の修行として、フードパークに現れたグルメ界の怪物“四獣”に立ち向かうトリコら美食屋四天王。だが四獣は、四匹の猛獣を吸収して完全体へとパワーアップ! その捕獲レベル300を超える圧倒的な強さに、トリコたちは手痛い深手を負ってしまうのだった。加えて、四獣が吐き出した雲から降る猛毒の雨“グリーンレイン”が、人間界を蝕んでいく。このままでは数億もの人々が、一時間ともたずに命を落としてしまう。人々を救う為、小松は毒を分解する料理を作れる膳王・ユダの元へと向かう。しかし、小松の願いにユダは首を振る。時間内に数億人分もの解毒料理を作るには、どう考えても人手が足りないのだ。 だが、そこに一筋の光明が差し込んだ。美食人間国宝・節乃が、調理の助けに現れたのだ! 更にはロストフォレストの十星料亭・雲隠れ割烹の千流が、そして、かつてトリコらと戦ったグルメカジノの元オーナー・ライブベアラーまでもがやって来た。その他にも、世界料理人ランキングで上位に入る凄腕料理人が続々と…。皆、人類の危機を知って駆けつけて来たのだ! これだけの手練れが揃えば、何とかなるかもしれない。小松らは早速、ユダから解毒料理の作り方を教えて貰うのだった。一方、四獣を相手するトリコらは苦戦を強いられていた。傷つき倒れたトリコらの痛みを、エンドルフィンスモークで和らげるリン。と、そこへ再生屋・鉄平が現れた。 町や人々を再生させた木々で守っていた鉄平は、リンのスモークで雨を弱められないかと考えたのだ。リンは四天王と共に戦いたいと願うが、トリコに諭され、雨のガードと人々への避難勧告に赴くのだった。続けて、鉄平はトリコらに告げる。目的は不明だが、四獣は何者かの手によって再生させられている、と。その黒幕を見つけ出すのも、どうやら一龍の修行に入っているようだ。それが今の体たらくでは、笑われてしまう。トリコらは気合いを入れ直し、四獣を捕獲するべく、再び立ち上がるのだった。そしてその頃、小松ら料理人たちは、ユダが作って見せたグリーンレインの解毒料理“薬膳餅”を前にして悩んでいた…。 やはり圧倒的に人手が足りないのだ。これだけの手練れが揃っても五千万人分が精一杯。被害者全員を助けるには、とても至らない。かといって作り手を増やそうにも、薬膳餅は特殊調理食材だ。簡単な話ではなかった。こうなっては仕方がない。助ける人間を選別しなければ…。だが、その判断に小松は反対する。今からでも一般の料理人が作れる調理法を発見すればいい、と。そして、10分でいいから時間が欲しい。必ず簡易調理法を探し出してみせる、とも。その瞳に込められた決意を見て取った料理人一同は、頼みを聞き入れ、小松に10分の猶予を与えるのだった。
フードパークに現れたグルメ界の怪物“四獣”と戦うトリコら美食屋四天王。しかし、四匹の猛獣を吸収して完全体となった四獣の強さは圧倒的であった。苦戦するトリコたち…。加えて、四獣が降らせる猛毒の雨“グリーンレイン”が、人間界を蝕んでいく。このままでは数億もの人が、一時間ともたずに命を落としてしまう。毒に侵された人々を救うため、グルメタワーに集い、解毒料理“薬膳餅”を作る小松や節乃ら一流料理人たち。だが、薬膳餅は特殊調理食材。全ての被害者を助ける量を時間内に調理する事は不可能だった。やむなく助ける人を選別しようとするIGOに対し、小松は時間をくれと頼む。今から薬膳餅の簡易調理法を見つけようというのだ。 小松のその決意が本物である事を知り、10分だけ時間を与える節乃ら料理人たち。小松は感謝すると共にさっそく調理室へと入り、新たな調理法の模索に入るのだった。簡略化の要として小松が目をつけたのは、特殊調理食材“色米”の取り扱い方であった。薬膳餅を作るには、様々な色の色米をバランス良く混ぜて、絶妙な紫色を出さねばならない。だが色米は一粒一粒に微妙な色ムラがあり、しかも温度と湿度ですぐに変色してしまう。故に、配合や蒸す時間・餅をつく回数などを毎回変えなければならず、調理が難しくなってしまうのだ。しかし、もしこれらを全て均一化する事ができれば…。試行錯誤する中、約束の10分が刻一刻と迫る…! そして、節乃たちが固唾をのんで見守る中、とうとう迎えるタイムリミット…。だがその瞬間、遂に小松の簡易調理法が完成した! 色米は、特定濃度の塩水に浸す事で、変色の抑制が可能だったのだ。いわゆる色止め…、基本的な調理技術である。しかもこの塩水は、同時に色米の微妙な色ムラを見分けるためにも利用できた。つまり、塩水に対する浮き沈みの加減で色米を選別するのである。あとは目当ての色の米で餅を作るだけ。色止めされているので、つく回数なども気にする必要はない。結果、調理にかかった時間はわずか3分。小松は見事、特殊調理食材をインスタントラーメン並のお手軽料理へ変える事に成功したのだ! しかも実は小松は、最初の5分でこの調理法を発見していた。残りの5分では、なんと味の向上を追求していたという。その凄まじい才能には、節乃らも驚くより他なかった。ともあれ、世界中の料理人と卸売商を総動員して、薬膳餅の調理開始! このぶんなら、毒料理の専門家・タイランが毒を遅効させるマッサージを人々に広めてくれていた事も手伝って、被害者全員に行き渡るだろう。あとは四天王が四獣を倒してくれる事を信じるのみ。…だがその頃、願いとは裏腹に、トリコらは完膚無きまでに叩きのめされていた。なんと四獣は吸収した猛獣から、四天王の能力を学んでいたのだ。一切の攻撃が通じず、とうとう力尽き、倒れてしまうトリコたち…!
フードパークに現れたグルメ界の怪物“四獣”が発生させた猛毒の雨“グリーンレイン”。このままでは数億もの人が、一時間ともたずに命を落としてしまう。毒に侵された人々を救うため、解毒料理“薬膳餅”を作る小松や節乃ら一流料理人たち。だが、薬膳餅は特殊調理食材。全ての被害者を助ける量を時間内に用意する事は不可能だった。しかし小松はそれでも諦めず、見事10分で簡易調理法を発見することに成功。世界中の一般料理人の協力を得て、薬膳餅の量産を開始するのだった。あとはトリコら四天王が四獣を倒してくれる事を信じるのみ。…ところが、願いとは裏腹に、四獣を相手する四天王は絶体絶命の窮地へと追い込まれていた…! なんと四獣は元来の圧倒的な強さに加えて、四天王の能力まで学習していたのだ。攻撃は全て受け流され、ダメージを与えることもままならない。おまけに雨の毒まで体内に回ってきている。深手を負い、とうとう力尽き倒れてしまうトリコたち。もはやこれまでか…。諦めかけたその時、不意にトリコの腹が鳴った。リンから伝えられた一龍のメッセージ、その最後に添えられていた言葉を思い出したのだ。それは、四獣の味についての言及だった。四獣は攻撃を受けると、体内でダメージを流動させ体外へと排出する。その際に四獣の肉にアミノ酸が生まれ、旨味成分が増幅されるらしい。つまり、攻撃すればするほど、四獣の肉は円熟し美味しくなるのだ。 既に四天王は、四獣にかなりの猛攻を加えている。これはもう、すごいウマさになっているはず…。四獣の味を想像して、トリコに続き、皆の腹も鳴り始めた。どんな窮地であっても腹は正直。修業時代からそうだった。トリコたちを奮い立たせるのは、いつだって味への好奇心なのだ!四獣を食べたい一心で、再び立ち上がる四天王。攻撃が受け流されるというのなら、四獣が流動できないほどの大ダメージを一気に与えてやればいい。そして、それだけの大技をトリコたちは一つだけ持っていた。それは、四天王全員が協力して放つ合体技!四人の食欲と精神を高いレベルで一致させ、グルメ細胞からエネルギーを取り出して放つ奥義である! 合体技は、あらゆる食材をなぎ倒す威力を持っているという。だが準備に時間がかかり、しかも今まで一度も成功した試しがないというリスクもある。とは言え、やるしかない…!と、その時、トリコらのパートナーであるテリー、クイン、キッスが四獣に猛攻を仕掛け始めた。時間を稼いでくれるというのだ。パートナーに感謝しつつ、互いに手を重ね合わせ、精神を高め始めるトリコたち。やがて「食べたい」という気持ちが一つになって…、四人の中心に強烈な光が生み出された。これぞ奥義の輝き。絶対にして唯一無二、最強の食欲エネルギー! さぁ、トリコたちの食欲と四獣、どちらが上か。いざ勝負!!
フードパークに現れたグルメ界の怪物“四獣”と戦うトリコら美食屋四天王。しかし、四獣は元来の圧倒的な強さに加えて、四天王の能力まで学習していた。攻撃は全て無効化され、ダメージを与えることもままならない。おまけに、四獣が発生させた猛毒の雨“グリーンレイン”の毒まで回ってきている。死闘の果て、とうとう窮地へと追い込まれてしまうトリコたち…!もう四獣を倒す方法は一つしか残されていない。それは、四天王全員が協力して放つ合体技だ。だがこれは修業時代から一度も成功した試しがなく、更に、準備に時間がかかるというリスクまでついてくる。とは言え、やるしかない…! パートナーであるテリーらが時間を稼いでくれている間に、精神を高め始めるトリコたち。やがて、四人の食欲が一つになって、グルメ細胞から放出されたエネルギーが光り輝く球形を成した。これぞ奥義“王食晩餐(おうしょくばんさん)”! そして、放たれた光球・王食晩餐は四獣へと襲いかかり…、なんとその巨体を食らい始めた!四獣を食べるたび、どんどんと大きくなっていく王食晩餐。それもそのはず、王食晩餐とは絶対にして唯一無二、最強の食欲エネルギーそのものなのだ。込められた食欲のままに敵を食い、大きく成長していく。その攻撃は、狙った食材をたいらげるまで決して終わることはない! そして遂に、王食晩餐が四獣を全て食らい尽くした。トリコは、四天王は、人類は、四獣との戦いに勝利したのだ! さっそく、涙ながらにトリコらの元へと駆け付けてくる小松。その手に解毒料理・薬膳餅を携えて…。だが、勝利に喜んでばかりもいられない。いったい何万人が、四獣に飲み込まれ犠牲となってしまっただろうか。と、その時である。トリコらは王食晩餐のすぐ横に、奇妙な球体が浮かんでいる事に気がついた。王食晩餐は獲物を完全に食い尽くす技である。それが食べ残すものがあるとすれば…。やがて球体が割れ、中から現れたのは、四獣に飲み込まれた人々であった!みんな、四獣の体内で生きていたのだ! 続いて王食晩餐のエネルギーも消え、今度は巨山の如きテンコ盛りの四獣の肉が現れた! この極上肉を、さっそく全人類でいただきます!小松や節乃ら料理人によって調理された肉が、世界中へ振る舞われていく。人類の危機から一転、みんなで最高の食事であった。…と、その一方で…。再生屋・鉄平が怪しげな人物の追跡に成功していた。今回、人間界に現れた四獣は、何者かによって再生させられたものだった。つまり、この人類の危機を裏で操っていた人物がいるのだ。今、鉄平の目の前にいる者が、その黒幕だろうか…!? いったい何者なのか。思わず問いかける鉄平。だが、返ってきたのは強烈な殺気、身も凍る絶対の死のイメージであった…!
グルメ界から侵攻してきた伝説の怪物“四獣”を、ついに撃破したトリコたち美食屋四天王! 存亡を賭けた戦いに勝利した人類は、その喜びでお祭り騒ぎ。だがその影で、怪しげな人物を追っていた再生屋・鉄平に危機が迫っていた。今回、人間界に現れた四獣は、何者かによって再生させられたものだった。つまり、この人類の危機を裏で操っていた人物がいるのだ。今、鉄平の目の前にいる者が、その黒幕だろうか?いったい何者なのか。謎の人物と対峙し、思わず問いかける鉄平。だが、返ってきたのは強烈な殺気、身も凍る絶対の死のイメージであった…! 次の瞬間、鉄平は絶叫と共に眠りから目覚めた。黒幕とおぼしき人物から攻撃を受け、意識を失っていたのだ。看病してくれていた再生屋・プキンが言うには、三日間眠り続けていたらしい。鉄平は礼を述べると共に、彼女の師の行方を尋ねた。四獣級の猛獣を再生できる人物は、ごく限られている。例えばプキンの師匠、世界最高峰の再生屋・モーヤンシャイシャイ…!だがプキンによると、師は数日前から行方不明らしい。黒幕の正体がモーヤンシャイシャイだとは言わないが、何かを知っている可能性は高いだろう。一刻も早く見つけなければ…。と、その時、ふとプキンが気がついた。鉄平の顔の傷が増えているような気がする、と…。 さて一方、トリコは再び日常の生活へと戻っていた。四獣を倒した事で、一龍から示された七つの修行食材、その全ての捕獲がついに完了した。次はいよいよグルメ界への挑戦だ。以前に挑んだときは返り討ちにあってしまったが、今度は通用するはず…!意気込むトリコであったが、そこへIGOのエージェントがやって来た。トリコら美食屋四天王に、クッキングフェスで使う食材の調達を依頼したいというのだ。クッキングフェスとは、四年に一度開催される食の祭典である。観戦者は10億人以上、生中継の視聴率は95パーセントを超えるとも言われ、その経済効果は計り知れない。このグルメ時代、誰もが熱狂するスーパーイベントなのだ。 ところが、先の四獣侵攻のせいでIGOのビオトープに重大な被害が出ており、フェスで使用する希少な食材の調達が難しくなっているという。加えて、各地の生態系も崩れてしまっているらしい。そこでトリコにお鉢が回ってきたというわけだ。もちろんトリコは快諾!さっそくホテルグルメへ向かい、小松を誘うのだった。するとそこへG7…、IGO主要加盟国より選出された味覚マスターが現れた。その用件は、なんと小松が世界料理人ランキング88位にランクインした事を告げるものだった。しかも、今年のクッキングフェスの出場権を得たというのだ!
グルメ界から侵攻してきた伝説の怪物“四獣”を撃破し、再び日常の生活へと戻ったトリコ。と、そこへ新たな依頼が舞い込んできた。それは、四年に一度の食の祭典“クッキングフェス”で使う食材の調達。四獣から受けた被害のせいで、希少な食材を入手する事が難しくなっているのだ。トリコが頼まれた食材は、グルメ界から来た植物獣類の捕獲であった。先の四獣侵攻の際、四獣の体に付着していた種が人間界で芽吹いたらしい。その依頼をもちろんトリコは快諾、小松と共にさっそく出発するのだった。目的地は、トリコと小松が初めて一緒に食材を捕獲した、懐かしのバロン諸島! しかし道中、小松は何やら浮かない様子。実は小松は、薬膳餅の調理を簡略化した功績でクッキングフェスへの出場権を得ており、それに対して不安を覚えているのだ。そんな小松をトリコは明るく励ます。むしろ心配はトリコの方にあった。「祭りで会おう」。以前、食林寺での騒動で、美食會のスタージュンが残していった言葉だ。祭り…、つまりフェスには美食會もやって来るということだ。果たして今のトリコでスタージュンに勝つ事ができるかどうか…。懸念を抱くトリコ。と、そこへ懐かしい顔ぶれが現れた。グルメ騎士の愛丸と滝丸である。植物獣類からの自然保護を兼ねて、トリコを手伝うためにやって来たのだ。 旧友と協力しての捕獲を断る理由はない。トリコと小松は、愛丸らと共にバロン諸島を進んで行くのであった。そして一方その頃、他の四天王たちも、クッキングフェスでの食材捕獲に向けて動いていた。ココがやって来たのはジダル王国のグルメカジノ。希少な食材を賭けて、カジノを取り仕切るグルメマフィア・マッチとダイス勝負をすることに。サニーは、モルス油を求めてデスフォールへ。そこで油料理の第一人者・わぶとらと出会う。ところが何やら一触即発の雰囲気…!? そしてゼブラは依頼を断り、四獣によって破壊されたグルメピラミッドにやって来ていた。だが、そこへ怪しい人影が現れ…。 さて、バロン諸島を行くトリコら一行の前に、やがてグルメ界の植物獣類・モンスタープラント、通称“モンプラン”が現れた! 地中から次々と生えてくる芽が、トリコらに襲いかかる。応戦するトリコらであったが、どんなに芽を倒してもキリが見えない。本体を叩かなければ、ダメージを与えられないのだ。そこでトリコは、地面へ向けて50連釘パンチ! その衝撃は、モンプランの本体を引きずり出すのに充分であった。だが、怒り狂ったモンプランの攻撃は苛烈の一言。飛ばしてくる針は、食義と直観で強化されたフォークシールドも容易く貫くほど。しかし、トリコの顔には歓迎の笑みが浮かんでいた…!
トリコら美食屋四天王の元へ舞い込んできた新たな依頼。それは、四年に一度の食の祭典“クッキングフェス”で使う食材の調達!トリコが頼まれた食材は、グルメ界から紛れ込んで来た植物獣類・モンプランであった。目的地は、トリコと小松が初めて一緒に食材を捕獲した、懐かしのバロン諸島だ。さっそく小松と共に島へとやって来たトリコは、そこで友人であるグルメ騎士の愛丸、滝丸と再会する。二人は外来種であるモンプランからの自然保護を兼ねて、トリコを手伝うためにやって来たのだ。そして、やがて島を進む一行の前にモンプランが現れた! 襲い来るモンプランの猛攻撃をしのぎつつ、レッグナイフの進化技・レッグブーメランを叩き込むトリコ。必殺の一撃がクリーンヒットし、猛獣を撃破…と思いきや、倒れたモンプランの中から本体が現れ出でた。レッグブーメランが破壊したのは、モンプランの外殻だけだったのだ。ならば今度こそは、とトリコが繰り出すは50連釘パンチ! ところがなんとモンプラン本体は、釘パンチの衝撃が全て伝わる前に、驚異的な再生力でダメージを回復してしまった…! だが、トリコに狼狽はなかった。全てはここから…、このバロン諸島から小松との旅は始まった。楽しい事も辛い事も、全てがトリコたちの血肉となった。その成長の証を、今、ここに! より強く、より速く。連撃のダメージを収束させ、釘打ち機のように一瞬で打ち込む新たなる釘パンチの形…。その名も“ネイルガン”! トリコが生み出した新必殺技は、再生の暇を与えることなく、見事にモンプランを撃破するのだった。そして一方、他の四天王も同様に、食材の入手に成功していた。デスフォールへ向かったサニーは、油料理人・わぶとらと和解しモルス油をゲット。グルメカジノへ赴いたココは、事情を知ったグルメマフィア・マッチから食材を提供して貰うことに。ゼブラは依頼を断っていたが、独自にグルメピラミッドへ入り、メロウコーラを生み出すサラマンダースフィンクスを保護していた。 かくして、見事にフェスの開催に必要なだけの食材を揃えてみせたトリコら四天王。それは、単に依頼だったからというわけではない。皆、フェスへ出場する事になった小松への期待があるのだ。だが当の本人である小松はずっと、自分がフェスへ出場するに値する料理人なのかと不安を抱えていた。しかし、トリコが証明してくれた成長を目の当たりにし、自身もまた精一杯頑張る事を誓うのだった。クッキングフェスへ出場する事は、修業時代からの小松の夢だったのだから…。そして、いよいよ迎えるフェスの開催当日。世界中の名だたる料理人たちが、続々と会場に集いつつあった…!
珍しくタキシードに身を包み、リムジンに乗りこんでいるトリコと小松。シートで食事を堪能しているトリコとは対照的に、小松はガチガチに緊張した面持ちであった。小松の様子も無理はない。今日はいよいよ迎えたクッキングフェスティバルの開催日なのだから。二人は今、その会場へと向かっているのだ! …クッキングフェスティバル…、それは料理人の聖地・クッキングアイランドで、四年に一度開催される食の祭典である。そこで料理人たちが互いの技を競い合い、誰が世界一なのかを決めるのだ。出場できるのは世界料理人ランキングの上位100名のみ…! もちろん、現在ランキング88位の小松も、今日この世界最大の祭りへと参戦する。クッキングフェスへ出場する事は、修業時代からの小松の夢だったのだから…。さて、やがて会場へ到着するや否や、来場した観客によってトリコが取り囲まれてしまった。そばから、口々にトリコを讃える人々。もともと美食屋として高名なトリコであったが、四獣を倒し人間界を救った事で、一段と人気を博したのである。そこへ更に、サニー、ココ、ゼブラもやって来て、来場者は大盛り上がり! 加えて、人々は小松に向けても歓声を上げた。薬膳餅の簡易調理法を発見し、大勢の命を救った小松もまた、今やいっぱしの有名人なのだ。 そうこうしながら、小松と別れたトリコらがメイン会場となるクッキングスタジアムにやって来てみると、そこは既に10億人以上の観戦客で超満員。一般の人々以外にも、客席には大勢の美食屋・再生屋が集まっていた。研ぎ師・二代目メルク、グルメ騎士の愛丸ら、グルメDJ・ぽんこち、グルメ建築家・スマイルなどなど…。更には世界各国の王や重鎮まで、皆、最高の料理人誕生の瞬間を見逃すまいとやって来たのである。さすが、生中継の視聴率95パーセント超、経済効果5000兆円を誇るスーパーイベント! そして遂に時が満ち、世界ランカーの料理人たちがステージに登場だ! 世界料理人ランキング堂々の1位、クッキングフェス優勝回数14回の調理王ザウス!ランキング2位、優勝28回、美食人間国宝・節乃! ランク5位、優勝2回、薬膳の重鎮・ユダ! 14位、油使い・わぶとら! 17位、元グルメカジノオーナー・ライブベアラー! etc...、続々と入場してくる料理人たち。そして最後に現れたのはランキング88位、我らが小松! 大歓声のもと、ずらり並んだ一流の凄腕料理人たち。この中から激闘を勝ち抜き、世界に未だ五人しかいない“スーパーコック”の称号を勝ち取るのは誰だ!? 第50回クッキングフェスティバル、いよいよ開幕!
小松も参戦する事になった四年に一度の食の祭典・クッキングフェスティバル、ついに開幕! この祭りで、料理人たちは互いの技を競い合い、誰が世界一なのかを決めるのだ。出場できるのは世界料理人ランキングの上位100名のみ。右を見ても左を見ても、ずらり並ぶは超一流の料理人ばかり。長年の夢であった大舞台に立って、小松は極度の緊張状態となっていた。と、そんな小松を、開会式が終わるや否や、出場料理人たちが取り囲んだ。小松が発見したモルス油を絶賛する者、薬膳餅の簡易調理法に感激する者…。自分自身では気付いていないが、小松もまた、今や立派な一流料理人の一人なのだ。 そんな若き料理人たちの交流を、優勝候補の筆頭である美食人間国宝・節乃と調理王・ザウスらベテラン勢が、穏やかに眺めていた。だが、その内に秘めたる闘志は若者に勝るとも劣らない。客が食べる事を引退しないように、料理人にもまた引退はないのだから…。そうこうするうち、プログラムはさっそく予選第一回戦へ。種目は、食の耐久レース“トライアスロンクッキング”! 食材の置かれているポイントまでスイム(水泳)で向かい、入手した食材をバイク(自転車)で運ぶ。最後にラン(走)で調理器具を手に入れ、ゴールで調理をするという競技である。 一見、料理のテクニックとは全く関係が無いように思われるが、そうではない。このハードなグルメ時代、料理人もある程度の体力を備えていなければならないのだ。とは言え、あくまでメインは料理。競うのは着順ではなく味である。もちろん、タイムが速いほど良い食材を使えるので有利ではあるが、遅い者も料理の技術で挽回しさえすればよい。最終的に、ここで美味しい料理を作った上位50名が予選通過となるのだ。そして、いよいよレーススタート! 合図と共に、一斉に海へと入る料理人たち。そんな中、やはり小松が大幅に遅れてしまう。実は、小松は水泳がとても苦手なのだ…。 ところが次の瞬間、急に体が楽に浮くようになった。なんとゼブラが客席から、声でライフジャケットを作って飛ばしてくれたのだ。これで速く進める…と思いきや、小松はジャケットを外して欲しいとゼブラに頼む。このフェスは、超一流の料理人たちと真剣勝負できる貴重な場。小松はこの機会を、自分の力だけで戦い抜きたいと思ったのだ。やがて、希望通り消えてしまうジャケット。そして小松は、遅々としながらも正々堂々、独力で水泳を再開するのだった。…かくして、いよいよ始まったクッキングフェス。と、その様子を遠くから見つめる謎の人影があった。天狗の様な形相をしたこの男の正体とは、いったい…?
四年に一度の食の祭典・クッキングフェスティバル、ついに開幕! 小松も参戦するこの祭りで、一流料理人たちは互いの技を競い合い、誰が世界一なのかを決めるのだ。さっそく始まった予選の競技は、食の耐久レース“トライアスロンクッキング”! 食材の置かれているポイントまでスイム(水泳)で向かい、入手した食材をバイク(自転車)で運ぶ。最後にラン(走)で調理器具を手に入れ、ゴールで調理をするという競技である。そして、このレースで美味しい料理を作った上位50名が予選通過となるのだ。スタートの合図と共に、一斉に海へと入る料理人たち。そんな中、やはり小松が大幅に遅れてしまう。実は、小松は水泳がとても苦手なのだ! トップ集団の料理人たちはものの数分で海を泳ぎきり、食材選びに移っていく。良い食材は先着順だが、あまり欲張りすぎると運びづらくもなる。食材選びはレースを左右する重要な鍵となっているのだ。続々とスイムを終えて、出前用自転車に食材を乗せて運んでいく料理人たち。対し、小松の泳ぎは遅々として進まず、引き離されるばかりであった。一方、メイン会場となるクッキングスタジアムでは、突如として一人の料理人が現れていた。なんとこの大舞台で寝坊してしまったらしい彼の者こそ、毎回ランキング上位にいながら一度しかフェスに出た事がない問題児。しかし、その一度でダントツの優勝を果たした伝説の料理人・天狗のブランチ! ブランチの登場に沸き立つ客席。そんな観客たちをブランチは大声で威嚇する。その一喝に反応したのはゼブラだった。ゼブラはブランチにすごみ、ブランチもゼブラに詰め寄っていく。一触即発の雰囲気となる両者…。だが、ゼブラが料理人としての引き合いに小松を出した事で、その流れが変わった。ケンカの向きがトリコvsゼブラとなったのだ。自分を差し置いてケンカするトリコらに怒るブランチ。と同時に、四天王がここまで執着する小松に興味を持ち、コテンパンにしてやろうと企む。小松の腕前がいったいどれ程のものか確かめてやる! ブランチはスタジアムから猛スピードで飛び出し、予選会場であるライスビーチへと向かうのだった。 さてその頃、小松は最下位でスイムを終え、ようやく食材選びへと入ろうとしていた。と、そこに早くも追いつくブランチ! さっそく小松を値踏みし、そしてその冴えない様子に落胆する。こんな地味な男とは勝負にならない…。だが、その評価はすぐに一変した。小松が選び始めてから、食材が急に喜びだした事に気付いたのだ。ブランチの顔に、興味を惹かれたような笑みが浮かぶ。そして、残った食材がもったいないと悩む小松に、全部持って行けばいいと提案。アッと言う間に全ての食材を二人分の風呂敷に包み込み、最初のケンカ腰はどこへやら、小松と共に笑いながら自転車を漕ぎ始めるのだった。
四年に一度の食の祭典・クッキングフェスティバルが遂に始まった。予選の競技は、食の耐久レース“トライアスロンクッキング”! 食材の置かれているポイントまでスイム(水泳)で向かい、入手した食材をバイク(自転車)で運ぶ。最後にラン(走)で調理器具を手に入れ、ゴールで調理をするという競技である。そして、このレースで美味しい料理を作った上位50名が予選通過となるのだ。しかしスタート早々、体力勝負が苦手な小松は大苦戦を強いられてしまう。そんな中、伝説の料理人・天狗のブランチが遅ればせながらレースに参戦。最下位の小松は何とか水泳を終え食材選びに入るものの、あっと言う間にブランチに追いつかれてしまうのだった。 凡庸とした小松を、会うなりあなどるブランチ。だが食材の声を聞く小松の姿を見て一転、ブランチは小松を気に入ってしまった。粗暴に見えても、やはり食材を愛する料理人。食材と真摯に向き合う小松に共感するのは当然のことなのだ。かくして、意気投合した小松とブランチは残っていた食材を全て積み込み、共に自転車を漕ぎ始める。続くバイクコースは猛獣たちがひしめく荒野!料理人たちは襲い来る猛獣を時には避けて、時には倒して進んで行かねばならない。激しいデッドヒートが繰り広げられる中を、ブランチは小松を引きずりながら猛スピードで走り抜けていく! 並み居る料理人をごぼう抜き、ガンガン順位を上げていくブランチと小松。しかもブランチは速いだけではない。橋を壊して後続を断つなど、卑劣きわまりない手段まで使うのだからタチが悪かった。正々堂々と勝負しなければダメだ、とブランチをたしなめる小松。だがブランチは、次から正々堂々と妨害してやると笑う有様であった。一方、先頭を走る節乃・ザウス・膳王ら三人の優勝候補はバイクを終え、最後のランに突入していた。途中、給具所に置かれた自分の調理器具を電光石火のスピードで手に入れ、コースを駆け抜けていく。そして早くもゴールであるスタジアムが見えてきた!一位となるのは節乃か、ザウスか、膳王か!? だがしかし、果たして誰が予想したであろうか、ゴールテープを切ったのは後方から猛烈な勢いで差し込んできたブランチ & 彼に引きずられた小松であった! その見事な逆転劇には、客席も大興奮。とは言え、トライアスロンクッキングの本番はここからだ。どんなにレースが速くても、美味しい料理を作れなければ意味がないのだから。調理のトップバッターは、ブランチと共に一位通過を果たした小松!体力面では圧倒的不利にあった小松も、調理技術では他の料理人に決して引けを取らないはず。本領発揮はここからだ! 愛用のメルク包丁で、いざ調理開始…と思いきや、なんと小松が取り出したのは普通の包丁だった。いったい何故…!?
クッキングフェスの第一回戦…、食の耐久レース“トライアスロンクッキング”もいよいよ大詰め! あとはレースで手に入れた食材を使った料理審査を残すのみとなった。調理のトップバッターは、ブランチに引きずられレースを一位通過した小松! 愛用のメルク包丁で、いざ調理開始…と思いきや、なんと小松が取り出したのは普通の包丁だった。聞けば、トラブルではなくワザとだという。一位でゴールできたのも、制限時間内に給具所へ入れたのも、ブランチのお陰。小松だけの力ではメルク包丁を持ち帰れなかったはず。だから…。例え不利となっても正々堂々とした勝負を望む小松に、みんな呆れるばかり。しかし、実に小松らしい選択でもあった。 そんな小松が作り上げた料理は、カタカニの甲羅を器に見立てた具沢山のチャーハン! 様々な食材が織りなす味のハーモニーには、審査員らも大満足。包丁の不利をものともせず、見事に小松は一回戦を突破してみせるのだった。そして続く二回戦の種目は“天秤デスクッキング”! 火にかけられた巨大な天秤の皿に乗って、一対一で調理スピードを競うというものだ。相手より早く調理すれば、使用した食材のぶん軽くなって皿は上へ。逆に遅ければ下へと天秤が傾き、炎に焼かれてしまうという仕組みである。なんともデンジャラスなこの競技、小松の対戦相手は油使いのわぶとらだ! 試合開始早々、圧倒的なスピードで調理を進めていくわぶとらに、小松の天秤皿は下がっていくばかり。だが灼熱地獄のピンチにあっても、小松の顔に焦りはなかった。落ち着いて巨大ハンバーグを作っていく小松。とは言え、ハンバーグは火を通すのに時間がかかる料理だ。スピード勝負ではどうしても不利になってしまう…。しかし周囲の予想に反して、巨大ハンバーグはすぐに焼き上がった。そう、天秤皿が炎に近づいたことで火力が上がり、短時間での調理が可能となったのである。小松は全て計算していたのだ。結果、両者、食材を同時に使い切って引き分け。勝負はどちらの料理がより早く客に食べて貰えるかのサドンデスへと突入するのだった。 そして、決着はすぐについた。ハンバーグが圧倒的大人気だったのだ。それもそのはず、小松の料理には今まで培ってきた全てが詰まっていたのだから。炎で焼かれようと、ゼブラと共に攻略したサンドガーデンに比べれば大した事はない。また、どんなピンチでも諦めず冷静に考える事を、グルメカジノでのココの戦いから学んだ。調理に使った油は、サニーと見つけたモルス油。お陰で、濃厚ながら食べやすい味となった。そしてハンバーグの巨大さは、皆で食べるため。仲良く分け合えば美味しさも増す。全てトリコと共に旅をして、共に成長してきた証だ。その料理が負けるはずがない。かくして小松は無事に勝利を収め、三回戦へ進出を決めるのだった!
四年に一度の食の祭典・クッキングフェスティバルも二回戦まで終了。続く第三回戦の種目は“一島丸ごとクッキング”! その名の通り、豊かな海に点在する様々な島から一つを選び、そこにある食材を丸ごと全て捕獲・調理するというものだ。そしてこの競技は料理人の独力ではなく、会場からパートナーを選んで行われる。つまり、島選びにパートナー選びと、料理人の食運が試されるというわけだ。小松が選んだパートナーは、もちろんトリコ! そして選んだ島は、グルメ食材がわんさか取れるグルメ島だ。捕獲もしやすく、色んな意味でオイシイ島のはずだが…、トリコら以外には誰もグルメ島を目指そうとはしなかった。いったい何故…? トリコらが困惑する一方、他の料理人たちも続々と本日限りのドリームコンビを結成し、島の捕獲を開始していた。美食人間国宝・節乃は、助手のノノを連れ乙女島へ。毒食材で溢れる毒々島へ向かったのは、毒料理人タイランと四天王ココの毒コンビだ。薬膳島には、膳王ユダと四天王サニーが。そして大陸並の巨大島・ギガン島には、ブランチと四天王ゼブラが上陸していた。皆、各々の方法で鮮やかに島を丸ごと捕獲・調理していく。だがそんな中、ただ一組、小松・トリコのコンビだけが捕獲を終えられないでいた。なんとグルメ島は栄養が豊富すぎて、食材を捕獲してもすぐに再生してしまうのだ! ひとつひとつの食材の捕獲は容易だが、丸ごととなっては困難を極める…。これが、誰もグルメ島を選ばなかった理由だったのだ。これではいつまで経ってもキリがない。いったいどうすれば…。攻略法がわからないまま、とうとう諦めかけてしまう小松。と、その時、ふと島の周囲に広がる美しい海が目に入った。そしてハッと気がつく二人。島の栄養は川を通じ、海へと流れ出る。つまり海には島の全てが詰まっているとも言えるのだ。そして海には、その滋養をたらふく摂って成長する食材がある。それは牡蠣! 牡蠣を食べるという事は、島を丸ごと食べると言っても過言ではないのだ。牡蠣を捕獲するべく、二人はさっそく海へと向かう! と、その時、モアイ像のような凹凸を持った超巨大な牡蠣が海面に浮かび上がった。この牡蠣こそ、その余りの大きさから“海中の島”とも呼ばれる、通称・オイースター島。これを逃す手はない。トリコは10連釘パンチでオイースター島をアッと言う間にノックアウト。小松も無事に調理を間に合わせる事に成功する。そしてもちろん、グルメ島の栄養を取り込んだオイースター島の味は、文句なし。二島捕獲に匹敵する美味しさで、小松は見事に三回戦を突破! 決勝トーナメントにコマを進めるのであった。かくして、ますますの盛り上がりを見せるクッキングフェス。だが…、その裏に刻一刻、美食會の不穏な影が迫りつつあった…!
四年に一度の食の祭典・クッキングフェスティバルも、三回にわたる予選が終了。小松はそれを見事に勝ち抜き、決勝トーナメントへとコマを進めるのであった。白熱の料理バトルに、会場は盛り上がるばかり。しかしその一方で、スタジアムの影に美食會の魔の手が迫りつつあった…。もちろん、対するIGOも警戒を怠ってはいない。クッキングアイランドの周囲に捕獲レベル90の哺乳獣類・ジェラフバードをズラリと配置し、厳戒態勢を以て美食會を迎え撃つ! ジェラフバードは、警戒心と嗅覚に優れた数種類の草食獣と、強力な戦闘能力を誇る肉食獣との混合クローン獣である。この猛獣が吠えるとき…、それが美食會との戦いの合図となるのだ。 さて、そんな緊迫した事態が迫りつつあることなど露知らず、小松は決勝トーナメントに備え、ロビーで休息を取っていた。と、そこに一人の男が声をかけてきた。その顔の懐かしさに、思わず涙ぐんでしまう小松。男の名は仲梅。仲梅は、小松の修行時代の仲間の一人なのだ。小松の活躍を我が事のように喜んでくれる仲梅。だが、旧交を温める時間は長くは用意されていなかった。程なくして仲梅の元に、世界的大企業・グルメツーリストから迎えがやってきたのだ。途端、笑顔から一転、表情を強張らせる仲梅。何か複雑な事情があるのだろうか? 足早に去っていく仲梅を、小松は不安げに見送ることしかできなかった…。 そうこうする間にインターバルも終わり、いよいよ始まる決勝トーナメント。その種目は“闇料理対決”! 何も見えない暗闇の中で、嗅覚と直感、そして経験を頼りに調理するという競技である。そして注目の第一試合の対戦カードは、小松vsザウス! 調理王の異名を持つザウスは、なんと世界料理人ランキング堂々の1位、フェスでは過去14回もの優勝経験を持つ超一流の料理人だ。圧倒的すぎるほど格上の相手だが、ここまで来たら全力を尽くすのみ。覚悟を決めて、用意された施設へと入っていく小松。施設の中は本当に真っ暗闇で、どこに調理場があるかさえわからない有様であった。手探りで進む闇の中、小松の手に触れたモノは…。 そして同時刻。配備されていたジェラフバードが、吠える間もなく突如として倒されてしまった。美食會のGTロボが、新機能の擬態を使って、いつの間にか接近していたのだ! そうして警備を切り崩すや否や、海から空から、押し寄せてくる美食會の大軍団! もちろんIGOも負けてはいない。先手は取られたものの、ジェラフバードを肉食モードに変えて応戦開始。戦いの火ぶたは、ついに切って落とされたのだ! そしてそれはもう、スタジアムの中でさえ例外ではなかった。小松が暗闇の中で触れたモノ…、それは美食會の副料理長・スタージュンであった! 小松を守るため、トリコが怒りの形相で立ち上がる!!
食の祭典・クッキングフェスティバルも、三回にわたる予選が終了し、闘いの舞台はいよいよ決勝トーナメントへ。決勝第一回戦は、小松vs調理王ザウスの闇料理対決だ。…だがその時、突如として現れた美食會の大軍勢が、クッキングアイランドに襲いかかった! グルメ界への侵攻を目論む美食會は、フェスに集まった一流料理人たちを残らず連れ去るつもりなのだ。もちろんIGOはこれに応戦するも、美食會の途切れぬ猛攻に戦火はやがてスタジアムまで及んでいく。そしてその魔の手は、遂に小松にも…! 闇料理対決のステージに、美食會の副料理長・スタージュンが姿を現したのだ。小松を守るため、トリコが、四天王が立ち上がる! 現れたスタージュンに、為す術もなく捕まってしまう小松。だが次の瞬間、小松を掴んだスタージュンの手に猛毒が流れ込んだ。ココとゼブラが、合体技・ポイズンサウンドアーマーを飛ばして守ってくれたのだ。間一髪、これで一安心…と思いきや、スタージュンは炎を操りアッという間に毒を除去してしまった。しかし四天王だって負けてはいない。間髪入れず、サニーのヘアロックがスタージュンの動きを封じこめる! ところがコレも炎の必殺技・キャンプファイヤーで焼き切られてしまった。邪魔を排し、改めて小松を捕らえようとするスタージュン。小松は恐怖に足がすくんで動けず、絶体絶命のピンチ! だがそこへ、遂にトリコが駆け付けた!! 宿敵同士の戦いの火ぶたを切ったのは、怒りのトリコ渾身のレッグナイフ、更に続けざまのレッグフォーク! 必殺技の二連撃はスタージュンにクリーンヒット。その衝撃は、ゼブラの音壁でさえ防ぎきれない程だ。しかし敵も然る者、攻撃を受けて尚、スタージュンは平然と立ち上がった…! そして、敵はスタージュンだけではない。上空から、美食會の新型GTロボや猛獣、灰汁獣の大軍団が次々と襲いかかってきたのだ。逃げ惑う人々を守るため、ココが必殺技・マシンガンポイズンで迎え撃つ。だが放たれた毒弾は、突如として現れた巨大なストローに吸い込まれてしまった! そのまま毒を飲み干し、美味いと言ってのけるストローの主…。この異形の男こそ、美食會副料理長・グリンパーチ! グリンパーチは特殊なストローで何でも吸い込んでしまう怪人なのだ。そして、激化する戦いから小松を救出しようとしたサニーの前にも強敵が立ち塞がった。かつてアイスヘルでトリコと激闘を繰り広げた虫使い、美食會副料理長・トミーロッドだ! トリコvsスタージュン、ココvsグリンパーチ、サニーvsトミーロッド、そしてブランチら一流料理人たちvs美食會の幹部たち…。命を賭けた壮絶バトルの幕が、今、切って落とされる!
四年に一度の食の祭典・クッキングフェスティバルも、あとは決勝トーナメントを残すのみ。ますますの盛り上がりを見せる会場であったが、その時、突如として美食會の大軍勢が現れ、クッキングアイランドに襲いかかった!グルメ界への侵攻を目論む美食會は、フェスに集まった一流料理人たちを残らず連れ去ろうと狙っていたのだ。もちろんIGOはこれに応戦するも、美食會の途切れぬ猛攻に戦火はやがてスタジアムまで及んでいく…。人々を守るため、立ち上がるトリコら四天王! だが、その行く手に美食會の幹部らが立ち塞がった。トリコvsスタージュン、ココvsグリンパーチ、サニーvsトミーロッドの壮絶バトルが今、始まる!! 宿敵スタージュンに対し、先制攻撃することに成功したトリコ。だが、スタージュンはトリコの重い一撃を受けて尚、平然と立ち上がった。やはり、とんでもない強敵だ。トリコがスタージュンと初めて出会ったのは、フグ鯨の捕獲に赴いた際だった。GTロボを介しての出会いであったが、それでもトリコより遥か格上の強さを有していた。ジュエルミートを巡る戦いでも、トリコはスタージュンのGTロボに死の直前まで追い込まれた。圧倒的な実力差があったのだ。だが、それも昔の話…。これまでトリコは数々の修行をくぐり抜けてきた。グルメ細胞のレベルを高め、食義と直観を身に付けてきた。今こそ、スタージュンを倒すときなのだ! 料理人を、小松を守る! 決意と共にパンチを打つトリコ、受け止めるスタージュン。瞬間、スタージュンの表情に驚きが浮かんだ。放たれたパンチには、重く連なる10発の衝撃が込められていたのだ。そう、釘パンチである。力を溜めなければ放てなかった釘パンチを、今のトリコは並のパンチのように連打できるまでになったのだ! 釘パンチによるラッシュで、スタージュンにダメージを与えていくトリコ。そして、修行の成果はこれだけではない。更に50連釘パンチ、100連ツイン釘パンチが炸裂! その威力はスタジアムの外壁を破壊し、スタージュンを会場の外まで吹き飛ばしてしまうほどだ。 もちろん、この程度で倒せるほどスタージュンは甘くない。間髪入れず、トリコはレッグブーメランとキャノンフォークで追い討ちをかける。そして最後は、釘パンチを強化した新必殺技・50連ネイルガン! 釘パンチの衝撃を一瞬で全て打ち込む大技である。この必殺技による連続攻撃はスタージュンの兜をも砕き、見事トリコは大ダメージを与えることに成功するのだった。だが、決着をつけるには至らない。それどころかスタージュンは、自分と互角にやり合えるレベルにまでなったトリコの成長を喜ぶほど。血湧き肉躍る野生の戦いは、まだまだ始まったばかりなのだ…!
世界中の人々が注目する四年に一度の食の祭典・クッキングフェスティバル。しかしその最中、突如として美食會の大軍勢が現れ、開催地であるクッキングアイランドへ襲いかかった!グルメ界への侵攻を目論む美食會は、フェスに集まった一流料理人たちを残らず連れ去ろうと狙っていたのだ。もちろんIGOはこれに応戦するも、美食會の途切れぬ猛攻に戦火はやがてスタジアムまで及んでいく…。そしてとうとう小松の前に、美食會の副料理長・スタージュンが現れた。人々を、小松を守るため、立ち向かうトリコ! 怒りの釘パンチが、宿敵・スタージュンに炸裂する! まずは先制攻撃に成功したトリコ。そこから更にレッグブーメラン、キャノンフォーク、ネイルガンと、必殺技に次ぐ必殺技の連続攻撃で、見事スタージュンに大ダメージを与えることに成功するのだった。だが、それでもなおスタージュンは立ち上がってきた。戦いはまだまだこれから、そう言って反撃を繰り出してくるスタージュン。その炎技は、フォークシールドさえ溶かしてしまうほどの超威力だ。しかし、ひるんではいられない。トリコは傷を負いながらも、攻め続ける…! まさに命を賭けた壮絶バトル。二人の宿命対決は、ますますヒートアップしていくのだった。 一方その頃、クッキングアイランドの海岸線では、IGOのマンサム所長がGTロボの大軍を相手に孤軍奮闘していた。味方が全滅したわけではない。マンサムは敢えて仲間を遠ざけて、一人で戦っているのだ。と言うのも、実は普段のマンサムは自らにノッキングを施し、パワーを抑え込んでいたのである。それは強大すぎる暴力…。かつて一龍に敗れて以来、ずっと封印してきた破壊の力だ。ひとたび解放されれば、自分自身でも制御しきれない。故にマンサムは、味方を巻き込まないよう一人で戦っているのである。そして今、その封印が遂に解き放たれる…! さて、激闘はまた、クッキングスタジアムの内部でも繰り広げられていた。IGOの防衛線を抜けてきた美食會の軍勢・支部長らに対し、ブランチを初めとした料理人や美食屋たち、グルメ騎士(ナイト)の一団、グルメマフィアらが戦っているのだ。グルメ騎士・滝丸vs第一支部長・エルグ、グルメマフィア・マッチvs第四支部長・バリーモガン、その他両勢、互いに譲らぬ一進一退の攻防…! だがその時、戦場に新たな影が舞い降りた。美食會の援軍がやって来たのだ。現れた敵は、GTロボに瓜二つ…。凶悪にして不吉な姿をしたその生物の正体とは、まさか…!?
四年に一度の食の祭典・クッキングフェスティバルのさなか、突如として現れた美食會の大軍団! IGOは防衛を試みるも、途切れぬ猛攻に戦火はやがてスタジアムまで及んでいく…。次々と襲い来る美食會の軍勢に対し、立ち向かう料理人やグルメ騎士、グルメマフィアら。そしてトリコは小松を守るため、美食會の副料理長である宿敵・スタージュンと対決。必殺技に次ぐ必殺技の連続攻撃で、まずはスタージュンに大ダメージを与えることに成功するのだった。だが、戦いはまだまだこれから。命を賭けた二人の宿命対決は、ますますヒートアップしていく! フライングフォーク、ツイン・キャノンフォーク、フライングナイフの連打、そしてツイン・レッグブーメラン! 正にフルコースと言わんばかりに、更に必殺技で攻め立てていくトリコ。その凄まじいラッシュは、スタージュンにダメージを与えるに充分。だが…、同時にトリコの体には、大技を立て続けに使った反動が確実に蓄積されつつあった…。一方、激闘はスタジアムでも繰り広げられていた。料理人たちと美食會の軍勢が戦っているのだ。その攻防は一進一退ながら、わずかにIGOが優勢であった。だがその時、戦場に新たな影が舞い降りた。美食會の援軍がやって来たのだ! 現れた敵は、GTロボに瓜二つ。その凶悪にして不吉な姿に、息を飲む小松。それは、かつてグルメピラミッドで出会った恐ろしい怪物…。そう、美食會の援軍は、グルメ界に棲む化け物・ニトロだったのだ! ニトロの登場により、戦局は一転。その圧倒的な強さの前に、次々と倒れ、捕らえられていく料理人たち…。グルメ界への侵攻を目論む美食會は、フェスに集まった一流料理人たちを残らず連れ去ろうとしているのである。加えて、新たなる脅威はニトロだけではなかった。食義をも身に付けた強力な灰汁獣(あくじゅう)までもが姿を現したのだ。こいつらは今までの猛獣とは違って、一筋縄ではいかない。本当の死闘はこれから始まるのだ…! そして、四天王・ココの前には、美食會の副料理長・グリンパーチが立ち塞がっていた。ココが放ったマシンガンポイズンの毒弾を吸い飲み、これっぽっちじゃまるで足りないとねだるグリンパーチ。ココの毒は、一滴で骨さえ残らず溶けてしまうほどの劇毒なのに…。なんとグリンパーチは、特殊なストローで何でも吸い込んでしまう怪人なのだ。ならば、と今度は必殺技・ポイズンドレッシングで、大量の猛毒をお見舞いするココ。だがグリンパーチは、それさえも一瞬で飲み干してしまうのだった。刺激的な毒をもっと飲ませてくれよ…、グリンパーチの顔に不気味な笑みが浮かぶ!
四年に一度の食の祭典・クッキングフェスティバルのさなか、突如として現れた美食會の大軍団!IGOや料理人たちはこれに抗戦するも、美食會の援軍としてやってきたグルメ界の怪物・ニトロによって大苦戦を強いられてしまうのだった。そんな戦火のなか、トリコは小松を守るため、美食會の副料理長・スタージュンと対決!だが、必殺技のフルコースをもってしても、スタージュンを倒すことはできなかった。それどころか、大技を連発した反動で窮地に陥ってしまう。そして一方、四天王・ココの前には、美食會副料理長・グリンパーチが立ち塞がっていた…! グリンパーチは特殊なストローで何でも吸い込んでしまう怪人だ。それはココの猛毒さえも例外ではない。ココが放つ毒弾を易々と飲み干してしまうグリンパーチ。だがココは、それでもなお毒を撃ち続けた。そして乱射から一転、弾幕を盾にポイズンソードを取り出し、ストローへと斬りかかる!早々にココは、グリンのストローに狙いを定めていたのだ。ところが…、ココの斬撃は容易くストローに弾かれてしまった。なんとグリンのストローは、ダイヤの数百倍の硬さを有していたのである。ならば、と狙いを変えて、今度はグリンパーチに直接斬りかかるココ。だが次の瞬間、グリンのストローがココの心臓に突き刺さった…! 刺さったストローから、そのままグリンに吸い尽くされてしまうココ…!と思いきや、それはココが作った毒のダミー人形であった。驚くグリンパーチの隙を突き、至近距離から必殺のポイズンキャノンを放つココ!…しかし、それでもグリンパーチを倒すには至らなかった。さすがに無傷とはいかないものの、グリンパーチはポイズンキャノンさえも飲み込んでしまったのだ。と、そんな激闘のさなか、ココの元へ小松が駆け寄ってきた。戦火から逃げる途中、苦戦しているココを見つけてやってきたのだ。だがそこへ、グリンパーチの必殺技・ブレスミサイルが二人に向けて放たれた!辛うじて避けられたものの、その威力は地に底の見えない大穴を開けてしまうほど…! ココは小松に、一刻も早く移動するよう告げる。この場は危険だし、何よりもトリコが小松を必要としている、と。占いがそう示していると言うのだ。ココの助言に従って、トリコの元へと走り出す小松。次いでココは、場所を変えようとグリンパーチに提言する。誰も居ない、思い切り戦える場所へ…!言うや否や、ココはグリンを羽交い締めにして、先ほど開いた大穴へと飛び込むのだった…。そしてまた一方、四天王・サニーの前にも、美食會の副料理長が立ちはだかっていた。虫使い・トミーロッドである。トミーロッドに生み出された無数の虫が、不気味な羽音を立ててサニーを取り囲む…!
一流料理人たちを連れ去るため、食の祭典・クッキングフェスティバルを襲撃してきた美食會の大軍団! 激しさを増していく戦火のなか、トリコは美食會の副料理長・スタージュンと対決。しかし、必殺技のフルコースが通用せず、ピンチに陥ってしまう。一方、美食會副料理長・グリンパーチを迎え撃つ四天王・ココ。激闘の果て、二人は決着をつけるべく、巨大な穴の奥底へと消えていくのだった。そして四天王・サニーの前には、美食會副料理長・トミーロッドと虫の群れが立ち塞がっていた。トミーロッドは自身の体内に無数の虫を飼っており、それを自在に操ることができるのだ…! 捕獲レベル80を超える数百匹もの虫を、必殺技で次々と倒していくサニー。だが、突如その顔が激痛に歪んだ。トミーロッドが生み出したグルメ界の混合虫・ジャイアントパラサイトのハサミが、触覚でもあるサニーの髪を切り裂いたのだ。常人であればショック死するほどの痛みがサニーを襲う! しかし、サニーは見事に耐えて見せた。サニーにとって痛みとは、体ではなく心に走るものなのだ。そしてサニーはトミーロッドを倒すため、髪の新たな力を解放する。黄金色に輝くその髪の名は、サタンヘアー! サタンヘアーは混合虫のハサミを物ともせず、それどころか一瞬でジャイアントパラサイトを喰らい尽くしてしまうのだった。 サタンヘアー…、それは一本一本が旺盛な食欲を持ち、全てを食べ尽くす恐ろしい髪である。かつて四獣と戦った際に放った四天王の合体技・王食晩餐(おうしょくばんさん)をきっかけに、サニーのグルメ細胞から目を覚ましたのだ。解き放たれたサタンヘアーは混合虫に続き、トミーロッドの左腕を一瞬で切り落とした。更にトミーロッドへと髪を向けるサニー! しかし、初撃は上手く決まったものの、続く攻撃はことごとく避けられてしまった。慣れない髪という事もあり、食義や直観を駆使しても上手く扱えないのだ。加えて、トミーロッドは複眼を有しており、サニーの触覚の動きは完璧に捉えられてしまっていたのだ。 仕方なくサタンヘアーを解除し、通常の髪へと戻すサニー。もとよりサタンヘアーは長時間の使用ができないという事情もある。だがその時、不意に何者かがサニーの動きを封じ込めた。それは、切り落としたはずのトミーロッドの左腕だった。なんとトミーロッドは切断された四肢を動かす事ができるのだ。怯んだサニーの隙を突き、一気に攻撃を仕掛けるトミーロッド。その鋭い手刀がサニーの腹を貫く…! しかし、表情を強張らせたのはサニーではなくトミーロッドの方であった。サニーの必殺技・ヘアマリオネットが、トミーロッドの体を支配したのだ。動けなくなったトミーロッドを前に、サニーの髪が再び黄金色に輝く!
料理人たちを連れ去るため、クッキングフェスティバルを襲撃してきた美食會の大軍団! 戦火のなか、トリコは美食會の副料理長・スタージュンと対決! しかし苦戦を強いられてしまう。一方、四天王・サニーは、美食會副料理長・トミーロッドと死闘を繰り広げていた。トミーロッドの圧倒的な力によって、重傷を負ってしまうサニー。だがその時、サニーの必殺技・ヘアマリオネットがトミーロッドの動きを封じ込めた。戦いで千切れてしまった髪の毛を遠隔操作したのだ。とはいえ、これもそう長くはもたない。マリオネットの解除される時が、勝負の時だろう。そして、その瞬間が遂に訪れた…! 決着は一瞬であった。猛攻を受けながらも、サニーのサタンヘアーがトミーロッドを食い尽くしたのだ。なんとか勝利を収めたサニー。しかし受けたダメージは大きく、サニーもまた、そのまま倒れてしまうのであった…。そしてまた一方、料理人・天狗のブランチは、美食會第一支部長・エルグと戦っていた。電撃を操り、エルグをあっと言う間に倒してしまうブランチ。だが、エルグは何事もなかったかのように立ち上がった。実は、なんとエルグは不死身の肉体を持っているのだ。雷で包丁を作り出し、エルグの体を微塵に刻むブランチ。すると次の瞬間には、ブランチの周囲を無数のエルグが取り囲んでいた…! なんとバラバラにした肉体のそれぞれが、全てエルグの本体として復活してしまったのである。軍勢となったエルグに、それでも攻撃を続けるブランチ。だが、ブランチの電撃は無限ではない。乾電池などから電源を得られなければ、体内で増幅できず、枯渇してしまうのだ。やがて電気を使い果たし、為す術なく一方的にやられてしまうブランチ…。繰り出されるエルグの猛攻に絶体絶命、しかし全てはブランチの狙い通りであった。実はブランチは、ダメージを受けることによっても発電ができるのだ。ピンチから一転、ブランチの奥義・直列大帯電撃が炸裂する! 大電撃のなか、苦しみながらも再生を続けるエルグ。だが、この奥義は相手を倒すまで消える事がない。つまり不死身である限り、エルグは永遠に電撃を食らい続けるのだ。そしてやがて、エルグの肉体が崩れ落ち始めた。グルメ細胞が再生を諦めたのである。不死身を失ったエルグの正体は、醜い姿の男であった。倒れ伏し、己の容姿を自嘲するエルグ。だがブランチは、そんなエルグを男前、イケメンと評する。ブランチの住む妖食界では、もっと凄まじい化け物が普通のことなのだ。思わずして得られた讃辞の言葉…、それを噛み締めながら、エルグは満足そうにその長き生を終えるのだった…。
料理人たちを連れ去るため、クッキングフェスティバルを襲撃してきた美食會の大軍団!戦火のなか、トリコは美食會の副料理長・スタージュンと対決。しかし、必殺技のフルコースが通用せず、窮地に陥ってしまう。また、四天王・ココは美食會副料理長・グリンパーチを、四天王・サニーは同副料理長・トミーロッドをそれぞれ迎え撃つ。大激闘の果て、グリンパーチと共に大穴の底へと消えていくココ。サニーは何とかトミーロッドを撃破するも、自身も深い傷を負い倒れてしまうのだった。そして、美食會の軍勢に抗戦する料理人たちには、グルメ界の怪物・ニトロが牙を剥いていた…! 美食會の援軍としてやって来たニトロは三匹。その圧倒的な強さの前には、さすがの一流料理人たちも絶体絶命…! だがそこへ、一人の男が駆け付けた。四天王・ゼブラである!美食會のフェス襲撃が始まってから今まで、ゼブラは観客の保護と避難誘導に尽力していた。それがここに来てようやく一般人の退避が完了し、存分に戦えるようになったのだ。これまでのウップンを晴らすかの如く、盛大に必殺技を連発するゼブラ。死音、ビートパンチ、サウンドバズーカ! そのパワーは凄まじく、強敵ニトロをアッと言う間にまとめて倒してしまうのだった。 そして、美食會を圧倒しているのはゼブラだけではない。美食人間国宝・節乃もまた、迫り来る灰汁獣(あくじゅう)の群れを軽々と蹴散らしていた。そんな節乃の行く手に立ちはだかるは、美食會の料理人・千代!食林寺の元師範代であり、かつては節乃のライバルとも呼ばれた凄腕だ。美食會へと堕ちた今でも、その技のキレは健在であった。節乃と千代、二人のスーパーコックによる大激闘! …ところが、そこへ思わぬ横槍が入った。IGOの切り札とも言える第0ビオトープの職員・栗坊と光才老が、突如として節乃に攻撃を仕掛けてきたのだ。おまけに、死んだと思われていた調理王・ザウスまでもが現れ、襲いかかってきた…! まさかの裏切り…!?しかしザウスらは、返す刀で美食會の千代にまで襲いかかった。不意を突かれ、深手を負う千代。IGOから離反し、かと言って美食會に味方するでもない…。彼らの正体は、第三の勢力・NEO(ネオ)! IGOと美食會の戦いの影に隠れて世を混乱に陥れ、神の食材"GOD"を狙う者たちだったのだ。そのメンバーは、世界中の主要機関にも潜伏しているという。かくして混迷を極めていく戦局…、その一方で、小松はココから受けた助言に従い、トリコの元へと急いでいた。だが…、ようやく小松が辿り着いたそこでは、今にも力尽きようとしているトリコの姿があった…!
料理人たちを連れ去るため、クッキングフェスティバルを襲撃してきた美食會の大軍団! IGOは防衛に打って出るも、美食會の途切れぬ猛攻に戦火は激しさを増していくばかり…。そこへ更に、美食會とは異なる第三の組織・NEO(ネオ)までもが動きだした。不意を突かれ、大きく戦力を削がれるIGO、美食會の両陣営。三つ巴となり、混迷を極めていく戦局…。そんな中、小松は、美食會の副料理長・スタージュンと戦うトリコの元へと向かっていた。四天王ココから、トリコが手助けを必要としていると助言をもらったのだ。しかし辿り着いた先では、スタージュンに敗北し、今にも力尽きようとしているトリコの姿があった…! 戦場に響き渡る、小松の悲痛な叫び…。いよいよ小松を捕らえようと手を伸ばすスタージュン。だがその時、倒れたはずのトリコが立ち上がり、スタージュンの魔手をさえぎった…! 守るべき存在、小松の声が、トリコにもう一度戦う力を与えたのだ! 復活したトリコが放つ技は、先ほどまで全力で振るっていたフルコースより、格段に威力が増していた。死闘の中で、トリコは更なる成長を果たしたのだ。そこには限界などない! そしてトリコが新たに見せる力…、それはグルメ騎士・愛丸から教わった究極のルーティーン…、アルティメットルーティーン!! 通常のルーティーンは、決まった動作の中で雑念を消し、技の成功率を上げるというものだ。だが、アルティメットルーティーンは技のポテンシャル自体を引き上げる。そして、その究極のルーティーンに動きは必要ない。必要なものは、勝利のイメージ、ただそれだけ。と言っても、ただ単純に思い描いただけでは駄目だ。強烈な自己暗示にも似た、凄まじい集中力と自信によって練り上げられたイメージでなくては、究極のルーティーンは成し得ない。それは、恐れなく、一切の疑いを排した、確固たる勝利のイメージ! 揺るぎなき確信が、イメージを実現させるべく技の可能性を引き上げる。それがアルティメットルーティーンなのだ! アルティメットルーティーンによって、幾重にも連ねたフライングフォークを釘パンチのように放つトリコ。スタージュンを貫くイメージから生み出された新たなる必殺技・フォーク釘パンチである。更に、スタージュンの四方八方、ありとあらゆる角度から、大量のナイフとフォークによる一斉攻撃! トリコの中には、スタージュンを倒すという明確なイメージが出来上がっているのだ。だがしかしスタージュンは、これでようやく五分になったと不敵に笑う。そして、そろそろ戦うとするか…、そう言って炎と共に、腰に差した刀にも似た包丁を抜き放つのであった…!
料理人たちを連れ去るため、クッキングフェスティバルを襲撃してきた美食會の大軍団! 対し、防衛に打って出たIGO。ところが、そこへ更に第三の勢力、闇の組織・NEO(ネオ)が動きだした。不意を突かれ、大きく戦力を削がれるIGO、美食會の両陣営。混迷を極めていく戦局…、その一方で、トリコは美食會の副料理長・スタージュンと対決! 一度はピンチに追いやられたトリコだったが、イメージの力で技を強化する“アルティメットルーティーン”を駆使し、巻き返していく。しかしスタージュンは、これでようやく五分になったと不敵に笑い、刀にも似た包丁・バーナーナイフを抜き放つのであった…! 炎と共に放たれるスタージュンの斬撃! その鋭さにトリコは驚愕する。なんとスタージュンはアルティメットルーティーンを、早くも真似て使いこなし始めたのだ。しかし、ひるんでいる暇はない。揺るぎなき勝利のイメージを描き、次々と新必殺技を繰り出していくトリコ。その凄まじいパワーは、バーナーナイフを叩き折るほど! だが、スタージュンも負けじとパンチを返していく! 両者、ボロボロになりながらも遂に決着の一撃を振りかぶり…、しかし拳はすんでの所で止められた。突如としてスタジアムの方角に現れた、何か。その脅威の気配が、トリコとスタージュンを戦慄させたのだ…! トリコらが感じ取った不吉は、程なくしてスタジアムへと降り立った。それはNEOの一員…、闇の料理人・ジョア! そして、ジョアの傍らには再生屋の鉄平が付き従っていた。なんと鉄平は、ジョアが使う闇の技・テイストチェンジによって、人格を変えられてしまっていたのだ。現れたジョアの放つ不気味な迫力に圧倒される人々…。その中で節乃は、ジョアの包丁を見て驚愕する。それは伝説の包丁・シンデレラ。美食神アカシアの料理人・フローゼが使っていた物だったのだ! なぜ、フローゼの包丁をジョアが…? 節乃は問い詰めようとするが、ジョアはそれを許さず、節乃へ向けて斬撃を振り下ろすのだった! とっさに自らの専用包丁を取り出し、ジョアの攻撃を受け流す節乃。直後、その余波は衝撃となって海をも割った。恐るべき威力である。しかも、これで終わりではない。更にジョアは闇技のひとつ・蘇生切りで、倒れていたニトロを復活させ節乃へとけしかけた。迎え撃とうとする節乃。しかし、その足が動かない。なんと操られた鉄平が縛り樹を放ち、節乃の足を絡め取っていたのだ。身動きできない節乃に、ニトロの凶爪が襲いかかる…! だがその時、突如として何者かが駆け付け、ニトロを吹き飛ばした。現れたのは、髪をリーゼントに固めた老人。美食神アカシアの三弟子の一人、伝説のノッキングマスター・次郎!
IGOと美食會の全面戦争が激しさを増すなか、戦場であるクッキングスタジアムに突如として現れた闇の料理人…、ジョア!美食神アカシアの料理人・フローゼが使っていた包丁『シンデレラ』を振るい、闇の技を自在に操る謎の人物である。その強さは圧倒的で、ジョアの前にはクッキングフェスに集まった凄腕料理人たちも赤子同然、グルメ人間国宝・節乃でさえ太刀打ちできなかった。更にジョアは、ゼブラが倒したグルメ界の怪物・ニトロを蘇らせ、自らの手駒として操り始めた。絶体絶命の大ピンチ…! だがそこへ、アカシアの三弟子の一人、伝説のノッキングマスター・次郎が助けに現れた! 次郎は襲い来るニトロをデコピンの一撃で吹き飛ばし、続けてその豪腕を大地へと叩きつけた。グランドノッキング…、周囲の存在を全てノッキングしてしまう凄まじい大技である。その威力は、地球の自転にさえ影響を及ぼし、天変地異を引き起こすほど!さすが、かつては暴獣・二狼(じろう)と異名をとっただけのことはある。しかし、そのグランドノッキングでさえ、ジョアの動きを止めることはできなかった。とは言え、対する次郎も世界で三指に入る実力者。わずかな隙をついてジョアの懐まで潜り込み、その素顔を暴いてみせた! いよいよ白日の下にさらされたジョアの正体。だがその顔は、なんとフローゼに瓜二つのものだった…! まさか本当に、神の料理人フローゼなのか…?真実を確かめるべく、合体技をジョアに仕掛ける次郎と節乃。その名も、昇狼ギネスパンチ! 星をも食らう威力の超必殺技だ。だが次の瞬間、ジョアの姿が化け物のように変化し、ギネスパンチをかき消した。その変身は間違いなく、アカシアのフルコースを食べ、グルメ細胞を完全にコントロールした証であった。そして、アカシアとフローゼ以外にフルコースを食べた者はいないはず…。ということは、やはりジョアはフローゼなのだろうか? だがジョアの変身は、フローゼのソレとは全く異なるカタチを成していた。果たして、ジョアとは一体何者なのか…!? 一同の狼狽をよそに、反撃を仕掛けてくるジョア!その猛攻に、手痛い傷を負ってしまう節乃と次郎…。そして遂に、ジョアのトドメの一撃が放たれた。もはやこれまで…、だがその時、突然ジョアの斬撃が打ち落とされた。それはまさしく必殺・キャノンフォーク! そう、間一髪、トリコが駆け付けたのだ! そして、美食會の副料理長・スタージュンも。二人は凶悪なジョアの気配を察して決闘を預け、スタジアムに急ぎ戻って来たのである。しかし、そんなトリコらの前に、ジョアの闇技・テイストチェンジによって人格を変えられてしまった再生屋・鉄平が立ち塞がった!
IGOと美食會の全面戦争が激しさを増すなか、突如として現れた闇の料理人・ジョア! その素顔は、なんと美食神アカシアの料理人・フローゼに瓜二つであった。一体どういう事なのか? 狼狽する人々。そこへ放たれるジョアの必殺技。もはやこれまで、絶体絶命! …だがその瞬間、ジョアの凶撃が弾かれた。間一髪、トリコが駆け付けたのだ! そして、美食會の副料理長・スタージュンも。二人は凶悪なジョアの気配を察し、スタジアムに急ぎ戻って来たのである。トリコ&スタージュンvsジョアの壮絶バトルが、今、始まる! …そしてその頃グルメ界では、IGO会長・一龍と美食會のボス・三虎、二人の決闘が始まろうとしていた…! …もう、随分と昔の話である。現在のグルメ時代が始まる前…、恐ろしい戦争が世界中で起こっていた頃のことだ。まだ少年だった三虎は、極度の飢えと孤独によって死に瀕していた。そこを助けてくれたのが、アカシアとフローゼ、そして同様に彼らに拾われた一龍と次郎だった。フローゼらと共に家族として過ごした時間…。それは三虎にとって、初めて心が満たされた日々であった。だがそんな中、アカシアとフローゼは戦争を止めるため、神の食材“GOD”を求めて旅立ってしまう。やがて二人は目的を果たし帰ってきたが、フローゼは酷い衰弱状態に陥ってしまっていた。三虎はフローゼを救うべく、万傷を治す水“癒水”の捕獲へと向かうのだった。 しかし、療水は凶悪な猛獣によって守られていた。それでも何とか癒水を手に入れる事に成功する三虎。だが、同時に瀕死の重傷を負ってしまう。フローゼは三虎を助けるため、最後の力を振り絞って傷を癒す料理を作り…、そして命を落としてしまうのだった。以来、三虎は誓った。フローゼを殺したこの世界を、フローゼの分まで全て一人で喰らい尽くす、と。その頑なな決意に、もはや解り合える余地なしと判断する一龍。やむなく奥義を構え、三虎へ向けて放とうとする。だがその時、突如として一龍の体がズタボロに切り裂かれた。なんと既にこの一帯の空間には、三虎の必殺技・ハングリースペースが牙を剥いていたのだ…! また一方、人間界のグルメスタジアムでは、トリコとスタージュンがジョアに立ち向かっていた。しかしジョアの力は圧倒的で、アルティメットルーティーンでさえ通用しない。軽くあしらわれるように倒されてしまうトリコたち。そうしてジョアは、ゆっくりと小松へと近づいていった。そう、ジョアの目的は他でもない、小松だったのだ。“GOD”を手に入れるには、小松の比類なき食運が欠かせないのだという。ジョアの魔手が、小松を捕らえようと迫る…! だがその時、ココが、サニーが、ゼブラが現れ、ジョアの前に立ち塞がった。トリコも再び立ち上がり、いよいよ四天王がそろい踏みだ!
IGOと美食會の全面戦争のさなか、突如として現れた闇の料理人・ジョア! その素顔は、なんと美食神アカシアの料理人・フローゼに瓜二つであった。圧倒的な強さを誇るジョアの前に、為す術もなく倒されてしまうトリコとスタージュン。邪魔者を排し、ゆっくりと小松へ近づいていくジョア。ジョアの目的は他でもない、小松だったのだ。神の食材“GOD”を手に入れるには、小松の比類なき食運が欠かせないのだという。ジョアの魔手が、小松を捕らえようと迫る…! だがその時、ココが、サニーが、ゼブラが現れ、ジョアの前に立ち塞がった! ジョアに向けて必殺技を繰り出すココ、サニー、ゼブラ! 大技は見事に直撃、しかし、にもかかわらずジョアには傷ひとつ負わせることもできなかった…! こうなったら四天王の力を合わせていくしかない。ジョアへ向けて合体技を放つトリコたち。放つは、ゼブラの声をサニーのフライ返しで強化した技・スーパーボイスフライ返し! ココの毒にゼブラの音を乗せたマシンガンサウンドポイズン! トリコのレッグブーメランをサニーの髪で高速回転、加速させたトルネードレッグブーメラン! どれも凄まじい威力を秘めた合体技だ。だが、なんとジョアは包丁の一振りで、その全てをかき消してしまった…! 一方その頃、ノッキングマスター次郎と美食人間国宝・節乃は、ジョアの闇技・テイストチェンジによって人格を変えられてしまった再生屋・鉄平と対峙していた。なんとか鉄平を捕獲し、元に戻そうとする次郎と節乃。だが鉄平は、自身の肉体をノッキングで強化し、次郎らへと襲いかかってきた。そのパワーは凄まじく、次郎らほどの実力者でも苦戦を強いられてしまうほど。繰り広げられるスーパーバトル! 激闘の末、遂に次郎のノッキングがクリーンヒット! なんとか鉄平を封じ込める事に成功するのだった。しかし、いくら勝利したとはいえ、次郎らの体も既に限界…。これ以上戦う事はできず、二人はトリコら四天王に後を託すのだった。 だが次郎たちの期待とは裏腹に、トリコらはジョアに打ち倒されようとしていた。そしてジョアは、改めて小松にNEOの軍門へ下るよう語る。間もなくグルメ日食が起こり“GOD”が出現する、と。その時、NEOは“GOD”を手に入れ独占し、世界を支配するのだという。だが小松は、ジョアの言葉に断固反対する。食べ物は道具や手段ではない、と。そんな小松の信念に呼応して、再び立ち上がるトリコ。そう、“GOD”は皆で分け合って食べる物。なにより、トリコと小松で作り上げるフルコースのメインなのだから。ジョアのような者に渡すわけにはいかない! そうしてトリコらは気合いを高め、四人全員の力を一つに合わせた合体技を放つのだった。
神の食材“GOD”を手に入れるため、強大な食運を持つ小松を捕らえに現れた闇の料理人・ジョア! その強さは圧倒的で、トリコら四天王は小松を守るべく立ち向かうも、いとも容易く打ち倒されてしまうのだった。だが、深く傷つきながらもトリコたちは立ち上がる。ジョアに…、食材を世界征服の道具としてしか考えていないような者に、“GOD”を渡すわけにはいかないから…! そうして、最後の力を振り絞って一つに合わせ、究極の合体技を放つトリコら四天王。ところが、なんとジョアは、その超必殺技でさえ一瞬でかき消してしまった…! もはやこれまで…。為す術もなく、トリコたちは力尽き果て倒れてしまうのだった。 また一方、グルメ界では、IGO会長・一龍と美食會のボス・三虎、二人の闘いに決着がつこうとしていた。三虎の必殺技・ハングリースペースによって重傷を負ってしまった一龍。だが、三虎だけは何としても止めなければならない。一龍は兄として最後の使命を果たすべく、奥義を放つ。その渾身の一撃は、見事に三虎へ直撃! …しかし、それでも三虎を倒すことはできなかった。反撃を受け、倒れてしまう一龍。トドメをさそうとする三虎。かつては家族として過ごした二人…、互いの目に浮かぶは決別の涙。そして遂に三虎の拳が振り下ろされ、全てを破壊し尽くすメテオスパイスが人間界へ向けて放たれた…! そしてグルメスタジアムでは、とうとう小松がジョアによって捕らえられてしまっていた。小松を連れ去ろうとするジョア。だがその時、トリコの拳がジョアを吹き飛ばし、小松を救い出した。間一髪…と思いきや、何やらトリコの様子がおかしい。なんとトリコはグルメ細胞に支配され、暴走しつつあったのだ。このままではトリコは、世界の全てを食い尽くす化け物となってしまう…! そんなトリコを、ジョアはあざ笑う。欲しい物を食い、独占する。それが人の本性。皆で食卓を囲むと言っていたトリコが、仲間の命を奪う存在となってしまうのだ。これ以上に皮肉なことはあるまい。そして、遂にトリコは完全な暴走状態へと変わってしまった…! 本能のままに暴れ、周囲を破壊し始めるトリコ。もう誰にも止められないのか…? そんな中、危険を顧みず、涙ながらにトリコへ訴えかける小松。その悲痛な叫びが、トリコに自我を取り戻させた。人の心が、トリコの意志が、暴走したグルメ細胞を抑え込んだのだ。トリコと小松、二人の絆に驚きながらも、襲いかかってくるジョア。だが、グルメ細胞を完全にコントロールしたトリコのパワーは、ジョアをも軽々と凌駕した。その力は、これまでの旅が、命を賭けた戦いが育んだもの。そしてその体は、捕獲した食材たちの命で作られたもの。いただきます、ごちそうさま、そして、ありがとう。感謝の心と共に、トリコは今、全ての命の力を解き放つ…!
神の食材“GOD”を手に入れるため、強大な食運を持つ小松を捕らえに現れたNEOの料理人・ジョア! その強さは圧倒的で、トリコら四天王は小松を守るべく立ち向かうも、完膚無きまでに打ち倒されてしまうのだった。もはや絶体絶命! そのうえトリコは、自身のグルメ細胞に飲み込まれ暴走・鬼神と化してしまう。我を忘れ、本能のまま全てを喰らい尽くそうとするトリコ。しかし、小松の必死の叫びによって何とか理性を取り戻し、グルメ細胞を支配する事に成功するのだった。そうして覚醒したトリコのパワーは、ジョアをも軽々と凌駕するほど。だが、それに対し、ジョアもまた真の力を解放する…! 邪悪な姿に変貌し、襲いかかってくるジョア。だが、トリコは一歩も退かなかった。負けなかった。この力は、これまでの旅と戦いが育んだもの。そしてこの体は、食材たちの命で作られたもの。それが負けようはずもない! 繰り広げられる壮絶バトル。その末、遂にトリコの拳がジョアへと直撃した。この世の全ての食材に、皆に、命に感謝を込めて…、放つは無限釘パンチ!! その威力はまさに必殺。そうしてトリコは、見事、ジョアに勝利を収めるのであった。…だが、トリコらに一息つく時間は与えられなかった。なんと突如として、人間界に大量の隕石が降り注ぎ始めたのである。一龍を倒した三虎が、グルメ界からメテオスパイスを放ったのだ! メテオスパイスの被害は甚大なものであった。世界中の建物が崩壊し、食料の供給が失われた。飢えた人々に一刻も早く食料を配給すべく動き出すIGO。と、その矢先、三虎がIGO本部へ現れた。傷ついた一龍を抱えて…。結局、三虎は一龍にトドメを刺さなかったのだ。トリコに一龍を預け、立ち去ろうとする三虎。そこへ次郎が声をかける。飯を食っていかないか、と。席に着いた三虎へ、スープを差し出す小松。一龍たちと三虎の完全な和解は、もう難しいかもしれない。しかし、小松のスープの温かさは、凍り付いた三虎の心を僅かに溶かし、かつて過ごした家族の時間を思い出させるには充分なものであった…。 そして、三ヶ月後。人間界の復興も軌道に乗り、一通りの仕事を終えたトリコと小松は、グルメ界へと旅立とうとしていた。もちろん、神の食材“GOD”を見つけ出し、捕獲するためである。美食會、そしてNEOとの戦いは、まだ終わってはいないのだから…。他の四天王も、既にグルメ界へと出発している。きっとまたグルメ界で再会できるだろう。果たして、グルメ界にはいったいどんな食材が待ち受けているのか。期待に胸を膨らませ、走り出すトリコと小松。二人の食材捕獲の旅は、まだまだ続いていく! そう、世はグルメ時代。未知なる味を求めて、探求する時代!!