もこもも

ひげを剃る。そして女子高生を拾う。のもこもものレビュー・感想・評価

3.7
吉田の優しさを一身に感じる作品

1話1話すっと観れて面白かった
吉田がとにかくいい人
吉田が優しいのは最初からやけど、同じ優しさでも無自覚に自分の為に人に優しくするのと相手のことを考えて優しくすることの違いを学んでいくところが良かった
三島に対してカラオケのお金を出すのではなく「今度映画奢るよのところ」だったり、お祭りで沙優にわたあめのお金を出すときに「俺が買ってあげたいんだ」っていうところだったり
同じ優しさでも相手にどう伝えるか、どう形で表すかで全然違うんだなぁと

話の内容自体は観やすかったし面白かったけど、なんかずっとモヤモヤが心に残っていた
女子高生を泊めるという犯罪行為にではなく、そこはフィクションだからと割り切れてて、多分モヤモヤの要因は最初の数話は沙優の人間性にかな
ひどい大人たちによって、自身の過去によって、曲がった考えを持つ沙優にやるせなさを抱いた
中盤からは吉田とその周りの人間の優しさに対照してお母さんや学校の生徒、家出している間の大人の心の無さにもやもやさせられた
そこに対して怒りや悲しみではなくモヤモヤしたのは多分、現実でもありえない話ではないのに現実味が薄かったことにより感情移入しきれなかったからかも
後これは個人的な感想やけど、多分この物語で自分が求めていたものと違う部分があったのも、もやもやした要因だと思う

大好きな金本寿子さん演じる後藤さんに最初は肩入れしてたけどやっぱり吉田を見ていたら沙優を応援してしまう
後藤さんの直感は吉田の幸せ、ついては沙優の幸せの直感だったんやね
沙優も本当にいい子やし、吉田といるときの2人の雰囲気はやっぱりお似合いだなと感じた

一番感動したのは最終話の吉田が沙優がいなくなった家で味噌汁を作った後の「大丈夫じゃないのは俺の方だ」ってゆうシーン
自分がめちゃめちゃ寂しいわけじゃないけど、でもやっぱり1人ぼっちの家の寂しさは共感できるし、人と一緒にいたからこそその寂しさがより本物に感じる

UNISON SQUARE GARDENの田淵さんがOPの作詞を手掛けていて嬉しかった

OP : DIALOGUE+『おもいでしりとり』
ED : 石原夏織『Plastic Smile』
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