スローターハウス154

チェンソーマンのスローターハウス154のレビュー・感想・評価

チェンソーマン(2022年製作のアニメ)
4.6

ぜんぜん期待していなかったので最初の数話で離脱するだろうなと思っていたのに、あっちゅうまに12話見通してしまったのでビックリした。面白かったです。
自分のプレゼン能力じゃ、この予想外の面白さをどう人に説明すれば良いのかよくわからない。だって「主人公がチェンソーの怪物になって、世に跋扈する悪魔を仲間たちと掃討する」...なんてあらすじ、よっぽどの暇人じゃない限り見ようと思わないくらいB級じゃないっすか...少年漫画ももうネタ尽きたんだなとしか思わないよ...。
なのであえて内容には触れず、「たぶん10代に観たら致命傷になっていた」が自分にとっては最適解かもしれない。

少年漫画特有?のコミカルな表現(顔や動きが単純化されるとか)やくどいツッコミなどの個人的にシラけてしまう笑い要素が無いというのがすごく好印象だった。これが多くの漫画やアニメで結構ノイズになってたんだなと気付かされた。『進撃の巨人』と共通するようなユーモアセンスを感じた。こういう自分の笑いのツボに合う漫画やアニメにもっと出会いたい。
この作者は主にB級映画に影響受けていると聞いたことがある。自分がわかる限りではコーエン兄弟とタランティーノの影響も受けているなと思った。主人公デンジのライフモデルは『ビッグ・リボウスキ』のデュードの鱗片を感じなくもない。でもどっちかというと『AKIRA』の金田みのあるトッポい感じ。
人もモノも代替可能な消費主義社会の極みに生きる現代若者のドライな人生観が描かれた〜とかなんとか真面目に論考したくもなるけれど、もっと色んな古き良き映画を観ろ...というのがこの作品の本懐なのかもしれないし、それはまじで同意する。

最後のサムライソードとデンジの電車対決のアクション描写はかなりの気合いを感じた。