この作品を一言で表すならファンタジー版ゴールデンカムイだ。
江戸時代末期を背景に、達成出来れば無罪放免の勅令を幕府に約束された死罪人達が、処刑人同行のもと、未だ生還者のいない謎の島に行き、不老不死の仙薬の争奪戦をする。コテコテだがどうしようもなくワクワクしてしまう争奪戦と罪人という組み合わせ。
そして、魅力的なキャラクター達。任務の為なら躊躇なく人を殺せる優秀な忍者でありながら、愛する妻のため抜け忍となり、投獄されて尚、妻に会いたい一心で死刑を何度も生きて耐えた男、主人公・伽藍の画眉丸に、打首執行人の一族山田浅右衛門の家の娘として生まれ、家の内外から迫害を受けながら、男等と同じ執行人の道を選んだ未熟な才女・佐切らを筆頭に個性的だが何処か人間的なリアルさを兼ね備えたキャラクターが多く、話が進む毎にどのキャラクターにも愛着が湧いてくる。罪人と処刑人のペア、それぞれの関係性を見るだけでも面白い。
そして舞台となる島の、奇妙さや気味の悪さ、容赦の無さは、この作品の肝と言ってもいい。その東アジア文化の趣味の悪い歪んだ二次創作のような世界観は他の作品にはないこの作品独特の味わいだ。
それでも1期はまだまだ導入なので、エンジンの掛かる2期が待ち遠しい。
