原作のゲームを一切知らないのだが、この作品はとても堅実で、丁寧に作り込まれたアニメ化だった様に思う。少なくとも原作ゲームの最大の魅力の一つたる、ライザの太ももは十分に堪能出来た。惜しむらくは、肝心の錬金術の描写が大釜で素材を掻き回すor謎バンクで大雑把な表現にされてたことと、丁寧に進め過ぎて、サブタイトルの常闇の女王が登場すらせずに終わったことぐらいか。でも、そんなことはどうでも良いのだ。確かに物語としての大きな展開は皆無だし、RPGのサブクエストを淡々とこなすようなアニメだったが、私はだからこそ、少しずつ出来ることが増えていくライザ達にリアリティを感じたし、何者でも無い村の悪ガキだった彼女達が個々に成長し、最終的に村の住民達にもその努力の賜物を認められていく展開には爽やかな青春感とそれに伴う温かさを感じた。
なんだか、実際に意味はないが、小学校の頃に近道と称して通学路とは別の道を選んで帰るような無邪気で懐かしい冒険感、そんなものを思い出させてくれるアニメだった。
作中の彼女らが自分達の好奇心の赴くままに自らを高めていったように、私もこんな何でもない日常にいつまでも面白さを見出せるそんな人間であり続けたい。
