miriam

BANANA FISHのmiriamのネタバレレビュー・内容・結末

BANANA FISH(2018年製作のアニメ)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

永遠に大好き。
原作とアニメと、最終話を観た後1週間は仕事中でも涙ぐんでた。

いつか絶対ニューヨーク市立図書館に行くんだ。
バナナフィッシュよ永遠なれ。

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2021.6.28追記

舞台化されたのを観に行って、勢いでまた1周しました。
本当に色々考えさせられる作品です。
その色々考えた内容をここに落としていこうと思います。

最終話の私の落とし所(着地するまでの所要期間約2年。笑)としては
端的に言えば「世界が違いすぎた」点だと思っています。
英二や私達にはアッシュが世界中どこでだってやっていける人に思えますが、アッシュは幼少期から違う次元で世界を見てきました。
世界中の闇の部分を多く見てきた分、冷静に物事を判断できてもそこに熱はありません。
生きて行く為に必要な事(戦術や経済etc)はもちろん、
多岐に渡る知識を吸収はしているし何をしても一級に出来るけれど、
その力を誇示したり、自分の手で何か作ろう、作りたい、認められたいと思う自己顕示欲が欠如しています。

それは英二を守るためにゴルツィネの手に落ちた時、
精神を病んでしまったあたりで顕著に出ていて、
もちろんゴルツィネの元でやらされている苦痛はありますが、
自分の生きるダウンタウンや英二から離れた途端
水からあがった魚の様に、干上がってしまう。

ラオに刺された時、いくらでも助かる手段はあったけれど、
英二にもう関わらない方が良いという気持ちと、
自分のこの先の未来や日常がイメージ出来ないのと相まって、
英二からもらった手紙の幸福感だけでもう本人は十分だったんじゃないかと。

その選択をしてしまう原因は、アッシュ1人の話だけじゃなく
きっともっと深い所に原因があるように思います。
例えばなぜスラム街の子ども達はスラム街で死んでいくのか。
外に出れば補助が受けられ、ごみ拾い以外の職業に就けるかもしれないのに。
そもそも外の世界に選択肢があると本当の意味で知らないからですよね。
人が育つ環境というのは、大抵の場合その人が死んでいくまでの環境そのもの。
自分の部屋の扉を出ればどこにだって行けるということを誰も教えないからです。
だからアッシュは英二に何度も「住む世界が違う」と言っていたのでしょうね。

自分の可能性が無限だと感じる事が出来ること自体が幸福で恵まれていることなんだと、鉄拳で教えられた気がします。
ダメージが大きすぎますが(3年経っても原作を読み返す勇気が出ない)、この作品には本当に感謝しています。
もう少しお金を稼げるようになったら、ユニセフに募金しよう(?)

以上、心を乱されまくったオタクの戯言でした。
ありがとうございました。
miriam

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