『暗黒の世紀』――――人間世界の滅亡をもくろむ魔人<ヴァンデル>によってもたらされた、 いつ終わるともしれぬ恐怖に彩られた日々が続いていた。 そして今また、ひとつの里がヴァンデル・ギルスのさしむけたモンスターたちによって滅ぼされようとしている。 しかし、そこに颯爽と現れたひとりの少年により、ギルスは倒され、里は救われる。 「俺の名はビィト。暗黒の世紀を終わらせる男だ!」 そして物語は、3年前へとさかのぼる――――――。
ゼノンに命を助けられたものの、冷たく突き放されてしまったビィト。落ち込みながらもせっせと修行に励んでいたが、そんなビィトを突如睡魔が襲う。ビィトは丸3日間起きて丸1日眠るという、不思議な体質を持っているのだ。しかしまさにその時、アンクルスの里に、「惨劇の王者」として恐れられる5つ星のヴァンデル・ベルトーゼが襲いかかる!ゼノンと彼の仲間たちはそれぞれの必殺武器・才牙を手に、ベルトーゼに立ち向かうが―。
ビィトが修行の旅に出て3年。アンクルスの里では、ヴァンデルバスターとなったポアラがモンスターたちから人々を守っていた。しかしモンスターによる被害は一向に減る気配が無い。やはりモンスターを操っている存在・ヴァンデルを倒さなければ、里に平穏な日々を取り戻すことはできないのだ。今の実力ではまだヴァンデルに立ち向かうことはできないと、鑑定士にたしなめられるポアラ。しかしそんな時、モンスターによって里人がさらわれる、という事件が発生する。
死人沼にて、2つ星のヴァンデル・ムガインと対峙するビィトとポアラ。ふたりに対し、ムガインは配下のモンスターを一斉にけしかけてきた。だが、ビィトは槍を片手に豪快に立ち回り、またたく間にかなりの数の敵を倒してみせる。ポアラも苦戦しながら闘いに加わるが、自分よりレベルが10も低いはずのビィトの強さに驚きを隠せない。窮地に立たされたムガインは、自らの片腕を剣と化し、ビィトに襲いかかってきた。対するビィトは、炎の才牙・バーニングランスを生成する!
再び里を出て、暗黒の世紀を終わらせるべく旅をするというビィトに、ポアラは反発して家を飛び出してしまった。ビィトのあまりに現実離れした考えに、気持ちの整理をつけられないポアラ。そんなとき死人沼で倒したはずのヴァンデル・ムガインが復活し、ビィトに復讐せんと里に現れる。竹槍を手に応戦するビィトだったが、ムガインの計略にはまり、縛られて動きを封じられてしまった。勝ち誇るムガインの体から回転する刃が飛び出し、動けないビィトに襲いかかる!
暗黒の世紀を終わらせるべく、「ビィト戦士団」として故郷を後にしたビィトとポアラ。旅を続ける二人に突如、ヴァンデル・メルモンドの放ったモンスターが襲いかかる。二人の思わぬピンチに救ったのは長身のバスター・ジークと、彼に付き従う双子のバスター・リュックとナックだった。炎の才牙・ブラスターエッジを操り、クールに敵をなぎ倒していくジーク。と思いきやポアラにひと目惚れし、表情を崩して口説きにかかる。どうやら女の子には弱いようだ。しかしビィトの才牙を目にした途端、ジークの顔色が変わる。
ついに姿を現したヴァンデル・メルモンドに対し、ジークは才牙・ブラスターエッジを手に猛襲する。防戦しつつも妖しげな冥力陣を描き、何かを企んでいるメルモンド。しかしそれを見抜いたビィトが参戦し、メルモンドは一時撤退する。ビィトがゼノン戦士団の5つの才牙を受け継いでいることを知ったジークは、ビィトに激しい怒りを覚える。ジークもまた、幼いころゼノンに命を救われ、ゼノンに憧れてバスターになったのだった。「どっちがゼノンの後継者にふさわしいか、決着をつけてやる!」
メルモンドにより連れ去られてしまったジークを救出すべく、装備を整えるビィトたち。一方その頃、メルモンドの城の中に幽閉されていたジークは、凍結され陳列されている数多くの才牙、そしてそのかつての持ち主たちの姿を目の当たりにしていた。さらにメルモンド本人の口から、ジークをさらったのはビィトの才牙をも手に入れるための策略であることを聞かされる。狙い通り城に乗り込んできたビィトに対し、秘技・シルバームフリージングを発動させるメルモンド。生成しようとした才牙もろとも、ビィトは凍結されてしまう!
港町・レドウに到着したビィトとポアラ。正式な戦士団契約も済ませ、これから待ち受ける冒険への期待に胸を躍らせる。そんなときビィトは、かつて行動を共にしていたバスター・スレッドと再会する。お互いにウマが合わないらしく、些細なことでことごとく対立する二人。しかし憎まれ口を叩いていても、スレッドはどこかビィトのことを放ってはおけないようだ。突如睡魔に襲われて爆睡するビィトを残し、スレッドはひとり街外の森へと赴く。「闇の牙」と恐れられるヴァンデル・シャデリコを仕留めるためだ―――。
「深緑の智将」グリニデの手により、炎の戦場と化したレドウ。その混乱の中、ようやくビィトは目を覚ます。駆けつけたスレッドの援護を受けつつ、捕らえられたポアラを救うべく広場へ急行するビィト。しかしそれは、ビィトを亡き者にするために仕掛けられた罠だったのだ。有望なバスターの芽は小さいうちに摘み取っておく―――それがグリニデのやり方だった。宙に吊るされたポアラを助けようとしたビィト。その隙を狙いグリニデの放った毒矢が、ビィトの胸に突き刺さる!
ビィトにとってのまさに宿敵・「惨劇の王者」ベルトーゼが3年ぶりに姿を現した。7つ星となったベルトーゼは、3年前とは比べ物にならない程の恐るべき冥力を身につけている。その圧倒的なパワーに一時は翻弄されるビィトだったが、才牙・バーニングランスとクラウンシールドを同時に操ることで、ベルトーゼに片膝をつかせるまでに追い詰める。そして最期の一撃にビィトが選んだのは、兄・ゼノンの魂が込められた究極の才牙・エクセリオンブレード!
兄より受け継いだ秘技・ゼノンウィンザードにより、ベルトーゼを倒したかに見えたビィト。しかしベルトーゼにとって、ビィトのゼノン・ウィンザードは防御の必要も無いほどの威力に過ぎなかったのだ。しかも衝撃に耐えられなかったエクセリオンブレードの刃は、こなごなに砕けてしまう。激しいショックを受けるビィトだったが、ベルトーゼの攻撃の手はゆるまない。ならばと才牙・サイクロンガンナーを生成し、ベルトーゼに向けて発射するビィト。しかし、闘いで天力を消耗し過ぎたビィトの体に、思いもよらぬ異変がおきる。
ベルトーゼの放った灼熱の冥獄炎が、動けないビィトとポアラに迫る。絶体絶命のふたりを救ったのは、駆けつけてきたスレッドだった。ふたりを逃がす時間を稼ぐため、スレッドはひとりベルトーゼに対峙する。スレッドの手から繰り出される、目に見えぬ斬撃に圧倒されているかに見えたベルトーゼだったが、実は自らの血を吸わせることで、透明なスレッドの才牙・サイレントグレイブにその姿を浮かび上がらせることが目的だった・・・。
ビィトは夢を見ていた。ベルトーゼとの戦いで才牙エクセリオンブレードを破壊され、天力を極度に消耗したために眠りについたビィト。夢の中で、ゼノンたち5人がビィトに語りかける。自分を信じ、強き心を失わぬ限り、才牙もまた不滅なのだと・・・。目を覚ましたビィトは、グリニデの毒におかされ生死の境をさまよっているポアラに対し、才牙クラウンシールドを使った解毒に成功する。しかしその最中、スレッドを始末したベルトーゼがビィトの居場所を知り、ゆっくりと近づいてきた・・・
ついにその幕が切って落とされた。ビィトVSベルトーゼの最終決戦。ビィトの選んだ才牙・クラウンシールドは、実は球形に変化することで武器としても使えるのだ。その鉄球を操り、打撃だけでなく地中からの冥力をも封じることに成功したビィト。優勢かと思われたがその時、ベルトーゼの放った地をはう冥撃がビィトを直撃し、クラウンシールドを取り落としてしまった。そしてそこにベルトーゼの最終奥義・ファントムエクスプロージョンが襲いかかる!
死闘の末、ついに宿敵ベルトーゼを倒したビィト。しかしそれは分身体・ファントムに過ぎなかった。いつか本物のベルトーゼと闘わなくてはならない、その新たな覚悟を胸に刻むビィトとポアラ。レドウの大河を越え、グリニデの勢力圏である「黒の地平」を目指すべく、準備にとりかかるのだった。これから待ち受ける厳しい戦いに向け、不安の尽きないポアラはあれやこれやと武器を買い込むが・・・。
レドウの大河を越え、「黒の地平」へとたどり着いたビィトとポアラ。食料調達のため、テルセロンの町に立ち寄る。しかしそこでビィトたちの見たものは、門を破壊され、無残にも廃墟と化した町だった。そしてそこに現れたのは、かつて共に闘ったジーク戦士団の3人。聞けばこの町は、グリニデの放ったモンスターの襲撃を受け、もはや壊滅寸前だという。わずかに残った住人を助けるべく、ジークたちはこの地にとどまり、戦いを続けていた。とその時、突如モンスターの大群が空を覆い、テルセロンに襲い掛かってきた!
突如現れた謎の女バスター・ミルファの活躍により、危機を脱したテルセロンの町。しかし町の窮状は変わらない。食糧難のため、町の人々は虫を獲って食べる日々を送っていたが、それがどうしてもできないポアラは空腹に悩まされていた。そんなとき、町の少女・ロコがトトもろともグリニデの配下の魔人・ベンチュラによってさらわれてしまう。ビィトたちはミルファの助言を受け、ベンチュラの根城に乗り込むべく出発するが…
ベンチュラの放ったモンスター・ドラゴンビーの大群が、テルセロンの町を滅ぼさんと強襲する。しかし見るミルファとポアラの活躍により、モンスターはことごとく倒され、ベンチュラは退却する。さらわれていたロコたちも助け出すことができた。しかし喜びもつかの間、今度は地中から蟻型モンスター・グルメアントが大量発生し、町人を襲い始めた。このままでは地中からこの町が崩壊してしまう。そのことを知ったビィトたち一行は、グルメアントを巣ごと退治すべく地下へと降りて行くのだった・・・。
ビィトたちが地下で見つけた巨大なマユから、グルメアントの女王が羽化し、地上へと這い出てきた。このままではテルセロンの町全体は破壊されてしまう。ジークの才牙やミルファの天撃も、恐るべき硬さを誇る女王アントの外皮を打ち破ることが出来ない。ならばと槍を振りかざし、巨大な女王アントに向かっていくビィト。しかし次の瞬間、ビィトは女王アントに飲み込まれてしまった!
テルセロンの危機を救い、本来の目的地であるトロワナ王国への旅路を急ぐビィトとポアラ。その途中の森でビィトは、ヴァンデルに襲われケガをしたというトロワナ兵に出会った。助けようと手を差し伸べたその時、突如茂みから現れた兵士たちがビィトに斬りかかる!実はこの兵士たちはヴァンデル・ベンチュラの放ったモンスター・トリュプスによって操られていたのだ。ビィトを亡きものにし、テルセロンで受けた屈辱を晴らせたことを喜ぶベンチュラだったが・・・。
ベンチュラの魔手から救い出したアルフォードたちに導かれ、ビィトとポアラはついにトロワナ王国へたどり着く。しかしそこに待ち構えていたのは、「鮮烈の紅弾」の異名を持ち、グリニデの配下の中でもっとも恐れられているという5つ星のヴァンデル・フラウスキーだった。全身を飛び道具と化し、遠距離から乱射してくるフラウスキーに対し、ビィトは才牙・サイクロンガンナーで立ち向かう。ポアラと息の合ったコンビネーションにより、一旦はフラウスキーを倒したかに見えたビィトだったが…。
絶体絶命のビィトたちだったが、フラウスキーの気まぐれによりかろうじて危機を脱することができた。アルフォードを殺され、自分の非力さを痛感したビィトは、一緒に戦ってくれる仲間をトロワナで探そうとする。しかしグリニデ配下と戦うような危険を冒すバスターは見つからない。ならばと一人でアルフォードの敵を討つべく、トロワナを後にするビィト。グリニデのもう一人の配下・闇軍師ロズコートが通りかかったのを見つけ、フラウスキーの居場所を訊き出そうと果敢にも戦いを挑む。とその時、意外な人物が姿を現した。
2年ぶりに盟友・キッスと再会を果たしたビィト。キッスはヴァンデルに関する調査を請け負っており、これから近くの古代遺跡に赴く途中だという。ビィトたちも同行することにしたが、ポアラはキッスのことをどこか信用できずにいた。遺跡にたどりついた途端、いきなり他の2人とはぐれてしまうビィト。キッスと2人きりになったところをヴァンデル・ベンチュラに襲われたポアラは、キッスの口から驚愕の事実を明かされるのだった。一方その頃、ひとりになったビィトは、仇敵・フラウスキーと再び対峙していた―――。
大爆発に巻き込まれたビィトを残し、フラウスキー、ベンチュラと共にグリニデ城へと帰還したキッス。ビィト抹殺という成果をグリニデに誉められるが、ビィトを裏切り、見殺しにしてしまったことへの罪悪感はぬぐえない。その時、捕らえられていたポアラが自力でベンチュラの束縛を破り、キッスを連れて脱出を図る。モンスターたちを蹴散らし、大怪蝶を奪って空へと逃げるポアラとキッス。その最中、キッスは自分が人間に絶望し、ヴァンデルの側へとついたいきさつを語り始めた…。
やはりビィトは生きていた。フラウスキーの口からキッスの裏切りについて聴かされても、ビィトのキッスへの信頼は揺るがない。キッスを取り戻すべく、フラウスキーとの最終決戦に臨むビィト。フラウスキーの銃弾がビィトに向けて殺到するが、ビィトはサイクロンガンナーを連射し迎撃する。ビィトは特殊な呼吸法を身につけることで、サイクロンガンナーへの再装弾を可能にしていたのだ。たじろくフラウスキーだったが、急所が体内を移動する自分の優位は変わらないと見る。しかしビィトは、さらなる新奥義を身につけていた!
フラウスキー、ベンチュラを撃破した安堵もつかの間、グリニデ配下の三魔人最後の一人・闇軍師ロズゴートが姿を現す。才牙や天撃で応戦しようとするビィトとポアラだったが、ロズゴートの魔奥義・イリュージョンミストにより天力を封じられてしまい、ピンチに陥るのだった。とどめとばかりに上位冥撃・業火の冥撃流を出現させ、ビィトたちに狙いを定めるロズゴート。しかしその時、意を決したキッスがその前を立ちはだかる。
圧倒的な力への服従-それこそがこの暗黒の世紀を生き抜く唯一無二の道だというロズゴートの言葉に、キッスの心は揺れていた。かつてビィトと誓い合った夢、人間への絶望、そして仲間への裏切り-キッスの胸中に、もはや取り戻せぬ大切なものを捨ててしまった過去への自責の念が去来する。ビィトを守りきることでそんな自分を精算するつもりなのか、キッスはついにロズゴートに立ち向かうのであった。たとえそれによって、グリニデの毒の腕輪が自分の命を奪うことになろうとも…。
ついに立ち上がった「天撃の天才」キッスと、5つ星のヴァンデル・ロズゴートとの決戦の火蓋が切って落とされる。キッスはロズゴートの放った冥撃が生み出したわずかな空気の隙間を使い、天撃の気流を発生させていたのだ。これによりイリュージョンミストの天力障害から逃れたキッスは、火・水・風・雷・光の天撃五属性をすべて操り、ロズゴートを追い詰めてゆく。しかしキッスの身体には、腕輪からの毒のために確実な死が迫っていた。そのことを悟ったキッスは切り札である上位天撃・天烈の大火球を生成し、ロズゴートに向けて打ち放つが・・・。
キッスの上位天撃・天烈の大火球が、ロズゴートに向けて放たれる。対するロズゴートはイリュージョンミストを一点に集中することによりそれを防御するが、その隙を突いてビィトがサイクロンガンナーを生成、発射する。予期せぬ連携攻撃を辛くも回避したロズゴートだったが、その合間にもキッスはさらなる切り札を用意していたのだ。水の天力極限まで圧縮された上位天撃・天青の氷結波が、ロズゴートを粉砕する!天才的な天撃のセンスを見せ付け勝利したキッスだったが、毒に蝕まれたその身体はついに・・・。
新たな仲間・キッスが加わり、3人となったビィト戦士団。しかしついこの間までグリニデの配下だったキッスに対し、ポアラは心配を拭えずにいた。しかも立ち寄った町で、指名手配中のキッスを連れているため鑑定が受けられず、報奨金ももらえないことが判明、ポアラのキッスに対する不信感は決定的なものとなってしまう。そんな時ビィトが、町人から食事をお礼にモンスター退治の依頼を引き受けてきた。とりあえず喰うためにはと出発するビィト戦士団だったが、その裏にはかつてロズゴートの手下だったモンスター・バットンの影が・・・。
モンスター・バットンにとどめを刺そうとしたその矢先、折悪しくビィトが眠りについてしまった。形勢逆転とみたバットンは猛反撃を開始、眠るビィトを守ろうとしたポアラとキッスは蟻地獄に飲み込まれ、地下空洞へと落ちてしまう。ビィトを担ぎ、力を合わせて地上を目指すふたり。それぞれビィトと一緒にいる間さんざん苦労させられたことや、同時に元気をもらったことを話すうちに、心を通わせてゆくのだった。しかしようやく地上に出た3人を、バットンが待ち構えていた。
グリニデ城を目指して旅を続けていたビィト、ポアラ、キッスの3人は、人々を苦しめる悪党バスターがいるという情報を得て、ムスリーの街へとやって来る。そこで3人の見たものは、モンスターによって門のみならず街中が溶かされている光景であった。そこで出会ったグレスト、バドゥという2人のバスターの、人を人とも思わぬ悪逆非道なふるまいに怒りをあらわにするビィト。しかしそこに割って入ったのは、かつてテルセロンで出会った美少女BB(ブロード・バスター)、ミルファだった!
天撃の雷を身にまとったミルファが、ツチギンチャクの大群を豪快になぎ倒してゆく。ミルファは自分自身を雷の天力で包むことで、攻撃と防御を一体化させていたのだ。しかし雑魚たちを蹴散らした安堵もつかの間、無数の固体が合体した巨大ツチギンチャクが姿を現す。戦いの中で天力をうまくコントロールできず、焦りを覚えるポアラ。だがキッスの助言を受け、敵の間近で天撃を放つことで大ダメージを与える戦術を編み出した。そしてとどめとばかりにミルファが生成したのは、強大な雷の才牙・ライボルトグラスパー
「暗黒の世紀の催促人」の異名を持つ3つ星のヴァンデル・ガネール。魔札をこよなく愛し、他のヴァンデルたちに魔札を貸し付けては高い利息を取り儲けていた。シャギーの口からビィト戦士団に関する情報を耳にしたガネールは、キッスの身柄をグリニデに届ければ魔札が稼げると思い立ち、ビィトたちと接触する。ガネールは魔札稼ぎのために多くの人間をさらったことを知っていたキッスはビィトとポアラに、自分がわざと捕まることによって囚われた人々を救出する作戦を提案する。グリニデ城への距離も稼げて一石二鳥だというが・・・。
キッスをさらったガネールの移動要塞・軍艦トータスを追うビィトとポアラ。一方囚われの身となったキッスは、要塞内に人質と一緒に紛れ込んでいたジーク戦士団と出会う。キッスの天才的な天撃にほれ込んだジークはキッスを戦士団に誘おうとするが、仲間のビィトが人質たちを助けようと動いてると聞かされ、驚くのであった。キッスの合図を受け、要塞に突入するビィトとポアラ。ジークやキッスとともにガネールを追い詰めるが、そこにガネールに付き従う謎の用心棒ヴァンデル・セニアが立ちはだかる。
いかなる攻撃を受けても、平然と立ち上がり向かって来るゼニア。キッスの氷結波により粉々に砕かれるが、なんと破片が集まり再生してしまう。ゼニアは真の不死身だというのか!?ビィトたちの顔に絶望の色が浮かぶが、ガネールの持つ算盤に秘密があることをポアラが見抜いた。死んだヴァンデルであるゼニアの身体を、ガネールが操っていたのだ。算盤を破壊され無力化したゼニアを、ビィトが一刀両断!ついに追い詰められたガネールだったが、思わぬ手で反撃に転ずる。
ガネールの移動要塞を破壊し、人質を助け出すことに成功したビィト戦士団、そしてジーク戦士団。グリニデを倒すというビィトの計画を聞いたジークは、そのあまりに現実離れした発想に反発する。しかしそこに2人のヴァンデル、ヤギールとキャンバルが姿を現した。ガネールに負った借金を帳消しにしてやる代わりにと持ちかけられ、ビィトたちを抹殺すべく襲い掛かってきたのだ。力を合わせ、それぞれの才牙を手に戦うビィトとジーク。しかし一般市民を連れているために思う存分暴れることができず、次第に苦戦を強いられてゆく。
ついにグリニデの居城へと突入したビィト戦士団!しかしそこでビィトたちを待っていたのは、むごたらしいまでに破壊された城の姿だった。そこに現れたモンスター・ダンゴールによると、キッスや配下の魔人たちを失った怒りが、グリニデ自身をしてこの大破壊をなさしめたという。思わぬ状況の変化に一時退却を主張するキッスだったが、ビィトの決意はゆるがない。グリニデを倒すときは、今しかないのだと。おそるおそるも城の内部を進む一行だったが、不意をつかれたキッスが罠にかかり、ひとり連れ去られてしまう!
かろうじて冷静さを保つグリニデの口から語られた事実は、キッスを驚愕させる。グリニデはモンスターを自らの手で作り出すことにより、八輝星の地位を手に入れようとしていたのだ。そしてその計画を実現させる為、キッスを許し仲間として再び向かえ入れようというグリニデ。しかしその代償としてビィトを抹消せよと迫られたキッスは、初めてグリニデに面と向かって反抗するのだった。もう二度と、ビィトを裏切ることはできないのだと―。
極限まで達した怒りにより、ついにその正体をあらわにしたグリニデ。それは同時に「血塗られた獣」としての真なる力の開放であった。理性を失い、すさまじいまでの破壊と暴力を繰り返すグリニデ。ビィトの才牙も、キッスの天撃もその強靭な肉体に傷ひとつ負わせることができない。かつての執事・ダンゴールを目にしたことにより、一時冷静さを取り戻したかに見えたグリニデだったが、その両腕から放たれた魔奥義・怒剛裂波はビィトたちもろとも周囲の大地を吹き飛ばしてしまう。
グリニデのすさまじい拳圧に吹き飛ばされたビィトは、逆にそれにより命を落とさずにすんだ。全てが自分の思い通りにならないグリニデは、意外にも取り乱して泣きじゃくるのだった。人間なんて殺されて当然のゴミクズのために、なんで自分の計画がここまで滅茶苦茶にされなきゃいけないんだ―そのあまりに横暴な理屈に、静かな怒りを燃やすビィト。最後の手段にとっておいた5つ目の才牙・ボルティックアックスを今、生成させる!
斧の才牙・ボルティックアックスを振り回し、グリニデに襲い掛かるビィト。しかしそのあまりの重さとパワーは、ビィトの手に余るものだった。ほとんど正確な打撃を与えられないばかりか、せっかく与えた傷もグリニデにとっては蚊に刺された程度のダメージでしかない。このままではやがてビィトの体力が尽きてしまう。そしてグリニデもそれを待っているのだ―。そのことに気づいたポアラはある決心を胸に、アックスの猛刃が荒れ狂う中へと突入する!
グリニデの角を折る―その一点に勝利へのすべての望みを託し、突撃するビィト戦士団。バーニングランスを使いグリニデの怒剛裂波を飛び越えたビィトは、空中でボルティックアックスを生成し真上からグリニデを狙おうというのだ。そしてその間の足止めのため、キッスの捨て身の天撃により怒剛裂波を突破したポアラがグリニデに突撃する。グリニデの圧倒的な冥力によりポワラの天撃は押さえ込まれてしまうが、ポワラがその思いを爆発させたとき、奇跡が―。
ビィトがにわかに生成した起死回生の天撃が、グリニデの顔面を吹き飛ばす。それでも、立ち上がってくるグリニデだったが、もはや星は砕け、その性格もかつての穏やかさを取り戻していた。静かに自分の敗北を認め、ビィト戦士団に今生の別れを告げるグリニデ。ビィトたちはついに黒の地平の支配者・深緑の智将グリニデに勝利したのだ。しかし、角を折られたヴァンデルは死の瞬間に、上位天撃をも上回る威力の大爆発を起こすという。逃げることもままならず、最後の最後でビィト戦士団、絶体絶命のピンチなのか・・・!?
補給の為近くの町に寄ったビィト戦士団とミルファは、深緑の智将グリニデを倒し、黒の地平に二十年来の陽の光をもたらした英雄として歓迎を受け、束の間の安息を得る。だが、主を失ったグリニデの配下の大群のモンスターが町を囲んで襲ってきた。しかし、そこに現れたのは、かつてのトロワナで門の外のモンスター退治に無関心だったゴランを始めとするバスター達だった。バスターたちの力を合わせた反撃で、モンスターを無事撃退した。黒の地平にはまだまだモンスターがはびこっているが、ゴラン達は残るモンスターを撃退してみせると宣言するのだった。ビィトは、町の復旧作業に力を貸すジーク戦士団と再会したり、ゴラン達の姿を見て様々なバスターのあり方に想いをはせるのだった。
深緑の智将グリニデを倒し、黒の地平に希望を取り戻したビィト戦士団は、ミルファと共に立ち寄った町で英雄として歓迎を受けた。だが、その町でビィト戦士団は、かつてグリニデに仕えていた罪でキッスがバスター協会から指名手配になっていた事を知る。バスターの不正を取り締まるブロードバスターであるミルファは、この事に気付いた振る舞いを見せてはいない。加えてミルファと明日には別れる予定の為、このまま気付かれずに今日をやり過ごせばと考えるポアラは、ビィトとキッスをミルファと会わせまいと画策する。だが、そんなポアラの思惑など看過しているミルファは、先手を打ってキッスを町から出さない様にし向け、遂にはキッスに逮捕を宣告するのだった!
キッスの罪を全員で償う為にもビィト戦士団とミルファはバスター協会の本拠地であるグランシスタへと向かう。旅の途中で溜息をするミルファを見て、ポアラは浮かれるビィト戦士団の引き締めを図る。ビィトには才牙を封印させ、キッスには体に重りを付けさせて弱点を克服させようとするが、まともにモンスターとは戦えない。見かねたミルファが咄嗟に放った天撃はビィトとキッスに当たってしまった。実はミルファの溜息の原因は、風邪だったのだ。キッスが親身に看病するが、自意識過剰なミルファはとんでもない勘違いをする!?
ビィト戦士団、グリニデを倒す!の噂はサドラムに向かう船にいたスレッドの耳にも届いていた。 サドラムに降り立ったスレッドは、この地が五つ星のヴァンデル、ランパードに支配されている事を知る。船上で知り合った少女ルイーザの悲痛な願いに心動かされ、スレッドは才牙サイレントグレイブでランパードに立ち向かう。だが、ランパードの手下のモンスター・バットンにルイーザを人質にとられてしまう! 孤高のバスター・スレッドは、ルイーザを救いサドラムの町を救うことができるのか!?
ビィトたちは、バスター協会のある大都市グランシスタへの道を急いでいた。しかし、体力の無いキッスがついて来られず、その歩みは遅かった。仕方なく野営拠点を決めると、ビィトとキッスは食料調達へと向かう。 食べられる様になったとはいえ、虫嫌いなポワラの為にも美味しい物を頑張って探す二人は、飛んできた蜂を見て蜂蜜を取ることを思いつく。だが、巣を見つける為に無謀にも蜂を追いかけるビィトとキッス。二人共に走り、蜂に苦しめられることになるのだが…
黒の地平の支配者グリニデの滅亡を喜んでいたのは町の人々だけではなかった。 グランシスタに向かうビィト達が立ち寄った港町ターミッツは、何者かに支配されていた。それこそが、グリニデ亡き後、黒の地平を我が物にしようと目論む五つ星のヴァンデル「暁の影法師バラサ」であった。 立ち向かうビィト戦士団だが、バラサの巧妙な侵略に撤退を余儀なくされてしまう。 ビィト達は、町の北岸の出島に避難していた町の人々と合流するが、バラサの魔の手が迫る。ビィト達は、出島防衛作戦とターミッツ奪還作戦を計画し再びバラサに挑む!
港町ターミッツを五つ星のヴァンデル・バラサの支配から解き放ったと思ったのも束の間、分身したバラサの大群が再びビィトを襲う。 戦いながらバラサの本体を探すビィト戦士団だが、なかなか発見する事が出来ない。それすらもバラサの巧妙な罠でビィト達は、体力を削られ睡魔に襲われてしまう! ビィト戦士団はバラサの本体を見つけ出し、黒の地平最後の戦いを勝利で飾る事が出来るのか!?