黒の地平を後にし、いざグランシスタへ――― 平和な航海もつかの間、ビィトたちは魔人世界の監獄「魔牢獄」の獄長であるヴァンデル・バウスの襲撃を受ける。船を破壊され、かろうじて陸地へとたどりついたビィトたちはそこで謎の少年・リオンと出会うのだった。バウスが魔牢獄から解き放った囚人ヴァンデルのひとり・ジェラに苦戦するビィトだったが、リオンの持つ宝玉・プライティプライムが光を放つとき、新たなる力が―――!? 幻の大地・シャンティーゴを舞台に、ビィト戦士団vsバウスの新たなる死闘の幕が開く!
リオンを「若」と呼ぶ謎のバスター・イーブルに連れられ、シャンティーゴの街へとやって来たビィト戦士団。驚くべきことにそこは、住人の多くが天撃を操ることができる「天撃の街」であった。その領主の息子であるリオンもまた天力を使えるバスターであるはずだが、なぜかリオンはかたくなにそれを否定するのだった。一方その頃、かろうじて命を取りとめていたジェラは、バウスに託された「モンスター銃」を使ってシャンティーゴの街を襲う。
シャンティーゴの危機を救ったビィトたちは、この街の天撃隊長のひとりでリオンの養育係でもあるバスター・爆炎のグリファスのもとへ招かれる。驚くべきことにその顔は、かつて倒したあのヴァンデルに瓜二つだった!「おっちゃん似てるなあ、グリニデに!」「グリニデだとーーーーーーーッ!!」どうやらこの名前は禁句のようだ。そんな最中、リオンが家出をした、という知らせが届く。グリファスに頼まれ、リオンを捜しに出発するビィトたちだったが・・・。
グリファスのおかげでやっと住む家を見つけたビィトたち。ポアラの提案により、この家を使って宿屋を開くことにした。宿屋の娘であるポアラの奮闘で何とか開業にこぎつけるが、最初の客はまたも家出してきたリオンだった!一方その頃、魔牢獄では第2の囚人ヴァンデル・アートロンが縛め解かれ、シャンティーゴを滅ぼすべく出撃するのだった。
海岸に座礁したままの武装客船は、リオンの秘密の隠れ家になっていた。いつものように城を抜け出し、機械いじりに興じていたリオンのもとを、ふとキッスが訪ねてくる。リオンによると、天力のようにあいまいなものよりも、機械のほうがずっと理解しやすくて好きなのだという。そんなリオンにキッスは、自分が「世界一の天撃使い」を目指す理由を話して聴かせるが…。そんな最中、またしても芸術的ヴァンデル・アートロンが姿を現す。
才牙は5つも使えるのに、相変わらず天撃の腕はさっぱりなビィト。見かねたポアラはビィトに天撃の修行を受けさせようと、風の天撃隊長・涼風のイーブルのもとへと連れてゆく。つかみどころのないイーブルの指導に、なかなか極意を見出せないビィト。しかしそんな最中、凶暴な炎のモンスター・青炎馬の群れが、ビィトたちめがけて襲い掛かってきた。苦戦するビィトとポアラを尻目に、イーブルは風の天撃のすさまじい奥義を見せつける。
4日のうち1日しか寝ないという、特異な体質をもつビィト。眠れぬ夜を槍の修行ですごそうと城を出たビィトを、気になるのかリオンがこっそりと後をついてきていた。いつの間にか「迷いの森」へと足を踏み入れてしまったふたりの前に、かつて武装客船を沈め、多くの人々の命を奪ったヴァンデル・魔牢獄長バウスが姿を現す。月夜の樹海を舞台に、ビィトvsバウスの因縁の対決が再び幕を開ける―――。
シャンティーゴの町に、「強欲君主」の異名を持つ6ツ星ヴァンデル・ハーデンが姿を現した。バウスからこの町に黄金が隠されていると聞かされ、襲ってきたのだ。対するシャンティーゴ側はイーブル率いる天撃隊を繰り出して応戦するが、ことごとく退けられてしまう。シャンティーゴの門前にまで迫ったハーデンに対し、最後の守りであるビィト戦士団が戦いを挑むが…。
未だにうまく使いこなすことのできない才牙・ボルティックアックスの極意をつかむべく、ミルファとともに城外で修行していたビィト。するとそこに、魔牢獄から解き放たれたヴァンデルのひとり・ハングがモンスターを引き連れて襲ってきた。苦戦するビィトたちを間一髪救ってくれたのは、シャンティーゴの四賢人のひとり・瞬雷の魔術師トンガだった。トンガに促され、ビィトとミルファは奥義・迅雷撃破を習得すべく修行を開始するが…。
シャンティーゴの街に年2回の「天撃祭り」の日がやってきた。グリファスに促されたビィト、キッス、ポアラの3人は、天撃かくし芸大会への準備に余念が無い。一方リオンは、プライティ・プライムの天力を使った「封印の儀式」の主役を務めていた。ミルファはその儀式が、シャンティーゴのある秘密につながっていることを見抜くのだった。そんな中、再び解き放たれたハングが大雨にまぎれ、密かにシャンティーゴへと迫っていた。
そのあまりの弱さに、囚人ヴァンデルたちの食事をつくる程度の仕事しかない哀しき一つ星・ニャンジャマー。「我こそは八輝星に最も近い魔人だニャー!」と豪語しつつも毎度うかつなヘマをやらかし、ついに魔牢獄の中で鎖につながれる身分となってしまう。そんな折、第三房筆頭・ストローガに初の出撃命令が下された!ストローガの部下としてシャンティーゴに潜入することになったニャンジャマーだったが、さっそく街から食糧を盗み出しているところをリオンに見つかってしまう。
シャンティーゴ名物、何だかよくわからない修行シリーズ第3弾は、「水」の天撃がテーマだ。領主パドロの依頼で、滝の裏にあるという洞穴までお使いにいくことになったリオンとビィト戦士団の面々。だがそこに待ち受けていたのはやはりシャンティーゴ四賢人のひとり「流水のレイモンド」だった!過酷な修行の裏に隠された真意とは?水の奥義「水破瀑流」の極意とは?そして、洞穴の奥に待っていたものとは―――!?衝撃のラストに注目せよ!
かつてビィトたちに挑み、敗れ去った魔牢獄第一房筆頭・ジェラ。止むことなき復讐の炎がその身を再びシャンティーゴの地に燃え上がらせ、ビィト戦士団をかつてない死闘へと駆りたてる。ビィトの放つ疾風迅雷をまともに受け、ついに倒れたかに見えたジェラ。だがその真意は、おのれの体を縛るいまいましき拘束具を破壊せしむるにあったのだ―――囚人ヴァンデルの冥力を封じ込めている拘束具が砕け散るそのとき、ジェラの真の姿が世に解き放たれた!!
ビィトが死んだ。その現実を受け入れることのできぬまま、城塞の復旧にあたるポアラたち。そして最後の瞬間にビィトを助けられなかったリオンは、罪の意識に悩むのだった。一方その頃、バウスは生き残った三人の筆頭魔人―――アートロン、ストローガ、ハング―――を連れ、魔牢獄の地下にある巨大な扉の前に立っていた。ヴァンデルたちが背負う「罪」とは? 獄長バウスの真の目的とは? ついに今、魔牢獄の謎が明らかにされようとしている―――。
魔牢獄の、そして自分たちの出生の秘密、さらにはバウスの野望を明かされた三筆頭たちは、あらためてバウスに忠誠を誓う。ビィトが亡き者となった今、いよいよシャンティーゴ壊滅のための作戦が本格的に始動しようとしていた―――。そんな魔人たちの企みをよそに、ビィトの生存を信じ必死の捜索を続けるポアラ、キッス、ミルファ、そしてリオン。しかしその願いもむなしく、アートロンの強襲を受けた4人は苦戦を強いられ、散り散りになってしまう。
母の記憶―――街を守るため命を投げ出した母を、守ることができなかった自分―――それはリオンの心に、深く陰を落とす記憶だった。ビィトもまた、自分のために大切な人たちを失ったこと、そしてそのことがビィトを強くしたことを知ったとき、リオンのビィトに対する想いが変化をみせる。そんなビィトを守ることを決意した瞬間、ついにリオンに秘められた力がすべて覚醒する。そしてそれは、他ならぬバウスの待ち望んでいた瞬間でもあった…。
ついにシャンティーゴに対し、バウス率いる魔牢獄のヴァンデルたちによる総攻撃が開始される。街の外でアートロンを迎え撃つキッスとイーブル、街の中に攻め入ったストローガに応戦するビィトとグリファス。城の地下では封印石を守るべく、ミルファとトンガがハングとの死闘を繰り広げる。そしてポアラとレイモンドの守るリオンの部屋には、バウスの影が密かに迫っていた…。果たしてビィト戦士団は、シャンティーゴの街を、リオンを守ることができるのか!?
バウスから逃げまどうリオンのもとへ助けにあらわれたのは、他ならぬ父・パウロだった。それは同時にバウスとパウロの、7年ぶりの因縁の再会であった。奥義・天破連撃を発動し、その身体に似合わぬすさまじい天撃を矢継ぎ早に繰り出すパウロ。しかしそれをはるかに上回るバウスの冥撃により、パウロもまた地に倒れてしまう。ついに捕らえられたリオンに向かいバウスは、7年前にリオンの母・マチルダの命を奪った事件の驚くべき真相を告げるのだった。
リオンをさらわれ、封印石も破壊されてしまったシャンティーゴ。このままでは地下の冥力が抑えられず、街もろとも大崩壊を起こしてしまう。それを止めるには魔牢獄に殴りこみ、リオンを奪還するしかない!その決意を胸にビィト戦士団は、イーブルの導きのもと魔牢獄への道を急ぐのであった。ついにたどり着いた魔牢獄の門前にて、待ち構えていたアートロンにひとり対峙するイーブル。今ここに、賢者イーブルの死を賭した闘いが始まろうとしていた―――。
命を引き換えにしたイーブルの最終奥義により、魔牢獄への道が開かれた。シャンティーゴの街ではグリファスたちのはたらきによって、何とか冥力の噴出を止めることができた。しかしこのままでは長くはもたない。リオンを救出すべく魔牢獄の最深部へ急ぐビィト戦士団は、途中襲いかかるハングをポアラとミルファにまかせ、キッスとビィトがさらに先へと進むのだった。しかしその時、2人の前に意外な相手が立ちふさがる。
アートロンを撃破し、さらに魔牢獄の奥へと進むビィトとキッス。その前に立ちふさがったのは筆頭魔人のひとり「千の腕」ストローガだった。一方その頃、橋の上ではミルファとポアラのふたりが、ハングを前に立往生を強いられていた。炎の天撃を浴び、一度は消滅したかに見えたハングだったが、隙をみて復活するとなんとポアラの体を乗っとってしまう。操られたポアラに対して本気で攻撃することが出来ないミルファは、ついに絶体絶命の危機に追い込まれるが…。
史上最弱と蔑まれ、未だかつて陽の目をみることの無かった哀しき魔人・ニャンジャマー。しかしついに、その真なる力が解放されるときが来た!バウスによって拘束具を外されたニャンジャマーが、ストローガをあんな手やこんな手で倒したビィトたちの前に猛然と立ちふさがる。その全身から発せられる、天地を焦がし星をも揺るがすニャンジャマーの冥力ッ!!いまここに、ニャンジャマーの全冥力を込めた恐るべき想像を絶するすさまじき究極の最終奥義が炸・裂・す・る―――!!!
魔牢獄、浮上―――バウスの真の目的は、その強大な破壊力により魔賓館をも破壊し、この地上に君臨することだったのだ。リオンを救出し、その野望を阻止すべく奮闘するビィト戦士団。一方その頃、事態を嗅ぎつけた魔賓館館長・シャギーがバウスの前に姿を現していた。襲いかかるバウスの身体から、シャギーは以外な方法で自由を奪ってみせる。そしてシャギーの口から、バウスに関する驚くべき秘密が語られるのだった。魔牢獄長バウス、その正体とは…。
魔牢獄を、そしておのれの野望をも破壊され、怒りをたぎらせるバウス。その圧倒的な戦闘能力を前に、善戦もむなしくポアラが、キッスが、ミルファが、そしてリオンが地に臥してゆく。そしてついに宿命の仇敵バウスとの、一対一の戦いへと臨むビィト。燃えたぎる闘争心に飲み込まれ、禍々しい手段で自分自身を暴走させるバウス。正義とプライドと、そして世界の命運を賭けた、この死闘の果てに待つものは、果たして――――!?
バウスもろとも魔牢獄は破壊され、シャンティーゴの大地に平和が訪れた。しかし「暗黒の世紀」は未だ終わらない。地上にうごめく全てのヴァンデルたちを倒し、世界に真の平和がもたらされるその日まで、ビィトと仲間たちがその歩みを止めることはない。新領主として街の復興に力を尽くすことを決めたリオンに別れを告げ、さらなる新天地へと出航するビィト戦士団。その目指す先には、どんな明日が待っているのか―――。 冒険はつづく!