映画ケーン

Vivy -Fluorite Eyeʼs Song-の映画ケーンのレビュー・感想・評価

Vivy -Fluorite Eyeʼs Song-(2021年製作のアニメ)
3.7
意外と面白い
ただ、演出がベタベタで鼻につく。何かの解説をする時は頭の良さそうな論理的そうな音楽を流し、アクションでは超ハイテンポな音楽を流し…
美しい主人公の「美しい」描写を何度も挟んだり。

未来としてはリアリティの無い世界観とロボット。「不必要な機能は無いんですよ」と言いながら無駄な機能が見えるロボットの数々。ロボットそのものにリアリティが無いが故に説得力が無い。まあ、そっち方面を掘るつもりは無いのかもしれないけど、「いくら何でもこれは…」って思ってしまう。
驚いたのは、会場に入る際にチケットを見せて観客が入って行くカットがあるんだけど、そのチケット(未来スマホ?)にバーコードスキャナーをピッてやってる。全然今と同じじゃんwって思ってしまった。そういうところから未来のガジェットについてあまり考えて無いのが見える。
『2001年』でタブレットがどれだけ予言的だったか。

オフィーリアにアントニオが入った回、声が変わるのはおかしいでしょw
ここはオフィーリアの声なんだけど、言葉遣い、振る舞いがオフィーリアに見えない、って見せ方しなきゃ。

あとはこの手のアニメに多い気がするんだけど、感情の説明が全体的に多過ぎる。演出は鼻につくけど、伝わってるのにわざわざ説明して安っぽくしてる。

そしてマツモトのキャラ。「論理的で口が立つ」キャラにしたかったのだろうけど、そう見えない。主人公も含め、AIならもう少し先の見通しを立てた話をして観客を「あ!それだと危ないじゃん!」みたいな驚かせる様なAIならではの頭の良いやりとりが欲しかった。

ただ、主人公が魅力的に描けてるのは大きい。可愛いし、美しいし、格好良い。
更にそこに「でも、ロボットだからね」と言う様に主人公の大破が描かれる(ちょっとクドい感あるけど。絞った方が良かった。『用心棒』みたいに——『用心棒』はラスト一回だけ)。

あと、結構な年月経ってて結構サラッと行くから何気にゾッとさせられる驚きとかも良かった。

物語、プロットは凄く面白い。登場人物の動機はハッキリしてるし、結構ハードな展開の連続で良かった。

オープニング曲も結構良かった(ちょっと裏声見せびらかし感を感じたけど)。物語的に一番重要だから。キャッチーだし、引き込まれる。

SF的なツッコミどころは超気になった。
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