トムヤムくん

ぼっち・ざ・ろっく!のトムヤムくんのレビュー・感想・評価

ぼっち・ざ・ろっく!(2022年製作のアニメ)
3.6
今まで1人で過ごしてきた自称陰キャが、テレビの人気バンドのインタビューを見て、突然バンドを始めようなんて思うか?という野暮なツッコミは置いておいて、

結束バンドは「みんな初心者、もしくは未経験者」なので、バンドを組んでから全くと言っていいほどストーリーが進まないし、1話1話のテンポが遅くて基本退屈だった。

特に主人公のぼっちちゃんがめちゃくちゃネガティブなせいですぐ空気を悪くして相手に気を使わせるし、コミュ障を言い訳にして何の努力もせずに周りに迷惑かけてばかりなので、物語の中心に立つ存在である「主人公」には不向きすぎてイライラしてしまった。

奇跡的に周りの友達に恵まれてるだけで、実際に存在したらバンドの成長を遅らせる邪魔なメンバーでしかないし、みんなは共感共感言ってるけど、自分は自ら進んで努力できる人間の方が好感が持てるのでダメだった(そのくせやたら本番に強いのがなんでやねんってなる。)。

そもそもマイナス部分の共感ばかり描くせいで、「ハンドを組むこと」への魅力が全然感じられないのが1番合わなかった。苦しいことも好きなら楽しく感じる。そういう演出が欲しかった。全体的にキャラクターの可愛さと滑稽さだけで乗り切ってる印象だった。

比較するものではないけど、テンポの良さも、キャラクターの魅力も、ストーリーの胸熱さも、バンドの楽しさも、音楽も、全部『けいおん!』が完璧すぎて、どうしても劣化版に見えてしまう。バイト始めるくだりも、メイド服着るくだりも、バンド関係ないのに既視感すごかったし。

でも最終回の文化祭シーンはめちゃくちゃ楽しく見れたし「そうそう!こういうのが見たかった!」ってなった。ボトルネック奏法まじで激アツすぎる。あそこだけ急に主人公。