面白くはないけど結構すき。70年代ではかなり珍しい日本映画の法廷モノ。ずっと裁判所のなかで物語が展開されるため、映像にほとんど動きがなく、監督の野村芳太郎はかなり苦労しただろうなと思う。その地味さを補>>続きを読む
日本には真のサイレント映画の次第がなかった。なぜならば、活動弁士という職業があったから…、という如何にも周防正行らしい着眼点の作品(脚本は別の人)。周防正行オールスターが脇を固めているのも非常に安心感>>続きを読む
すごくいい映画。「納棺師の映画」という題材の勝手なイメージで重苦しい話なのかと思っていたけど、めちゃくちゃ心温まるヒューマン・コメディ映画だった。適度にユーモアを交えつつ、納棺師を、亡くなった方を、遺>>続きを読む
どっひゃー!評判通りめちゃくちゃ面白かった。"幽霊を無視する"という、ホラー映画としては型破りな設定が、後からこんなに活きてくるとは思わなかった。Jホラーでありながら、青春学園モノであり、家族ドラマで>>続きを読む
面白い!今回は、連続殺人事件に揺れる80年代ハリウッドが舞台。過去作に比べるとインパクトこそ薄いものの、一番真っ直ぐにスラッシャー映画(と言うか、ジャッロ)をしていてかなり好みだった。隅々まで映画愛に>>続きを読む
廃部寸前の相撲部に入ってしまった大学生の話。若貴フィーバーや千代の富士引退など、空前の相撲ブームのなかで公開されたこともあり、当時の空気感がものすごく伝わってくる。
周防正行は毎回良い題材を見つけて>>続きを読む
才能に愛された者と、血筋という呪いに縛られた者の衝突。歌舞伎の世界は、ただ美しいだけでなく、残酷で醜い側面もあるという話だった。
正直、好みの内容ではなかったけど、吉沢亮と横浜流星の狂気と熱気には圧>>続きを読む
小学生のときにテレビで放送してたのを観たことがあったけど、実質初見。久々に見返したら「こんなに面白い作品だったんだ…」って衝撃を受けた。日本映画史上でも最上級のエンターテインメント作品なのでは。
最>>続きを読む
再起不能に陥ったボクサーが、再びリングに上がるまでを描いた物語。“浪速のロッキー”と呼ばれたプロボクサー・赤井英和の自伝をベースに、赤井英和本人を主役に映画化した作品。赤井英和の俳優デビュー作であり、>>続きを読む
『変態村』『地獄愛』に続く"ベルギー闇の三部作"の最終章らしいけど、前ふたつとは繋がっていない…よね?見終わった後に知ってびっくりした。
母親の働く精神病院でとある少女に一目惚れをした少年の話。この>>続きを読む
CGをふんだんに使用し、昭和33年の風景を再現するというアイデアはかなり面白いが、物語がノスタルジーに偏りすぎていて、他にもっと描けることがあるんじゃかいかと思ってしまった(この辺は、続編のふたつで上>>続きを読む
1960年代の京都を舞台に、日本人学生と在日朝鮮人学生の争いや恋、友情を描いた青春群像劇。くだらない学生の喧嘩を、日本と朝鮮の歴史に、いや、世界の歴史に重ねてしまうような物語は圧巻。差別や偏見を乗り越>>続きを読む
狙ってそうしているのだろうけど、あまりにも淡々としすぎていて、主人公のことが何も理解できなかった。というか、理解できるような人間ではなかった。まるで空っぽ。「死」という概念が、ただ人の姿を借りて存在し>>続きを読む
インドのヒマラヤ山麓にある女子修道院へやってきた尼僧たちの物語。圧倒的な映像美と、普遍的なヒューマンドラマの中で、ラブロマンスやサスペンス、ホラーなど、様々なジャンルを横断する。要はすごく変な映画だっ>>続きを読む
ブラックフライデーに起きた連続爆破事件を描いた話。面白いは面白いけど、演出の問題なのか、脚本の問題なのか、どうしてもテレビドラマ的な印象が拭えないのが勿体ない。また、犯人の正体や動機があまりにも酷いの>>続きを読む
病に苦しみ、安楽死を望むマージと、そんな彼女に寄り添う親友イングリッドの物語。常に「死生観」について描き続けていたペドロ・アルモドバルだが、ここにきてこんなにもド直球な作品を撮るのかと驚いた。しかも、>>続きを読む
面白い!人間に従順なアンドロイドがある出来事をきっかけに暴走し始めるという超が付くほどやり尽くされた設定だが、数ある類似作品の中でも特にリアリティがあるんじゃないかな、と思った。近い未来、これと全く同>>続きを読む
作曲家パブロ・デ・サラサーテ自ら「ツィゴイネルワイゼン」を演奏したSPレコードから始まる、4人の男女の物語。鈴木清順の「大正浪漫三部作」の一作目に当たる作品。
監督が撮りたいものを撮りたいように撮っ>>続きを読む
国税局査察部(通称:マル査)という仕事に目を向ける伊丹十三の凄み。査察官たちの「絶対に嘘を暴く」という執念と、脱税者たちの「そこまでするのか」という執念のぶつかり合いをコミカルに描く。
脚本はもちろ>>続きを読む
なんか昔見た気がするんだけど、ラストシーンくらいしか覚えてなかったな。ほぼ初見の気持ちだった。個人的にそもそもドライな暴力映画が苦手なので、ハマるわけがなかった(とか言いつつ、別につまらないわけでもな>>続きを読む
今年ベスト。望まぬ妊娠をきっかけに、連続殺人事件へと巻き込まれていく女性の話。これが実話だなんて信じられない。嘘だと言ってほしい。直視できないシーンの連続に、途中から開いた口が塞がらなかった。白黒の美>>続きを読む
アイドル映画とは思えないほど引きの画や長回しが多かったのは印象的だけど、脚本があまりにも酷すぎてそれどころではなかった。薬師丸ひろ子の魅力だけで乗り切っている映画だった。
大林宣彦の「尾道三部作」の2作目にして、原田知世の映画デビュー作。ある日突然、タイムスリップの力を手に入れてしまった少女の物語。
純愛映画として見ればまだ楽しめるけど、SFファンタジーとして見れば、>>続きを読む
長谷川和彦版『地獄の逃避行』って感じかな。序盤、両親を殺すまでの30分くらいがとにかく凄すぎる。狂気的な会話の連続に、いつ殺されてもおかしくないじめっとした空気が漂う。デビュー作で、ここまで緊張感を維>>続きを読む
シリーズを象徴する極悪キャラクター、スノー大統領がなぜ闇落ちしてしまったのかを描く前日譚。映画の前半は第10回ハンガー・ゲームの教育係として、後半は第12地区の兵士としての葛藤を描く。
まず前半、主>>続きを読む
超絶大傑作!面白すぎる。そして、あまりにも残酷で苦しかった。若くて美しいものばかり持て囃される世の中や、見れば見るほど醜い自分の容姿、何もかもが嫌になってくる。ドアノブに反射する自分を見て外に出れなく>>続きを読む
すごく不思議な映画だった。前半ではクィアの恋愛模様を、後半では未知の薬物による幻覚体験を描く。正直、序盤はかなりウトウトしたけれど、第3章に入ってからの異常な面白さに腰が抜けかけた。これは年月が経つに>>続きを読む
リブート版を先に観てしまったが、断然こっちの方が面白かった。なんと言っても衝撃的だったのは、高倉健演じる“犯人”が主人公であり、しかも新幹線の外にいるという設定。犯人・国鉄・警察・乗客の4つの視点を入>>続きを読む
落ち込んだときに必ず見返すほど大好きなシリーズ『パディントン』の3作目。
感動した〜!パディントンが故郷のペルーに戻ることで、自身のルーツとアイデンティティを再確認する話。ロンドンから出ても、移民の>>続きを読む
『犬神家の一族』に続く、金田一耕助シリーズ第2弾。鬼首村に古くから伝わる手毬唄の歌詞に沿って連続殺人が起こるという話。
前作は犬神家という「一族」の物語だったのに対して、今回は鬼首村というひとつの「>>続きを読む
いや、ちょっと待って!なにこれ、面白すぎるんだけど!?大まかなあらすじは知っていたものの、実はちゃんと通して観るのは今回が初めて。
言わずと知れた金田一耕助シリーズの第1作にして、後に一大ムーブメン>>続きを読む
松竹誕生100周年記念作品にして、日本アカデミー賞史上唯一のホラー映画の作品賞受賞作。お岩役の高岡早紀は、当時22歳で主演女優賞を総ナメにし、日本アカデミー賞でも『事件』の大竹しのぶに次ぐ史上二番目の>>続きを読む
日活ロマンポルノで知られる神代辰巳監督の遺作。なんと車椅子に乗り、酸素ボンベを携えながら撮影したという。北方謙三の同名小説の映画化で、北方本人もチラッと出演している。
タイトルの『棒の哀しみ』とは、>>続きを読む
本当の苦しみを知っているからこそ明るく振る舞う母と、彼女が苦しんでいるのを知っているからこそ、あえて気付かない振りをする娘。
普通なら(特に思春期の子は)こんな能天気で騒がしくて天真爛漫な母親はすご>>続きを読む
『仁義なき戦い』を観ていたら、おばあちゃんに「深作欣二の作品なら、『蒲田行進曲』も観ておきなさい」と言われて、一緒に観た。
落ち目の銀幕スター・倉岡銀四郎(通称:銀ちゃん)と、彼を慕う大部屋役者のヤ>>続きを読む
前作では菅原文太演じる広能昌三が主人公だったが、本作では脇役にまわり、北大路欣也と千葉真一がW主演を務める。
一人の女性に惚れ、自ら抗争に巻き込まれていく村岡組の新米組員・山中正治と、村岡組と対立す>>続きを読む