さうすぽー

最終兵器彼女のさうすぽーのレビュー・感想・評価

最終兵器彼女(2002年製作のアニメ)
2.0
自己満足点 39点

鬱アニメとして、あと「セカイ系」と言われるジャンルの代表作ですが、正直言って全然好きになれないです。

シュウジとチセが戦争の中で心通わせる物語ですが、そもそも日本とどこが戦争してるのかも明確にされてないし、チセが戦争の兵器にされた理由も薄っぺらいです。
ただでさえ設定がガバガバなのに、やたらシリアスで鬱なトーンで描くので感情移入がしにくいし、どうでも良いと思ってしまいます。


あと二人の純愛を描くのなら、上司のテツと先輩のふゆみの関係はいらなくないですか?
というか、シュウジとふゆみの浮気シーンを入れてしまったことによってシュウジの事を応援出来なくなるし、二人の関係性も薄っぺらく感じます。
チセとテツは未遂に終わりましたが、あれも結構自分としては気持ち悪く思えます。

恋愛ものにおける障害として、片方が余命僅かで死ぬ作品が日本には数多く、それが「現実味が無い」として批判の対象になりがちですが、今作はもっと現実味が無いので、ただの恋愛ものとして観たら「余命系」の方が増しに思えてきます。


ただ、どうしてこの作品が...強いて言うなら「セカイ系」というジャンルが一時期流行ってたのか。
自分が思うに、セカイ系という特異なジャンルが内気なオタクの心を揺さぶられるのだと思います。
"世界"という外部がどうなろうと、自分の好きなものだけしがみついていたいという気持ちが、このセカイ系の内容に感情移入出来るのかも知れません。
世間に上手く溶け込めない内気な人ほど、その心理になりやすいのかもしれません。
今作でも、「世界が滅ぼうとも、自分の大切な人といたい」という主人公の心情が内気なオタクの心情に心揺さぶられたのかもしれません。

そういった意味では、少し勉強になったので良かった気がします。