とある女子校に通う生徒たちの日々をみずみずしく描く。
プロットがとにかく素晴らしく、情感の伝え方がたいへんに豊かです。キャラクターの芝居という概念はまるで感じられず、アニメでは感じたことのない自然な作劇。テンポよく、しかし間も大事にしていて丁寧に作品世界へ引き入れてくれます。
女の子の美しさをフェティッシュに描いているのも特色で、作劇の自然さと相まって独自固有な世界観を作り出しているように感じます。なんだか赤面してしまうような気恥ずかしさがあり、物語の盛り上げに一役買っています。
描かれる物語は群像劇的で、クラスメイトひとりひとりの素顔が少しずつ見えてくるといった作りになっています。そこには思春期にあった事を思い起こさせる出来事が付随し、青春を追体験しているかのような気持ちを味わえる。とてもドラマチックに、優しく寄り添ってくれるような作り。
見始めたらひたすら作品世界に浸り切ってしまった。自分も生徒の一人になった気分です。とても大事な作品になりました。
