ぜにげば

ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン 第2クールのぜにげばのネタバレレビュー・内容・結末

4.4

このレビューはネタバレを含みます

 やっと見終わった。そして難しい!分からん!まずプッチ神父はひたすらに「怖い」んだと思った。DIOのセリフで「恐怖を克服することが生きること」ってのがあったけど、プッチは「この先どうなるか」が怖すぎて、「よし!1回全ての運命を経験しておけば、次に何が起こるか分かるから“覚悟”ができるね!」って発想なんだろう。天国を教えてくれたのはDIOだから、やっぱり2人して「怖い」んだ。「克服(笑)」しようとしたんだ。

 5部のジョルノのセリフ「“覚悟”とは、暗闇の荒野に進むべき道を切り拓くことだ」や、最後のエンポリオの(アニオリのセリフらしいけど気づかなかった)「みんな未来なんか知らなくても“覚悟”があった!“覚悟”ができていなかったのはお前だ!プッチ!」ってセリフがクリティカル。本当にそうだ。暗闇が見えないのが「怖い」からこんなことをしたがる。

 怖いのは分かるとして「明日死ぬと分かっていても“覚悟”があるから幸福なんだ」は本当に分からない。まあ人それぞれだし、現実でも余命宣告されて初めて毎日を噛み締めるようになったりすることはあるのだろうけど、それでもなぁ。まあ、本当に覚悟ができるならそりゃそうなんだろうけど。

 プッチ1人でそれが出来ればいいんだけど、全人類、全宇宙にそれを強いるからこそ邪悪であり、作中最大の敵なわけだ。承太郎に対する物語序盤の「一手遅かった」と最後の「二手遅かった」、そしてナイフを投げるそのやり方と、徐倫への愛を逆手にとった倒し方含め、ラスボスに相応しいと思う。承太郎の最後はもう少し分かりやすく、それこそ第3部の時みたいに「死亡」表記を出して欲しかったけど、演出の話であって死に方はかっこよかったかなと思う。

 個人的に4部の早人が好きで、早人を彷彿とさせるエンポリオも好き。黄金の精神を引き継いだ少年が頑張る感じがたまらない。早人の幽波紋のない感じも好きだったけど、エンポリオの最後のプッチにのみ味方する運命を逆手にとるウェザーの発動のさせ方は圧巻だった。幽波紋の有無に関わらず、2人は大人びてないのに覚悟は本物であるという実感が一番胸熱なところかなと思う。

 間のアニオリのセリフはすごくしっくりくるが、「分からないのか?お前は運命に負けたんだ 正義の道を歩むことこそが運命なんだ」ってセリフは全然意味が理解できない。第5部の最後ローリングストーンズにて「全部運命だったよ」と示し、その運命が「プッチに味方している」ということを示し続けてきたのに「運命に負けた」って何?分からなすぎる。そして「正義の道を歩むこと=運命」?もう何が何だか…。まあ恐らくここで言う運命とはそれまで使われてきた運命とは意味合いが異なるのだろうが、それにしても分からない。色々考察記事や動画を探したが、今までジョジョが勝ってきたのは、運命が味方したからじゃなく「正義の心があったからだ」という結論に達したと言うことなのかな?うーん…。「正義の心があるやつが勝つ」は陳腐だと個人的に感じるけど、必要条件とするなら納得感はあるか…。「=運命」はやっぱり納得できない。確かに振り返ってみれば邪悪だから負けてるし、正義だから勝ってはいる。4部の早人も「お前に味方する運命なんて、ここにある正義の心に比べればちっぽけな力なんだ」って言ってたし、その部の結論としては、3部までは運命優位、4部で正義の心優位、5部で運命優位、6部で正義の心優位っていう感じ?この二転三転に多分意味があるはずで、4部で出した結論を「運命に勝るものは無い(5部)というわけではない(6部)」という二重否定にはなっているか。うーん…正直読み取れてる自信が無いな。読み取れてないだろうなこれは。部の結論しか考慮に入れれてないしなぁ。そもそも日本語が難しい。5部の「運命とは眠れる奴隷」と「我々は運命の奴隷」の日本語の難しさもそうだけど、多義性に富みすぎて言葉を捉えられない。まあ、「勝利の女神が微笑んだ」みたいなニュアンスでの「運命」ってことでいいか。あと精神攻撃笑

 僕の感想としては「正義は勝つ!」みたいな、勧善懲悪的な結論に読めてしまう書き方だからセリフとしては好きじゃないし賛同も出来ないけど、正義の心が必要ってならそうなのかなとも思うし、ジョースターと仲間たちみんなが死にながら繋いでいって、最後に託された少年が邪悪を倒すっていう展開は4部を思い起こさせて好きかな、という感じ。

 最後のパラレルワールドに関してはちゃんとは分からないけど、みんなの魂は同じってことなんだろうね?分類するならまあビターエンドって感じなのかなあ。ハッピーではない。現に名前が違うように同じ人とは僕は捉えられないけど、まあ彼らには幸せになって欲しいなと思う。

 最終話の特殊OPなどの演出については最高だった。最初のオープニングを思わせる演出だったし、エンディングがTO BE CONTINUEDのやつなのも良い。

 どうでもいいことだけどキメラアント編のモラウVSレオルはエンポリオVSプッチが元ネタなのだろうか。そんな気がする。

 てっきり主人公とボスはみんな時間に関係する能力だと思ってたのだけど、徐倫だけ違ったなぁ。糸の比喩に時間も含まれてるのだろうか。

 書き忘れてたからこのタイミングで書くけど、DIOとプッチの恋愛関係を匂わせる意味深な描写はかなり好きだな。そしてDIO子供作りすぎです笑 ジョナサンの体で何してんだ。

 6部まで見て個人的に好きな部としては、悩ましいけど4部と5部。漫画は『ジョジョリオン』の序盤まで読んでるけど、面白いと感じる瞬間と落ち着く瞬間を交互に繰り返す感じだ。これは1部からずっと。毎回書いてる気がするけど、もっと早くに知ってればなぁという後悔の念が強い。ジョジョもジョジョ以外も全部面白さ倍増だったのに…。独自性と先駆性に対する畏敬の念は死ぬまで無くならないと思うからこそ。

 7部以降も待ってます。さあ、一番好きな『岸辺露伴は動かない』見るぞー!



☆以下各話コメントコピペ☆
1
OPの演出が少し変化。
真の勝利者とは天国を見たもののこと。
2
これもこれもこれもグロリアの分。
5
そういえば黒塗りの規制無くなってるなぁ。
8
トンチキ、ヌケサク。
顔の向きをカクカク変えられるのアニメだとより面白い。
9
生きるということは思い出を作ること。徐倫のことを考えると勇気が湧いてくる。これこそが思い出知性。ジョジョで一番感銘を受けたセリフかもしれない。
10
「素数は誰にも砕けない」めっちゃいい。
「すごみ」
FFめっちゃ好きだ。
13
アトム達夢の共演普通に凄いな。
「3」。
14
ケンシロウ凄い。
漫画読んだ時も思ったけど、解決の仕方がすごく気持ちいい。とんち。
15
偶然を手繰り寄せるという意味も込めての糸の能力なんだろうなぁ。
いまいち神父が偶然を求めているというのがどういう意味なのか分からない。強い運命を持つものたちを集わせて何をするのか、分からない。
17
座席と生存者両方の事実を使う面白さ。
20
今回の「サブリミナル」もそうだけど、現代だと普通に使われる言葉が目新しいものとしてよく登場するな。
全てにおいて先駆者であり、後に読めば読むほど面白さが下がる作品。
23
メビウスの輪まじで好き。
承太郎の登場も最高。
エルメェスの銛での駆け付け方もかなり好き。全体的に癖に刺さる。
24
背景の雲が素早く動くのめちゃかっこいいな。
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    ・自己紹介 20代男。回顧録だったり備忘録だったりします。よろしくお願いします。 ・信条 作品とは、作者が心血を注いで表現した子供である。即ち、「作品の否定は良くても作者の人格否定はダメ」は綺麗事…

    ・自己紹介 20代男。回顧録だったり備忘録だったりします。よろしくお願いします。 ・信条 作品とは、作者が心血を注いで表現した子供である。即ち、「作品の否定は良くても作者の人格否定はダメ」は綺麗事。期せずとも伴ってしまうもの。自分も人格否定される覚悟で批評すべき。  作者達の不祥事等に関しては切り離して考えるのが理想だが、あくまでも理想。僕は苦手。 ・ベストムービー欄 その年に見た映画のトップ10…だったけど、年末にランクインした作品はすぐ消すことになるから、直近1年内に見た作品トップ10に変更するかもしれない。それか気まぐれでジャンル毎のランキングにするか…迷走中。 ・その年1位の映画/ドラマ/アニメ 2022年→『ドクストMOM』/『デアデビル3』/『サイバーパンクER』 2023→『スパイダーバース2』/『ガンニバル』/『めざせポケモンマスター』 2024→『ゴジ×コン』/『地面師たち』/『ダンダダン』 2025→ドラマは『消えた古畑』になりそう。Filmarksにはないけど。 ・スコアの指標 大まかに7段階に区分 1.0/1.1~2.0/2.1~2.9/3.0/3.1~3.9/4.0~4.9/5.0 「3.0」が実質±0。