このレビューはネタバレを含みます
シリーズ総評(映画を省く)
ジャンルは主人公がダイブする世界がファンタジーだから間違われやすいが、SFである。
作者である川原礫がSF映画マトリックスなどに影響を受けて作られた作品がSAO。
1期前半は駆け足気味でアインクラッド1層からゲームクリアを描いた話。
ゲームのステータスやスキル、知識を駆使して、シリカ編や圏内PK事件を解決に導くのがゲームのシステムを活かした話になっていて見どころ。
人間関係も回を追うごとに複雑化していき、深みが出てくる。
主人公の厨ニ病感(ヒーロー感)が見ていて面白いのでそこにハマれば良い作品になる。
作画もバトルシーンのアングルは最高で臨場感はバトル系アニメの中でもトップクラスである。
1期後半は前半のアインクラッドでの力を使い、アスナを救いに行く。
物語の最中で妹がゲーム世界の兄に恋をしてしまい、何とも言えない関係になるのが興味深い。
2期前半は1期とはテイストが違ってサバゲーみたいな世界で主人公が人殺しのデスガンを倒す話。
主人公のプレイスキルが銃の世界でも活躍し、「こいつだけ別ゲーやってるやんw」といった感じで戦闘が面白い。
デスガンの殺す方法がVR作品だからこそできる方法で要素を活かしていると言える。またアインクラッドからの因縁の決着が果たされる熱い展開になっているのも良い。
2期後半はユウキとアスナが共に戦う話。
体が弱いユウキは病院からVRを繋いでアスナ達とプレイをしていることが発覚し、学校に行けないユウキのためにアスナが最先端カメラでユウキを外に連れ出してあげる。
現実でもこのように病院にいて外に行けない人がいるが、VRなどの技術を使ってユウキのようにしている人もいるかもしれないと思わされる話だった。
3期はこれまでよりだいぶSF味が強くなるシーズン。
プロジェクト・アリシゼーションという体を持たない以外ほぼ人間のAIが住む世界に事件で意識を失った主人公をダイブさせるというぶっ飛んだ話から始まる。人間の脳をコピーしたものをサイバー空間に入れ、サイバー空間内で何百年も経った世界が舞台。設定としてはマトリックスの主人公が最初にいた世界に似ている。
このシーズンから心意というシステム外スキルがよく出てくるが、これは少しマイナスポイント。今までゲームのシステムで楽しんでいた身としては心意があまりにファンタジーすぎて、心の強さという不確かなものに目を向けなければならない。
1番の見どころは映画オリキャラであるエイジとユナが再登場し、キリトに力を貸すシーンだ。VR不適合症状を克服して、「ノーチラス」と名乗ったのは感動した。
PoHが木になったシーンは笑った。小説勢はあれをどう受け取ったのか知りたいw
またAIであるアリスがほぼ人間の姿を手に入れ、一般の人にアリシゼーションでの出来事を話すシーンはアリスの場違い感が面白く感じた。
作画は2期までに比べるとアクションのヌルヌル感がなくなり、悲しかった。
これからまだまだ続くシリーズなので観ていきたい。