ぬ

NieA_7のぬのレビュー・感想・評価

NieA_7(2000年製作のアニメ)
4.0
不思議で独特な世界観、コメディと切なさの塩梅がいい。
能天使ギャグとカオスな世界観、個性的なキャラクターたちでコメディ要素が強いものの、コメディのようなノリで話される台詞がこのアニメの伝えたい本質的なことだったりして目が離せない。
ニアが立入禁止区域に侵入するシリアスなエピソードがガツンとくる。
移民問題、無戸籍問題、くさいものに蓋をする行政の体質批判、階級格差、貧困問題、などに触れているのは興味深い。
(それに対する作中の解決策が「気の持ちよう」的なのは、あともうひと押し行ってほしかったけどね。「気の持ちよう」は一時的には有効であれ、根本的には問題を解決してくれないので…システムを変えていくみたいなところまでいってほしかった。)
最初はOPとEDが作品にあってなくない?と思うんだけど、ストーリーが進むにつれピッタリに感じていくのも魅力的でいい。

舞台は大量の異星人が移民として地球に住み着いた世界の日本で、宇宙人たちの中にはヒエラルキーがあり、タイトルにもなっているニアはアンダー7という、他の宇宙人にも鼻をつままれる最下層階級のはみ出しものの宇宙人。
地球にやってきた宇宙人を描きながら、現実世界の移民問題について考えさせられるような世界観は、洋画の『第9地区』や漫画『バクちゃん』と通じる部分もある。

中国かぶれ、インドかぶれ、ハワイかぶれの宇宙人がティピカルすぎてウーンて感じは残る(それぞれ間違った外国人像へ寄せていっているというところまで描写されているものの)
ぬ

ぬさんの鑑賞したアニメ