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ULTRAMAN シーズン1のまるもっとのレビュー・感想・評価

ULTRAMAN シーズン1(2019年製作のアニメ)
2.8
現代の3DCG技術と、モーションキャプチャーを使い、
TV版、初代ウルトラマンのその後を
別解釈で表現した作品。


第一話でゼットン強襲後、ウルトラマンは去り、
人間として蘇ったハヤタ隊員。

だが、その間の記憶はなく、
人外を越える力を宿したまま、
その力を継承して生まれた子供が、
現代の若者の葛藤と親子の関係、
課せられた宿命にどう向き合っていくのか?
という、視点でストーリーが描かれる。


ーーーーーネタバレーーーーー
一話の8割位まで見た時点で、
継承された話、現代的な描写が丁寧に描かれていて、
非常に引き込まれる内容だった。

が、ウルトラマンになった辺りから、
ストーリーを進行するために、
SF表現や世界観がご都合主義なものとなり、
離れていく心を抑えながら、
シーズン1を全話鑑賞。


結果としては、自分にとっては良作にはならなかった。

格闘経験もなく型も知らない主人公が、
秘められた大きな力を徐々に感じ始めているとはいえ、
いきなり異星人と互角に渡り合えてしまう点。

ハヤタ(父)が1話で使命を伝え、
2話で命に別状がなかったことで、何故か親子問題が解決し
3話移行はほとんど話に絡んでこないという置物感。

秘密裏にされていた科特隊の運営資金元の説明の無さ、
(記念館が全く賑わっている様子もない)
組織の規模に対して人員数の不明さ、
幹部は井手と早田(父)、ケムール人三人だけしか出てこない。
(エースは活動資金の為の恐喝描写があるのに)

主人公と同じ世代のヒロイン的アイドルが、
役目を終えたら、NYに移住し
メインストーリーから強制退場という捨て駒感。

背景が語られない先輩の諸星弾と、
新人ウルトラマンが
ほぼ実力が拮抗しているという力関係の雑さ。

上げればきりがないほどの細部の甘さが気になり、
一話の冒頭で描かれた丁寧な作り込みが、
語るべきテーマを優先するがあまり、
設定がまるで追いついてこなかった印象。


ここまでは悪い部分を上げたが、
旧シリーズの設定を再構築した、
セブンのブレード(アイスラッガー)、
スペシウム光線の現代的解釈による使用方法など
いわゆる「上がる」部分や、

異星人や怪獣などを「移民問題」として取り扱い
現代的なテーマを入れたことは良いアレンジと感じた。


後半に出てくるエースを登場させず、
セブンとウルトラマンの話だけで
主人公が着実に成長していく話、
セブンの背景や其の中で関係性を深めていく方が、
話の基盤を固めるという意味でも
が良かったのではないか?

冒頭のストーリーや、テーマ、
アクションなど良い部分があっただけに、
残念に感じる作品。
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