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バッド・バッチのFRANCISのレビュー・感想・評価

バッド・バッチ(2021年製作のアニメ)
3.8
 SW初の3Dアニメ劇場版から12年、『クローン・ウォーズ』(以下TCW)が完結を迎えた翌年、満を辞して始まったスピンオフシリーズ。

主役はファイナルシーズンで初登場した、遺伝子変化で強い個性を持つクローン集団バッド・バッチ。

舞台は『エピソード3/シスの復讐』と同時進行し、ジェダイ抹殺司令であるオーダー66を目撃した彼らと謎の少女オメガの逃避行がテーマとなる。

TCW、『反乱者たち』のディブ・フィローニは実写シリーズに専念するため製作総指揮及び共同脚本(1話)に回り、『レジスタンス』を主導したブレッド・ラウが代わってメガホンを撮る。

声の出演はトルーパー役にニュージーランドの声優ディー・ブラッドリー・ベイカー、オメガ役には同じくNZ出身のミシェル・アン。ゲストには実写のフェネック・ジャンド役を勤めたミン・ナ・ウェンやナレーターとしてTCWのトム・ケインが続投。

帝国に対する初期反乱やクローントルーパーからストームトルーパーへの移行については、従来のスピンオフ作品ではほぼ触れられず興味深い内容に。

帝国が共和国がカミーノと交わした契約を一方的に反故にする内容など、ディズニーと買収後のルーカスフィルムの関係性を暗示をさせる描写に感じられる。

ただ、シーズン1の常として予想以上に緩慢なストーリーや、限られた予算上の問題から他作品からのプロットやCGモデルの流用が目立つ。

また、1話のケイナンが登場する場面ではマーベルから発売されたコミック『Kanan/The Last Padawan』(未邦訳)の設定を無視したり、それ以降の回でも既存作品との齟齬が幾つも生じているのが残念なところ。

ともあれ、シーズン2への継続が決定したこともあり、今シーズンで生じた謎の数々が以降のシーズンで解明されることを願いたい。
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