もこもも

ユーリ!!! on ICEのもこもものレビュー・感想・評価

ユーリ!!! on ICE(2016年製作のアニメ)
4.3
フィギュアスケートを舞台に性差を超える愛を描いたMAPPA制作のオリジナルアニメ

作品から漂う雰囲気が堪らなく愛おしい
ストーリーや演出音楽、キャラクター、
本格的なフィギアスケートの描写、
全てにおいて完成度が高く
作中に溢れる愛の表現にただただ魅了された

「僕の名前は勝生勇利
 どこにでもいる日本のフィギアスケート選手」

シニア5年目にして初出場した
グランプリファイナルで敗退を期した勝生勇利
フィギュアスケーターとしての人生を
見つめ直すために地元九州へ帰るが、
そこで人生を変える大きな出会いを果たす...
1話最後の予想を超える展開から面白すぎて、
1話1話流れるようにあっという間に観てしまった

作品の魅力はたくさんあるけどまずは
キャラクターとキャラ同士の関係性の魅力
主人公が遅咲きというところも、
メンタルが弱いところも、
太りやすいところも、でも人一倍努力家で
ヴィクトルへの尊敬の念が強いことも、
全部感情移入できる要因で
応援したくなる素敵な主人公
みんなユーリを愛していて、
ユーリの人の良さと真剣さが沢山伝わった

「僕が勝つって僕より信じてよ!
 黙ってていいから、離れずにそばにいてよ!!」

人生の半分の時間、背中を追いかけていた
ヴィクトルへの尊敬と好きという気持ち
そんなヴィクトルをコーチに迎えて、
嬉しい反面やっぱりなぜ自分なのかという不安や
ヴィクトルをコーチにしている後ろめたさ、
そういう葛藤にも感情移入してしまう
ただ覚悟を決めて、ヴィクトルからの愛を糧に
大きな目標を叶えようと氷上を舞う
ユーリが美しかったし、輝いてた

「自分じゃ気付いてないかもしれないけど
 俺以外にも ユーリのエールをもらった人は
 たくさんいるよ」

ヴィクトルが大好き
圧倒的な実力とオーラからくる
美しさとかっこよさ、
抜けてるところもあるチャーミングな一面、
ユーリへの愛の強さに心奪われる
勇利とヴィクトルの2人を結ぶ師弟愛という
言葉では足りない偉大な愛に何度も心が震えた
ヴィクトルだけじゃなくて、ユリオも両親も
バレエのコーチもみんな愛があるところが素敵

フィギアスケートをかなり本格的に
描いているところもこの作品の魅力の一つ
フィギアスケートの仕組みも丁寧に
解説してくれるし、なにより
フィギアスケートをアニメに落とし込む
技術が素晴らしかった
勇利のショートの冒頭の挑発するような表情、
スケーティングのしなやかでなめらかな動き、
氷が削れる音、滑り終わった後の恍惚とした顔、
そのどれもが胸に響いた
普段フィギアスケートは結構観てて、
ただ普段はジャンプの出来に目がいくけど
振り付けの1つ1つに込められた表現も
このアニメでは深く知ることができる

コミカルに見せるところも
それぞれのキャラに愛着を抱かせてくれるし、
熱い部分や苦悩する部分を見せるところも
キャラ1人1人に感情移入できて、
そのバランスが良かった
プレッシャーとの向き合い方、
投げかけてくれる言葉、
支えてくれる人の大切さ、
それをこんなに真っ直ぐ美しく描いている
最後のユリオのユーリにやめて欲しくないと
叫んでいるようなプログラムにも、
ユーリの決断にも胸が熱くなった

OP.EDも曲だけでなく
アニメーションも素晴らしい
10話EDもユーリの暴れっぷりを
見たいと思ってたから最高

「1人で抱えるには大きすぎる夢じゃなきゃ
 辿り着けない場所がある
 僕らは愛と呼ぶ 氷の上の全てを」

OP : DEAN FUJIOKA『History Maker』
ED : YURI!!! on ICE feat. w.hatano『You Only Live Once』
もこもも

もこもも