緻密なストーリーと、登場キャラクター1人1人の内面への丹念な掘り下げ、スクールカーストへの問題提起に加え、都会と過疎地の対比・性自認など、社会性を盛り込みつつも、優れたエンタメに昇華させることに成功しており、とても見応えがある。
少し気になったのは、悪役も含めて全キャラが同じ倫理観の線上に立っており、全員が本当はいい人という印象を受けた点である。約束のネバーランドや僕のヒーローアカデミアにも言えることだが、作者の倫理観で物語世界が統制されていて、異世界的な閉鎖感をやや感じた。
とは言え2023年の春アニメを代表する傑作であることに揺らぎはなく、おすすめである。
最近アフタヌーンの漫画を読まなくなっていたが、他のも含めてまた読んでみたくなった。