satoshi

るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-のsatoshiのレビュー・感想・評価

3.3
和月先生監修のもと行われた再構成はとても良く、「るろうにと人斬りの間で揺れ動く」緋村剣心という存在をより理解できるようになっていたし、原作の補完も行き届いている。だから終わり方もひとつの結末として納得がいく。

しかしである。本作、とにかく味気無い。アニオリ多めだった平成版とは単純に比較はできないけど、演出がとにかく弱く、平坦。普通のシーンと盛り上げどころのシーンのテンションがまるで変わらず、話毎の緩急がまるでない(例えば、御庭番編の最後、観柳への剣心怒りの一撃も全然迫力がなく、普通に殴っただけという感じになってたり)。一応、迫力あるシーンでは和月先生の筆致を意識した線にしてるのに、勿体無い。平成版はアニオリ多めだったが、見返してみたらこの辺ちゃんとしてたぞ。後、斎藤戦~薫との別れは圧倒的に平成版の方が良い。比べるのもかわいそうになるレベル。

また、作画やアクションは平凡。いや、何も「鬼滅」とか「呪術」みたいなアホみたいなものをやれとは言わない(そもそもあっちがおかしい)。しかし、弱い演出も相まって、アクションも少しショボく見えてしまう。特に斎藤戦は平成版との力量の差を感じた。まぁ平成版は松本憲生が参加してるし、並べという方が難しいのは分かるが、リメイクするんだから並ぶものを見せろと言いたくはなる。画面構成とかも平成版の方がよくできてる。

総じて、「特別酷いわけではないけど絶賛するほど良いわけでもない=微妙」というのが私の評価。「BLEACH」のアニメ化が上手くいってるし、他の一部の作品が素晴らしいクオリティでアニメ化されてるだけに、とても悲しい。京都編は見ますけど、過度な期待はしません…というか、この程度の出来ならリメイクしない方が良いのでは…?
satoshi

satoshi