ふかぽん

機動戦士ガンダム 水星の魔女 第2クールのふかぽんのレビュー・感想・評価

2.0
シーズン1には文句なしの5点をつけていました。
めちゃめちゃ褒めていました。

だが、シーズン2は……、この点数……?!一体何があった??


シーズン1はシリーズ初の女性主人公、学園が舞台、ヒロイン2人による家父長制の否定、呪いを祝福に転ずる。そんなワクワク感がありました。

あったんですが、シーズン2は
学園は破壊され、戦争へ
ヒロイン2人は物理的にも心理的にも引き裂かれたまま連帯することはほとんどなく
女性主人公よりも見せ場が多い男性キャラ
家父長制のやんわりとした肯定
呪いを根性で解決する。

と、まあ酷い話になりました。

新しい令和のガンダムで釣っておいて、蓋を開けてみたらこれ昭和か?という価値観。

中でもひどかったのは主人公のスレッタが物語の蚊帳の外で、いわゆる主人公らしい成長譚をサブキャラのグエルが担っていたという点。

ネット上でも実質主人公はグエルという言説であふれ、シリーズ初の女性主人公という挑戦的要素も霞んでしまった。

新しかったはずの要素が結局「いつもの」になる。ガンダムというコンテンツの呪いを感じました。

人におすすめもできません。子供に謝罪する気配の無い毒親、子供を利用したり責任を押し付けてばかりいる大人、男の成長のために傷つけられる女、差別問題については被差別者側が、差別者に歩み寄って不自然に良い雰囲気にされてばかり。

これらの描写、結構現実世界のしんどさを思い出してかなり苦い気持ちになりました。嫌さが否定されることもなく、ただそこにあるものなので、なんのためにこの題材を入れたの?感がすごいです。

私はヒロイン同士が1話でいきなり婚約するというセンセーショナルさにも惹かれたのですが、2人の関係性描写も最後まで日和られたなという印象を強く持ちました。
「好き」などの言葉を使わず最終回でこっそり指輪を嵌めている。結婚したかどうかは明言されない。これは誰に対する配慮なんでしょうね。

結局一番お堅いのは制作者側だったんじゃないでしょうか。

でもシリーズ通して作画のクオリティはすごく高かったし、画面を作ったスタッフさんは尊敬します。

本当に脚本、もっとどうにかならなかったのか。

リメイクを早くも求めています。
ふかぽん

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