ろいろい

蟲師 続章のろいろいのレビュー・感想・評価

蟲師 続章(2014年製作のアニメ)
4.8
"全部蟲どもの手のひらの上か"

■作品について
原作単行本第6~10巻から選ばれたエピソードをアニメ化したもの

■感想
待望の蟲師第2期。

前作でこの作品の世界観の虜になってしまった人は多いのではないだろうか?🤔
1期の放送は2005年~2006年。
8年以上という長い空白がありながら、2期になっても全くブレない。
クオリティも抜群に高く、映像作品として文句の付けようがない…!!

安定の美しい背景はまるで劇場アニメを見ていると錯覚してしまう。
暑さや寒さ、風までもが伝わって来そうな勢いまである。
手を抜いたカット、原画がひとつもなく、背景の惚れるような美しさと、アニメ的ではないリアルな自然描写には芸術を感じる。
だからこそいつまでも浸っていたいような気分を味わえるのだろう。

そしてそんな視聴者を惹きつける画に合わさるゆったりと流れる時間、時として凛と張り詰めた緊張感や躍動を助長する音楽。
もはや映像美は精緻で1つの極致ですらある。
画1つ、音1つどれをとっても素晴らしく、隙がない。

ストーリーも相変わらず、丁寧に造れらた味わい深い1話1話となっている。
だけど1期とは若干異なる。
今期はギンコが活躍しない。
正確には物語の中心ではなく、物語を見届ける立ち位置に変化している。
後味の悪いものや尾を引く話が多いが、それすらも美しい。

「自然のままでいることの大切さ」をテーマにしているのだろうか?🤔
蟲に手を染めた人間は、その代わりに何かを失うことになるという序盤のギンコの言葉通りの展開が目立った。

何と言ってもスタッフの作品に対する愛情が感じとれる本作は、ぜひ視聴してみて欲しい。
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