数年ぶりに視聴。
何度見返してもしみじみ面白い、良作揃いのシリーズ。珠玉の、というのはこういうのを言うんでしょうな。
タイトル通り「蟲」が物語上重要なファクターではあるのだけれど、じゃあ実際悪さをする蟲を懲らしめる・駆除するという話かと言えばそうではない。
極端な話、蟲はあくまで脇役であって、各話それぞれの人物が抱える悩みや秘密、混みいった事情といったものが描き出される様こそが本作を素晴らしいものとしているのかも。そういう点である意味サスペンス劇だよなあ。
一方主人公のギンコもまた、人情派ではありながらも蟲師としての役割に徹する事が多く、本当の意味で問題に向き合うのは各話のゲストキャラたち自身。しかも、その結果もハッピーエンド一辺倒ではなく、かなりビターな展開も。自分はそういうのが結構好きなのでたまらない。
個人的に好きなエピソードは以下の通り。
「日照る雨」
流れものが絡む回は大体好き。
最後の独白はシリーズ通して一番好きなセリフかもしれない。
「香る闇」
闇というのは基本的にネガティブな印象なんだけど、この回の結末の闇はそう感じない。
「水碧む」
折笠富美子の演技が白眉。母子の絆、情の強さが際立つ。
「泥の草」
ビジュアル的なインパクトの強い回だけど、シナリオのどんでん返しもなかなか。
ギンコの最後のセリフが刺さる。