八朔

魔法少女まどか☆マギカの八朔のレビュー・感想・評価

魔法少女まどか☆マギカ(2011年製作のアニメ)
2.8
めちゃくちゃ難しかった。
可愛いキャラデザとのギャップが凄まじいやらなんやら。
鬱アニメと言われていたから怖くて観るのに10年くらいかかってしまったけど、大人になって観てみるとわりと冷静に観られてダメージはわりと少なかった。

10代の少女の祈りはどこまでも儚くて切なくて、でも応える現実は残酷で正しかったりして、「賢さや圧倒的正しさを前に、"優しさ"は為すすべもなくただ愚かだと切り捨てるべきものだろうか?」とじっくり考える良い機会だった。
キュウベエのやっている事は世界の調和を優先した大を救い小を踏台にする残酷な選択だけど、確かにそれも1つの正義で、キュウベエにはキュウベエの正義があるから、好きにも嫌いにもならなかったかな。

まどかの選択は本当に荒業というか、「世界」とか「宇宙の理」とかそんな途方もない大きなものを前にした時にはその選択しかないのかもしれないけど、ほむらちゃんの事を想うと、他になかったんだろうか、と思ってしまう。
ほむらちゃんはまどかに「生きてて欲しい」以前に「そばにいて」欲しかったんじゃなかろうか。
まどかを「感じる」のではなく触れられる距離で形でそばにいて欲しかったんじゃなかろうか。

ただ笑っていられるようなエンディングではなかったけど、綺麗な形で終わったとは思う。
人に勧めるかは…エヴァのようなメタアニメが好きな人とシャフトの独特な世界観(物語シリーズとか)が好きな人は楽しめるかな。
八朔

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