REDksk89

STEINS;GATEのREDksk89のレビュー・感想・評価

STEINS;GATE(2011年製作のアニメ)
5.0
「人間は根源的に時間的存在である」、ハイデガーの言葉。

まゆりの死という事実を変えるべくタイムリープを繰り返す岡部だが、どう足掻いても変えられない。あまつさえ、目の前で何度も死を目撃する度に彼は感情を失い壊れてゆく。

世界線は互いに干渉することなく独立しており、過程は異なるものの目指す方向は同じであるため、たどり着く結果は同じ。ただし大きく世界線を移動してダイバージェンス1%の壁を越えた時(α世界線→β世界線)、未来(結果)が変わる。
その分岐となる瞬間とは、世界大戦や世紀的発明といった大きな選択による。

「選択とは既に決定されたもの、我々は受け入れるしかない。」と『マトリックス』では語られていたが、今作は運命論を打破できる設定。時間を巻き戻して運命を変えることができる設定かどうかが鍵、と理解。

過去へ旅立ったあまねから届いた手紙。「失敗した失敗した失敗した...」「こんな人生、無意味だったーー」のシーンがいつ見ても怖い。ずっと記憶を失っていたせいでIBN5100を手に入れるという使命を果たせず、あまねは自殺してしまう。虚しい。

β世界線では無事にあまねと再会し、牧瀬クリスを救出。ハッピーエンドでも美しい終わり方だった。1話の内容を伏線にして最後に回収する構成、やっぱり好きだ。
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