少女漫画のような世界観で差別と偏見と理不尽をテーマに描き切った非常に尖ったラノベアニメ。
だってそもそもの世界観設定が、妖精が人間に乱獲され片羽を奪われて奴隷にされてる世界というのだから、この時点でだいぶ尖っている。しかも、主人公の少女、アン・ハルフォードの目指す、この世界の最高権威の職業、銀砂糖師(銀砂糖と言う特別な砂糖で砂糖菓子を作る職人)の世界にまで女人禁制の風潮があり、登場する男キャラクターのほとんどは封建的で心が狭い。主人公の相手役の妖精、シャルですら、最初は偏屈で心を閉ざしているほどだ。
だからこそ主人公、アン・ハルフォードの特異性が輝く。彼女は偏見や差別を恐れないし、理不尽に屈しない。真正面からぶつかっていき、夢を掴み取ろうとする姿勢に視聴者もそして作中のキャラクター達もいつの間にか心を動かされている。だからといって完璧な人間というわけでもなく、それなりの偏見は持っているし、打たれ弱い所もある。ただそれが故に魅力的だし、シンデレラストーリーの主役足り得たのだと思う。
とにかく差別と理不尽をこれでもかと描くのでめちゃくちゃ腹立たしくなるが、その分報われる時はちゃんと報われるので、爽快感はすごい。
ただ最終回が凄く後味悪く終わるので、2期制作決定は本当に良かったと思う。
どうかハッピーエンドで終わって欲しい。
