「輪るピングドラム」の幾原邦彦監督作品。
今さらですが、やっと全話(全十一皿)観終わりました。
浅草の舞台設定は地元に比較的近い場所で土地勘があるので、身近に感じられたのですが、あからさまなBL要素とかなり強めな舞台劇またはミュージカル要素が、物語の理解を邪魔する感じがあって、紆余曲折ありつつも終わり方は、少年マンガ的で案外普通でした。
シリーズ構成としては「輪るピングドラム」と同様に前半と後半で、コミカルからシリアスへの転換があって、見えてものがどこまで真実かどうか見極めながら見ていましたが、漏れ出す部分だけは真実とするようなシステムとして形成されていて、意外と分かり易い感じでした。
とにかく多めの情報密度と、バトルシーンの楽曲とアングルの良さがあって、前半は意味は分からなくてもノリだけで楽しいのですが、後半世界観が見えてくると、思ったほど広がりがなく、11話ですべて納めるには若干窮屈さはあったようにも思えました。
それでも、BLや女装などジェンダーレスな部分も含め、アニメならではの不自然さを超えている表現になっていると感じますし、尻子玉を抜くところも下ネタっぽさはあまり感じさせないところなど、少し見る人を選ぶ作品だとは思いますが、実写取り込みなどのルーツもあって、劇場版輪るピングドラムにつながる部分など、色々な意味で「つながり」を楽しめる要素としては良かったです。