ヒノモトさんの映画レビュー・感想・評価

ヒノモト

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フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン(2024年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ドルビーシネマ上映館にて鑑賞。
1969年アポロ11号による月面着陸を成功に導くために、NASAでPRを担当することになったケリーが、全世界から注目を集めるために手段を選ばずに奔走し、ある極秘プロジェ
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リッチランド(2023年製作の映画)

3.7

1942年からのマンハッタン計画における核燃料生産拠点「ハンフォード・サイト」で働く人とその家族が生活するために作られた町リッチランドの歴史と現在の姿、長崎に投下された原爆の原料も作られた核施設、その>>続きを読む

先生の白い嘘(2024年製作の映画)

3.0

出演者のインティマシーコーディネーターの要望を受け入れずに撮影されたことが、変な形で波紋を呼んでいる今作ですが、その問題とは切り離して、純粋に感想を書きます。

ある出来事をきっかけに、女性であるこ
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ルックバック(2024年製作の映画)

4.3

「チェンソーマン」などの藤本タツキ原作同名コミックのアニメーション映画化作品。

学年新聞で4コママンガを連載していた小学4年生の藤本だか、不登校の同級生・京本の作品が投稿され、その画力の差に愕然とし
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ユニコーン・ウォーズ(2022年製作の映画)

3.6

魔法の森に住むテディベアとユニコーンで先祖代々続く聖戦を描くアニメーション映画。

「蛇の道」より前に観てたのですが、感想をペンディングしてました。
主人公のアスリンが母親の愛情を双子の兄に独占され
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蛇の道(2024年製作の映画)

3.5

連続投稿失礼します。
「蛇の道」オリジナルからの続きです。
(2024年セルフリメイク)
フランスを舞台にしていることと新山が塾講師から精神科医に変更され、精神科医と患者というバディで復讐を完遂しよう
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蛇の道(1998年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

「岸辺の旅」「スパイの妻」の黒沢清監督による1998年に手がけた同名映画をフランスに舞台を移してセルフリメイクした作品。
オリジナル版も配信で観直したので、両作品の感想を残しておきます。

娘を惨殺
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あんのこと(2023年製作の映画)

3.7

『SRサイタマノラッパー』や『AI崩壊』などの入江悠監督最新作。
2020年の日本で現実に起きた事件をモチーフに製作された作品で、母親から暴力を受け、売春の強要もされていた主人公の杏が、覚醒剤使用によ
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ありふれた教室(2023年製作の映画)

4.1

若手教師のカーラが新たな赴任先の中学校で起きた盗難事故に担当クラスの生徒が疑われる。独自に犯人捜しをするために、自身のPCカメラで職員室の光景を撮影した映像に、ある人物が盗みを働く瞬間が映し出され、そ>>続きを読む

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 後章(2024年製作の映画)

3.2

前章に引き続き、大学生になった門出と凰蘭や友人たちの大学生活と宇宙人の侵略の攻防の両軸で描かれる作品。

相変わらず映像のクオリティは大変高く、物語の重要な部分となる前章の謎めいた小学生時代のタイム
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関心領域(2023年製作の映画)

4.9

このレビューはネタバレを含みます

『アンダー・ザ・スキン 種の捕食』のジョナサン・グレイザー監督監督最新作。
第76回カンヌ国際映画祭でグランプリ受賞作。

1945年、大量のユダヤ人を収容、虐殺を行ったの隣の敷地に暮らす家族の生活
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胸騒ぎ(2022年製作の映画)

2.6

旅行先で意気投合したデンマーク人の家族とオランダ人の家族。オランダ人の家に招待を受けて泊まることになるが、そこで起きる家族の違和感から、恐怖体験へと発展するお話。

北欧発のヒューマンホラーという触
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ゴッドランド/GODLAND(2022年製作の映画)

3.9

「ウィンター・ブラザーズ」「ホワイト、ホワイト・デイ」のフリーヌル・パルマソン監督脚本による最新作。

デンマークの牧師ルーカスは、植民地アイスランドの村に教会を建てるために布教の旅に出て、その道程
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悪は存在しない(2023年製作の映画)

3.8

『偶然と想像』『ドライブ・マイ・カー』などの濱口竜介監督の最新作。
第80回ヴェネチア国際映画祭では銀獅子賞受賞作品。

昨年観た石橋英子さんのライブパフォーマンス映像作品『GIFT』と同じ映像素材
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システム・クラッシャー/システム・クラッシャー 家に帰りたい(2019年製作の映画)

4.6

2019年第69回ベルリン国際映画祭銀熊賞受賞作品。
9歳の少女ベニーは怒りの感情をコントロールできず、パニック発作を起こし暴力を振るってしまい、家族の元を離れ、保護施設を転々としている。そんな中、通
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インフィニティ・プール(2023年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

ブランドン・クローネンバーグ監督による「アンチヴァイラル」「ポゼッサー」に続く3作目のSFスリラー作品。

高級リゾート地に資産家の娘である妻と共に訪れた作家のジェームズが、小説のファンだと言う女性
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水深ゼロメートルから(2024年製作の映画)

3.9

「リンダリンダリンダ」「カラオケ行こ!」などの山下敦弘監督最新作の完成披露試写会(有料)に行ってきました。

徳島市立高等学校演劇部によって制作された舞台演劇作品の映画化作品となります。

体育教
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

3.5

連続投稿失礼します。
引き続きPART2の感想。
こちらもドルビーシネマ上映にて鑑賞。

娯楽的に楽しめたPART1に比べて、PART2ではほぼ砂の惑星だけのお話となり、特に前半は地味な印象でした。
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DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

3.9

2作目を観終わるまで、1作目の評価もしづらい感じがあり、2作まとめて感想を残しておきます。

先にPART1から
公開当時Dolbyシネマにて鑑賞し、PART2公開に合わせて改めて配信で観直しました
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デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章(2024年製作の映画)

4.2

なんで今までアニメでやらないの?と思ってた浅野にいお原作の同名コミックの映画2部作の前章といいつつ、原作未見です。

3年前の8月31日に突如現れた巨大母艦の恐怖の中で女子高生ライフを送る小山門出と
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漫才協会 THE MOVIE ~舞台の上の懲りない面々~(2024年製作の映画)

3.4

漫才コンビ・ナイツの塙宣之初監督作品。
自ら会長を務める漫才協会、活動拠点である浅草東洋館の舞台に立つ芸人たちにスポットを当てたドキュメンタリー映画です。

著名な芸人も登場しますが、主に舞台でしか
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NN4444(2024年製作の映画)

3.5

不条理ホラー短編作品集。
短編ながら4作連続で観る体験は少し脳が疲れました。
短めに感想書きます。

全体的には、不条理な世界観をどのように映像に溶け込ませるかというところと、限られた時間内に消化で
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ボーはおそれている(2023年製作の映画)

4.6

このレビューはネタバレを含みます

「ミッドサマー」「ヘレディタリー 継承」のアリ・アスター監督最新作。

不安症の男ボーが離れて暮らす母親の怪死を知り、一刻も早く駆けつけるためにアパートを出るが、日常とは違う光景に苛まれ、行く先々で
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カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

3.8

『リンダ リンダ リンダ』『苦役列車』などの山下敦弘監督最新作。
原作未見ですが、聞いたところによると原作はBL色が強いようですが、映画自体はそんなことは感じさせず、コミック原作ながら不自然さは少なめ
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雨降って、ジ・エンド。(2020年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

映像ユニット「群青いろ」による新作が2作連続劇場公開されるとのことで、「雨降って、ジ・エンド。」の初日に鑑賞しました。

写真家を目指す日和が、顔にピエロのようなメイクをした雨森と出会い、瞬時にカメ
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サン・セバスチャンへ、ようこそ(2020年製作の映画)

3.9

もう日本で公開されないのかと思ったウディ・アレン監督2020年の作品。

かつて映画を教えていたモート・リフキンは、小説を執筆中。映画の広報の仕事をする妻のスーに同行し、サン・セバスチャン映画祭に参
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すべて、至るところにある(2023年製作の映画)

3.9

リム・カーワイ監督による『どこでもない、ここしかない』(2018)、『いつか、どこかで』(2019)に続くバルカン半島3部作の完結編。
 
バルカン半島を訪れたマカオ出身のエヴァが映画監督のジェイと出
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ハム・オン・ライ(2019年製作の映画)

4.1

同年代の少年少女たちが着飾り、地元のお店「モンティーズ」でサンドイッチを食べながら、店内で行われるある儀式とその先のお話。

違う映画目的のついでに鑑賞しましたが、1週間しか上映がないこちらのほうが
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サンクスギビング(2023年製作の映画)

3.6

クエンティン・タランティーノとロバート・ロドリゲス「グラインドハウス」B級ホラー2本立ての幕間に流れたフェイク予告編『感謝祭』をが長編映画化、イーライ・ロス監督作品。

感謝祭で起きた事件の1年後、
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野球どアホウ未亡人(2023年製作の映画)

3.7

2023年公開のインディーズ作品ですが、池袋シネマ・ロサでの凱旋上映最終日に滑り込みで初鑑賞できました。

亡くなった夫の借金返済のために草野球の投手を務めることとなった夏子が、監督の重野との特訓の
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みなに幸あれ(2023年製作の映画)

3.1

「誰かの不幸の上に、誰かの幸せは成り立っている」というテーマの上で、祖父母が暮らす田舎へやって来た看護学生の孫が、祖父母の家にいる何かとその村の違和感に対峙していくお話。

初日の舞台挨拶回にて鑑賞
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NOCEBO/ノセボ(2022年製作の映画)

3.6

『ビバリウム』のロルカン・フィネガン監督最新作。
ファッションデザイナーのクリスティーンが仕事中にダニに寄生された犬の幻影に襲われ、その後記憶障害や幻覚などを引き起こす状態が続いている。彼女の前にダイ
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葬送のカーネーション(2022年製作の映画)

4.3

葬送のフリーレンじゃないです。
トルコのベキル・ビュルビュル監督による作品。

老人と身寄りのない孫娘が、身近な人の遺体の入った棺桶を故郷に埋葬するために運ぶロードムービー。

できるだけネタバレ
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義父養父(2023年製作の映画)

3.7

濱口竜介監督の「悪は存在しない」で主演をされている大美賀均さんの初監督作品。

服飾デザイナーのリカの母親の再婚相手の双子の兄は、精神疾患の妻がおり、末期癌であるが故に、リカに養子に来て欲しいと頼み
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4つの出鱈目と幽霊について(2023年製作の映画)

3.8

昨年末までに観た映画で感想を書いてない作品が溜まっているため、少しずつ言語化していきます。

先日の「彼方のうた」に引き続き、小川あんさん主演作品。
すごく惹かれるタイトルのチラシを見つけて、最終日
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彼方のうた(2023年製作の映画)

4.1

『ひかりの歌』『春原さんのうた』の杉田協士監督最新作。

書店員の春は駅前のベンチに座っていた雪子に道を尋ねるふりをして声をかけ、雪子の醸し出す悲しみを見過ごせずに、関係を築き始める。一方で春は剛の
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