超電磁マシーン ボルテスVの40の情報・感想・評価

エピソード40
崩れゆく邪悪の塔!!
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あらすじ
遂に黄金城の正門がボルテスVの一撃に崩れ落ちる!健一たちとハイネルを結ぶラ・ゴールの悲劇とは?いま、全ての戦いが終わった…。
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おはうち

おはうち

貴族の住まう塔に向かうボルテスの足元から労奴軍が一緒に進行するカタルシス。門前に佇む屈指のボルテスの巨大描写、権力を象徴し民衆に圧政を敷いた城砦をバッタバッタと破壊する巨大特撮の大魔神感。これが強きをくじき弱きを助けるヒーロー。腐った権力と戦う勇気を与える。 守護神ゴードルもまた巨大特撮感のあるスケール、ボルテスとの殺陣も建物との対比が行われるので迫力がある。元々プカプカ浮いてるか、だだっ広い地平に足を付けて戦うのをメインにしていただけに、最終話で市街地の背景込みで構築されたアクションには痺れたよね。 健一とハイネルとの血縁関係が判明してから、爆弾が爆破して咄嗟に健一を庇って助けて、両者が見合う切り返しで助けてしまった衝撃+助けられた衝撃。炎と涙と共に散るハイネルには泣かされた。 角があるとか無いとかに最後まで拘ったプリンス・ハイネルの優生思想を取っ払えない視野の狭さ。カザリーンが亡くなっても邁進する姿の救えなさ。スパロボ補正があるとか無いとか、やりて〜な!
鈴木パンナコッタ

鈴木パンナコッタ

超電磁マシーン ボルテスV 第40話 崩れゆく邪悪の塔!! 感情を動かすという点において、あとにも先にもボルテス最終話を超えるものは無いよね。情念が爆発するウェットなドラマの極み。カザリーンの死とハイネルの出生が明らかになる二段構えの泣かせるドラマ。スゴすぎる。 ハイネルの最期の言葉が「お父さん」ってのがスゴい。だって普通なら「ボアザン帝国に栄光あれ!」とか言わせたいじゃん。ハイネルってそういうキャラでしょ。でも差別制度を否定するためにカッコいい台詞を言わせない。ハイネルの死に憧れさせない。この強烈な執念。 ハイネルが貴族の誇りにこだわることで、貴族の身分を捨てて生きようとしたカザリーンが愛に殉じる。それも誇りを失ったボアザン貴族の手によって殺されて。そして自分の出生を知り、虫けらと見下した相手が弟で、唾棄すべき裏切り者が父と判明。ツノのある同胞のための戦いがその意義を失い、ダメ押しに皇帝ご乱心。今風に言えば尊厳破壊か。ハイネルが信じてきた世界が崩れて、最後に家族だけが残る。 ちょいワルってカッコいいんだよね。「ツノを持たない虫けらめ!余は誇りあるボアザン貴族だぞ!」って、やっぱりどこかに惹かれる気持ちが湧いてくる。自信満々でデキる男だもんな。でも差別のある社会を変えるために、あえて酷い目に合わせる。強烈な最期はものすごく強い印象として記憶にも残る。 ボルテスチームはもう地球を守り終わったし、父親とも再会できたから、課題を終えて消化試合みたいな状態。最後に物語を締めるのはハイネルだから、ボルテスそのものがハイネルの物語みたいに感じられる。メチャクチャかっこいい絵でカザリーンを看取ったり、弟と戦って、絞り出すような声で後悔を口にするから、見てると飲み込まれるよな。 このラストに向けた流れも上手くて。最初はボルテスが城を攻めるけど、巨大感が強調されてメカっぽい印象。それが守護神ゴードルとは剣で戦い、人間っぽいアクションになる。そして最後に健一とハイネルが傷付き血を流しながら戦う。徐々に生身の人間同士の戦いに近づいて、どんどんテンションが上がっていく。最高潮になったところで真実が明かされて、ガーンとショックを受ける。この盛り上げていく展開の上手さよ。いやー最高。メチャ面白い。
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