梅ちゃん

PLUTOの梅ちゃんのレビュー・感想・評価

PLUTO(2023年製作のアニメ)
4.0
その憎しみは、何処から来るのか―――

漫画神・手塚治虫による不朽の名作〈鉄腕アトム〉 の一編、超有名エピソード〈地上最大のロボット〉を、〈20世紀少年〉〈MONSTER〉の浦沢直樹がリブートした漫画の映像化作品。60分×8話。

謎の存在に次々と破壊されてゆく世界最高と称される、アトムを含む7体のロボット。捜査に当たるユーロポールのスーパーロボット刑事ゲジヒトの目線で物語は進む。

浦沢タッチでリファインされたそれぞれのキャラクターデザインは、懐かしくも新しい。リアリティラインへの絶妙な寄せ方が、もはや神の所業。お茶の水博士が違和感無く出てきたことには驚いた。

ロボットと人間の関係性🤖🤝🧒
数々のSF作品で幾度となく取り上げられてきた、手垢のついたテーマといった印象ですが、1964年にこの物語が既に創造されていたということに驚く。

本作の現代的なテーマでの作劇はもちろん、ポリコレに対する石ノ森章太郎の〈サイボーグ009〉など、日本の漫画文化創世期における、巨人たちの先見性の高さ、日本人として心から誇りに思います。ようやく時代が追い付いた感、ありますね。

技術の発展に伴い、対話型AIの実用性が取り沙汰され、これからの雇用とAIの関係について議論が行われている昨今、まさに今の映像化はタイムリーだったと感じました😌✨



以下、超私的与太話🙄💭



仕事の打ち上げの席などで『ショットテキーラ10連コンボ!YEAHHHH!!🥃🥃🥃🥃🥃😆』とか、そういうゴキゲンなことをやっていた、世はまさに大馬鹿時代🏴‍☠

明け方に帰宅し、便器に顔を突っ込み、暫くの間、一人真摯に自分と向き合っていた時、ドアの外から聞こえてきた、当時幼稚園に通っていた息子の声。

『ゲボヒコー!キャキャキャ!』

何ということだ。
あろうことか、敬うべき父の〈◯◯ヒコ〉という名前を、〈ゲボヒコ〉と不名誉にアレンジ。その上、自分の言葉で自分が爆笑という唾棄すべき愚行を、愛する息子が今まさに冒しているのだ。

あの時は愕然とした。
彼はどんな大人になるかと本気で心配した。
今思えば杞憂でしたが、当時は知る由もなかったため戦慄。

その後、いやちょっと待てと。
それは少し違うのではないかと。
そこに愛はあるんかと。
必死の説得を試みましたが、甲斐なく以下の通り。

息子『ゲボヒコ〜😮』
僕『なに〜?😊』
妻 ニヤリ😏

暫くの間我が家のリビングでは、こういったやり取りが続きました。

本人は笑顔で否定していましたが、妻が言わせた疑惑、未だ晴れていません。
てか言わせてるだろ。
そのことが、しばらく夫婦関係に黒い影を落としたことは言うまでもありません😨

何が言いたいかというと、劇中『ゲジヒト』という言葉が出てくるたびに、『ゲボヒコ』という単語が脳裏をよぎり、当のゲボヒコは、心からこの作品を楽しむ事は出来ませんでした、というお話😓

…ショック!😱
(©天海祐希)