再鑑賞は2016年以来。
京都府大会を突破し関西大会に進む北宇治高校吹奏楽部。部員同士の結束は強まった一方で部外の人間がドラマに関わってくる。途中で部を辞めた友人、吹奏楽に未練を残すキョウダイ、喪失感を抱く指導者、そして本音のわからない先輩。紆余曲折を経てそれぞれが音を届けたい大切な人を見つけ出していく。
シーズン1から変わらぬ作画クオリティ、切実なドラマを盛り上げる音楽演出、そして今シーズンは久美子の発する言葉の重みと声の演技が素晴らしい。シーズン1の最初と最後で美しいアークを描いた久美子がシーズン2でさらに大きく成長する。心中に抱える思い、わだかまる気持ちを言葉と音で発していく。
今シーズンで3年生は卒業を迎えバトンは2年生に受け継がれる。この継承のドラマ構成がとても感動的なため観ながら思わず「3年生たちおつかれさま!」と声をかけたくなるほど。最終話、じゅうぶん感極まったところでまさかのタイトル伏線回収でとどめの鳥肌。先輩は本当に卒業したのだった。お見事。
シーズン1、シーズン2と連続で見返したことであらためて本シリーズの素晴らしさを理解し堪能した。これで心置きなく最新シーズン3を楽しめる。文句のつけようのない作品ではあるが敢えて言うなら北宇治高校の地元育ちの京都人として作中キャラクターの誰も京都弁を話さないのはちょっと寂しく悲しい。
https://x.com/syuhei/status/1788189612558737646