前半エピソードは劇場公開版を再編集したもので、原作は既読でもストーリーをほぼ忘れていたが、改めて観直すと明朗快活に楽しく、思わずコミックス完全版を買ってしまった。完全版にあった鳥山明による制作秘話で「老人とモンスターとミリタリーが描きたかった」と振りかえっているように、本人が好きな要素が詰まっている。悪事は働くが命までは取らない悪魔に象徴されるように、生死に関わるバトルものなのに「死」の描写を避けているのは、全世界配信のディズニープラスとしての配慮もあるだろうが、殺生過多となっていった『DRAGON BALL』へのアンチテーゼにして鳥山本来の作家性かもしれない。
CGキャラの動きもぎこちなさは感じなかったし、何よりボイスキャストがハマり過ぎ。劇場版は不入りだったというネガティブなニュースが信じられない。これだったらちゃんと観に行けばよかったと反省。
ただ、ディズニープラスオリジナルとなる後半エピソードは、機械や武器兵器のガジェットに既視感があって新鮮さが薄れており、何よりストーリーが冗長。「死」を描かない描写は、後半ではマイナスに働いたかな。