Misaki

ハズビン・ホテルへようこそのMisakiのネタバレレビュー・内容・結末

ハズビン・ホテルへようこそ(2024年製作のアニメ)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

傑作〜!!!
絵柄はカートゥン、描写はR18のディズニーミュージカル!、、と見せかけて後半はズートピア以上の激重風刺展開で大優勝でした。こりゃすごい


・A24作品って、一定の確率で最低下ネタ入ってる気がするけど(ディックロング、エブエブ)、なんかあるのかな笑

・音楽が良すぎる
1曲目は美女と野獣の朝の風景(Belle)オマージュたっぷり、アランメンケン風味たっぷりの音楽に載せて
最低な地獄を紹介する曲。
ポップな音楽とhellな描写がミスマッチすぎて爆笑

この曲は特に「ザ・ミュージカル」「ザ・ディズニー」の最低方面なオマージュてんこ盛りなので、
アンチディズニー勢もディズニーオタクもにっこり。
取りこぼす人がいない天才の作り笑

1話につき2曲なのもたっぷりで贅沢!!
30分×8話で16曲聴けるのはすごい

俳優もBWミュージカル俳優など、プロを起用してるので、歌唱シーンも大満足のクオリティ。
チャーリーが近年のディズニープリンセスすぎる。アナとかラプンツェル系。

メンケンの新曲が減ってるなか、王道メンケン風楽曲が潤沢な予算で作られるの嬉しすぎる。ありがとうありがとう

この曲このシーン、あれのオマージュだな笑 みたいなのが多くて楽しすぎる
あと、曲がいいのに歌詞が最低で面白すぎる
The Book of Mormon の系譜。

あとハモりが潤沢で本当に嬉しい
なんと贅沢なんだ


・そもそも、アダムとイブ、天使と悪魔、天国と地獄、というモチーフがあまりにもキリスト教オタクに刺さりすぎた。開始30秒、1話のモノローグで釘付けだった。
善と悪の話大好きだよ〜〜倫理〜!!

天使が善で悪魔が悪のはずが、天使の方が醜悪じゃない、、?!となる展開、良すぎる
価値観の塗り替え!

これ一体どうなっちゃうんだ
とっても楽しみ


・4話、突然の激重性搾取描写がエグすぎて笑えなかったが、そこからのハスクの曲の良さが異常だった
シーズン1のハイライトすぎる
「現状がクソなのは一旦受け入れる、でも1人じゃない」という展開、全然普通に泣いた

性搾取の解像度が高すぎることと、ハスクの曲でのオチに、
「ただモノではないぞこのアニメ」となった


・7話?のエミリー反逆ソング、あまりにもえぐかった
タイミングもあり、「ガザの話じゃん、、、、」となり絶句だった

葛藤の末黙認したセラよりも、「娯楽のために虐殺する」アダムが一見悪そうに見えるけど、
実はセラが1番やばいよね?「善のため」犠牲は仕方ない、必要悪だ、として虐殺を肯定する方が余程グロテスク。

そして自分らの安寧のために虐殺を黙認するって、我々の話ですよね???
虐殺の事実を知った時、エミリーになるかセラになるかが、人間を分けるのではないですか?
どちらになるのかが、視聴者である我々に問われているのではないですか????
となってしまった

人が残酷になるのは、
「あちら側とこちら側」の線引きをしたときで、
あちら側なら犠牲は仕方ないとするのが、そもそも差別ですよね?
というレベルの話が組み込まれており(それはまだ言い過ぎ?)戦慄だった。


一見そうは見えないポップな表象で、キレキレのメッセージを包む作品がツボなので、
かなり好きだった。クオリティ高すぎる。

シーズン2も楽しみ
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