小皿

ヴァイオレット・エヴァーガーデンの小皿のレビュー・感想・評価

4.5
人の心と手紙にまつわる物語。
ひと月前ぐらいに7話まで続けて観たけれど、10話が神回とのフォロワーさんのレビューを観て、視聴を再開。
目には見えない思いを文字として、言葉として、形にする中で、戦時下で愛を知らない少女が愛を知っていくのだけれど、自動手記人形=ドールと呼ばれる架空の職業の仕掛けが、この物語の成否に大きく関わってくるのだと思えた。
手紙という、今となっては前時代的な媒体は、電話やメールといった新しい媒体にとって代わる以前のその時代設定と、ドールが存在し得る架空の世界と、僕たちの歴史的な記憶にマッチングする世界とを結びつけて構築されなければならなかった。その絶妙な世界観がこの物語の根幹となっている。
そんなことを思いながら観ていたけれど、8話でヴァイオレットのこの物語の核心に触れて涙し、神回と聞いた10話でさらに号泣😭
手紙だけが持つ超時代性は、データではなく、人と同じように古く朽ちてゆくものだからこそ生まれるのだと感じられた。
京都アニメーションの画は、一瞬であっても見逃したくない美しさに溢れていて、何度も繰り返して見返したくなります。
小皿

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